モラハラ被害者が解決に至るまでの具体的な流れ
今回は、モラハラ解決までの流れを、被害者体質改善講座を中心に具体例を用いて説明していきます。
我々の初回相談(50分無料)では「実際にどのような支援をしているのか」とよく質問されます。
具体的な支援内容をより詳しくお伝えしたいと思い、この記事を執筆することにしました。
被害者・加害者・夫婦という立場によって支援内容は異なります。
また、単独で受けるか夫婦で受けるかによっても、モラハラ解決への道のりは変わってきます。
我々の支援スタンスについて
ここで、我々の支援スタンスについてお伝えします。
我々はモラハラ解決のサポート役として伴走しますが、実際の変化を起こすのはあなた自身です。
これは、ダイエットのパーソナルトレーナーに例えるとわかりやすいでしょう。
トレーナーは最適な方法を提案しますが、実践するのは本人です。
多くの方が経験する葛藤
支援を受ける中で、多くの方が葛藤を経験されます。
頭では「変わりたい」と思っていても、いざ実践となると「パートナーに怒られるのが怖い」「不機嫌になられるのが耐えられない」という気持ちが湧いてくるのです。
これは、長年のモラハラ被害で心身が疲弊している状態では、とても自然な反応です。
しかし、ここで立ち止まってしまうと、現状は変わりません。
面談の時間を「相手への不満を吐き出す場」だけにしてしまうと、具体的な対処法を身につける時間が取れなくなってしまいます。
一緒に進んでいくために
私たちは、あなたが一歩を踏み出せるよう、丁寧にサポートします。
不安や恐れを感じるのは当然です。
だからこそ、面談では様々な提案や実践的なロールプレイを行い「できそう」と思えるまで一緒に練習します。
支援期間を最大限に活用していただくことで、確実に変化を実感できます。
我々の願い
我々はモラハラ問題を解決し、あなたとパートナーが健全な関係を築くことを何よりも願っています。
そのために、この記事では支援の具体的な流れをできるだけ詳しくお伝えします。
「自分にもできるかもしれない」 そう感じていただければ幸いです。
それでは、被害者体質改善講座の具体的な内容について説明していきます。
もくじ
各講座の共通内容
まず、各講座での共通内容をざっくり説明します。
一つ目は、モラハラの概念を理解することです。
モラハラやハラスメントという言葉は、ここ10年ほどで急激に認知が広がりました。
しかし、それらの概念を具体的に語れる人は、まだまだ少ないと思います。
2つ目は、法令についての理解です。
2024年4月からDV防止法に精神的暴力も該当するようになりました。
また、モラハラの問題は、エスカレートすると身体的DVやストーカー化したり、傷害罪、暴行罪、脅迫罪などに該当するケースもあります。
これらの基礎知識は、被害者の場合は冷静な対処に役立ち、加害者の場合は自省を促すために学んでいただきます。
3つ目は、バウンダリー(心の境界線)の概念を理解することです。
これは、自分と他人を区別する心理的な境界線を指します。
「自他の区別をつける」というと、加害者のみ改善すれば良いと思われるかもしれません。
しかし、被害者も境界線が引けていないために加害者の侵入を許し、結果的にモラハラの関係に至っているのです。
そのため、被害者の方にも、この概念を理解し実践していただく必要があります。
被害者体質改善講座について
まず、この講座の対象者は、モラハラ被害を受けている方です。
パートナーからモラハラ被害を受けていると感じている方が受講対象になります。
被害者の方に多いのが、パートナーからのモラハラ被害が長いほど心身共に疲弊しており、カサンドラ症候群や抑うつ状態にある方です。
初回面談で聞き取りを行い、不眠や動悸、場合によっては希死念慮などが確認された場合は、迷わず精神科や心療内科への受診をお勧めしています。
ここまでの状態に至ると、我々の面談だけで改善するのは困難であり、医師による適切な治療が必要な段階だからです。
また、被害者体質の改善には、自身の問題と向き合う必要があり、大変エネルギーを要します。
そのため、心身共に支援に耐えうる状態かを初回面談で見極めます。
現状の問題と主訴の聞き取り
心身共に支援可能と判断された場合、現状の問題や主訴を聞き取ります。
パートナーの加害の度合いを見極めた上で、例えば身体的DVや経済的DVがある場合は、基本的に離婚をお勧めしています。
その理由は、まず命の危険があることです。
また、経済的DVは加害者の金銭感覚の問題であり、加害者自身がそれを経済的DVだと自覚しない限り改善しないからです。
では、加害者が自覚すれば改善するのかというと、そう単純ではありません。
その背景には、ギャンブル依存症や浪費癖、多額の借金、あるいは収入自体が少ないなどのケースがあります。
逆に言うと、ある程度の収入があり、ギャンブル依存や借金がないのであれば、加害者自身が経済的DVと自覚し、話し合いが可能な状態ならば改善の余地があると言えます。
このように、場合によっては離婚をお勧めするケースもあります。
離婚を選択する場合の支援
ただし、離婚を選択する場合であっても、我々からの支援は可能です。
裁判に至るケースでも、関係性がある限りパートナーからのモラハラがなくなるわけではありません。
モラハラでの離婚は加害者が応じないケースが多く、基本的に長期化します。
加えて、別居中や離婚後に逆恨みしてストーカー化するケースも増えています。
こうした最悪のパターンを避け、加害者との円満離婚を行うためのサポートを行います。
また、必要に応じて弁護士の紹介なども行います。
モラハラ解決を目標にする場合の支援
次に、離婚せずモラハラ解決を目標にする場合についてです。
毎回の面談では、基本的に現状の問題への対処法をお伝えします。
被害者体質の改善は、テキストを読んでいただいたり、ワークを宿題として出しますので実践していただきます。
被害者体質を改善するとは、嫌なことは嫌だと断る、言い返せるようになる、パートナーに振り回されないことが目標です。
これは先ほど説明した、バウンダリー(境界線)の概念を実践するということです。
ただし、頭では理解できても、実践となると出来ない人がほとんどです。
その理由は様々です。
パートナーにキレられるのが怖い、倍返しをされるのが怖い、言いくるめられそうで嫌だなど。
実際に多いのが「不機嫌になられるのが嫌だ」という理由です。
また、ケースによっては「波風を立てずにモラハラを解決したい」と主張する方もおられます。
しかし、波風を立てないというのは何も行動しないということであり、当然ながらモラハラの問題は改善しません。
ロールプレイと実践練習
面談では、パートナーとの会話を想定して、言い返し方や切り返し方のロールプレイを行います。
面談で方法を理解していただいた後は、ご自身で練習していただき、パートナーの発言に対して反射的に言葉が出るよう精度を高めてもらいます。
これは野球で言うところの、コーチと選手の関係だと思ってください。
選手に合ったスイングをお伝えし、それを体に染み込ませるために個人で素振りをしていただく感じです。
被害者体質の改善には、こうした地道な鍛錬が必要になります。
感情のコントロール法
次に、感情のコントロール法についてです。
これは主に加害者が怒りの感情をコントロールするために必要ですが、被害者の方にも必要な部分です。
被害者の方に多いのは自責の体質であり、それが自己肯定感の低さにつながっています。
被害者に多いのは毒親育ちで「お前が悪い」「お前が私を怒らせる」などの人格否定や批判を受けてきた方です。
そうした言葉を真に受けて自分を責める体質になり、物事の捉え方がネガティブになったり、自責の自動思考が定着しています。
そのため、ネガティブに偏った認知をフラットに変えていくために、感情のコントロールが必要になります。
ジャーナリングという感情日記的なもので書き出すことで、自身のマイルールや自動思考が明確になっていきます。
復讐心への対処
また、被害者の方で稀にあるのが、支援を進める中で加害者に対する復讐心が芽生えてくるケースです。
以前に「モラハラ夫に復讐したくなる理由」という記事でも触れましたが、被害者の心の回復過程として、「自責期→他責期→反復期」という流れがあります。
- 自責期は、加害者から「お前が悪い」と言われ、自分を責めている状態です。
- 他責期は、自分がされていたことがモラハラだと気づき「私は被害者だ」「夫が許せない」など怒りの感情が湧いてきた状態です。
- 反復期は、怒りの感情を反復し「なぜ私がこんな酷い目に遭うのか」「アイツが絶対に許せない」など強い感情を繰り返す、一番しんどい状態です。
この反復期はモラハラ被害を受けていた期間と比例すると言われています。
期間が長いほど加害者への復讐心が強くなり、結果的に加害者を自身の思い通りにしようとしてしまいます。
具体的には、ほんの些細なことでも自身のマイルールから逸脱した行動をすると「許せない」「そんなの常識だろ」と批判的になります。
結果的にバウンダリーを超えた思考になり、さらに加害者は被害者の思うような行動を取らないため、怒りが増加していきます。
こうした怒りを我々に心情として伝えるのは良いのですが、フキハラという形でパートナーに出してしまうと関係性は壊れていきます。
そのため、復讐心などの感情をコントロールするためにも、ジャーナリングなどで日常的に怒りの感情を吐き出す作業が必要になります。
これはかなりしんどい作業です。 しかし、続けていけば必ず効果があります。
根本的な解決のために
我々のLINEなどで愚痴という形で吐き出すのも良いのですが、それだけでは根本的な解決には至りません。
それは、あくまでも夫の行動に一喜一憂し、振り回されているに過ぎないからです。
怒りは二次感情であり、解決には自身の本音、つまり一次感情を理解する必要があります。
被害者の方によっては「私が何でこんなに我慢しないといけないのか。悪いのは夫なのに」と訴える方もおられます。
ただし、モラハラ夫に復讐したり暴言を吐いても、一時的にはスッキリするかもしれませんが、加害者と同じことをすると今後あなたが不利になります。
モラ夫に揚げ足を取られて弱みを握られるケースも考えられます。
再構築するのであれば、今後も関係性を続けていくのであれば、自身の感情は相手にぶつけるのではなく、自身でコントロールし自己完結する技術を身につける必要があるのです。
この作業はかなりしんどいと思いますし、決して一人では出来ないと思います。
我々リジェネが専門的知識を持ってサポート致しますので、安心していただければと思います。
また、被害者体質であっても「加害性がある」方ももちろん存在しています。
その場合に、再構築や今後に向けて「自身の見たくない加害性や負のコミュニケーションパターン」を指摘させていただくことがあります。
その理由は、当社は「心理カウンセリング」ではなく「問題解決」を重視しているからです。
自身が被害者であることを手放して、次のステップに進み現状を変えたいと感じられるようになってから、講座を受講されることをお勧めします。
【この記事を書いた人】
経験と専門性
- 夫婦でモラハラの問題を克服した専門家
- ASD・ADHDの混合型診断済み
- モラハラ加害者としての更生を実現
- 週刊文春オンラインでの3記事の連載で加害者心理と更生過程を完全公開
臨床経験(2010年〜)
カウンセラーとして幅広い支援経験
- 公的機関での生活保護・生活困窮者自立支援
- 福祉施設での精神疾患・発達障害者支援
- うつ病の方の復職支援
- 元受刑者・薬物依存者への更生支援
- ひとり親・DV被害者相談
- 企業内パワハラ相談
- 自助グループ・セミナー開催
メディア掲載実績
新聞・雑誌掲載
- 週刊文春オンライン(2024年11月 3記事連載)
- 産経新聞(2021年9月)
- 神戸新聞 まいどなニュース(2021年3月)
- 中日新聞 ねぇねぇちょっと特別編(2021年12月)
- ウレぴあ総研 ハピママ(2023年7月 3記事掲載)
テレビ・ラジオ出演
- NHK「ほっと関西」(2021年11月出演)
- KBS京都「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」(2021年9月出演)
全国11媒体でモラハラ解決の専門家として紹介
モラハラの問題で苦しんでおられる方々の少しでも力になりたいと思っています。
まとめ
今回は長くなったため、被害者体質改善講座で、行う内容のみを説明しました。
次回は、加害者体質改善講座、夫婦関係改善講座の内容を説明していきます。
モラハラで苦しんでいるあなたへ
私たち夫婦も、かつては離婚寸前まで追い込まれました。
しかし諦めずに夫婦で協力し、モラハラの問題と真正面から向き合い、解決することができました。
現在は幸せに暮らしています。
すぐに離婚だと諦めないでください。解決への道は必ずあります。
私たちがどのようにして危機を乗り越えたのか、被害者妻と加害者夫の両方の目線でリアルに書いています。
被害者の視点から学ぶ
もし「記事は理解できたけれど、うちの場合はどうすればいいのかわからない…」と感じているなら、一人で抱え込まず、ぜひ私たちにお話を聴かせてください。
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