モラハラ被害者が知るべきテイカーの特徴と対処法
今回は、モラハラ被害者が知るべきテイカーの特徴と対処法について解説します。
以前に、モラハラ被害者が知るべきフレネミーの特徴と対処法についての記事を書きました。
今回は、それに続く形で、人間関係で消耗しやすいテーマとして、テイカーを取り上げます。
フレネミーが、友人の仮面をかぶって近づいてくるのに対し、テイカーは、もっと直接的です。
「助けて」「お願い」などと、はっきり要求をしてきます。
そのため、リジェネの相談者の中にも、モラハラの相談とあわせて、テイカーのような人間関係に悩んでいる方が少なくありません。
そこで今回は、私が実際に見聞きした、身近な人たちの事例をもとに、テイカーの特徴と対処法を解説していきます。
もくじ
テイカーとは
テイカーとは、人間関係の中で、与えるより受け取る方が多い人のことです。
この言葉は、心理学者アダム・グラントの著書、GIVE&TAKEで紹介されました。
著書の中では、人は大きく3つのタイプに分けられるとされています。
与える方が多いのがギバー、受け取る方が多いのがテイカー、そして、与えることと受け取ることのバランスが取れているのがマッチャーです。
ざっくり言うと、テイカーは、相手から搾取することのみに特化しています。
テイカーの特徴
テイカーの行動には、共通した特徴があります。
これらが積み重なると、あなたを確実に消耗させていきます。
テイカーの特徴の事例
- 自分の都合を最優先する
- 頼みごとは多いのに、お返しは一切しない
- 相手からの好意や気遣いを、当たり前だと思っている
- 普段は連絡がないのに、困った時だけ頼ってくる
- 何かしてもらった直後から、次の要求をしてくる
- 断ると「あなたは器が小さい」と嫌味を言ってくる
- 少しでも指摘すると「責められた」と被害者面をする
- 友達だからと値切る、対価を支払わない
- 人間関係を損得で判断し、自分の利益を優先する
- 相手の時間や労力を軽く見ている
- 用が済んだら、連絡が途絶える
こうした特徴は、相手の体調が悪かったり、タスクオーバーでイライラしていたりする時なら、誰にでも起こり得ます。
ただ、これらの行動が日常的に続いているなら、テイカーと疑ってよいと思います。
また、ここに挙げた特徴が、全てではありません。
重要なのは、相手と会っている時、あなたの心がどう動いているかです。
一緒にいて
- 「何か疲れる」
- 「あの人といるとしんどい」
- 「私ばかり我慢している気がする」
そう感じるなら、それは、距離を置くべきタイミングです。
フレネミーとの違い
どちらも人を消耗させますが、相手への近づき方がまったく違います。
テイカーは、要求がストレートです。
助けて、お願い、と直接頼ってくるので、何を求めているかが最初からわかります。
フレネミーは、その逆です。
最初は親友や味方のように振る舞い、距離が縮まってから、裏で動き始めます。
実害の出方も対照的です。
テイカーは、明確に時間やお金、労力を奪ってくるので、心身ともに疲れ切った時点で「私は利用されていたんだ」と気づきます。
一方、フレネミーの場合は、陰口や情報操作、嘲笑などで、真綿で締め付けるように、あなたを追い込んでいきます。
味方だと思っていたのに、なぜか一緒にいると疲れる、そんな違和感だけが残ります。
テイカーのように、明確に搾取されるわけではないので、気づくまでに時間がかかります。
態度にも違いがあります。
テイカーは、あなたがしてあげても「当たり前」という顔で、感謝しません。
一方、フレネミーは、表面上、あなたのことを褒めたり心配したりしながら、裏では陥れるような態度を取ります。
おさらいすると、奪う量が見えやすいテイカーと、関係の二面性で気づきにくいフレネミー、この違いが、実害の出方にも表れていると言えます。
身近にいるテイカーの実例
家族全員から搾取する人
知人であるAさんの、姉の話です。
Aさんの母親は、心臓と足に持病があります。
それでも、姉は自分では何も動かず「⚪︎⚪︎持ってきて」「⚪︎⚪︎作って」「洗い物して」と、指示を出すだけです。
母親だけでなく、妹のことも、同じように使います。
Aさんは、実家に帰るたびに、キッチンに立たされ、調理や洗い物をさせられます。
食材の買い出しも、費用も、Aさんが持たされます。
大人数分の食費なので、決して安くはありません。
そのやり方も、いつも同じです。
一緒に買い物に行こうと誘われ、カゴに食材を山ほど入れられた後、レジの前で財布にお金が入っていない、入れるのを忘れた、と言われます。
これが毎回、3万円以上になります。
姉の娘は、まだ小学2年生ですが、そのお年玉すら使い込まれています。
返してほしいと伝えると「お前が大きくなるまでに、どれだけかかったと思ってるんだ」と、逆にキレられます。
お金にまつわる話は、他にもあります。
妹の友人たちからも、複数人、多額の借金をしています。
返してほしいと言われるまで、自分から返そうとはしません。
数年経ってから、少しずつでもいいから返してほしいと言われても、謝ることはなく、ちょうど返そうと思っていたところ、と言い訳から入ります。
しかも、返す金額はごくわずかで、このままでは完済のめどが立ちません。
自分の思い通りにならないと、すぐにブチギレます。
家族を、まるで自分の所有物のように扱っている人です。
感謝も謝罪もない人
知人であるBさんの、元カレの話です。
Bさんは彼氏から、ジュース1本も奢ってもらったことがありません。
反対にBさんは彼の車に乗せてもらうたびに、彼の分のジュースも必ず買っていました。
また、食事は毎回、割り勘で10円単位まで、きっちり請求されます。
サイゼのような、安い店でも必ず請求されます。
誕生日のプレゼントも、Bさんは必ず渡していますが、彼から貰ったことは一度もありません。
また、彼から「ありがとう」という言葉は、一度も聞いたことがないそうです。
遅刻しても謝罪しない人
Bさんの友人の話です。
彼女は、毎回、待ち合わせに平気で1時間遅れてきます。
それでも、謝罪の言葉は一切ありません。
また、遅れているにもかかわらず「今からシャワーを浴びるから、あと1時間はかかる」と平然と言ってきます。
Bさんに迷惑をかけているという自覚も、時間を奪っているという罪悪感の欠片もありません。
時間とお金を搾取する人
これは知人のCさんの話です。
私たちがテレビに出たり、本を出版したりする話には、つまらなそうにします。
代わりに、私の知らない誰かの愚痴を、延々と聞かされます。
わざわざ時間とお金を使って会いに行ったのに、4時間、ただ愚痴を聞かされ、飲食代まで払わされたこともあります。
私は、この人とは、もう二度と会わないと決め、距離を置きました。
ASD夫に多いテイカーの特徴
これまで紹介した実例は、いずれも、悪意を感じるものでした。
一方で、テイカーの中には、特性が背景にあるケースもあります。
代表的なのが、ASD夫に多いテイカーです。
以下のような特徴があります。
- 家事や作業を、当然のように丸投げしてくる
- してもらったことに対して、感謝の言葉がない
- 指摘されても、自分は悪くないと逆ギレし、絶対に謝らない
- 相手の予定や体調より、自分のルーティンを優先する
- 興味のない話には、まったく耳を貸さない
たとえば、妻が体調を崩していても「俺のご飯はないのか」と平気で責めます。
これは俺は、仕事を休まずに行っているのだから、お前は家事もサボるな、と考えているからです。
また、ASD夫のこうした行動の背景には理由があります。
まず、相手に感謝をしないのは、特性である想像力の欠如から、相手の感情や、そのタスクの大変さが理解できないからです。
大変さが理解できないので、大したことではないと処理をします。
ミスをしても謝らないのは「自分は教えられた通りにやった」「そんな話は聞いていない」だから、言われてないことは、謝ることではないと考えるからです。
人の話を聞かないのは、話題に興味を持てないからです。
なお、これは全てのASD当事者に当てはまるわけではありません。
特性がどう行動に表れるかは、人によって差があります。
テイカーに狙われやすい人の特徴
フレネミーと同様に、以下のような人が、狙われやすい傾向にあります。
- 断れない、NOが言えない
- 見返りを求めず、相手に尽くすことに喜びを感じる
- 自己犠牲や奉仕精神が強い
- 相手から嫌われることを、極端に恐れている
- 自分の意見が言えない
- 自分よりも相手を優先してしまう
- 相手から頼まれることに、自分の存在価値を感じてしまう
テイカーは、基本的に、自分の都合よく動いてくれる人を探しています。
ただし、心の境界線が曖昧で、自己肯定感が低い人は、テイカーからもフレネミーからも、狙われやすい傾向にあります。
また、モラハラ被害者やHSP、機能不全家族で育った人も、この傾向に当てはまりやすいと言われています。
テイカーへの対処法
頼まれごとを、全部は受けない
相手からの頼まれごとを、全部受ける必要はありません。
嫌ならば「今はできない」「それは自分でやって」と、はっきり断ってください。
相手の言葉に、全部反応しない
たとえ、責められても、相手の言葉の全てに反応する必要はありません。
何も言いたくなければ、無視をすればいいですし
人格否定などの暴言には毅然と「そういうこと言うのはやめてくれる?」「それってモラハラだよ」と言い返してください。
反応するほど、相手のペースに引き込まれます。
自分を責めない
あなたがテイカーに要求に対して、断ったり、拒否をしたりすると、テイカーは途端に不機嫌になり「あなたは器が小さい」「なぜやってくれないの?」と嫌味を言ってきます。
そう責められると「私が悪いのかな?」と感じると思います。
ですが、ここで自分を責める必要は一切ありません。
このような関係は、あなたの我慢の上で成り立っていただけということに気付いて欲しいと思います。
【この記事を書いた人】
経験と専門性
- 夫婦でモラハラの問題を克服した専門家
- ASD・ADHDの混合型診断済み
- モラハラ加害者としての更生を実現
- 週刊文春オンラインでの3記事の連載で加害者心理と更生過程を完全公開
臨床経験(2010年〜)
カウンセラーとして幅広い支援経験
- 公的機関での生活保護・生活困窮者自立支援
- 福祉施設での精神疾患・発達障害者支援
- うつ病の方の復職支援
- 元受刑者・薬物依存者への更生支援
- ひとり親・DV被害者相談
- 企業内パワハラ相談
- 自助グループ・セミナー開催
メディア掲載実績
新聞・雑誌掲載
- 週刊文春オンライン(2024年11月 3記事連載)
- 産経新聞(2021年9月)
- 神戸新聞 まいどなニュース(2021年3月)
- 中日新聞 ねぇねぇちょっと特別編(2021年12月)
- ウレぴあ総研 ハピママ(2023年7月 3記事掲載)
テレビ・ラジオ出演
- NHK「ほっと関西」(2021年11月出演)
- KBS京都「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」(2021年9月出演)
全国12媒体でモラハラ解決の専門家として紹介
モラハラの問題で苦しんでおられる方々の少しでも力になりたいと思っています。
まとめ
最後まで読んで頂きありがとうございました。
テイカーは、あなたから時間やお金、労力を、当たり前のように奪っていきます。
感謝もなく、断れば不機嫌になり、それでもあなたは、自分が悪いのかなと感じてしまうかもしれません。
ですが、無理な要求を続けているのは、相手の方です。
もし、身近な人との関係で、何か疲れる、私ばかり我慢している気がする、そう感じているなら、それは、距離を置くべきサインです。
我々のカウンセリングでは、こうした人間関係の悩みについてもご相談いただけます。
モラハラで苦しんでいるあなたへ
私たち夫婦も、かつては離婚寸前まで追い込まれました。
しかし諦めずに夫婦で協力し、モラハラの問題と真正面から向き合い、解決することができました。
現在は幸せに暮らしています。
すぐに離婚だと諦めないでください。解決への道は必ずあります。
私たちがどのようにして危機を乗り越えたのか、被害者妻と加害者夫の両方の目線でリアルに書いています。
被害者の視点から学ぶ
もし「記事は理解できたけれど、うちの場合はどうすればいいのかわからない…」と感じているなら、一人で抱え込まず、ぜひ私たちにお話を聴かせてください。
現在、LINE登録をしていただいた方には、初回特典として無料相談(50分)をプレゼントしています。下記からお気軽にご登録ください。
小さな一歩が、大きな変化を生むこともあります。
あなたが少しでも穏やかな毎日を取り戻せるよう、心から願っています。


