HSPの人がモラハラ被害に遭いやすい理由と対処法

今回は「HSPの人がモラハラ被害に遭いやすい理由と対処法」を説明していきます。

いわゆる繊細な人ですが、このテーマでの相談も増えてきています。 

HSPの方は、その特性上、モラハラ被害に遭いやすいです。

また不安障害や発達障害などと混同されますが、それらの違いについても説明していきます。

HSPの方は、特有の気質があるため、モラハラ被害への対処法も、気質の改善が必要になります。

いずれにしても、ご自身がHSPに該当する場合は、まずは特性を理解して受け入れる必要があります。

HSPの方がモラハラ被害に遭いやすい理由を中心に、モラハラ加害者への対処法を含めて説明していきます。

少し長くなりますが、最後までお読みいただければ幸いです。

この記事はこんな方におすすめです

  • ご自身がHSPか知りたい方
  • モラハラ被害者の方
  • HSP体質を改善したい方

もくじ

  1. HSPとは
  2. HSPの4つの特徴「DOES(ダズ)」
  3. 外交的なHSPのタイプ
  4. HSPと不安障害との違い
  5. HSPと発達障害との違い
  6. HSPの人が自己肯定感が低く自信がない理由
  7. HSPの人がモラハラ被害者になりやすい理由
  8. 刺激への過敏さがもたらす影響
  9. 聞き役に徹してしまうから
  10. 他人に合わせすぎてしまうから
  11. 自分の意見を言わないから
  12. 怒っていい場面で怒れないから
  13. 問題を一人で抱え込んでしまうから
  14. 人に依存されやすい体質だから
  15. 相手の意見を常に気にするから
  16. HSPの人のモラハラ加害者への対処法
  17. 自身の想いを理解する
  18. 心の境界線を作る
  19. ネガティブな反すう癖を止めていく方法
  20. まとめ

HSPとは

HSPとは、生まれつき「非常に感受性が強く敏感な気質をもった人」という意味で「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の頭文字をとって「HSP(エイチ・エス・ピー)」と呼ばれています。

HSPは環境や性格などの後天的なものではなく、先天的な気質、即ち生まれ持った性質であることがわかっています。

統計的には人口の15%~20%、5人に1人があてはまる「性質」です。

専門的な言い方をすると「感覚処理感受性が高い人」であり、音や光、においなどの些細な感覚刺激に敏感で、感受性の高い神経の性質を持った人という意味です。

HSPは病気ではなく、1996年にアメリカの心理学者であるエレイン・N・アーロン博士が提唱した概念です。

HSPは、よくも悪くもあらゆる刺激に対して敏感なため、ポジティブな刺激からはポジティブな影響を受け、反対にネガティブな刺激からはネガティブな影響を受けます。

HSPは新しい概念であるため、まずはHSPについてよく知り、理解を深めていきましょう。

HSPの4つの特徴「DOES(ダズ)」

アーロン博士は、HSPの特徴として以下の4つを提唱しています。

D:Depth of Processing(処理の深さ)

  • あらゆることを深く考える特性
  • 周囲からは「考えすぎ」と思われることがある
  • 簡単な物事でも、深くさまざまな思考をめぐらせる

O:Overstimulation(刺激への反応の過敏さ、高ぶりやすさ)

  • 感覚刺激に対して良くも悪くも非常に敏感
  • 楽しい時には人一倍気分が上がる一方、緊張しやすく落ち込みやすい
  • 刺激に対する反応が強く表れやすく、疲れやすい

E:Emotional response and empathy(共感力・感情反応の強さ)

  • 感情の波が人一倍大きい
  • 極端なまでに感動しやすく涙もろい
  • 他人との心の境界線が薄く、相手の感情の影響を受けやすい

S:Sensitivity to Subtleties(感覚の鋭敏さ)

  • 些細な刺激にも気づきやすい
  • 他の人が気づかないような音や光、匂いなど、微細な刺激も敏感に察知する

これらの4つの特徴の頭文字を合わせて「DOES」と呼びます。

すべての特徴に当てはまる人は、HSPである可能性が高いといえるでしょう。

外交的なHSPのタイプ

これまでの説明からHSPを「繊細で感受性が強い人」と理解された方がほとんどでしょう。

そのため「内気で引っ込み思案」「神経質」「内向的」といった印象を抱く方もいるかもしれません。

しかし、HSPの中には、刺激希求特性が高いタイプも少なからず存在します。

繊細な一方で好奇心が人一倍強く、自分から積極的に刺激を求めていくタイプです。

これをHSS(High Sensation Seeking)型と呼びます。

HSS型HSPの特徴

  • 好奇心が旺盛で新しいものが好き
  • 刺激を求めて退屈さを嫌う
  • 活発的で外交的な性質を持つ

このタイプは一般的にイメージされるHSPらしく見えないため「隠れ繊細さん」と表現されることもあります。

HSP特有の繊細さが周囲からわかりにくいのが特徴です。

典型的なHSPが強い刺激を避けようとする傾向がある一方で、HSS型は積極的に刺激を求めます。

しかし、刺激希求と高感受性という二つの特性が共存するため、積極的に行動した後に通常より強い疲労を感じやすいという特徴があります。

HSPと不安障害との違い 

HSPは生まれながらに持っている気質であり、病気ではありません。 

一方で不安障害と呼ばれる病気があります。

不安障害とは、特定の場面で手や声の震え、目眩や動悸、発作が起きたり、漠然とした不安や恐怖を抱えるなど、生活に支障が出るレベルでの症状により、行動を制限されたり、不眠や慢性疲労などの心身の不調が続く状態を指します。

大勢の前で発表する時の緊張は誰にでもありますが、不安障害の人は普通の人よりも過度に強い不安や恐怖を感じて心身に不調が出てしまいます。

そのためHSPとは違い、生活に支障が出るレベルでの過度な緊張や不安を抱える点で、本質的に異なります。

HSPと発達障害との違い

HSPの人はDOESの特徴から、周囲と上手く折り合えないことがあります。

発達障害(ADHD・ASD)でも、人間関係構築の難しさ、感覚過敏、マルチタスク困難、言葉の出にくさ、意見を言わない、完璧主義、一人を好むなど類似点があります。

しかしHSPと発達障害は似て非なるものです。

ADHDでは注意力散漫や集中力持続の困難からミスが生じますが、HSPは深く考え込み過ぎた結果、他に目が向かずミスをするプロセスがあり、不注意性とは異なります。

ASDの拘りの強さはHSPにも見られますが、ASDは脳機能の偏りが要因、HSPは情報を熟考することから生じます。

最大の違いは、HSPは空気を敏感に察知するのに対し、ASDは基本的に空気を読むことが苦手です。

「感覚の敏感さ」「深く考える」点では共通していますが、ASDは「空気を読めない」、HSPは「空気を読みすぎる」特徴があります。

ただしASDの人が努力で場の推測ができるようになると類似することもあり、心理検査が必要な場合があります。

ご自身がHSPか発達障害かわからないという方は、自己判断せず専門機関への相談をお勧めします。

発達障害の場合、適切な治療で症状が緩和することがあります。

HSPの人が自己肯定感が低く自信がない理由

HSPの人が自己肯定感が低い理由として、モラハラ加害者からの「お前が悪い」「お前がバカだから教えてやったんだ」という人格否定の言葉を真に受けることは想像しやすい要因です。

しかし、それ以外のHSP特有の特性も自己肯定感の低下に大きく影響しています。

失敗体験の過度な反すう

HSPの人は特性上、失敗に対して頭の中で何度も深く考えてしまいます。

「なぜ失敗したのか」「思った通りにできなかった」などネガティブな感情を反すうし、たった一度の失敗なのに何度も失敗しているような感覚に陥り、大きなダメージを受けて自信を喪失していきます。

多くの人なら反省して「次は頑張ろう」と流せることも、HSPは深く考えすぎてしまいます。

次の失敗を防ぐための前向きな問題解決だけを考えるならよいのですが、ネガティブな後悔も何度も反すうするため自己肯定感が低下していきます。

また、些細なことを気にし過ぎてクヨクヨし、不安や緊張で本来の力を発揮できない自分自身に嫌悪感を抱く、という悪循環も生じています。

過剰な責任感

HSPの人は感受性が強く、周囲への配慮や気遣いができる性質を持っています。

そのため、困っている人を助けたいという潜在的な欲求があります。

周囲で困っている人を見かけると「なぜその人が嫌な思いをする前に助けてあげられなかったのか」「私の力不足だ」と自分を責めてしまいます。

客観的に見れば、そこまでの責任を背負う必要はなく「誰もあなたのせいだとは思っていない」でしょうが、本人は助けられなかった自分が悪いと考えます。

これは自身に対する過度な期待であり、その期待に応えられない自分はダメだという思考を繰り返すため、どんどん自信が失われていきます。

判断能力への影響

自己肯定感が低いと、自分の意見に自信が持てなくなります。

誰が見ても明らかにモラハラ夫が悪いという事象であっても、自身の判断を信じることができなくなります。

これは自己肯定感の低さだけでなく、度重なるモラハラによりカサンドラ症候群に陥り、正誤を判断する能力自体が鈍ってしまっていることも複合的な要因と考えられます。

また、自己肯定感の低さから「自分を必要とする人はいない」「自分に価値はない」といった思い込みが生じます。

この否定的な自己認識により、長期間モラハラ被害に苦しんでいても、その状況から脱却する決断力を持てないことが多いのです。

HSPの人がモラハラ被害者になりやすい理由

刺激への過敏さがもたらす影響

HSPの人は刺激への反応が過敏・鋭敏です。

モラハラ夫から大きな声で怒鳴られると、頭がフリーズして何も考えられなくなると訴える方は多いです。

子どもの頃から大声や大きな音が苦手であり、モラハラ夫が行う不機嫌なドアの乱暴な閉め方やテーブルを叩く音などは恐怖でしかありません。

その恐怖を回避するために、理不尽に「謝れ」と言われたら、その場から離れたい一心で謝ってしまう被害者も少なくありません。

HSPの特性として、物事を深く何度も考えてしまう傾向があります。

自身に非がないのに謝罪を強要された場合「この苦しみ・恐怖から解放されたい」と思って謝ります。

しかしそれを反芻することで、夫の「お前が悪い」という理不尽な言葉を鵜呑みにし「私が悪いんだ」という考えにすり替わってしまいます。

この負のスパイラルの形成として、この自責の念は際限なく続きます。

負のスパイラルの事例

  • 「私が悪いから夫は怒るんだ」
  • 「夫を怒らせる私はダメな人間だ」
  • 「こんなダメ人間で申し訳ない」
  • 「ダメな私と結婚してくれている夫には感謝しかない」
  • 「だからキツイことを言われてもしょうがない」

という謎の論理の飛躍、ネガティブスパイラルが形成されていきます。

ハネムーン期の影響

モラハラ夫に多いハネムーン期の行動も、自責の体質のHSPには大きく影響します。

暴言の後に泣いて謝罪したり、プレゼントを買ってきたりする行為を見て「誠心誠意謝っているから悪い人ではない」「この人に辛い思いをさせてはいけない」と考え、モラ夫の思うツボにはまります。

これらの心理操作は、意図的に行う反社会性パーソナリティ障害の可能性もありますが、悪意なくハネムーン期の行動を取るモラハラ加害者も多数います。

HSPの人は人の気持ちに共感しやすく感情移入しやすいため、モラハラ夫が泣きながら謝ると、その言葉を信じてしまい許してしまいます。

また、自責傾向が強く、誠心誠意、謝罪をした夫から離れる行為は「裏切りだ」と感じてしまうのです。

このように相手を思いやる能力が高いからこそ、モラハラ後の謝罪や涙に心を動かされ許してしまい、結果的にモラハラ被害が続いてしまうのです。

聞き役に徹してしまうから

HSPの人は相手の気持ちを察する能力が高く、共感力が強いため、相手は気持ちよく話し続けてしまいます。

この特性自体は素晴らしいのですが、モラハラ加害者との相性は良くありません。

モラハラは主に会話の中で発生します。

そのため、更生していない加害者と長時間話せば話すほど、被害を受けやすくなります。

モラハラ加害者の思考は基本的に、相手の弱点や出来ていない部分に目が向きやすい傾向があります。

機嫌が良い時は笑って済ませることもありますが、不機嫌な時には急に責め立てることがあります。

このような行動はパワハラ上司やお局、小姑などとも共通しています。

また、モラハラ夫の父親もモラハラ加害者であるケースが多く、幼少期から細かいことを指摘され続けた経験から、このような考え方が身についたと考えられます。これは負の世代間連鎖です。

このような加害体質の人と長時間関わることは、アラ探しや攻撃材料を与えるようなものであり、離れることが最善です。

HSPに多い行動パターン

  • 空気を読んで無理に雑談をする
  • 無言が気まずいため、何か話題を提供しようとする
  • 面白くない状況でも愛想笑いをする

これらの行動は配慮や優しさから生まれていますが、結果的にモラハラを助長してしまいます。

モラハラ加害者から見れば、HSPの人の行動は自分の話を喜んで聞いてくれているように映ります。

また、HSPの人も加害者が喜んでいれば、内心は困りながらも嬉しくなることもあります。

このように、お互いの気質が相まって、モラハラ被害が続いてしまうのです。

これらの対処法としては

加害者への対処法

  • 無理に話さない(必要な用件以外は控えめに)
  • 話す必要がある時だけ、簡潔に話す
  • 無言の時間があっても気にしない
  • 愛想笑いをしない
  • 本当に面白い時や共感できる時だけ笑う

これらの対応を一つずつ実践することで、加害者からの攻撃の機会を減らすことができます。

相手の機嫌を気にするかもしれませんが、目的は加害者との会話量と攻撃を減らすことです。

できるところから、始めていきましょう。

他人に合わせすぎてしまうから

HSPの人は自己主張が苦手で、相手の意見を尊重しすぎてしまうところや、相手の望むような反応を反射的に取る傾向があります。

例えば、加害者から一方的に理不尽な自論を言われ、最終的に「お前がバカだから教えてやってるんだ」「お前が悪い、謝れ」と言われると、その場を収めるために自分が間違っていると認めてしまったり、本人は全く悪く無いのに謝ったりしてしまいます。

これらの行為も、モラハラ被害が続いてしまう要因です。

自分の意見を言わないから

他者の感情に敏感でも自身の感情に鈍感

HSPの人は、Dの特性上、相手の感情や状況などを瞬時に察知して深く考えることができます。

その一方で自身の感情や感覚に対しては、意外なほど鈍感です。

これは自身の気持ちを抑え込み、他人に合わせることが幼少期から常態化しているためです。

そのため「あなたはどう思っているの?」と聞かれると、上手く答えられなかったり、そもそも自分の考え自体が出てこないことがあります。

また、意見があったとしても、その場面での「正解」を熟考してしまい、結果的に言葉が出ないこともあります。

さらに、周囲の空気を過剰に察して、どの意見に賛同すればカドが立たないかを重視するため、他人に合わせてしまいます。

モラハラ関係における悪循環

このDの気質から、モラハラ加害者が自身の言うことを聞かせるために勝手な自論や価値観を押し付けてきたことに対して、不満や異論を感じたとしても熟考してしまうため、瞬時に言葉が出ません。

結果的に言い返せないことで、加害者は「反論がない=同意した」と都合よく勝手に判断します。

後々になって「あの時、お前は同意しただろ?」「聞いてないだと?ふざけるな」などと言いくるめられてしまいます。

これらの負のパターンによって、加害者の都合の良いように振る舞われ、結果的に本人の負担が増え、心身ともに疲弊していきます。

怒っていい場面で怒れないから

HSPの人は他人が叱られているのを見ても自分が落ち込んでしまうほど感受性や共感力が高いため、無意識的に周囲の感情を害さない、波風を立てない選択肢を選ぶのが幼少期からの癖になっています。

また、怒りの感情自体はあっても「ここで言い返すと相手の気分を損ねるかな?」などと相手の気持ちを慮り、結果的に言えません。

例えば、モラハラ加害者から「お前は本当に何も出来ない役立たずだな」「本当に専業主婦は無能で世間知らずのバカだな」などと、あからさまな人格否定をされたとしても、怒ることができません。

そのため、加害者はHSPの人が実は怒りを抑え込んでいることに気づかず「コイツは何を言っても怒らない」と足元を見るようになり、暴言はどんどんエスカレートしていきます。

ただ、怒りの感情自体のストレスは蓄積していくため、我慢の限界になると突然、感情が爆発したり、抑うつ状態(カサンドラ症候群)に陥るケースもあります。 

問題を一人で抱え込んでしまうから

HSPの人は自身の問題を相談したり、人に頼ったりすることが苦手です。

これは常に相手の感情や事情を敏感に察知し、過剰に気を配るためです。 

「周りに迷惑をかけられない」「私のために人の手を煩わせるべきではない」「自分の問題は自分で解決すべきだ」という考えが強く、また、他人に自分の気持ちを理解してもらえないという思い込みも持っています。

さらに、弱い面を見せることを恥じる傾向があるため、問題を一人で抱え込むようになります。

このような特性により、HSPの人がモラハラ被害に遭っていても、その問題は周囲から気づかれにくくなってしまいます。

対処法としては、専門家でも誰でも良いので、モラハラ被害を受けていると思ったら、些細なことでも頼ることです。 

自分の問題だから自身で解決すべきという発想が出てくると思いますが、あなたの現状は、もはや一人で問題解決できる状況ではないことをまずは自覚してください。

周りに迷惑をかけたらどうしようなどと思うかもしれませんが、専門家は頼られるために存在しています。 

あなたのように困っている人を支援するために存在していますので、気兼ねなく頼ってくださいね。

人に依存されやすい体質だから

この特性もHSPの気質である自己肯定感の低さや、断れない性質が大きく関わっています。

HSPの人は、加害者が依存してくる場合、相手に尽くすことで「この人には私がいないとダメになる」と考え、そこに自身の存在意義を見出してしまいます。

そのため、相手が全く働かなかったり、ギャンブルに依存したり、お金を無心してきても、借金を作ったとしても「嫌われたくない」「捨てられたくない」という気持ちから応じてしまうことがあります。

また周囲からは、明らかに問題のあるパートナーに引っかかっている、依存されていると分かるのに、当の本人も相手に依存している共依存状態のため、その異常さに気づきません。

このような状況では、自力でモラハラ被害に気づくことが難しく、悪化していく一方です。

そのため、周囲からの粘り強い声かけや、時には半ば強引とも言える介入が必要になることもあります。

相手の意見を常に気にするから

この特性も、HSPの人の自己肯定感の低さと自信のなさが影響しています。

HSPの人は自分の感じ方や社会性に自信が持てません。

そのため、信頼している相手(パートナー)の意見をそのまま鵜呑みにしてしまいがちです。

これは幼少期から、周囲や世間からズレないことや相手の気持ちを逆なでしないことばかりを重視してきたからです。

自分で物事を決めないことが、最も安心できる行動だと学習してきたのです。

そのため、自分の意見がないように見られることも多く、実際に自身の意見を表明できません。

結果として、モラハラ加害者の言いなりになってしまい、モラハラ被害が継続してしまうのです。

HSPの人のモラハラ加害者への対処法

自身の想いを理解する

HSPの人は自身の想い(本音)を言語化するのが苦手です。

この要因は幼少期から、自身の思いよりも他者を優先したり、世間とのズレがないことを優先してきたためです。

自分の感情の根本に何があるのかを探ることで、曖昧なモヤモヤの要因が具体的な言葉になり、冷静に処理できるようになります。

HSPの方は感情や思考を具体的な言葉に変換する能力が低い、言い換えれば言葉の「解像度」が低い傾向があります。

この解像度の低さが感情処理力を弱め、衝動的な行動や言葉を生み出す原因となります。

言葉の解像度を高めるための心理学的手法として「フォーカシング」があります。

これは言葉にならないモヤモヤなど、曖昧な感情や考えを具体的な言葉にする訓練で、繰り返すことで感情をより適切に理解し表現する能力が身につきます。

また、言葉が咄嗟に出ない人の中には、自分が言われたくないことや本音を言語化しようとしても出てこない、またはわからないという方がいます。

トレーニングを続けることで、徐々に自分の想いが言葉になるようになります。

具体的には、まずはノートや紙を用意してください。

制限時間を決めて、自分の考えていることや感情をひたすら紙に書き出すジャーナリングという方法です。

紙に書き出すことで、思考や感情を客観視し、冷静さを取り戻すことができます。

具体的には以下のポイントを押さえつつ書き出していきます: 

  • 本音を抑圧せずに書く 
  • ひたすら書き続ける

自分の本音や感情を表に出すのは、HSPの人にはかなり勇気のいることでしょう。

「こんなこと思っていいのかな?」「こんなことを書くのは恥ずかしい」と思うこともあるでしょう。

しかし、この内容は誰に見せるわけでもなく、書き終えたら捨ててしまっても結構です。 

そのため、書き出すときは自分の感情を抑圧せず、ありのままに素直に書き出しましょう。 

シンプルな方法ですが、やってみるとかなりスッキリします。

心の境界線を作る 

HSPの方は、モラハラ被害者同様、心の境界線が曖昧です。 

そのため、自身が言われたくないようなモラハラ発言も結果的に嫌だと反論しないために受け入れてしまいます。 

まずは、あなたがパートナーから言われたくないことを明確にする必要があります。

ノートや紙に、パートナーから言われたくないこと、受け入れられないことを書いてみてください。

最初はモヤモヤがなかなか言葉にならないかもしれませんが、毎日数分でも続けることで形になってきます。 

パートナーへの怒りや罵詈雑言など、自分で見たくないダークな面も出てくると思いますが、その強い感情は否定せずに書き出してください。 

そうすることで、より自分の本音が明確になります。

幼少期から「人に対して批判や悪口を言ってはいけない」「そのようなことは思ってはいけない」「人には感謝しないといけない」などと教育されてきたかもしれません。

そのため、ネガティブな感情に蓋をしてきたと思われますが、それもあなたの心の一部ですので、否定せずに受け入れてください。 

受け入れていくことで、自分の感情や本音が湧き出てくるようになります。

相手から言われたくないことの事例

  • 頭が悪いなどの人格否定
  • 身内や兄弟の悪口
  • 稼ぎが悪いなどの暴言

ネガティブな反すう癖を止めていく方法

HSPの方に多いのは、モラハラ加害者からの「お前が悪い」「お前がバカだから教えてやったんだ」という人格否定の言葉を真に受けて自分を責めるパターンです。

このネガティブな後悔を反すうすることで、自己肯定感が下がり、些細なことを気にし過ぎてクヨクヨし、不安や緊張で本来の力を発揮できない自分自身に嫌悪感を抱くという悪循環が生じます。

この反すう癖を止めるための有効な解決策としてマインドフルネス瞑想があります。

私も10年ほど行っていますが、効果は絶大です。

瞑想と言われると坐禅を組むような肩苦しいイメージがありますが、そのようなことは必要ありません。

マインドフルネス瞑想の実践方法

  1. リラックスできる空間で一人になる
  2. 姿勢はあぐらが理想だが、布団に寝ながら天井を見つめるなどカジュアルでも構わない
  3. 部屋は可能なら薄暗い方が良い
  4. 最初は5分程度から始める(スマホなどでタイマーを設定)
  5. 薄目を開けて、どこか一点に集中する

呼吸法

  • 4秒で吸って、4秒止める、次に8秒かけて吐く
  • おへその下にある丹田に意識を集中させる
  • 時間内はひたすらこの呼吸のみに集中する
  • 様々な雑念(「夫からこんなこと言われた」「冷蔵庫の食材の賞味期限」など)が湧いてきても拾わずにスルーする
  • 意識が雑念に持っていかれそうになったら、再度、丹田を意識して呼吸に戻る

この呼吸法に集中することで、ネガティブな反すう癖を強制的に断ち切ることができます。

また、何も考えない時間を作ることでメンタルが安定し、脳疲労の軽減にもなるため、HSPの方にはとても効果的です。

まとめ

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

夫から、モラハラ被害に遭い、心が疲れてしまう日々を過ごしているあなたへ。
この文章が少しでも安心や気づきにつながっていれば嬉しいです。

もし「対処法は理解できたけれど、うちの夫の場合はどうすればいいのかわからない…」と感じているなら、一人で抱え込まず、ぜひお話を聴かせてください。

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  • 冷静に考えられない
  • 些細なことでイライラしてしまう
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といった症状がある場合は、カサンドラ症候群(抑うつ状態)の可能性も考えられます。

そんなときは、何よりもまず、ご自身の体調を大切にしてくださいね。

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また、モラハラ夫への対処法の全般が知りたい方はコチラの記事を、モラハラ全般について知りたい方はコチラの記事を参考にしてくださいね。

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