モラハラ被害者のためのASDチェックテスト|診断と改善法
「相手の気持ちがわからない」「社交的な場面で何を話せばいいかわからない」「冗談や皮肉を真に受けてしまう」そんなお悩みはありませんか?
「なぜ自分は他の人のように空気を読めないのか」「どうして曖昧な表現が理解できないのか」「なぜルーティンが変わると不安になるのか」「パートナーから『常識がない』と責められるのはなぜか」といった悩みを抱えている方は、ASD(自閉スペクトラム症)の可能性があります。
一般的に、発達障害のASDはモラハラ加害者夫に多く、その妻は情緒的なコミュニケーションが取れずに心身ともに病み、カサンドラ症候群に陥るケースが多いとされています。
しかし実は、モラハラ被害者の中にもASDの人が存在します。
これは特にASD受動型に多く見られる傾向があります。
ASDの特性である「コミュニケーションの困難」「こだわりの強さ」「感覚過敏」などが、モラハラ関係を悪化させる要因となることがあります。
以前に「モラハラ加害者への対処法 ASD編」という記事を書きましたが、今回はチェックテストがメインとなります。
まずは客観的なチェックテストで現状を把握し、その後でモラハラ関係との関連性や具体的な対処法について段階的にご説明します。
現在進行形でモラハラ被害を受けており、緊急の対処法をお求めの方は、まず「モラハラ夫への対処法まとめ」をお読みいただくことをお勧めします。
現状を正しく把握することが、改善への第一歩です。
まずは勇気を出してチェックテストから始めてみましょう。
この記事はこんな方におすすめです
- ASDの被害者事例が知りたい方
- モラハラ被害者の方
- ASDのモラハラ被害者の方
もくじ
- ASDとは
- 【ASDセルフチェックテスト】
- ASDの人がキレてしまう具体例
- ASDの人のデリカシーのない行動とモラハラ被害
- ASD女性の社会的な困難事例
- ASDとモラハラ被害の関係
- ASDと関連する問題
- ADHD(注意欠如・多動症)との関係
- 境界知能との関係
- HSP(繊細な人)との関係
- Re:geneのモラハラ被害者体質改善講座のご案内
- まとめ
ASDとは
ASD(自閉スペクトラム症)とは、コミュニケーション・社会性の困難、こだわりの強さ、感覚過敏などの特性によって、日常生活に困難が生じる発達障害の一つです。
ASDの3つの主な特性
- コミュニケーション・社会性の困難:相手の気持ちや場の空気を読むことが苦手
- こだわりの強さ:決まったやり方や習慣、特定の興味への強い執着
- 感覚過敏・鈍感:音、光、触覚などに対する過敏さまたは鈍感さ
女性のASDは社会的期待により「人に合わせる」ことを学習するため、表面的には問題なく見えることが多く、大人になってから診断を受けるケースが増えています。
ASDには主に以下の5つのタイプがあります
ASDの5つのタイプ
- 孤立型:他人との関わりを避け、自分の世界で生きる
- 受動型:自分からは関わらないが、他人からの関わりは受け入れる
- 積極奇異型:積極的だが距離感が近すぎて空気が読めない
- 尊大型:自己主張が強く、相手を見下す傾向がある
- 大仰型:過度に丁寧で社会に適応しているが違和感がある
各タイプの詳細な特徴や対処法については「モラハラ加害者への対処法 ASD編」をご覧ください
【ASDセルフチェックテスト】
過去6か月間の自分の様子を思い浮かべながら、以下の項目をチェックしてみてください。
【診断結果】
- A群またはB群のどちらかで5割以上(5個以上)該当:ASDの可能性があります
- A群・B群ともに5割以上(5個以上)該当:ASDの可能性が高く、精神科、心療内科、発達障害者支援センターなどの専門機関での相談をお勧めします
重要な注意事項: このチェックテストはあくまで簡易的な自己評価ツールであり、医学的な診断を行うものではありません。
正確な診断には、医療機関での専門的な評価が必要です。
ASDの診断について
発達障害の診断は、精神科や心療内科でアメリカ精神医学会が発行するDSM-5という診断基準によって行われます。
診断基準を満たさないが、その傾向が見られる人は「グレーゾーン」と呼ばれます。
令和4年の厚生労働省発表によると、発達障害と診断された人の数は全国で約87万人、さらに潜在的には800万人が該当すると言われており、年々、増加しています。
ご自身の特性を理解することで、衝動的な行動が減り、対人関係の改善が期待できます。
ASDの人がキレてしまう具体例
予定変更や行動を妨げられた時
ASDの人は変化を嫌い、自分なりのルールや手順があります。
- ゲームをしている最中に話しかけられるとイライラする
- 自分の順番通りに作業を進めようとしていたのに、それを崩されると「全部相手が悪い」と思ってキレる
- 他人から自分のルールについて意見されると反発してキレる
曖昧な指示でうまくいかなかった時
ASDの人は曖昧な表現が理解できません。
- 「適当に食べて」と言われても何を食べればいいかわからない
- 「少し早く出勤して」と言われても、どの程度早くすればいいかわからない
- 自分では言われた通りにしているつもりなのに責められると「伝え方が悪い」と逆ギレする
相手の気持ちが理解できない時
ASDの人は相手の感情や背景を読み取ることが苦手です。
- 妻が体調不良で「お弁当を買ってきて」と言われて、自分の分しか買わない
- 妻が病気で寝込んでいるのに「何でサボっているんだ?俺の晩御飯を作れよ」とキレる
- 自分はしんどくても働いているのに、妻が家事をサボるのは不公平だと考える
子どもへの対応ができない時
ASDの人は予期しない行動をする子どもが苦手です。
- 子どもが思い通りにならないとどう接すればいいかわからず怒る
- 妻が子どもを優先することに嫉妬し、子どもをライバル視する
- 子どもに対して厳しい言葉を浴びせることがある
ASDの人のデリカシーのない行動とモラハラ被害
ASDの特性により、本人に悪意はないものの、相手を傷つけたり怒らせたりする行動を取ってしまうことがあります。
これらの行動が積み重なることで、逆にモラハラ被害を受ける原因となることがあります。
空気が読めない行動
- 夫と他の人を比較する発言をする(「○さんの旦那さんは部長になった」「△さんはベンツに乗り換えた」など)
- 集団行動で自分の意見を絶対に曲げない
- 一方的にまとまりのない話を延々と続ける
- 相手が疲れていても自分の話を止められない
人の気持ちがわからない行動
- 友人の前で他人の秘密を平気でバラす(「○○さんの夫が不倫してる」「△△さんは生活保護らしい」など)
- もらった物を本人の前で「いらない」と言ったり、すぐに捨てたりする
- 容姿について率直に批判する(「ハゲてきた」「シミが多い」「太りすぎ」など)
- 相手の親族や友人の悪口を平気で言う
プライベートに踏み込む行動
- 初対面や親しくない相手に年収や学歴を聞く
- 「バツイチの理由は?」「療育手帳あるの?」など踏み込んだ質問をする
- 「本当のことを言って何が悪いの?」と開き直る
結果としてモラハラ被害に遭う理由
これらのASD特性による無神経な発言や行動は、本人には悪意がないものの、相手をイラッとさせてしまいます。
積み重なる問題行動
- 配慮のない発言の繰り返し
- 空気を読まない行動の継続
- 相手の気持ちを理解できない態度
これらが積み重なることで、相手の怒りが限界に達し、激しくキレられることがあります。
しかし、ASDの人は相手がなぜ怒っているのかを理解できないため、同じ行動を繰り返してしまいます。
この悪循環により、さらに強いモラハラ的な攻撃を受ける被害者となってしまうケースがあります。
ASD女性の社会的な困難事例
女性に求められる暗黙のルールとASD特性の衝突
ASD特性により「空気が読めない」「本音と建前がわからない」女性は、社会から特に厳しい評価を受けやすい傾向があります。
女性に期待される暗黙のルールの事例
- 気配りや空気を読む力
- 料理や家事への期待
- 集まりでの手土産や気の利いた行動
- 共感的な相槌(「うん、そうだよね」「わかる、わかる」)
ASD女性が困難を感じる場面の事例
- 女子会での食器準備や後片付けができない
- 興味のない話題(育児、夫の愚痴、スイーツなど)に共感できない
- 好き嫌いを率直に表現してしまう(「これ、無理」「食べられない」)
- 割り勘で一円単位の計算を主張する
- 突然自分の話題(恋愛話など)を始めて止まらない
- TPOを考えずに不適切な内容を話す
男性の場合は「少し変わった人」で済むことも、女性の場合は「気が利かない」「わがまま」「協調性がない」と厳しく評価され、次第に集まりに呼ばれなくなってしまいます。
これにより孤立し、さらに社会性を学ぶ機会を失うという悪循環に陥ることがあります。
このような経験から、ASD女性は対人関係でストレスを抱え、家庭内でそのストレスが爆発することで、モラハラ的な行動につながるケースもあります。
ASDとモラハラ被害の関係
ASDの特性は、モラハラの関係において被害を深刻化させる要因となることがあります。
ASD特性がモラハラの関係で問題となる理由
- 暗黙のルールが理解できない:「察して」という文化や社会的なマナーが理解できない
- 文字通りの解釈:皮肉や冗談を真に受けて「本気で受け取るな」と怒られる
- こだわりの強さ:自分なりの「正しいやり方」があり、変更を求められると混乱する
結果として
- 「常識がない」「空気が読めない」と責められる
- 「融通が利かない」「協調性がない」と言われる
- 「自分勝手」「思いやりがない」と怒られる
モラハラ被害への対処法
1. 具体的な説明を求める
- 「どの程度まで」「何分くらいで」「どの順番で」など具体的に聞く
- 「いつまでに終わらせればいいですか?」と明確化を求める
2. 自分の特性を説明する
- 「曖昧な表現が理解しにくい特性がある」ことを伝える
- 「具体的に教えてもらえると確実にできる」と説明する
3. 事前の相談と準備
- 予定変更は事前に相談してもらう
- 新しい環境については事前に詳しい情報を教えてもらう
ASDと関連する問題
ADHD(注意欠如・多動症)との関係
ASDとADHDは併発することがあり、この場合は社会性の問題に加えて、注意力や衝動性の面でも困難を抱えることになります。
併発した場合の特徴
- コミュニケーションの困難に加えて、集中力の維持も困難
- こだわりの強さと衝動性が相反して混乱しやすい
- 感覚過敏と注意散漫が重なり、環境への適応がより困難
ADHDについて詳しく知りたい方はコチラ
境界知能との関係
発達障害があっても、境界知能(IQ70~84)を併発することがあります。
境界知能を併発した場合の特徴
- 抽象的な概念の理解がより困難
- 社会的なルールの理解に時間がかかる
- 複雑なコミュニケーションの処理が苦手
ASDと境界知能を併発した場合、社会性の問題に加えて理解力の課題も抱えることになり、モラハラの関係でより深刻な被害を受けやすくなります。
境界知能について詳しく知りたい方はコチラ
HSP(繊細な人)との関係
ASDとHSP(Highly Sensitive Person)は類似点が多く混同されやすいです。
類似点としては、人間関係構築の難しさ、感覚過敏、完璧主義、一人を好むなどであり
HSPとの違いの事例
- ASD:空気を読めない/脳機能の偏りが要因
- HSP:空気を読みすぎる/深く考えすぎることが要因
最大の違いは「空気を読む」能力です。
ただし、ASDの人が努力で場を読めるようになった場合は類似することもあるため、見極めが難しいため、精神科などでの相談をお勧めします。
HSPについて詳しく知りたい方はコチラ
Re:geneのモラハラ被害者体質改善講座のご案内
上記の診断で多くの項目に該当した方は、ASD特性により「モラハラ関係に陥りやすい体質」が形成されている可能性があります。
ASD特性を持つ方がモラハラ被害に遭いやすい理由
- 暗黙のルールや曖昧な表現が理解できない
- 相手の気持ちや場の空気が読めない
- こだわりが強く変化に対応しにくい
- 感覚過敏により理解されない困難を抱える
- 自己肯定感が低く、理不尽な扱いを受け入れてしまう
これらの特性により、特にADHDの特性を持つパートナーとの関係でモラハラ被害に巻き込まれやすく、一度そのような関係になると抜け出すことが困難になります。
Re:geneのモラハラ被害者体質改善講座とは
Re:geneは、モラハラ解決専門の相談機関として、ASD特性を持つ方々がモラハラ関係から抜け出すためのサポートをしています。
講座の主な内容
- ASD特性の理解と受容
- モラハラ関係のメカニズムの理解
- 効果的なコミュニケーション方法の習得
- 自己肯定感の回復
- 健全な境界線の設定方法
- パートナーとの建設的な関係構築
詳しくはこちら: https://regene-ota.com/
【この記事を書いた人】
経験と専門性
- 夫婦でモラハラの問題を克服した専門家
- ASD・ADHDの混合型診断済み
- モラハラ加害者としての更生を実現
- 週刊文春オンラインでの3記事の連載で加害者心理と更生過程を完全公開
臨床経験(2010年〜)
カウンセラーとして幅広い支援経験
- 公的機関での生活保護・生活困窮者自立支援
- 福祉施設での精神疾患・発達障害者支援
- うつ病の方の復職支援
- 元受刑者・薬物依存者への更生支援
- ひとり親・DV被害者相談
- 企業内パワハラ相談
- 自助グループ・セミナー開催
メディア掲載実績
新聞・雑誌掲載
- 週刊文春オンライン(2024年11月 3記事連載)
- 産経新聞(2021年9月)
- 神戸新聞 まいどなニュース(2021年3月)
- 中日新聞 ねぇねぇちょっと特別編(2021年12月)
- ウレぴあ総研 ハピママ(2023年7月 3記事掲載)
テレビ・ラジオ出演
- NHK「ほっと関西」(2021年11月出演)
- KBS京都「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」(2021年9月出演)
全国11媒体でモラハラ解決の専門家として紹介
モラハラの問題で苦しんでおられる方々の少しでも力になりたいと思っています。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回の内容が、あなたが抱えている問題解決の一助になれば幸いです。
モラハラで苦しんでいるあなたへ
私たち夫婦も、かつては離婚寸前まで追い込まれました。
加害者である夫は無自覚に私を傷つけ、被害者である私は孤独で誰にも頼れず、絶望の淵に立たされていました。
しかし、私たちは諦めませんでした。
夫婦で協力し、モラハラの問題と真正面から向き合い、ついに解決することができたのです。
現在は幸せに暮らしています。
だから、今モラハラの問題で苦しんでいるあなたにも伝えたいのです。
すぐに離婚だと諦めないでください。
この記事に辿り着いた時点で、あなたは一人ではありません。
解決への道は必ずあります。
私たちがどのようにして離婚の危機を乗り越えたのか、その壮絶な手記を被害者妻と加害者夫という両方の目線でリアルに書いています。
これらの記事では、実際にモラハラを乗り越えた夫婦のリアルな体験談を通して、問題の根本原因と具体的な解決方法を詳しく解説しています。
【加害者の視点から学ぶ】
【被害者の視点から学ぶ】
もし「記事は理解できたけれど、うちの場合はどうすればいいのかわからない…」と感じているならば、一人で問題を抱え込まず、ぜひ私たちにお話を聴かせてください。
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また、あなたがモラハラ被害を日常的に受けていることで、もし
- 冷静に考えられない
- 些細なことでイライラしてしまう
- 不眠が続いている
といった症状がある場合は、カサンドラ症候群の可能性も考えられます。
そんなときは、何よりもまず、ご自身の体調を大切にしてくださいね。
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