夫のモラハラは自己愛性パーソナリティ障害が原因なのか?

モラハラ加害者に多い要因として、自己愛性パーソナリティ障害が挙げられます。

もし、あなたの配偶者が、自己愛性パーソナリティ障害に該当するのであれば一緒に生活するのは、かなり難しいかもしれません。

自己愛性パーソナリティ障害の特性や対処法などを含めて説明していきます。

もくじ

  1. 自己愛性パーソナリティ障害とは
  2. 自己愛性パーソナリティ障害の判断基準
  3. 自己愛とは
  4. 自己愛性パーソナリティ障害の特徴
  5. 自己愛性パーソナリティ障害の人と暮らす影響
  6. 自己愛性パーソナリティ障害の人への治療法と接し方
  7. 今後の人生を考える

自己愛性パーソナリティ障害とは

よく言われるように、自己愛性パーソナリティ障害はナルシストのように自分自身を大好きだと思われがちですが、実際にはその逆であり、正常な自己愛を獲得できなかったために、ありのままの自分自身を愛せない病です。


この障害の特徴としては、自尊心が極端に肥大しているため、他人からの批判や傷つく可能性に非常に敏感であることがあります。自分が傷つかないようにするために、周囲に対して高圧的な態度を取ったり、完璧さを求めたりする傾向があります。

自己愛性パーソナリティ障害の判断基準

自己愛性パーソナリティ障害かどうかは、DSM–5という判断基準を用いて判断します。誇大性(空想または行動における)、賞賛されたいという欲求、共感力の欠如の広範な様式で、成人期早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。以下のうち5つ(またはそれ以上)によって示されます。

【DSMー5】

  • 自己の重要性に関する誇大な感覚(例:業績や才能を誇張する、十分な業績がないにも関わらず優れていると認められることを期待する)
  • 限りない成功、権力、才気、美しさ、あるいは理想的な愛の空想にとらわれている
  • 自分が特別であり、独特であり、他の特別なまたは地位の高い人たちにしか理解されない、または関係があると信じている
  • 過剰な賞賛を求める
  • 特権意識、つまり、特別有利な取り計らい、または自分の期待に自動的に従うことを理由なく期待する
  • 対人関係で相手を不当に利用する。つまり、自分の目的を達成するために他人を利用する
  • 共感の欠如:他人の気持ち及び欲求を認識しようとしない、またはそれに気づこうとしない
  • しばしば他人に嫉妬する、または他人が自分に嫉妬していると思いこむ
  • 尊大で放漫な行動、または態度

自己愛とは

文字通り、自分自身を愛し、可愛がり、大切にしたいという感情です。
誤解されやすいのですが、自己愛自体は誰もが持っているものであり、悪いものではありません。
自己愛という感情は、自分を尊重し、自己価値を認めることに関連しています。
適切な範囲での自己愛は、健康な自己イメージや自信の形成に役立ちます。
ただし、極端な自己中心主義や他人を蔑視する態度とは異なります。

正常な自己愛の定義

正常な自己愛とは、自分自身のありのままの状態を受け入れることを指します。
それは自分の良い側面だけでなく、自分の欠点や思うようにならない部分、他人と比べて劣っていると感じる部分も含めて、自分自身全体を受け入れることです。
また、自分に問題や課題がある場合には反省し、現実の自分を直視して自己評価を行うことも含まれます。
この健全な自己愛は、幼少期に両親、特に母親から無条件の愛を受けた経験を通じて育まれることがあります。

正常な自己愛を獲得できなかった

一方、自己愛性パーソナリティ障害の方は、両親から無条件の愛を受けた経験がなく、常に「親の期待に応えなければ見捨てられる」「言うことを聞かなければ生きていけない」という恐怖を抱えていました。
そのため、「人に愛されるためには他人より優れていなければならない」「人から愛されるためには特別な存在でなければならない」と考えるようになり、正常な自己愛を獲得することができず、大人になってもそのままの状態が続いています。
本来、自己愛は自分自身であることを包括的に受け入れるものですが、彼らは自分の思う通りにならない部分も含めて自分を受け入れることができず、また、思うようになれない自分自身を許すこともできません。
そのため、他人の失敗も許容することができないのです。

自己愛性パーソナリティ障害の特徴

  • 誇大性
  • 過剰な賞賛を求める
  • 特権意識
  • 人を見下す
  • 共感の欠如

誇大性

健康な人の心の中には、通常「理想の自分」「自己評価が低くて価値のない自分」「等身大の自分」という要素が存在します。
「等身大の自分」とは、他人の評価に左右されず、自分自身の本来の姿を受け入れることを指します。
自己愛性パーソナリティ障害の人には、等身大の自分がなく、常に他人の評価に過度に気を使っています。
彼らは幼少期に「自己評価が低くて価値のない自分」を形成し、他人を嫉妬や羨望の感情で見上げ、強いコンプレックスを抱えます。
このような経験を二度としたくないと思い、自尊心を肥大させて理想的で万能な自分を思い描くことで自己否定感を打ち消そうとします。
無能で価値のない自分になることを恐れ、その不安を払拭するために、自己防衛反応として誇張した自己像を形成するのです。
自己愛性パーソナリティ障害の方は、他人に受け入れられるためには理想的な自分でなければならないと考えています。
そのため、彼らの中には誇張した自己像に近づこうと必死に努力する人もおり、その結果、高学歴や高収入、社会的地位の高い人が多い傾向があります。

過剰な賞賛を求める

自己愛性パーソナリティ障害の方は、等身大の自分を持っていないため、「常に自分以上でなければならない」という強迫観念に囚われて行動します。
彼らは「思い描く理想の自分にならないと生きていけない」「失敗は絶対に許されない」と信じており、幼少期から自分自身を「優秀で特別であるべき存在」と思い込んでいます。これは自分自身を守るための防御機制です。
しかし、一度失敗すると等身大の自分が存在しないため、「もう一度頑張ればいい」という気持ちが湧きません。
その結果、すぐに挫折し絶望し、立ち直ることができなくなることもあります。
これによって引きこもりやうつ症状が発症する場合もあります。

特権意識

自己愛性パーソナリティ障害の方は、常に「自分は他人とは異なる特別な存在だ」と考えています。
そのため、一般的なものや平凡なものを嫌悪し、高級ブランドや高級車、一流企業への所属、高収入や高学歴など、社会的に賞賛される要素を追求するために努力します。
さらに、他人と比較して自分が優れていると感じることを重視し、痩せている、特定の知識に詳しいなど、他人と差別化する手段を追求する傾向があります。
また、特別であり続けたいという思いから、奇行や反社会的な行動に走ることもあります。
また、表面上は卑屈な態度を取ることもありますが「あなたにはわからないと思う」といった言葉を使って他者を見下すような態度や他人を軽んじることがあります。

人を見下す

自己愛性パーソナリティ障害の人は、等身大の自分がないため、他人と対等な関係を築くことが難しいです。
他人より常に優位でなければ自分を保てないため、勝ち負けの概念に常に意識を向け、高圧的な態度をとることがあります。
些細なことでも自分をアピールし優越感に浸ることがあります。
ただし、自分より圧倒的に優れた存在と認める相手に対しては、過剰に媚びへつらうことがあります。
一方、自分より劣っていると見なす相手には、明らかに見下した態度を取り、暴言を吐くこともあります。

共感能力の欠如

自己愛性パーソナリティ障害の人は、特権意識や等身大の自分がないため、相手のことを理解しようという意思がない傾向があります。
また、発達障害も併発している場合、相手の気持ちが理解できないという要素もあります。
さらに、自己愛性パーソナリティ障害の人は自分自身を特別視しており、相手に合わせる必要性を感じない傾向があります。
相手が私に合わせるべきだと思っている場合もあります。

自己愛性パーソナリティ障害の人と暮らす影響

配偶者が自己愛性パーソナリティ障害であったとしても、様々な理由から簡単には離婚ができない方もおられると思います。
ここでは、自己愛性パーソナリティ障害の配偶者との結婚生活を続けることでの影響をご紹介します。
自己愛性パーソナリティ障害の特性上、人を見下し、相手が全部悪いと思っているため、「オマエはクズだ」などと暴言を吐かれたり、朝まで説教をされたり、日々、人格否定をされ続けることがあります。
このような行動は、配偶者の精神的なストレスを非常に大きくし、うつ症状が発症する可能性があります。

子供への悪影響

子供にとって生育環境は非常に重要です。
子供に対してモラハラや暴力を振るったり虐待的な環境で育つのは悪影響でしかありません。
また子供に対して直接的な暴力や暴言等がなくても影響を受けることはあります。
両親が常に喧嘩していたり、冷戦状態が続いていたりする姿を目の当たりにするだけでも子供に与える衝撃は必ずあります。
リジェネでも多くの子供への影響を見てきましたが、いわゆるトラウマや、PTSD、パニック障害を発症する子供もいます。
自己愛性パーソナリティ障害の配偶者との生活を続けることは、あなた自身の問題だけでなく子供の心身への悪影響があることもしっかり理解しておきましょう。

自己愛性パーソナリティ障害の人への治療法と接し方

①病院の受診を促す

多くの場合自己愛性パーソナリティ障害の方は自身の症状に無自覚であり、「自分は困っていない」ケースがほとんどです。
ですから、会話が可能な場合には、配偶者に対して自身の状況を伝え、精神科の受診を促すことをおすすめします。
ただし、本人は自身の症状に無自覚で「自分が正しい」と思っているため「あなたは自己愛性パーソナリティ障害だと思う。病院に行こう」と伝えても、「俺を病人扱いするのか。お前がおかしい」といった反応が返ってくる可能性が高いです。

また、万が一病院を受診することに応じたとしても、カウンセリングに行く目的は、「妻と離婚したくないから」や「とりあえず受診していれば離婚はされない」など、打算的な目的が多いです。
自己愛性パーソナリティ障害の特性上、表面的には反省しているフリをすることがあるかもしれませんが、心の底では「自分には全く非はない」「悪いのはあいつだ」と考えているため、自分自身の問題に向き合う意思や改善の意欲がないのが一般的です。

②通院が難しい場合

離婚を視野に入れて、今後、どうしたいかを考えることが重要
本人が頑なに治療をしない場合は、症状が悪化するのみなので基本的には離婚が適切でしょう。
ただ、いきなり離婚となると、どうしたらいいかわからないと思います。
離婚を視野に入れる為に様々な情報を見て今できそうなことから考えてみることをおすすめします。
人生は長いですし、答えを決めたらそれ以外選べないという訳ではありません。
完全に納得できる方法というものが、存在しないこともありますから腑に落とせるポイントを自身と向き合うことで発見するというのも必要だと思います。

また、みなさんが矛盾した気持ちを抱えたり、気持ちの変化が波のように起こったりします。

自分だけではないと思っていただいていいですし、私に聞いたからといって「離婚するっていったよね?」とは責めません。

もし聞くとしたら心境の変化があった原因が知りたいので質問するだけで、他意はありません。

まずは、情報を得ることで安心できる場合もありますから、気軽に相談してくださいね。

離婚の流れはこちら

今後の人生を考える

まずは今後の人生についてあなたがどうしたいのかを考えてみて下さい。
離婚をしたいのか? それとも、大変ではあるがパートナーの治療を支えようと思うのか? どの答えを選んでも正解などはありません。
また、お子さんがいる場合は経済的なことも踏まえ、お子さんとあなたにとって、どの選択が一番幸せなのかを考えてみてください。

「子供の為に絶対に離婚はダメだ」「両親が揃っていないと子供がかわいそうだ」などと、世間体などに振り回されずに、あなたとお子さんにとって幸せであるのかを考えてみてください。

ただ、考えてみたけど、どうしたらいいのかわからない、答えが出ないという方は、恐らく配偶者への対応で精神的に疲弊していることが考えられます。
無理に正しいとされることを取り入れずに、自分の気持ちを落ち着かせることをまずは優先させてください。

まずは一人で抱え込まずに気軽にご相談してくださいね。

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