自分はモラハラ加害者かもと悩む方へ|家族に強く当たる原因と対処法
- 「また、子どもに強く言い過ぎてしまった」
- 「パートナーに同じことでイライラをぶつけてしまった」
- 「なんで、あんな言い方をしてしまったんだろう」
そう自分に問いかけながら、こう思ったことはありませんか?
「もしかして、自分はモラハラ加害者なのではないか?」
インターネットで「モラハラ 加害者」と検索して、自分に当てはまる項目を見つけるたびに胸が締めつけられます。
自分は加害者かもしれないと思う一方で、「家族を愛している」という感情もあります。
その狭間で、行き場のない感情をどう処理すればいいのかと葛藤している方が、実はたくさんいらっしゃいます。
私は長年、相談員としてお話を伺う中で、こういった心の揺れを抱えた方に、よくお会いします。
今回は、次の3点について、しっかりお話ししていきます。
- 家族に強く当たってしまう原因
- ご自身が加害者なのかを判断する基準
- 加害者にならないための対処法
もくじ
- なぜ私は家族に強く当たってしまうのか
- 子どもに強く当たっていた方が変われた理由
- 悩んでいる時点で本物の加害者とは違います
- 自分を責め続けても問題は解決しない
- 怒りの感情と向き合う3つのステップ
- まとめ
なぜ私は家族に強く当たってしまうのか
まず、なぜ大切な家族に対して、つい強く当たってしまうのか。
その背景には、3つの共通する要因があります。
①マイルールが強い
一つ目は、相手に対して「こうあるべき」という基準が、自分の中で強くなっていることです。
例えば、次のようなものです。
- パートナーは家事を分担すべき
- 子どもは親の言うことを聞くべき
- 父親は尊重されるべき
これらは、あなたの中では当たり前、つまり絶対的なルールになっている可能性があります。
このルールが守られない瞬間、次のような感情が湧いてきて、それが怒りとして表れます。
- そんなのはあり得ない
- 何で、そんなことをするんだ?
- 私は大事にされていない
ルールが絶対的であるほど、そして自分にとって大切な相手であるほど、怒りは強く出てしまいます。
②自分の疲れに気づけていない
二つ目は、自分自身の疲れや不安に、気づけないでいることです。
例えば、私たちのもとに相談に来られる方の多くは、経営者、中間管理職以上、士業、教職の方々です。
いわゆる働き盛りの世代で、毎日多忙なうえ、休日も家族サービスに追われ、慢性疲労の状態に陥っている方が多くおられます。
1日のタイムラインや睡眠時間などを伺うと、早朝から深夜までかなりタイトで、睡眠が5時間未満の方も少なくありません。
ですが、その多くの方は、それを普通だと思っており、慢性疲労の自覚がありません。
しかし、この状態が続くと、いつもは許せる行動であっても、些細なことでイライラしやすくなります。
ちなみに私も、仕事のタスクが増えると、通常時よりイライラするハードルがかなり下がります。
ですので、最近イライラしやすくなったと思われた時は、生活リズムを振り返ることをおすすめします。
仕事のストレスと家族への怒りの関係は、こちらの記事で詳しくお伝えしています。
③弱音を吐いてはいけないと思っている
三つ目は、「弱音を吐いてはいけない」という思いが根底にあることです。
これは、特に昭和生まれの男性に多いと思われます。
例えば、幼少期に父親から、次のように怒鳴られたり、殴られたりした経験がある方もいると思います。
- 男のくせに泣くな
- 男は強くあれ
- 女の腐ったようなことを言うな
ちなみに、うちの夫の父親もこんな感じでした。
今では考えられないような、男尊女卑丸出しの昭和の思考です。
これらの信念が、幼少期から大人になった今もルールとして定着しているため、しんどくても弱音が吐けない状態になっているのです。
ですが、あなたも父親である前に一人の人間です。
特に働き盛りのあなたは、
- 仕事では重責を負わされ
- 部下は言うことを聞かない
- 上長からは批判しかされない
- その中で常に結果を出し続けなければいけない
- 家族のために自分が倒れるわけにはいかない
など、慢性的な高ストレス状態にあると思います。
しかも、そのしんどさを言える人も場所もなく、本当は心身ともに限界なのに、毎日、家族のために歯を食いしばって会社に行っている。
そんな方が本当に多いと思います。
ですが、そのストレスは、見ないように蓋をしてもどんどん溜まっていきます。
先ほどの体調面での不調と合わさって、さらにイライラしやすくなり、それが怒りという形で表れてしまいます。
弱さを見せてはいけないという思いが強いほど、虚勢を張ることになり、さらに攻撃的になってしまいます。
さらに、慢性的なストレスの蓄積が限界を迎えると、身体症状となって現れ、適応障害やうつ病に陥ることもあります。
まず、心療内科や精神科の受診をおすすめします。
こうならないためにも、日常的な不満やしんどさなどの本音を言える人や場所を確保することをおすすめします。
理想はパートナーに話せることですが、言いたくないという方もおられます。
詳しくは、記事の一番下にある、LINEのお友達登録から、無料相談をご活用ください。

子どもに強く当たっていた方が変われた理由
ある方は、子どもがおもちゃの片付けをしないたびに、強い口調で叱ってしまうことに悩んでいました。
「怒った直後は、ものすごい罪悪感が来るんです。子どもの寝顔を見ながら、なんであんな言い方をしたんだろうって、毎晩泣きたくなります」
そう話してくれました。
けれど、翌日また同じような場面になると、同じように強く言ってしまいます。
自分を責める気持ちと、また繰り返してしまう自分への嫌悪が、少しずつ積み重なっていました。
面談の中で生育歴を伺っていくと、その方は幼少期から「片付けができない子は愛されない」というメッセージを強く受けて育っていたことが分かってきました。
「子どもの散らかった部屋を見た瞬間、自分の中で何かが爆発する感じがして、気づいたら怒鳴ってしまっている」とのことでした。
これは、子どもへの怒りというより、過去の自分に向けられていた怒りが、目の前の子どもに向かって出てしまっていた反応だったのです。
このことに気づいてから、この方は「散らかった部屋を見た時の反応」を、少しずつ客観的に観察できるようになっていきました。
その結果、同じ場面に出くわしても「今、私の中で過去の怒りが発動している」と思えるようになり、怒りのマグマのゲージが下がって、やがて怒鳴ることはほとんどなくなりました。
悩んでいる時点で本物の加害者とは違います
「自分はモラハラ加害者なのではないか」と悩んでいる方に、私がよくお伝えしていることがあります。
それは、ご自身がモラハラ加害者ではないのかと客観的に見ている時点で、モラハラ加害者である可能性は低い、ということです。
ここで、典型的なモラハラ加害者の特徴を説明します。
モラハラ加害者は、自身の発言をモラハラだとは思っていません。
それは、次のような思考があるからです。
- 「相手のためを思って言っている」
- 「あいつがわかってないから教えてやっている」
- 「俺にこんなことを言わせる、アイツが悪い」
これらは、他責思考で、自分の非を認めず、自分が絶対に正しいと思っているという、加害者の特徴から来ています。
また、稀にケンカの後に反省の言葉を述べることがありますが、それは損得勘定で、相手が自分から離れないようにするためのものです。
自身に問題があるとは微塵も思っていないため、根本的な加害者体質は改善しません。
一方で、「私はモラハラ加害者かもしれない」と検索して、この記事に辿り着いたあなたは、自身の発言や行為に疑問を持っています。
罪悪感を抱き、自分を責め、変わりたいと願っています。
この感情を抱えている時点で、モラハラ加害者の思考とは違います。
ただ、だからといって、あなたが家族に強く当たってしまったことが帳消しになるわけではありません。
それによって家族が傷ついているのは事実です。
その事実は、しっかり受け止める必要があります。

ご自身の状態を、客観的に確かめたい方は、こちらのチェックテストもご活用ください。
自分を責め続けても問題は解決しない
衝動的に強く言ってしまい、怒鳴ってしまった。
家族からは避けられるし、子どもも私に怯えているように見える。
そんな姿を見ると、本当に申し訳なく思うし、父親失格なのではないかとも思ってしまう。
また、そんなどうしようもなく稚拙な自分が嫌になって、落ち込んでしまう。
- こんなこと誰にも言えない
- 家に帰っても落ち着かない
この状況から「一体、どうすればいいのか?」と悩み、さらに自分を責めてしまうと思います。
ただ、ここで厳しいことを言わせていただきます。
このような自責のループに陥ると、そこにだけエネルギーを消費してしまい、ご自身がキレる要因を振り返るという、本来やるべき問題解決にまったく目が向かなくなります。
そうなると、また同じ場面でキレるというパターンが、延々と続きます。
ですので、反省自体は悪くないのですが、反省だけで終わらせず、
- どうやったら怒りの感情をコントロールできるのか?
- なぜ、自分はあんなにキレてしまうのか?
という問題解決の観点を、持っていただきたいと思います。
怒りの感情と向き合う3つのステップ
ここでは、怒りの感情をコントロールする方法を中心に説明していきます。
まず、紙とペンを用意してください。
紙のサイズはA4やB5がおすすめです。
スマホのメモではなく、紙に書くのがポイントです。

①怒りの感情を抑えずに書き出す
ここでは、率直に思うことを、一切抑えずに書き出してください。
ちなみに、これは人に見せるものではないので、罵詈雑言であっても書いてください。
ただし、家族に見られるとまずいという方は、カフェなどでルーズリーフやメモ帳に書き込み、その都度、書いた紙を捨てるという方法がよいと思います。
書き込む例としては、次のようなものです。
- なぜ、俺の言うことが聞けないんだ?
- ふざけやがって、いい加減にしろ
- 何度も同じ失敗ばかりするなよ
- 偉そうに上から言ってくるなよ、何様だ
- 少しくらいは感謝しろよ
- 誰のおかげで生活できてると思ってるんだ?
もっとひどい言葉でも構いません。
なぜこのようなことを書くかというと、怒りの感情は二次感情であり、その下には一次感情と言われる本音があるからです。
一次感情とは「悲しい」「寂しい」「不安」「虚しい」「怖い」などの感情です。
怒りの感情をコントロールするためには、この一次感情と向き合う必要があります。
しかし、二次感情である怒りが残っていると、一次感情に辿り着けません。
そのため、先にすべて吐き出す工程が必要なのです。
②何にイライラしたのかを理解する
怒りの感情を吐き出して、少し落ち着いてきたところで、今回の怒り、またはご自身がキレてしまう場面を思い出して書き出してください。
その時に、どの部分にイライラしたのかを書いてみてください。
具体例としては、次のようなものです。
- 昨日も注意したのに、また同じ失敗をしたから
- 妻が私の話を聞かずに遮ったから
- 疲れて帰ってきているのに、妻から労いの言葉はなく、家事や育児を強要されたから
- 私だけ家族から無視されているように感じたから
- 帰宅した時点で夕飯が用意されていなかったから
- そもそも仕事でのトラブルでイライラしていたから
③本当はどうしてほしかったのかを理解する
ここでは、先ほどの具体例を参考に考えてみます。
- 昨日も注意したのに、また同じ失敗をしたから
→ 言ったことは守ってほしかった - 妻が私の話を聞かずに遮ったから
→ 私の話をちゃんと聞いてほしかった - 疲れて帰ってきているのに、妻から労いの言葉はなく、家事や育児を強要されたから
→ 外で頑張ってきたのだから、労ってほしかった - 私だけ家族から無視されているように感じたから
→ 無視せずに、会話の輪の中に入れてほしかった - 帰宅した時点で夕飯が用意されていなかったから
→ 私が帰るタイミングを逆算して、用意してほしかった - そもそも仕事でのトラブルでイライラしていたから
→ 今日はイライラしているので、気にかけてほしかった
などです。
どうでしょうか?
本音を書くのは、かなり恥ずかしいですよね。
また、今まで誰にも言ったことのない弱音を吐いているようにも感じて、とてもしんどい作業かもしれません。
ですが、これらの本音と向き合うことで、ご自身が何に怒っていて、本当はどうしてほしかったのかまで、理解できたと思います。
多くの人は、この本音、つまり一次感情という考え方を知りません。
そのため、自分が何に怒っているのかを、根本的に理解できません。
その結果、相手のせいにしたり、正論を言ったりして、自分自身を納得させようとします。
しかし、その方法では、また同じ場面に出くわすと、怒りの感情が湧いてきます。
自身の本音に気づいた後は、自分を主語にした伝え方で相手に本音を伝える方法がありますが、今回は情報が多いため割愛します。
ここまでをまとめると、次の3つです。
- 怒りの感情を吐き出す
- 何にイライラしたのかを理解する
- 本当はどうしてほしかったのかを理解する
これらを行うだけでも、怒りのマグマのゲージはかなり下がってくると思います。
また、大切な家族との関係性を維持するためには、何よりも、ご自身に非があったと感じた時は、すぐに謝罪をすることです。
これは、長々と謝罪する必要はありません。
謝られた側の負担になりますので、短く端的に「さっきは強く言い過ぎた、ごめんね」と言えば十分です。
そして、謝った後は自分を責めすぎず、再発防止策を考えましょう。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
家族に強く当たってしまう背景には、マイルールの強さ、慢性的な疲れ、弱音を吐いてはいけないという思い込みがあります。
「自分はモラハラ加害者かもしれない」と悩んでいること自体が、典型的な加害者との大きな違いです。
ただし、家族が傷ついている事実は、しっかり受け止める必要があります。
自分を責め続けても、問題は解決しません。
まずは、怒りを書き出し、何にイライラしたのか、本当はどうしてほしかったのかを整理してみてください。
強く当たってしまった時は、短く謝って、次の対策を考えましょう。
【この記事を書いた人】
経験と専門性
- 夫婦でモラハラを解決した実体験者
- 2015年から2500件超の相談解決実績
- 行動心理学をベースとしたモラハラ加害者・被害者の心理分析
- 加害者と被害者の思考・行動パターンの解明と改善指導
- 発達障害特性を持つ夫婦関係の調整とサポート
- カサンドラ症候群からの回復支援
- 夫婦間コミュニケーション改善や改善方法の開発
- 同じ経験を持つ専門家として、あなたの状況に寄り添うことが可能
メディア掲載実績
新聞・雑誌掲載
- 週刊文春オンライン(2024年11月 3記事連載)
- 産経新聞(2021年9月)
- 神戸新聞 まいどなニュース(2021年3月)
- 中日新聞 ねぇねぇちょっと特別編(2021年12月)
- ウレぴあ総研 ハピママ(2023年7月 3記事掲載)
テレビ・ラジオ出演
- NHK「ほっと関西」(2021年11月出演)
- KBS京都「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」(2021年9月出演)
全国12媒体でモラハラ解決の専門家として紹介
モラハラの問題で苦しんでおられる方々の少しでも力になりたいと思っています。
あわせて読みたい関連記事
モラハラで苦しんでいるあなたへ
私たち夫婦も、かつては離婚寸前まで追い込まれました。
しかし諦めずに夫婦で協力し、モラハラの問題と真正面から向き合い、解決することができました。
現在は幸せに暮らしています。
すぐに離婚だと諦めないでください。解決への道は必ずあります。
私たちがどのようにして危機を乗り越えたのか、被害者妻と加害者夫の両方の目線でリアルに書いています。
被害者の視点から学ぶ
もし「記事は理解できたけれど、うちの場合はどうすればいいのかわからない…」と感じているなら、一人で抱え込まず、ぜひ私たちにお話を聴かせてください。
現在、LINE登録をしていただいた方には、初回特典として無料相談(50分)をプレゼントしています。下記からお気軽にご登録ください。
小さな一歩が、大きな変化を生むこともあります。
あなたが少しでも穏やかな毎日を取り戻せるよう、心から願っています。


