夫婦の会話がつまらない、しんどいと感じたら|モラハラに至る会話パターン
今回は「夫婦の会話がつまらない、しんどいと感じたら|モラハラに至る会話パターン」について説明します。
- 「夫婦の会話が、なんだかつまらない」
- 「話していても、しんどい、疲れる」
- 「最近、会話が減ってきた気がする」
こんな風に感じていませんか?
恋愛時代や新婚の時はあんなに楽しかったのに、今はつまらなくなってしまった。
「変わったのは夫のせい?」「モラハラのせい?」そう思う気持ち、よくわかります。
でも、もしかしたら、その問題はもっと以前から、静かに始まっていたのかもしれません。
今回は、関係性が冷え切り、モラハラへと繋がってしまう「会話のパターン」について説明していきます。
このまま続けていると、関係性はさらに悪化し、モラハラや離婚に至る可能性があります。
少し長くなりますが、順を追って説明していきますので、最後まで読んでいただければと思います。
もくじ
- なぜ以前から問題があったのか
- 冷え切った関係になる会話のパターン集
- 察してもらおうとする、試すようなコミュニケーション
- 相手の話を聴かず、自分の話をする
- 否定・批判から入る
- 的外れな返答をする
- 夫を蚊帳の外に置く
- 他人と比較する
- 過去のことを何度も蒸し返す
- 夫が答えにくい質問をしている
- まとめ
なぜ以前から問題があったのか
モラハラは「冷え切った関係」の氷山の一角
これは決して、加害者を擁護するわけではありません。
最終的にモラハラという暴力を振るう加害者が悪いのは、揺るぎない事実です。
しかし、その行為に至るプロセスを見ていくと、ある共通点があります。
それは、モラハラが起きる以前から、すでに夫婦関係が冷え切っていたということです。
モラハラという行為は、いわば氷山の一角であり、目に見えてわかりやすい部分に過ぎません。
たとえその「症状」を取り除いたとしても、水面下にある「冷え切った関係」そのものを改善しなければ、本当の意味で夫婦関係が良くなるとは言えないんです。
モラハラは、日々の会話の中で発症します。
ストレスが蓄積したり、言われたくないことを言われたりした際に、感情が爆発して癇癪を起こすのです。
もちろん、自分の感情をコントロールできない夫の未熟さが最大の問題であることは言うまでもありません。
夫もまた「会話がしんどい」と感じている
私たちは、被害者と加害者の双方から話を聞く、数少ないモラハラ専門の支援機関です。
そこで見えてくるのは、双方の主張の食い違いです。
被害者である妻が苦しんでいるのと同様に、実は加害者である夫に不満を聞くと、山のように出てくるんです。
その中でも「妻と会話するのがしんどい」という言葉は、多くの夫たちが口にする共通の悩みです。
面談で見えてくる「日常会話の再現」
なぜ、そこまで会話が食い違ってしまうのでしょうか。
それは私たちの面談の場でも、実際によく起こる現象を事例に解説します。
例えば、面談において、被害者である妻側が、一方的に矢継ぎ早に自分の話を延々とするとします。
私たちが質問をして答えてもらう分には良いのですが、聞いてもいないのに話し続けてしまう。
それ自体は、私たちが情報を把握し会話パターンを分析するために必要なので、悪いことではありません。
しかし、こちらがテキスト等に載っている具体的な対処法を指導しようとしても、話を集中して聞けないというケース
俯瞰的に判断しても「自分の話をするのは心地よいが、人からの改善提案などは一切受け取らない」という姿勢に見えますよね。
きっと悩んでいる本人に「聞く気がないですよね?」と質問すると、「そんな訳がない」と回答するでしょうし、実際に思っていないとは思います。
私のその質問を攻撃と捉えてしまうでしょうから、いきなりはそのようには対応しませんから安心してくださいね。
こうした面談の場面で起こっていることを、心理学の世界では「経験の再現」と呼びます。
要するに、パートナーと話す際にも、日常的に「こういうパターン(一方通行)」で話しているということが理解できるんです。
初回面談などでは多少気を使いながら話していますが、私たちとの関係性が構築できてくると、その地が出てきます。
私たちはその部分を必ず見るようにしています。
なぜなら、それが「夫との会話で再現されている部分」だからです。
「話を聞く」には訓練が必要
一般的に、「人の話をただ聞く」という行為は、誰にとっても難しいものです。
私たち相談員やカウンセラーのような専門的な訓練を受けていない限り、できなくて当然なんです。
だから、自分を責める必要はありません。
ここで想像してほしいのは、仕事で疲れて帰ってきた夫に対しても、面談時と同じように一方的に話してしまっているのではないか、ということです。
夫が帰宅し、やっと落ち着けると思った矢先に、一方的に話しかけられれば、疲れが倍増するのは容易に想像できると思います。
これらが日常的に行われていれば、夫は疲弊してしまいます。
ミスコミュニケーションが関係を冷やす
私はこれまでの経験から、日常会話のキャッチボールがきちんとできている夫婦は、モラハラの関係にはほぼ至らないと考えています。
もちろん、疲れているからといって暴言を吐いていい理由にはなりません。
ただ、夫婦関係を再構築し、お互いが対等でフラットな関係を築くには、やはり「会話」が最も重要です。
双方向のコミュニケーション、つまりキャッチボールができないと関係はうまくいきません。
だからこそ、あなた自身が無意識にやっている「会話のパターン」を、一度見直してみてほしいと思います。
冷え切った関係になる会話のパターン集
ここから、関係が冷え切ってしまう会話の代表的なパターンを紹介していきます。
もし、この中にあなたが無意識にやってしまっていることがあれば、それが夫婦の関係が冷え切っていった要因かもしれません。
自分に当てはまるものがないか、これまでの会話を振り返りながら確認してみてください。
もし心当たりがある場合でも、自分を責めないでくださいね。
誰も教えてくれなかったから、知らなかっただけですので。
察してもらおうとする、試すようなコミュニケーション
してほしいことがあるのに、具体的に言わずに「察してほしい」と願う。
例えば「私のこと、面倒くさい女だと思っているんでしょ?」といった言い回しです。
その背景には、夫から「そんなことないよ」という否定の言葉をもらって安心したいという心理があります。
しかし、こうした回りくどいコミュニケーションは、相手をひどく疲れさせてしまいます。
また、わざと拗ねて見せたり、相手を試すような態度をとったりして、期待通りの反応がないと不機嫌になる。
これも、パートナーを精神的に消耗させる大きな原因です。
含みを持たせた言い方ではなく「○○してほしい」と具体的かつ端的に伝えることを心がけてください。
相手の話を聴かず、自分の話をする
夫婦仲がうまくいっていない家庭で、最も多いのがこのパターンです。
例えば、夫がサッカーの話をしているのに、その話題には一切触れずに「そういえば」と長女の習い事の話を始める。
このようなすれ違いの会話を繰り返すと、夫は「こいつは俺の話を聞かない」「俺に興味がないんだ」と感じ、次第に話さなくなります。
本来、女性は周囲の空気を読み、聞き手と話し手を交代しながら会話を盛り上げる能力に長けています。
女性のコミュニティーでは自分の話しかしないと敬遠されるのを知っているため、社会生活では高い適応力を持っているはずです。
しかし、こと夫婦という深い関係になると、なぜか一方的に話し続けてしまう妻が多く見受けられます。
もちろん、そうなってしまう背景には、致し方ない理由があることも理解しています。
例えば、専業主婦でワンオペ育児中の場合などは、タスク多さや未完了のことが多く脳のリソースが思うよりも使われてしまい取捨選択や論理的にまとめるような作業が低下しやすくなります。
また、大人と話す機会がほとんどありませんから、つい話し込んでしまう事もあるでしょう。
ただ、この振る舞いが続くと、夫は「自分の話を奪われた」「俺の話は無視か」と不満を募らせてしまいます。
相手の話を聴いている最中に自分の意見を差し挟むのも、「話を折られた」と感じさせる原因になります。
相手が話しているときは、まず「聴くこと」に徹する。
これは、夫婦関係を再構築する上で極めて重要なポイントです。
否定・批判から入る
相手の言葉を頭ごなしに否定すると、相手は話す気をなくし、二度と相談したくないと思ってしまいます。
例えば、夫が「たまには旅行でも行かないか?」と提案した際に、妻が「そんなお金どこにあるの?」「子供の習い事で忙しいの知ってるでしょ」と即座に否定するケースです。
これでは、夫の歩み寄ろうとする気持ちを一切受け入れていません。
また、相手の話を途中で遮るのもNGです。
これは聴く側に余裕がない、あるいは聴きたくないときに取ってしまう行動です。
たとえ相手のためを思って諭す意図があっても、話を遮られること自体が強い否定として伝わります。
さらに、「でもね!」といった否定の逆接から会話を始めるのもやめましょう。
会話の後半でどれほど共感や労いの言葉を並べても、最初が否定語だと、相手には「否定された」という印象しか残りません。
特に関西圏の方に多く見られる傾向なので注意が必要です。
加えて、正論で相手を理詰めにすることも避けるべきです。
例えば、夫が仕事に悩んでいる時に「そんなに給料が安いのなら、さっさと辞めてもっと稼げる仕事を探してよ」と指摘するようなケースです。
男性の多くは、自分の仕事に対して強いプライドを持っています。
仕事そのものが人生であり、アイデンティティと直結していることも少なくありません。
そこを正論で否定されると、自分自身を否定されたような感覚に陥り、深刻な衝突や無気力化を招く原因となります。
関係を再構築したいのであれば、正論で追い詰めるのはやめましょう。
的外れな返答をする
相手の話をそのまま受け入れず、勝手な憶測で返すと、相手は話す気力を失います。
例えば、夫が「会社に全く役に立たない部下がいてさ、毎日残業ばかりだよ」と愚痴をこぼしたとします。
それに対して「そっか。でもその部下の人も、きっと勝手がわからなくて大変なんじゃない?」と返すようなケースです。
夫からすれば「俺の大変さを無視して部下の味方をした」と解釈され、会話が噛み合わないどころか、自分の理解者ではないという印象を強めてしまいます。
また、すぐにアドバイスを始めるのも要注意です。
人が誰かに話を聞いてほしいと思うとき、その多くは「自分の状況や感情を理解してほしい」だけであり、明確な正解を求めているわけではありません。
「私はこうすべきだと思うよ」といきなり言われると、おせっかいや押し付けに感じ、自分の考えを否定されたような感覚になります。
アドバイスは、相手から明確に求められた時だけにする。
まずはこのルールを意識してみてください。
夫を蚊帳の外に置く
関係性が冷え切った夫婦に多いのが、妻と子どもだけで盛り上がり、夫が近寄ると会話を止めたり黙ったりする行為です。
これでは疎外感が極めて強く、いくら鈍感なタイプであっても「自分はのけ者にされている」と気づきます。
また、夫に対して一切の興味を持たないことも大きな問題です。
特に、自分は興味を持ってほしいと願いながら、相手のことは知ろうとしない。
この時点で、対等な関係は崩れています。
自分に興味を持ってほしいと思うのであれば、まずは気づいたあなたの方から、相手に対して関心を持つことが大切です。
他人と比較する
プライドが高く、強い劣等感を抱えている相手にとって、他人と比較されることは耐え難い苦痛です。
たとえ妻側にそのような意図や悪意がなくても、他の夫と比較されていると感じるような話題は避けましょう。
例えば「ママ友の旦那さんがベンツを買った」「部長に昇進した」といった会話です。
夫からすれば、遠回しにバカにされている、あるいはマウントを取られていると感じ、劣等感を刺激されて急に激昂するケースがあります。
また、夫を動かそうとする目的で比較するのも逆効果です。
「ママ友の旦那さんは子煩悩で料理も得意なんだって」と言って刺激しても、夫は「自分はダメだと言いたいのか」と受け取り、不機嫌になるだけです。
さらに、体型についてイジるのもやめましょう。
「あそこの旦那さんはジムで鍛えていてスーツが似合う」などと言うと、相手の嫉妬心に火をつけることになります。
これは、立場を入れ替えてみれば納得できるはずです。
「同僚の奥さんは若々しくて美人だよね」とあなたが言われたら、きっと不快な気持ちになるでしょう。
こうした劣等感や嫉妬心を煽る会話は、必ず自分にマイナスとして返ってくるため、慎むべきです。
過去のことを何度も蒸し返す
何気ない会話の最中に、突然5年、10年以上前の出来事を昨日のことのように持ち出し、当時と同じ熱量で怒り出す現象です。
例えば、15年前の結婚式の際に協力的ではなかったことを、すでに何度も蒸し返して責めてしまうようなケースです。
夫側がすでに謝罪を済ませていたとしても、その都度「あの時こうしてくれなかった」と主張し続けます。
また、ある女性の例では、親族に借金を返さない理由として「10代の頃に面倒を見てやったのだから返す必要はない」と、過去の怒りを持ち出して正当化していました。
いつまでも昔の話をネチネチと蒸し返す行為は、相手を著しく消耗させてしまいます。
過去ではなく「今」と「これから」の関係に目を向けることが、再構築には不可欠です。
夫が答えにくい質問をしている
夫が不機嫌な時に抽象的な質問を投げると「何でもいい」と面倒くさそうに返されることがあります。
不穏な時間を減らすためには、夫が考え込まなくても答えられるよう「肉と魚ならどっちがいい?」といった選択肢を提示することが有効です。
このように、回答を限定して聞き出す手法を心理学の世界では「クローズド・クエスチョン」と呼びます。
また、夫に話す気がないときは、無理に聞き出そうとするのをやめましょう。
仕事の話を家庭に持ち込みたくない夫も多いため、無理強いは逆効果になります。
さらに、質問を投げた後に夫が黙り込んでしまったら、その沈黙を待つことも大切です。
夫はあなたの問いかけに対して、頭の中で一生懸命に答えを整理して熟考している最中かもしれません。
その際、たとえ、その場が気まずくなったとしても、遮らずに待つべきです。
沈黙を許容することが、結果として夫との深い対話を可能にします。
【この記事を書いた人】
経験と専門性
- 夫婦でモラハラの問題を克服した専門家
- ASD・ADHDの混合型診断済み
- モラハラ加害者としての更生を実現
- 週刊文春オンラインでの3記事の連載で加害者心理と更生過程を完全公開
臨床経験(2010年〜)
カウンセラーとして幅広い支援経験
- 公的機関での生活保護・生活困窮者自立支援
- 福祉施設での精神疾患・発達障害者支援
- うつ病の方の復職支援
- 元受刑者・薬物依存者への更生支援
- ひとり親・DV被害者相談
- 企業内パワハラ相談
- 自助グループ・セミナー開催
メディア掲載実績
新聞・雑誌掲載
- 週刊文春オンライン(2024年11月 3記事連載)
- 産経新聞(2021年9月)
- 神戸新聞 まいどなニュース(2021年3月)
- 中日新聞 ねぇねぇちょっと特別編(2021年12月)
- ウレぴあ総研 ハピママ(2023年7月 3記事掲載)
テレビ・ラジオ出演
- NHK「ほっと関西」(2021年11月出演)
- KBS京都「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」(2021年9月出演)
全国11媒体でモラハラ解決の専門家として紹介
モラハラの問題で苦しんでおられる方々の少しでも力になりたいと思っています。
まとめ
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
いかがでしたか?
もちろん、すべてが当てはまったわけではないと思います。
ただ、一つでも「あ、これやってしまっているかも」と思い当たる項目があったとしても、自分を責めないでくださいね。
繰り返しになりますが、あなたが悪いわけではありません。
これまで誰も教えてくれなかったから、知らなかっただけです。
でもね、このまま続けていると、さらに夫婦の溝が深まり、モラハラや離婚へと進んでしまう可能性があります。
では、具体的にどうすれば会話を変えられるのか。
その実践的な対処法については、こちらの記事で詳しく説明していますので、ぜひ読んでみてください。
今後必要なスキル
夫婦関係を再構築するためには、新たなスキルが必要になります。
相手を理解するための「話の聴き方」、そして相互理解を深めるための「相手に伝わる言葉での伝え方」などです。
これらについては、また別の機会に詳しく説明していきます。
モラハラ問題の解決は決して簡単ではありませんが、一歩ずつ着実に進めていくことで、必ず関係性は改善していきます。
我々リジェネは、そのプロセスを全力でサポートいたします。
モラハラで苦しんでいるあなたへ
私たち夫婦も、かつては離婚寸前まで追い込まれました。
しかし諦めずに夫婦で協力し、モラハラの問題と真正面から向き合い、解決することができました。
現在は幸せに暮らしています。
すぐに離婚だと諦めないでください。解決への道は必ずあります。
私たちがどのようにして危機を乗り越えたのか、被害者妻と加害者夫の両方の目線でリアルに書いています。
被害者の視点から学ぶ
もし「記事は理解できたけれど、うちの場合はどうすればいいのかわからない…」と感じているなら、一人で抱え込まず、ぜひ私たちにお話を聴かせてください。
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