元モラハラ被害者の観察日記|⑨モラハラ解決後の夫婦関係
「もう元には戻れない。でも、それでいい」
境界線を引き、夫が変わり始めた頃。
私は気づきました。
- もう、以前の関係には戻れない
- 以前のような「夫に従う私」には戻れない
- 夫の機嫌を伺う日々には戻れない
でも、それでいいのです。
むしろ、新しい関係性を築けるチャンスなのです。
この記事は「元モラハラ被害者の観察日記」シリーズ、全11回の第9回目です。
今後は以下の内容で投稿していく予定です。
今後の投稿予定
- 第1回:夫を変える基礎技術
- 第2回:猫を使い悪口を言う夫
- 第3回:来客拒否と制限
- 第4回:趣味の強要と同調圧力
- 第5回:拗ねて無視する夫
- 第6回:健康志向の矛盾
- 第7回:境界線の引き方
- 第8回:発達障害への対応
- 第9回:モラハラ解決後の夫婦関係(この記事)
- 第10回:変化の測定方法
- 第11回:私の失敗と学び
※第10回以降は順次公開予定です。
公開され次第、リンクを追加します。
前回の「発達障害への対応」では、夫がASD・ADHD混合型と診断されるまでの経緯と、発達障害特性を持つ夫への対応と工夫についてお話ししました。
今回は、モラハラ解決後の夫婦関係と、新しい関係性の築き方について詳しくお話しします。
また、所々に、妻の主張に対して夫が当時抱いていたコメントも掲載しています。
※この記事は、加害性が強く、攻撃的で生々しい描写が含まれます。
フラッシュバックや不快感を覚える可能性がある方は、ここで読むのを止めることをお勧めします。
もくじ
境界線を引いた後に訪れる「空白」
会話がなくなった
境界線を引き、夫が拗ねなくなり、無視しなくなった頃。
ふと気づきました。
会話がない。
以前は、夫の不機嫌に怯え、夫の機嫌を伺い、夫の要求に従っていました。常に緊張していました。
でも、境界線を引いてからは、その緊張がなくなりました。
夫も、私に要求しなくなりました。
不機嫌を撒き散らさなくなりました。
でも、会話もなくなりました。
同じ家にいるのに、会話がない。
夫は夫で自分のことをし、私は私で自分のことをする。
境界線を引いたことで、確かに私は自由になりました。
でも、同時に激しい孤独感も感じました。
「これでいいのだろうか」
何度も自問しました。
でも今振り返ると、この「空白期間」は必要な期間でした。
以前の不健全な関係をリセットし、新しい関係性を築くための準備期間だったのです。

この期間は覚えていない。
元々、私から自発的に話すタイプではなく、1人の時間が多いタイプなので。
対話ができるようになるまで
空白期間の間、夫は変化していました。
職場の先輩との対話を通じて、夫は徐々に自分の感情を言葉で表現できるようになっていきました。
- 以前の夫: 「もういいです」(拗ねて無視) 不機嫌オーラを撒き散らす 「察してくれよ」
- 変化後の夫: 「今、俺はこう思ってる」 「これが嫌だった」 具体的に言葉で伝える
この変化が、対話への第一歩でした。
私も変化していました。夫の機嫌を伺わなくなり、自分の意見を言えるようになり、「それは私の問題ではありません」と言えるようになった。
ある日、夫が言いました。
「るみちゃん、俺、今日こういうことがあって、こう思ったんだけど」
これが、私たちの初めての「対話」でした。
以前のような一方的な説教や要求ではなく、夫が自分の感情を言葉にして伝えてくれたのです。
私は、驚きました。そして、初めて夫と対話できた喜びを感じました。

この感覚も覚えていない。
自分としては、会社の先輩に話す感じで、何も取り繕わず話していたのではないかと思う。
あとは、今までは、妻と私の会話のパターンは妻が矢継ぎ早に話していて、私が話す間がなかったが、妻が話さなくなることで、間が空いたり、無言の状態になることで、私の話すターンができてきたとは思う。
新しい関係性とは何か
お互いの違いを認める
新しい関係性の基礎は、お互いの違いを認めることでした。
私と夫は違う人間です。
好きな食べ物が違う。生活リズムが違う。趣味が違う。価値観が違う。体質が違う。
以前の夫は、この違いを認めず、私に自分と同じであることを求めました。
でも、今は違います。
夫は、私との違いを認めるようになりました。そして私も、夫との違いを認めています。
「あなたはあなた、私は私」
新しい関係性の基本は、「あなたはあなた、私は私」です。
夫は夫の好きなものを食べる。私は私の体に合ったものを好きな時間に食べる。
夫は夫の趣味を楽しむ。私は私の趣味を楽しむ。
別々で問題ありません。
以前は、夫が「結婚したのは恋愛時代よりも長く一緒にいられるから」という理由だったため、プライベートも仕事も常に一緒に行動するのが当たり前だと思っていました。
でも今は、私が一人で推し活の旅行に行くことも、夫が一人で筋トレに没頭することも、お互いに認め合っています。
対等な関係
新しい関係性は、対等な関係です。
どちらが上でも下でもない。どちらが正しいでもない。
対等とは「同じ」であることではありません。
夫と私は、年齢が違う。性別が違う。体質が違う。好みが違う。得意なことが違う。
でも、対等です。
対等とは、お互いを尊重し合うことです。
相手の選択を認める。相手の意見を聞く。相手の気持ちを大切にする。相手の境界線を侵害しない。
年齢や性別や立場に関係なく、人として尊重し合う。それが、対等な関係です。

対等と言われると、正直、フェミニストや権利ばかり主張するウザい人種に思えて鼻につくが、相手のことを尊重するという表現の方が自分には入りやすい。
今の私たちの日常
笑い合える関係
以前は夫のできないことに落胆していましたが、今は夫らしい反応を見ると微笑ましく感じています。
「るみちゃん、また支払い忘れてる」
夫が笑いながら言います。
以前なら、説教されていたでしょう。でも、今は笑い合えます。
夫も、私の特性を笑って受け入れてくれるようになりました。
人それぞれ違いがあるからこそ、お互いを補い合えるのだと気づいてから、夫の特性を楽しめるようになりました。

妻の失敗は、まあまあ度が過ぎているため、ある意味、凄いとは思う。
飲みに行った帰りに、高確率で乗り過ごしたり、友人の結婚式を完全に忘れていたり、自分にはできない豪傑なエピソードが多い。
それらを笑い合うというか、妻は、そういう人間なんだと思うしかないのが現状だよね。
健全な喧嘩ができる
新しい関係性を築いてからも、私たちは喧嘩をします。
でも、以前の「モラハラ」とは全く違います。
以前の喧嘩(モラハラ)
- 1ヶ月に1度以上
- 長時間(数日間)
- 一方的に説教する
- 拗ねて無視する
- 私が一方的に謝る
現在の喧嘩
- 6ヶ月に1度軽い口論になる程度
- 短時間(数時間)
- お互いの意見を言い合う
- お互いの気持ちを伝え合う
- お互いに歩み寄る
先日も、事業のことで夫と議論になりました。
お互いの意見が食い違い、どちらも譲らない。議論が少し口論っぽくなりかけた時、夫が「ちょっと1人になる」と言って席を外しました。
私も一息ついて、お茶を淹れ直す。
30分後、お互い落ち着いてから話を再開すると、冷静に議論できました。
仮にケンカになっても、怒りに囚われる時間は確実に短くなり、すぐに関係を修復できるようになりました。

これは定期的にあるが、私は許容量がいっぱいになると、脳内の処理速度が遅くなるため、1人になり、マインドフルネス呼吸を行うようにしている。
そうすることで、フリーズしたPCが再開するように、徐々に頭の回転が戻ってくる。
あとは、歩いたりすることで、脳の運動野が活発になることで気分転換も兼ねて、1人で頭を整理する作業を行なっている。
また、それでも無理な場合は、1人でドライブに出かけるなどして、気分転換に徹するようにしている。
元々、クリエイティブな作業が苦手な脳なので、その特性を自覚し対処するようにしている。
お互いの特性を受け入れる
現在の私たちは、お互いの特性を受け入れた関係性を築いています。
私は夫に対して「あなたの特性も含めて、あなた個人を気に入っている。だからこそ結婚したし、今も一緒にいる」という気持ちを伝えています。
夫は発達特性(ASD・ADHD)があり、協調性のなさや情緒的なコミュニケーションの取れなさがあります。
以前は、そこに落胆していました。
でも今は、予想を裏切ってくることが面白く感じています。同じタイプの人間ばかりでは、新しいアイデアは出ないし、成長はない。少し異端な位が刺激があり丁度良い。
違いを楽しむことができるようになりました。

ここについても、妻と私は全く違うタイプなので、一緒に仕事をする上でも良かったと思っている。
恐らく、私だけの能力では自営業をするのは無理だとは思うが、妻がいてくれることでお互いに苦手な部分を補完しながら、不器用ながらも何とか続けられているのだと思う。
ここについては、私のワガママや特性への理解を示してくれた妻に感謝をしている。
一緒に仕事をする関係
私たちは現在、一緒にモラハラ解決相談所を運営しています。
以前なら考えられなかったことです。
でも、今は一緒に仕事ができます。それは、対等な関係を築けたからです。
お互いを尊重し、お互いの得意なことを活かし、お互いを補い合う。
夫の得意なこと
- 論理的な思考
- ルールを守ること
- 一度決めたことを継続すること
私の得意なこと
- 臨機応変な対応
- 感情的なケア
- 関係の調整
お互いの得意なことを活かし、補い合う。でも、これは「妻だから」「夫だから」ではなく、「個人として得意だから」です。
私たちは、人生のパートナーです。
あなたへ
新しい関係性は一日では築けない
もしあなたが今、境界線を引いて、夫が変わり始めているなら。
焦らないでください。
新しい関係性は、一日では築けません。
私たちも、何年もかかりました。空白期間も経験しました。何度も「これでいいのだろうか」と悩みました。
でも、諦めずに続けた結果、今の関係性があります。
完璧を求めない
夫も私も、完璧ではありません。
今でも喧嘩はします。今でもすれ違うことはあります。
でも、それでいいのです。
完璧な夫婦なんて、存在しません。お互いに不完全だからこそ、補い合えるのです。
一人で抱え込まない
新しい関係性を築く過程は、簡単ではありません。
空白期間の孤独感に耐えられないこともあるでしょう。夫の変化が遅くて、イライラすることもあるでしょう。「これでいいのだろうか」と不安になることもあるでしょう。
そんな時は、一人で抱え込まないでください。
信頼できる人に話してください。カウンセラーに相談してください。
私たちRe:geneも、あなたをサポートします。
まとめ
モラハラ解決後の新しい関係性は、以前の関係とは全く違うものです。
以前のような「夫に従う妻」ではなく、対等なパートナーとして生きる関係性です。
それは:
- お互いの違いを認める
- 「あなたはあなた、私は私」
- お互いを尊重する
- 対等な関係
この四つの柱で築かれます。
簡単ではありません。時間もかかります。空白期間も経験するでしょう。
でも、諦めずに続ければ、必ず新しい関係性を築けます。
あなたも、対等な関係を築けます。
一人で抱え込まないでください。
専門家の力を借りてください。
信頼できる人に話してください。
そして、自分を信じてください。
次回予告
次回は「変化の測定方法」について、詳しくお話しします。
モラハラの問題の解決後に、私たち夫婦の関係性がどう変わっていったのかを具体的に説明していきます。
【この記事を書いた人】
経験と専門性
- 夫婦でモラハラを解決した実体験者
- 2015年から2500件超の相談解決実績
- 行動心理学をベースとしたモラハラ加害者・被害者の心理分析
- 加害者と被害者の思考・行動パターンの解明と改善指導
- 発達障害特性を持つ夫婦関係の調整とサポート
- カサンドラ症候群からの回復支援
- 夫婦間コミュニケーション改善や改善方法の開発
- 同じ経験を持つ専門家として、あなたの状況に寄り添うことが可能
メディア掲載実績
新聞・雑誌掲載
- 週刊文春オンライン(2024年11月 3記事連載)
- 産経新聞(2021年9月)
- 神戸新聞 まいどなニュース(2021年3月)
- 中日新聞 ねぇねぇちょっと特別編(2021年12月)
- ウレぴあ総研 ハピママ(2023年7月 3記事掲載)
テレビ・ラジオ出演
- NHK「ほっと関西」(2021年11月出演)
- KBS京都「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」(2021年9月出演)
全国12媒体でモラハラ解決の専門家として紹介
モラハラの問題で苦しんでおられる方々の少しでも力になりたいと思っています。
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モラハラで苦しんでいるあなたへ
私たち夫婦も、かつては離婚寸前まで追い込まれました。
しかし諦めずに夫婦で協力し、モラハラの問題と真正面から向き合い、解決することができました。
現在は幸せに暮らしています。
すぐに離婚だと諦めないでください。解決への道は必ずあります。
私たちがどのようにして危機を乗り越えたのか、被害者妻と加害者夫の両方の目線でリアルに書いています。
被害者の視点から学ぶ
もし「記事は理解できたけれど、うちの場合はどうすればいいのかわからない…」と感じているなら、一人で抱え込まず、ぜひ私たちにお話を聴かせてください。
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