ABEMAPrime出演報告|モラハラ加害者はこう変わった
7月13日、ABEMA Primeに夫婦で出演しました。
番組タイトルは「モラハラでパートナーを支配するモラハラ加害者の心理とは」で、元モラハラ加害者の心理と、夫婦でどう乗り越えたのかを知りたい、という主旨で声がかかりました。
しかし、放送を終えて、率直に「本意ではなかった」と感じている部分がいくつかあります。
これから、その3点を正直に書きます。
ただ、これは番組を批判したいわけではなく、私たち自身の落ち度と課題を含めて振り返るためです。
そのうえで、番組で語りきれなかった加害者変容の中身を、この記事で補記していきます。
なお、ここから先の本文は、あえて言い切り型で書いていきます。
その方が、飾らない素の自分が伝わると思うからです。
少し文体が変わって戸惑うかもしれませんが、ご理解いただければ幸いです。
もくじ
生放送で伝えきれなかった、加害者変容の中身
放送を終えて、私たちの本意ではなかったと感じた部分もある。
テロップでリジェネという会社名を出せず、単なる当事者として出演する形になった。
台本には会社名があったのに、本番直前の変更に流された、私たちのミスでもある。
自己紹介の時に自ら名乗るなど、対応の余地もあった。
次回への課題として受け止めている。
それよりも、悔しかったのは、生放送の時間の都合で、私たちが本当に伝えたかった加害者変容の中身を語れなかったことだ。
スタジオのボードには
- 怒りの感情のコントロール法を身につけたこと
- マイルールなど自己理解を深めたこと
- イライラしやすい状況を回避する対策を取ったこと
が書かれていた。
だが、「後で伺います」と言われたまま、時間切れで触れられなかった。
そこでこの記事では、番組で語りきれなかった加害者変容の中身を、ここで丁寧に補記していく。
モラハラで悩んでいる当事者の方、そのパートナーの方に、少しでも参考になれば幸いだ。

私たちは協力しよう!ってお互いの台本に書いて頑張れたことや夫の回答もすごくよかったと私は思っていますよ!あなたって最高だよ。
ちなみに言っておきますと
・家事はお互いの特性に合わせて分担
・私はずっと働いていて家計は半々
・太っているのは卵巣の病気のせい
・洗い物を置いていたのは体調不良で寝込んでいた時(長くて1晩)
・謝らないって部分だけ強調されていたけれど「謝って終わらせようとしない」って意味
勝手な想像で色々言わないで欲しいよね。
当時の私を支配していた「マイルール」
まず、私を加害者にしていた根本の一つが、大量の「マイルール」だった。
当時の私は、こんなルールを無意識に持っていた。
- 「妻は夫を立てるべき」
- 「妻は夫に感謝すべき」
- 「女性は控えめであるべき」
- 「年長者や先輩は敬われるべき」
こういった「〜すべき」というルールが、頭の中に大量にあった。
これらは私にとっての「常識」であり「当たり前」だった。
だが、後から振り返ると、無意識のうちに両親の姿から刷り込まれたものにすぎなかった。
妻の振る舞いがこれらのルールに反していると感じるたびに、私は苛立ちを覚えていた。
なぜ、こんなに大量の「〜すべき」を抱えていたのか。
この歪んだ思考の根源には、自己肯定感の低さがあった。
幼少期から、他人に言い負かされ、言いくるめられた劣等感を、私は妻に投影していたのだ。
これに気づくまで、ずいぶん時間がかかった。
「察しろよ」と思っていた時の心境
当時の私は、妻に対して「察しろよ」と思っていることが多かった。
なぜかというと、ASDの特性から、自分の内面を話そうとしても言葉が出てこなかったからだ。
そもそも、自己理解が乏しかった。
自分が何に対して腹が立っているのか、考えたこともなかった。
だから、自分の思いや感情を言語化するのが、根本的に苦手だったのだ。
加えて、幼少期に泣くと父に殴られ、「男のくせに泣くな」「男は弱音を吐くな」と言われ続けていた。
そのため、内省をするという習慣が、まったくないまま大人になった。
言葉にならない怒りが湧いてくると、「言わなくても、これくらいわかるだろう」と思って、不機嫌な黒いオーラを出していた。
これが、当時の私の実態だった。
感情のコントロール法とジャーナリング
では、どうやってこれを変えていったのか。
私が身につけた方法の一つが、感情日記(ジャーナリング)だ。
これは、その日に自分が怒った出来事や、その時の感情を、そのまま紙に書き出す作業である。
これを続けていくと、自分がどんな場面でキレやすいのか、どんなマイルールを持っているのかが、だんだん見えてくる。
自分がイライラしたエピソードを、第三者の目線で読み返す。
すると、自分の器の小ささに呆れたり、冷静にツッコミを入れられるようになった。
最終的には笑いに変えて、他人に語れるくらいに消化できるようになった。
そもそも感情のコントロールというのは、自分で自分の機嫌を取れるようになることだ。
不機嫌さやストレスを、相手にぶつけない状態、と言い換えてもいい。
これは元々の性格の問題ではない。
能力やスキルの問題であり、身につけられるものだ。
そのために必要なのが、まず自分の感情を理解することなのだ。
境界線(バウンダリー)の概念を理解する
もう一つ、変容の鍵になったのが、境界線(バウンダリー)の概念だ。
自分と妻は別の人間であり、それぞれに感情や意思がある。
言葉にすると当たり前だが、当時の私は、これが本当にわかっていなかった。
妻を自分の一部のように扱い、自分の思い通りに動くべき存在だと、無意識に思っていた。
境界線の概念を理解することで、妻への過度な依存が減った。
モラハラ加害者の多くは、この境界線を理解していないと思う。
だからこそ、このステップは解決において非常に重要だった。
キレるパターンを理解し、対策を立てる
自分の感情を理解し、境界線を意識できるようになっても、キレそうになる瞬間はある。
そこで次に取り組んだのが、キレるパターンの特定と対策だ。
私の場合、怒りの要因は、マイルールだけではなかった。
睡眠不足や、業務量が過多になっている時など、身体的な要因とも複雑に絡み合っていた。
これらを特定し、回避できるものは事前に回避する。
心身ともに健康を保つことを心がける。
そうすることで、キレる頻度が格段に減った。
つまり、感情のコントロールは、心の問題だけではなく、体のコンディション管理でもあるのだ。
発達特性と向き合う
ASD・ADHDの診断を受けた時は、「やっぱりそうだろうな」と納得した。
母にADHDの傾向があり、発達特性が遺伝すると知っていたし、私自身も、他人にはできることが自分にはできないという自覚があったからだ。
言語化能力が高くないことも、パニックになると脳がフリーズして言葉が出なくなることも、特性の一つだと理解した。
正直に言うと、モラハラは完全に治るものではないと思う。
だが、特性を理解した上で対策はできる。
これは、私自身の生きづらさ全般を解消するためでもある。
自分は完璧ではなく、失敗もするし、臆病で器も小さい。
そのことを受け入れ、日々起こる想定外の出来事にも、その都度新たな対策を考えて対応している。
今でも、キレそうになる時はある
今でも、不機嫌になったり、キレそうになる時はあるのか、と聞かれる。
正直に言うと、ある。
頻度も強度も減ったが、ゼロにはならない。
外部からの要因や体調不良が重なると、発動する。
その時は、その場を回避するなど、冷静になるための対策を講じている。
当時のように、黒いオーラを出しっぱなしにすることはない。
嫌なことがあれば、その都度、言葉で伝えるようにしている。
これは、当時の自分と比べると、大きな変化だ。
妻への感謝
ここまで書いて、改めて自分の過去を振り返ると、あの偏った歪んだ思考には、反吐が出そうになる。
当時ノートに書き殴っていた日記は、今読み返すと、恨み・辛み・罵詈雑言のオンパレードだ。
旦那デスノートならぬ、加害者デスノートと呼びたいほどの中身だった。
少し気に入らないことがあると、すぐに怒る。
コンビニの店員、カフェで大声で喋る人、デリカシーのない他人。
ありとあらゆるものに、私は怒り倒していた。
よくもまあ、こんなに他人のせいにばかりして生きてこれたな、と自分でも呆れる。
自分が絶対に正しいと信じて疑わず、その正しさを武器に、他人をジャッジしていた。
私たちリジェネは2015年からモラハラ解決を専門にしてきた。
その中で、様々な加害者を見てきた。
だが、正直に言って、私自身が一番モンスターレベルの加害者だったと思う。
普通の被害者妻なら、私との会話の通じなさに耐えきれず、かなり早い段階で離婚を選んでいたはずだ。
そんな中で、私の人生で一番ラッキーだったのは、こんな私に対して、妻がどこまでも寛容だったことだ。
ここについては、本当に感謝しかない。

もっとすごいモンスターは男女問わずにいるよ(笑)
【この記事を書いた人】
経験と専門性
- 夫婦でモラハラの問題を克服した専門家
- ASD・ADHDの混合型診断済み
- モラハラ加害者としての更生を実現
- 週刊文春オンラインでの3記事の連載で加害者心理と更生過程を完全公開
臨床経験(2010年〜)
カウンセラーとして幅広い支援経験
- 公的機関での生活保護・生活困窮者自立支援
- 福祉施設での精神疾患・発達障害者支援
- うつ病の方の復職支援
- 元受刑者・薬物依存者への更生支援
- ひとり親・DV被害者相談
- 企業内パワハラ相談
- 自助グループ・セミナー開催
メディア掲載実績
新聞・雑誌掲載
- 週刊文春オンライン(2024年11月 3記事連載)
- 産経新聞(2021年9月)
- 神戸新聞 まいどなニュース(2021年3月)
- 中日新聞 ねぇねぇちょっと特別編(2021年12月)
- ウレぴあ総研 ハピママ(2023年7月 3記事掲載)
テレビ・ラジオ出演
- NHK「ほっと関西」(2021年11月出演)
- KBS京都「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」(2021年9月出演)
全国12媒体でモラハラ解決の専門家として紹介
モラハラの問題で苦しんでおられる方々の少しでも力になりたいと思っています。
まとめ
最後まで読んで頂きありがとうございました。
今回は、ABEMA Primeの生放送では時間切れで語りきれなかった、加害者変容の具体的な中身を書きました。
- マイルールに気づき手放すこと
- 感情のコントロール法とジャーナリング
- 境界線の概念
- キレるパターンの特定と対策
- 発達特性との向き合い方
これらを一つずつ積み重ねてきたことで、私は少しずつ変わってきました。
「モラハラは治らない」とよく言われますし、私自身も完全に治るとは思っていません。
ですが、特性を理解した上で、対策を積み重ねていくことはできます。
こんな風に、今後も不定期で私の感情や思考を言語化し、モラハラ加害者の思考や認知の理解に役立てていただければ幸いです。
モラハラで苦しんでいるあなたへ
私たち夫婦も、かつては離婚寸前まで追い込まれました。
しかし諦めずに夫婦で協力し、モラハラの問題と真正面から向き合い、解決することができました。
現在は幸せに暮らしています。
すぐに離婚だと諦めないでください。解決への道は必ずあります。
私たちがどのようにして危機を乗り越えたのか、被害者妻と加害者夫の両方の目線でリアルに書いています。
被害者の視点から学ぶ
もし「記事は理解できたけれど、うちの場合はどうすればいいのかわからない…」と感じているなら、一人で抱え込まず、ぜひ私たちにお話を聴かせてください。
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