発達障害の子の不登校とモラハラ|「お前の育て方が悪い」と責める夫
今回は、発達障害のある子の不登校を妻の育て方のせいにする夫の言動と、それが子どもに与える影響について説明していきます。
結論から言うと、子どもの不登校を妻の育て方のせいにする夫の態度そのものがモラハラであり、子どもにも悪影響を及ぼします。
ここでいう発達障害とは、ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)など、生まれつきの脳の特性のことです。
この特性によって、コミュニケーションや気持ちの切り替え、感情のコントロールなどに、得意・不得意の差が出ます。
この記事では、同じ意味で「発達特性」とも書きます。
また、私の夫もASDとADHDの混合型です。
私たち夫婦はモラハラの問題を乗り越えてきたので、発達特性のある家庭で何が起こりやすいのかを、実体験とご相談の両方からお伝えできます。
なお、この記事で「夫」と書く場合は、ご相談で多く見られる夫の言動のことで、私の夫のことではありません。
前回の記事では、SNSで広がった厳しい声と、子どもが学校に行けない背景、そして私自身の経験をお伝えしました。
今回は、その家の中の話として
- 夫の言動がなぜモラハラにあたるのか
- 子どもへの影響
- 癇癪が止まらないときの対処法
- お母さん自身を守る方法
の順にお伝えします。
もくじ
- 夫は育児に口を出すだけで、サポートは一切しない
- 不登校を妻の育て方のせいにする
- 子どもが夫のモラハラ発言を真似する
- 離婚・別居した後も、モラハラの影響は子どもに残る
- 子どもの癇癪が止まらないときの対処法
- お母さん自身を守るために
- 子どもとの関わりを、お母さんが無理なく続けるために
- 母親一人に責任を負わせる構造がおかしい
- まとめ
夫は育児に口を出すだけで、サポートは一切しない
ご相談では、次のような夫への不満がよく聞かれます。
- 学校との連絡や送迎、療育への付き添いは、すべて妻が一人でしている
- 夫は「無理にでも学校に行かせろ」「甘やかすな」と口だけ出す
- 夫は普段は無関心なのに、問題が起きた時だけ子どもを叱る
妻からすると、こうした夫の態度はストレスでしかありません。
そんな関わり方をするなら、むしろ関わらないでほしいと思うお母さんも多いはずです。
不登校を妻の育て方のせいにする
モラハラとは精神的な暴力のことで、人格否定や暴言、無視、不機嫌な態度で相手をコントロールしようとする行為を指します。
夫の次のような言動は、モラハラに該当する可能性があります。
- 「お前の育て方が悪い」「母親失格だ」と決めつける
- 妻が育児や家事で手一杯なのに、一切協力しない
- 「パートしかできないくせに」「俺が稼いでいるから」と見下す
これらは、妻への責任転嫁、育児の丸投げ、人格否定やマウントなど、どれもモラハラ夫に多い言動です。
また「お前が悪い」とすべて妻のせいにして、自分のことを棚に上げるのも、モラハラ夫によく見られる特徴です。
そもそも、発達特性のある子どもの不登校は、育て方だけで説明できるものではありません。
子どもが夫のモラハラ発言を真似する
モラハラ夫の発言を、子どもがそのまま真似して、お母さんに言うことがあります。
たとえば「ママのせいで、自分は学校に行けない」といった言葉です。
発達特性のある子どもは、脳の特性上、言葉が相手に与える影響を想像することが難しいのです。
また、日常的に聞いた言葉を、悪意なく使ってしまうこともあります。
なぜなら、子どもにとっての社会は家庭だからです。
家庭で日常的に交わされている会話が、子どもにとっては当たり前の会話になり、そのまま一般化されてしまうのです。
その結果、子どもは父親の母親への接し方を、そのまま再現してしまいます。
お母さんが何かしてあげても感謝せず、うまくいかないことはお母さんのせいにしてしまうのです。
ご相談の中でも、お母さんが子ども本人を責めてしまう場面は少なくありません。
しかし、子どもを責める前に、なぜその言葉を口にするのかを考えることが大切です。
離婚・別居した後も、モラハラの影響は子どもに残る
これまで2,500件以上のご相談をお受けしてきた中で、離婚や別居の後に、子どもの様子が変わったというお話を伺うことがあります。
たとえば、子どもが突然癇癪を起こし、手がつけられなくなるケースです。
その言い方や態度が夫に似ているとお母さんが指摘すると、子どもは「お父さんと一緒にしないで」と激しく怒ります。
さらに
- 「ママのせいだ」
- 「ママが離婚したせいで、お父さんと会えなくなった」
- 「お父さんに会いたい」
と言うこともあります。
しかし、これは本心ではないことが多く、後から子ども自身が「本当はそんなこと思っていないよ」と話すこともあります。
では、なぜこのような発言をするのでしょうか。
それは、夫がキレた時の言い方を長い間見てきたため、感情が高ぶった瞬間に、それが衝動的に出てしまうからだと考えられます。
もちろん、離婚すること自体は悪いことではありません。
ただ、夫婦間のモラハラの影響は、離婚や別居の後も、子どもの中に残ることがあるのです。
子どもの癇癪が止まらないときの対処法
対処法は子どもによっていろいろですが、癇癪になった場合は、まずはクールダウンをさせることが必要です。
癇癪の中には、夫の行動を真似て壁を叩いたり「やめて」と言っても、全く聞く耳を持たないケースがあります。
また、癇癪が止まらず、周りの人から通報されて警察が来て、ようやく落ち着く子どももいます。
ですので、子ども本人やお母さんに危険が及ぶ場合は、迷わず110番や、児童相談所の全国共通ダイヤル189に連絡することを忘れないでくださいね。
そのうえで、お母さんはご自身がパニックにならないよう、落ち着いて毅然と対応しながら、その場を離れてくださいね。
しかし、離れることで、かえって暴れるタイプの子どももいます。
ガラスを割るなど、自暴自棄になるタイプです。
このタイプの子どもは、かまってほしくても上手く言葉にできない場合に、物を壊したり暴れたりして表現することがあります。
壊したらどうなるかを体験させたうえで叱る、という方法もあります。
ただ、癇癪の最中はお母さんにも余裕がなく、安全を確保できないことがほとんどです。
無理に体験させようとせず、まずは安全を優先してください。
叱ったり、理由を伝えたりするのは、子どもが落ち着いてからで十分です。
何より、命は一つしかありません。
お母さんは、自分が冷静でいられる距離を保ちながら、見守ってください。
また、見守っている間は、次のことを心がけます。
- 口を出さない
- 「何で、そんなことするの?」と質問攻めにしない
- その場で、やってはいけない理由を説明しない
これらは、癇癪をさらにエスカレートさせるので止めるべきです。
お母さん自身を守るために
子どもの癇癪の場面で、お母さん自身が、過去の記憶を思い出してつらくなることがあります。
子どもが壁を叩く、同じことを繰り返すといった行動が、夫の言動と重なって見えるためです。
そのときに、お母さんがパニックになってしまうと、その場がさらに混乱してしまいます。
だからこそ、まずお母さん自身が混乱や不安に取り込まれないことが大切です。
離れることは、逃げることでも、子どもを見捨てることでもありません。
お母さん自身を守り、子どもにも冷静に関わるための、大切な対応です。
もちろん、思い出してつらくなる状態が続くと、複雑性PTSDなどに移行する可能性もあります。
治療が必要と感じたら、精神科や心療内科、お住まいの地域の相談窓口、ためらわずに連絡してくださいね。
何よりもご自身のことを、まずは優先してあげてください。
子どもとの関わりを、お母さんが無理なく続けるために
お母さんは、子どもの親であることからは逃げられません。
だからこそ、お母さん自身が潰れないことが、いちばん大切です。
子どもへの関わりは、短期間で終わるものではありません。
子どもの発達の凹凸のうち、苦手な部分を、お母さんが一気に補おうとしなくて大丈夫です。
発達特性のある子どもは、年齢よりもゆっくり発達します。
「今は○歳だもんな。数年後に伝えよう」くらいの、長いスパンで考えてください。
子どもとの距離感を保つのは、子どもを落ち着かせるだけではなく、お母さん自身の消耗を減らす意図でもあります。
一人で抱え込まず、相談できる人や場所を多く持つことも、長く取り組むための土台になります。
母親一人に責任を負わせる構造がおかしい
最後にお母さん一人に育児の責任を負わせる構造自体が、おかしいのです。
育児に必要なのは、夫婦で協力し支え合うことです。
また、子どもの不登校は、夫婦で向き合うべき課題です。
不登校の背景に、家庭の環境が影響することは大いにあります。
ただ、それはお母さん一人の責任ではなく、夫婦と家庭全体の課題です。
「私の育て方が悪かったのかな」と自分を責めないでくださいね。
詳しくは、次の記事もご覧ください。
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【この記事を書いた人】
経験と専門性
- 夫婦でモラハラを解決した実体験者
- 2015年から2500件超の相談解決実績
- 行動心理学をベースとしたモラハラ加害者・被害者の心理分析
- 加害者と被害者の思考・行動パターンの解明と改善指導
- 発達障害特性を持つ夫婦関係の調整とサポート
- カサンドラ症候群からの回復支援
- 夫婦間コミュニケーション改善や改善方法の開発
- 同じ経験を持つ専門家として、あなたの状況に寄り添うことが可能
メディア掲載実績
新聞・雑誌掲載
- 週刊文春オンライン(2024年11月 3記事連載)
- 産経新聞(2021年9月)
- 神戸新聞 まいどなニュース(2021年3月)
- 中日新聞 ねぇねぇちょっと特別編(2021年12月)
- ウレぴあ総研 ハピママ(2023年7月 3記事掲載)
テレビ・ラジオ出演
- NHK「ほっと関西」(2021年11月出演)
- KBS京都「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」(2021年9月出演)
- ABEMA『秘密のママ園』様 2026/4 #12ママのモラハラ化問題!出演
- ABEMAPrime(アベプラ)様 2026/7/13出演
- ABEMAPrime(アベプラ)様 YouTube版はこちら
全国12媒体でモラハラ解決の専門家として紹介
モラハラの問題で苦しんでおられる方々の少しでも力になりたいと思っています。
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まとめ
今回は、発達障害のある子の不登校を妻のせいにする夫の言動が、モラハラにあたることと、その影響が子どもにも及ぶことをお伝えしました。
夫の言葉は、離婚や別居で離れた後も、子どもの中に残ることがあります。
そのため、子どもの癇癪には、その後も一定の距離を保ち、口を出しすぎず、長い目で見ていく関わりが必要です。
もし今、一人で抱え込んでいる方がいれば、無料相談をご利用ください。
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私たち夫婦も、かつては離婚寸前まで追い込まれました。
しかし諦めずに夫婦で協力し、モラハラの問題と真正面から向き合い、解決することができました。
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