宗教を盾にしたモラハラ|それは信仰ではなく支配です
まず、この記事は、特定の宗教を批判するものでも、信仰を否定するものでもありません。
信じるものが自分の中にあること自体は、何も悪いことではありません。
ただ、宗教の中で結婚し、苦しんでいる方に、外の世界から見た現実を知ってほしくて書きました。
- 同じ信仰の家庭に生まれ、同じ信仰の相手と結婚した
- 朝晩の礼拝も、家庭での役割分担も、すべてが教えの通りに回っている
- でも、義母からは否定ばかりされる
- 夫も義母の味方ばかりする
- それなのに、苦しいと口にすれば「頑張りが足りない」「お前がおかしい」と言われる
もしあなたがこんな状況にいるのなら、この記事を最後まで読んでみてくださいね。
もくじ
- あなたの家庭で起きていることはモラハラです
- なぜモラハラだと気づけないのか
- 宗教幹部の家に嫁いでも安泰ではない時代
- 離婚後の生活が今より良くなる可能性がある
- 脱会と離婚で失うものと、このまま失い続けるもの
- まとめ
あなたの家庭で起きていることはモラハラです
まず、以下の項目を確認してみてください。
経済的DV
- ギリギリの生活費しか渡されない
- 生活が苦しいのにパートに出ることを許されない
- 夫がまともに働かない、または酒やギャンブルに使ってしまう
人格否定
- 「そんなのはお前の仕事だろ」と育児や家事を突き放される
- 義母から「支部長に家事や育児をやらせるな」とキレられる
- 必死でやっているのに「あなたは出来が悪い」「支部長の妻は務まらない」と批判される
行動の制限と監視
- 友達に会えるのは盆と正月くらい
- しんどくて実家に帰ると言ったら「俺も着いて行く」と押しかけてくる
- 買い物に行くだけでGPSで監視される
こうした行為が日常的に行われているなら、モラハラによる支配を疑ってみてください。
また、宗教の教えによっては、経済的DVの状況を「我慢することが美徳」と解釈し正当化するケースもあります。
また、妻が外に働きに出ている家庭では、さらに深刻な事例もあります。
夫はアルコール依存やギャンブル依存で、同居している義両親も健康なのに働かない。
宗教の家庭で年金を払ってこなかったから、国民年金も支給されない。
妻の稼ぎだけで家計を支えているのに、育児はまともにしてもらえない。
これは経済的DVと育児放棄が重なった状態です。
教えを盾にして、一方的に相手を従わせているなら、それは信仰ではなく支配です。
もし、こうした環境でうつ病になるほど追い詰められているなら、それは「あなたの頑張りが足りない」のではなく、家庭環境が異常なのです。
なぜモラハラだと気づけないのか
宗教コミュニティの中で育つと、こうした扱いを「当たり前」だと思ってしまいます。
周りの家庭も似たような構造で動いているから「うちだけがおかしい」とは思えない。
外の世界との接点が少なければ、比較する対象もありません。
そして何より深刻なのは、うまくいかないことがあるたびに「自分の頑張りが足りないからだ」と刷り込まれてきたことです。
幼い頃から繰り返された「自分が至らないから苦しいんだ」という教え込みは、もはや自責ではありません。
これは洗脳です。
だから何をされても「自分がもっと頑張れば解決する」と思い込み、我慢してしまうため、結果的にモラハラが続くのです。
また、信者の友達に相談しても、最終的には「それはモラハラだ」とは言われない。
くわえて外の世界に相談する習慣もない。
誰にも助けを求められない環境のため、被害が何年も続いてしまうのです。
- 宗教2世がモラハラ被害に遭いやすい構造については、こちらの記事で詳しく説明しています。
宗教幹部の家に嫁いでも安泰ではない時代
一昔前なら、支部長や幹部の家に嫁ぐことは、コミュニティの中では安定した地位を意味していました。
信者からの信頼、安定した高収入、周囲からの尊敬。
同じ信仰の仲間からは、羨ましがられる存在だったでしょう。
しかし今はどうでしょうか?
多くの宗教団体で信者は減り続けています。
信者が減ればお布施や献金も減る。
その影響を最も受けるのは、末端の幹部家庭です。
宗教団体の支部長の家庭に多い事例
- 宗教活動が最優先だから定職に就けない
- 宗教系の学校を出て家業を継いだだけだから、まともな職歴も資格もない
- 40代で転職しようにも受け入れ先はほとんどない
- 結局、低収入の自営業かアルバイトに落ち着くしかない
- その一方で、子どもをたくさん産むことだけは奨励される
- 多くの子どもを抱えているので遊びにも行けない
- 旅行にも行けない、お菓子すら買えない
- 妻は家にいろと言われる
- 義母には逆らえない
- 相談できる人もいない
これは令和の家庭の話です。
しかしやっていることは、戦前の家長制度と変わりません。
男尊女卑、嫁いびり、稼ぎがないのに子沢山、妻に自由はない。
戦後80年かけて日本社会が変わってきたものが、宗教の中では教えの名のもとにそのまま残っています。
デメリットしか見当たらない環境に、しがみつく理由はありません。
離婚後の生活が今より良くなる可能性がある
宗教コミュニティの中だけで生きてきた方は、社会の制度について疎い方が多いです。
また「離婚したら生活できない」と思い込んでいる方も多いですが、ひとり親を支える制度はいくつもあります。
- 児童扶養手当(毎月支給、子どもの人数に応じて加算)
- ひとり親家庭の医療費助成(親子の自己負担がほぼゼロになる自治体もある)
- 公営住宅への優先入居や家賃補助
- 国民健康保険料や国民年金の減免
- 生活保護
ちなみに生活保護を受けることは恥ずかしいことではありません。
お子さんを守るための正当な手段です。
保護受給が決まれば、担当のケースワーカーが生活面も就労面も一緒にサポートしてくれます。
全部を一人で抱える必要はありません。
今の生活と、これらの制度を使った生活を冷静に比べてみてください。
一般の子どもたちが当たり前にしている遊びや経験、お菓子も満足に与えない今の生活と、制度を活用しながらモラハラのない生活。
どちらが子どもにとって健全だと思いますか?
脱会と離婚で失うものと、このまま失い続けるもの
これまでは、今の生活環境を改善することでのメリットを紹介しましたが、当然デメリットもあります。
例えば、離婚に加えて脱会するとなれば、失うものはあります。
- 親が同じ宗教を信仰しているなら、絶縁される可能性がある
- コミュニティの人間関係もなくなる
- 幼い頃からの友人も信者仲間も、全員いなくなるかもしれません
ただ、このまま、この環境に残った場合のデメリットを冷静に考えてください。
あなたの心身の健康
このままモラハラの環境に身を置き続ければ、心身ともに疲弊し、カサンドラ症候群に陥るリスクが大幅に上がります。
子どもたちへの影響
日常的にモラハラがある環境で育てば、子どもはそれを「普通の家庭」だと思うようになります。
男尊女卑の価値観も、経済的DVの構造も、そのまま引き継がれます。
将来、子どもが同じことを繰り返す可能性は高く、これは機能不全家庭における負の連鎖と呼びます。
自分の人生を自分で決めるという感覚
恐らく、この感覚自体が、そもそも薄いと思います。
これまでの人生のターニングポイントを振り返ってみてください。
自分の意思よりも、教え、つまり神の言うことを常に優先してきたはずです。
脱会で一度に失うものと、この先何年もかけて失い続けるもの。
天秤にかけた時に、どちらが重いかを冷静に考えてみてください。
私たちは、このような環境にいる方には離婚を推奨します。
夫も義母も、自分がしていることがモラハラだとは気づいていません。
自分が正しいと信じ切っています。
これはモラハラ加害者に共通する思考ですが、そこに宗教の刷り込みや洗脳が加わると、さらに強固になります。
マイルールを変えるというレベルの話ではなく、信念やアイデンティティそのものを変えなければならないレベルの話です。
変わるためには、まず本人が教えに対して社会とのズレや矛盾に気づき、そこに向き合う必要があります。
しかし、周囲も全員信者です。
教えを否定する人はいないし、教えを疑うこと自体が許されない。
神は絶対。
そんな環境で、本人が自ら気づくことはまずありません。
相手が変わらない以上、モラハラは基本的に悪化していきます。
だから、離婚を推奨しています。
【この記事を書いた人】
経験と専門性
- 夫婦でモラハラの問題を克服した専門家
- ASD・ADHDの混合型診断済み
- モラハラ加害者としての更生を実現
- 週刊文春オンラインでの3記事の連載で加害者心理と更生過程を完全公開
臨床経験(2010年〜)
カウンセラーとして幅広い支援経験
- 公的機関での生活保護・生活困窮者自立支援
- 福祉施設での精神疾患・発達障害者支援
- うつ病の方の復職支援
- 元受刑者・薬物依存者への更生支援
- ひとり親・DV被害者相談
- 企業内パワハラ相談
- 自助グループ・セミナー開催
メディア掲載実績
新聞・雑誌掲載
- 週刊文春オンライン(2024年11月 3記事連載)
- 産経新聞(2021年9月)
- 神戸新聞 まいどなニュース(2021年3月)
- 中日新聞 ねぇねぇちょっと特別編(2021年12月)
- ウレぴあ総研 ハピママ(2023年7月 3記事掲載)
テレビ・ラジオ出演
- NHK「ほっと関西」(2021年11月出演)
- KBS京都「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」(2021年9月出演)
全国12媒体でモラハラ解決の専門家として紹介
モラハラの問題で苦しんでおられる方々の少しでも力になりたいと思っています。
まとめ
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
今回はかなりセンシティブな内容でしたが、我々の相談の中にも宗教絡みの相談が増えてきています。
モラハラの問題は相談できても、宗教の話は我々のような専門家にも相談しにくい問題であるため、このような方々の一助になればと思い、あえてまとめました。
モラハラで苦しんでいるあなたへ
私たち夫婦も、かつては離婚寸前まで追い込まれました。
しかし諦めずに夫婦で協力し、モラハラの問題と真正面から向き合い、解決することができました。
現在は幸せに暮らしています。
すぐに離婚だと諦めないでください。解決への道は必ずあります。
私たちがどのようにして危機を乗り越えたのか、被害者妻と加害者夫の両方の目線でリアルに書いています。
被害者の視点から学ぶ
もし「記事の内容は理解できたけれど、うちの場合はどうすればいいのかわからない…」と感じているなら、一人で抱え込まず、ぜひ私たちにお話を聴かせてください。
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あなたが少しでも穏やかな毎日を取り戻せるよう、心から願っています


