回避型男子の特徴と対処法|愛着スタイル別の彼の心理
今回はThreadsやXなどのSNSでよく見かける「回避型男子」の特徴と対処法について解説します。
以前「モラハラ加害者に多い愛着障害の特徴と対処法」という記事を書きましたが、あれは医学的な診断基準であるDSM-5やICD-10に基づく「愛着障害の2タイプ」に特化した内容でした。
今回は愛着理論に基づく「愛着スタイルの4タイプ」のうち、特に男性に多いとされる「回避型」にフォーカスします。
回避型の彼氏と付き合っている女性から
- 「急に連絡が減った」
- 「親密になると逃げられる」
- 「冷たくなった理由がわからない」
という相談が増えています。
この記事では
- 回避型とは何か
- なぜ男性に多いのか
- 付き合っている側としてどう対処すればいいのか
- 彼が回避型かどうかを確認できるチェックテスト
を解説していきます。
愛着障害の詳細については下記の記事をご覧ください。
もくじ
- 回避型愛着スタイルとは
- 回避型愛着スタイルチェックテスト
- 愛着障害の2タイプと愛着スタイルの4タイプの違い
- 回避型が男性に多い理由
- 回避型男子の特徴
- 回避型とモラハラの関連
- 回避型と発達障害・精神疾患の違い
- 回避型の当事者が自分の問題を自覚しにくい理由
- 回避型のパートナーが取るべき適切な距離感と接し方
- まとめ
回避型愛着スタイルとは
回避型愛着スタイルとは、愛着理論に基づく4つの愛着スタイルの一つです。
自立を強く重視し、親密さや感情的な依存を避ける傾向があります。
本人は「一人で大丈夫」「感情に振り回されない」と感じやすいのが特徴です。
関係が深まると息苦しさや不安を感じ、距離を置こうとします。
具体的には連絡を減らす、音信不通になる、関係をフェードアウトするなどの行動が見られます。
感情表現が苦手で弱みを見せず、問題は自分で解決しようとします。
これは性格ではなく、幼少期の適応戦略として形成されたものです。
情を否定されたり、過度な自立を強いられたりした結果として身につきます。
本人にとっては「心を守るための防衛機制」なのですが、相手からは「なぜ急に冷たくなったのか」が理解できず苦しむことになります。
回避型愛着スタイルチェックテスト
回避型愛着スタイルは、人に対して過剰に警戒し、距離を置くタイプです。
以下の項目に当てはまるものが多ければ、反応性愛着障害の傾向があるかもしれません。
判定結果
- 0~4個該当: 回避型愛着スタイルの傾向は低いです。
- 5~7個該当: 回避型愛着スタイルの傾向があります。下記の説明をお読みください。
- 8個以上該当: 回避型愛着スタイルの可能性が高いです。専門家への相談を検討してください。
愛着障害の2タイプと愛着スタイルの4タイプの違い
ここで混乱しやすいのが「愛着障害」と「愛着スタイル」の違いです。
結論から言うと両者は全く別のものです。
愛着障害(2タイプ)
愛着障害はDSM-5やICD-10などの国際的な診断基準に基づく正式な診断名です。
「反応性アタッチメント障害」と「脱抑制性対人交流障害」の2つがあります。
いずれも子どもの障害として位置づけられており、大人に対する愛着障害という正式な病名は存在しません。
主に幼少期の養育環境の問題が原因で発症します。
愛着スタイル(4タイプ)
愛着スタイルは愛着理論(ジョン・ボウルビィ、メアリー・エインズワースの研究に基づく)に基づく分類です。
正式な診断名ではなく、パーソナリティ傾向や対人パターンを説明する研究・理論モデルです。
病気ではなく誰にでもある傾向であり、診断名ではありません。
4つのタイプは以下の通りです。
安定型
- 親密さと自立のバランスが良く最も健全なタイプ
- 他者を信頼しやすく感情を適切に扱える
不安型
- 相手の愛情を強く求め、見捨てられる不安が強いタイプ
- 相手に依存しやすい傾向がある
回避型
- 自立を強く重視し親密さを避けるタイプ
- 感情を抑え「一人で大丈夫」と考える
恐れ回避型
- 親密さを欲しつつも恐れるタイプ
- 不安型と回避型の混合で最も不安定とされる
2タイプと4タイプの違いまとめ
愛着障害(2タイプ)はDSM-5やICDに基づく公式診断であり対象は子どものみです。
主に幼少期の養育環境の問題が原因で発症します。
一方、愛着スタイル(4タイプ)は愛着理論に基づく研究モデルであり成人にも適用されます。
病気ではなく誰にでもある傾向であり、診断名ではありません
今回の「回避型男子」はこの愛着スタイル(4タイプ)の話になります。
回避型が男性に多い理由
臨床の場では男性に回避型がやや多い傾向があります。
反対に女性は不安型が多いパターンが一般的です。
理由としては社会的な期待が影響しています。
「男性は強くあるべき」「自立すべき」「感情を抑えるべき」という価値観が幼少期から刷り込まれます。
また幼少期に感情表現を否定されたり、過度な自立を強いられたりした経験も影響します。
「泣くな」「男のくせに」「自分でなんとかしろ」といった言葉を繰り返し聞いて育つと、感情を表現することは弱さであり危険だと学習します。
その結果、感情を抑圧し自立を装うことで心を守る戦略が身につきます。
恋愛相談でも「回避型男性」の話題が目立ちます。
回避型男子の特徴
回避型男子には以下のような特徴が見られます。
親密になると距離を置く
関係が深まると息苦しさや不安を感じ、距離を置こうとします。
加えて
- 連絡を減らす
- 音信不通になる
- 関係をフェードアウトする
などの行動も見られます。
例えば、昨日は親密だったのに翌日になって急に連絡が減ったり「仕事が忙しい」と理由をつけては距離を取られたりすることがあります。
これは相手を嫌っているのではなく、自分の心の均衡を保とうとしていることが多いです。
また愛情を感じれば感じるほど、それを失ったときの痛みも強く想像してしまうために、親密な関係性を維持することが負担にもなります。
束縛や依存を極端に嫌う
一人でいる時間を好み自由でいることを重視します。
また、パートナーからの「会いたい」「連絡がほしい」という率直な気持ちを重く感じることがあります。
恋人同士であれば一緒にいる時間が増えるという認識が一般的ですが、回避型の場合は、自分の世界を大切にし一人で過ごす時間を確保しようとします。
感情表現が苦手
自分の感情(喜び・悲しみ含む)を話さない為、冷静沈着なタイプに見えます。
また相手の感情にも共感しにくい傾向があります。
周囲からは「強い人」「精神的に安定している人」と見られることも少なくありません。
しかし内面では常に「傷つかないようにするための緊張感」の存在があります。
弱みを見せない
完璧主義的であり、他者に助けを求めにくい体質でもあります。
心の傷を溜め込みやすいのですが、感情の処理は自分で行います。
仕事や日常のストレスに関しても決して弱音を吐かずに一人で抱え込むことが多いです。
また「弱いと思われたくない」という心理が強く働き、悩みなどの共有をためらいます。
好意やプレゼントを素直に受け取れない
恋人からのプレゼントや好意の言葉に対しても、喜ぶのではなく重荷として感じやすい傾向があります。
この理由は「こんなに想ってもらえる自分ではない」という自己評価の低さや「期待に応えられなかったらどうしよう」という不安感が先に立つため、
感謝の気持ちを素直に表現できずに冷たく振る舞ってしまうことがあります。
自分の気持ちを疑う
自分自身の感情や恋愛感情を疑う傾向も強く「本当に彼女を愛しているのか」と自問自答を繰り返すことがあります。
これは相手への愛情がないのではなく、愛情を持つことそのものに伴うプレッシャーや不安が原因です。
過去の恋愛や失敗談を話さない
過去の恋愛や失敗談について尋ねられたとき、決してその内容を詳しく語ろうとはせず軽く流したり話題を変えたりすることが多いです。
この理由は「話したら引かれるのではないか」「今後の関係に悪影響が出るのではないか」という恐怖心が根付いているため、無意識に自分を守るための反応として回避することを選びます。
回避型とモラハラの関連
まず、大前提として回避型の人の全てがモラハラをするわけではありません。
これは発達障害やパーソナリティ障害を抱える方にも同じように言えることです。
ですが、回避型の特徴である
- 突然、連絡を取らなくなる
- 突き放すような態度を取る
- 愛情表現をしない
などの態度が相手には、かなりの精神的なダメージを与えます。
本人としては「自身を守っているだけだ」と思っていても、
パートナーからは「冷たい」「無視されている」「大切にされていない」と感じられます。
この認識のズレが関係性を悪化させます。
また、ケースによっては、フキハラのような態度にも映ります。
回避型と発達障害・精神疾患の違い
回避型愛着スタイルは発達障害(ASD・ADHD)や精神疾患と症状が重なるため混同されやすいです。
主な違いは以下の通りです。
回避型愛着スタイル
- 幼少期の養育環境が原因(後天的)
- 環境が変われば変化することが可能であり、これらは傾向であって診断名ではない
発達障害(ASD・ADHD)
- 生まれつきの脳の特性(先天的)
- これらの特性は生涯、持続する
- DSM-5やICD-10などに基づく正式な診断名であり障害
回避性パーソナリティ障害
まず特徴としては精神医学的な基準に基づくパーソナリティ障害の一種です。
自分に自信がなく、他者から批判されたり拒絶されたりすることに対して過剰に怯えます。
愛着パターンの回避型が他者との関わりを避ける傾向があるのに対し、
パーソナリティ障害の人は他者との関わりを強く望んでいます。
しかし「自分は嫌われるに決まっている」という強い思い込みがあるため、
傷つくことを恐れて社会的な接触を避けてしまいます。
日常生活や社会生活に支障をきたすレベルの苦痛を伴うのが特徴です。
回避型の当事者が自分の問題を自覚しにくい理由
回避型の本人が自覚して相談するケースは比較的少ない傾向があります。
その理由は、本人はこの問題を自分で解決すべきものと考え、誰かを頼るなど相談をすることがまず無いためです。
相談に至るケースとしては、うつ病や適応障害、恋愛関係の破綻などの危機的状況によるものがほとんどです。
ただ、それらはあくまでもしんどさの解消を求めているだけです。
ですので、この記事を回避型の彼氏に見せても、本人に危機感がなければ響かない可能性が高いです。
生きづらさを自覚するきっかけと本人ができる対処法
本人は表面的には一人で大丈夫と感じつつ、心の奥で孤独や空虚を抱えています。
関係が深まると逃げて後悔するサイクルを繰り返すことも少なくありません。
自分の感情がわからないことで人間関係が希薄になり、仕事や趣味に逃避しても根本解決せずに消耗します。
自覚のきっかけは、長年「自立」を武器に生きてきた人が深刻な恋愛関係の破綻やうつ症状に陥った時です。
親密になると息苦しい、相手を傷つけてしまうと気づき変化を求めるケースもあります。
本人ができる対処法としては、感情日記など、ジャーナリングなどを行い、自分の感情を言葉にする練習が有効です。
また、信頼できる安全基地を作ることが大切です。
加えて心療内科や精神科で併存症状に対する治療を受けながら、カウンセリングで愛着を再形成していくアプローチもあります。
回避型のパートナーが取るべき適切な距離感と接し方
パートナーが「冷たい」「音信不通」と苦しんで相談するケースは非常に多いです。
パートナー側は「私が悪いのか」と自分を責めがちですが、それはパートナーの愛着パターンによるものです。
回避型男性と信頼を築くためには、急がないという姿勢が必要になります。
彼は愛情を感じれば感じるほど、その裏にある失う恐怖や拒絶のリスクを強く意識してしまいます。
そのため相手が近づこうとすればするほど、無意識のうちに距離を置こうとする反応が出ます。
なので、適度な距離を保ち、追いかけすぎないことが大切です。
会話の中で無理に踏み込まず「そっか」と淡々と受け止めるだけで彼の心は少しずつ安心感を得ます。
何も強要されないという体験の積み重ねが、彼の心を解きほぐす第一歩になります。
また、彼が珍しく本音を語り始めたとき、ただ頷きながら聞き役に徹することが最大の安心感になります。
無理に話してほしいと言葉で迫るよりも、落ち着いた微笑みや柔らかい声のトーンが彼に安心感を与えます。
加えて一人の時間も大切にしてねと言える余裕こそが、彼にとっては最大の信頼の証になります。
パートナーが母親役を引き受ける際のリスクと注意点
ネット上によくある対処法として「あなたが母親の代わりになり心の安全基地として愛着を再形成する」という方法があります。
しかし、現在パートナーとの関係で苦しんでいるあなたが行うことはお勧めできません。
それはあなたの心が壊れてしまうからです。
パートナーが回避型の傾向に該当する場合は、本人が自覚を持ち自身の問題と向き合わないと改善できません。
あなたの関わり方のみで改善できるものではないという認識を持ってください。
待つだけでは悪化しやすく、自分のメンタルを守るのが優先という声が多いのも事実です。
限界を感じたら離れる選択も視野に入れてください。
【この記事を書いた人】
経験と専門性
- 夫婦でモラハラの問題を克服した専門家
- ASD・ADHDの混合型診断済み
- モラハラ加害者としての更生を実現
- 週刊文春オンラインでの3記事の連載で加害者心理と更生過程を完全公開
臨床経験(2010年〜)
カウンセラーとして幅広い支援経験
- 公的機関での生活保護・生活困窮者自立支援
- 福祉施設での精神疾患・発達障害者支援
- うつ病の方の復職支援
- 元受刑者・薬物依存者への更生支援
- ひとり親・DV被害者相談
- 企業内パワハラ相談
- 自助グループ・セミナー開催
メディア掲載実績
新聞・雑誌掲載
- 週刊文春オンライン(2024年11月 3記事連載)
- 産経新聞(2021年9月)
- 神戸新聞 まいどなニュース(2021年3月)
- 中日新聞 ねぇねぇちょっと特別編(2021年12月)
- ウレぴあ総研 ハピママ(2023年7月 3記事掲載)
テレビ・ラジオ出演
- NHK「ほっと関西」(2021年11月出演)
- KBS京都「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」(2021年9月出演)
全国12媒体でモラハラ解決の専門家として紹介
モラハラの問題で苦しんでおられる方々の少しでも力になりたいと思っています。
まとめ
最後まで読んで頂きありがとうございました。
回避型の彼氏と付き合っていると「私のせいかも」と自分を責めたくなることがあります。
しかし彼が距離を置くのは、あなたに原因があるわけではありません。
彼は幼少期の経験から「心を開くと傷つく」と学習しており、その防衛反応が今も続いているのです。
一方で、彼が変わるかどうかは彼自身の問題です。
あなたがどれだけ寄り添っても、本人が自覚しない限り根本的な改善は難しいでしょう。
もう少し様子を見るのか、離れる決断をするのか、どちらを選んでも間違いではありません。
自分の心を守ることも、大切な選択肢の一つです。
今後必要なスキル
夫婦関係を再構築するためには、新たなスキルが必要になります。
相手を理解するための「話の聴き方」、そして相互理解を深めるための「相手に伝わる言葉での伝え方」などです。
これらについては、また別の機会に詳しく説明していきます。
モラハラ問題の解決は決して簡単ではありませんが、一歩ずつ着実に進めていくことで、必ず関係性は改善していきます。
我々リジェネは、そのプロセスを全力でサポートいたします。
モラハラで苦しんでいるあなたへ
私たち夫婦も、かつては離婚寸前まで追い込まれました。
しかし諦めずに夫婦で協力し、モラハラの問題と真正面から向き合い、解決することができました。
現在は幸せに暮らしています。
すぐに離婚だと諦めないでください。解決への道は必ずあります。
私たちがどのようにして危機を乗り越えたのか、被害者妻と加害者夫の両方の目線でリアルに書いています。
被害者の視点から学ぶ
もし「記事は理解できたけれど、うちの場合はどうすればいいのかわからない…」と感じているなら、一人で抱え込まず、ぜひ私たちにお話を聴かせてください。
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あなたが少しでも穏やかな毎日を取り戻せるよう、心から願っています。


