なぜモラハラ彼氏ばかりに当たるのか?|その理由と改善の記録
今回は、モラハラ彼氏ばかりに当たってしまう理由と、そこから抜け出すまでの改善の記録についてお伝えします。
結論から言うと、モラハラという行為は、100%加害者側の問題です。
- 怒鳴る
- 人格を否定する
- 威圧する
といった行動は、どんな理由があっても正当化されません。
ただし、同じようなタイプの相手を何度も選び、モラハラ被害を繰り返してしまう背景には、被害者側の体質や関わり方が影響しているケースもあります。
今回は、実際の相談者Aさんの事例をもとに、前半でモラハラ被害の実例を、後半でAさんが自身の恋愛パターンやコミュニケーションの癖に気づき、パートナーの選び方や譲れない条件を見直していった経緯をお伝えします。
Aさんがモラハラ被害を繰り返してしまった背景には、次のような要因がありました。
- 幼少期からの愛着形成の課題
- 自己理解の不足
- 日々のミスコミュニケーションによるストレスの蓄積
これらが複雑に絡み合い、Aさんの相手選びや関わり方に影響を与えていました。
※プライバシーに配慮して本人特定できないように一部改変しています
※本人の了承確認済
もくじ
- 顔と経済力で選び続けた恋愛|元夫との共通点
- 一緒の時間を優先してくれた人|彼氏への第一印象
- 高熱の日に見せた豹変|看病より不機嫌が先に
- 整理整頓と門限|細かすぎる彼のルール
- 生活費への口出し|同僚へのプレゼントにも激怒
- 飲酒時の暴力|思春期の息子に手を上げた日
- 謝らない彼|別れを決意した本当の理由
- なぜこのタイプを選んだのか|恋愛パターンを読み解く
- 気づかなかった会話のクセ|面談で見えた課題と変化
- 母から娘へ|繰り返してしまっていた関わり方
- 変わった優先順位|条件よりも大切にし始めたもの
- 彼を理解しようとする視点|支援で気づいたこと
- まとめ
顔と経済力で選び続けた恋愛|元夫との共通点
Aさんはこれまで、相手選びにおいて次の基準を譲れないものとしてきました。
- 顔立ちの好み
- 経済力
かつて水商売できらびやかな生活を送っていた時期があり、その水準を取り戻したいという思いが、経済力への強いこだわりに繋がっていました。
シングルになり、育児の負担が増え、年齢を重ねるうちにホステスとしての仕事も難しくなり、生活は徐々に厳しくなっていきましたが、この基準だけは変わりませんでした。
実際に、これまで交際してきた相手や元夫は、いずれも顔立ちが好みで、かつ高収入の自営業者ばかりでした。
生活費には困りませんでしたが、朝から晩まで働き詰めの相手ばかりでした。
一緒に過ごす時間はほとんどなく、経済的には満たされていても、常に寂しさを抱えていたとAさんは振り返ります。
また、こうした相手選びを重ねながらも、ここ8年ほどは結婚寸前まで進んでは関係が終わるということを繰り返してきました。
一緒の時間を優先してくれた人|彼氏への第一印象
今回交際した相手は、年上でまじめな性格の男性でした。
収入は多くありませんでしたが、Aさんの生活費の不足分を援助し、仕事以外の時間はすべてAさんや子どもたちと過ごしてくれる人でした。
外見はこれまでの好みのタイプではなかったものの、Aさんは一緒に過ごす時間を優先してくれる姿勢を初めて重視しました。
これまでの相手にはなかった安心感があり、結婚まで考えていたといいます。
高熱の日に見せた豹変|看病より不機嫌が先に
最初に違和感を覚えたのは、Aさんが高熱で倒れた日のことでした。
彼は食事を買ってくることもせず、Aさんが料理をできないことに不機嫌な態度を見せました。
看病されるどころか責められる立場になり、Aさんはこの出来事をきっかけに、初めて彼との別れを決意しています。
整理整頓と門限|細かすぎる彼のルール
彼は整理整頓に極端にこだわる性格でした。
道具を決まった位置や向きに戻さないと、突然大きな声で叱責してくることが度々ありました。
Aさんは大雑把な性格で金銭管理も得意ではありませんが、これまで両親からも元夫たちからも怒鳴られた経験は一度もありませんでした。
彼の細かさは、外出時のルールにも及んでいました。
ある日、Aさんが同僚と飲みに行き、2軒目の店に立ち寄ったことがありました。
帰宅すると、彼は「22時に帰ると言っただろ!」と激しい剣幕で怒鳴りつけたそうです。
わずかな帰宅の遅れすら許されず、行動を細かく管理される息苦しさを、Aさんはこの時強く感じたといいます。
生活費への口出し|同僚へのプレゼントにも激怒
彼からは生活費の使い道をいちいち細かく聞かれるだけでなく「俺は日々節約しているのに、なぜお前はやらないんだ」と怒鳴られることも度々あったそうです。
似たようなことは、Aさんの人間関係にも及びました。
Aさんはパート先の同僚数人と一緒にお金を出し合い、日頃お世話になっているお礼として時計をプレゼントしたことがありました。
出したお金は自分のパート代であり、負担額はわずかなものでした。
それでも彼は「自分は毎日早出と残業をして頑張っているのに、なぜそんな物に金を使うのか」と怒鳴りつけたそうです。
Aさんの説明にも、同僚への気持ちにも、耳を貸すことはありませんでした。
また、これらは経済的DVを行う夫にも多いパターンです。
飲酒時の暴力|思春期の息子に手を上げた日
ある日、彼はお酒を飲んだ状態で、思春期のAさんの息子に手を上げました。
これをきっかけに、Aさんは二度目の別れを決意しています。
倹約家の彼と、美容にお金をかけるAさん
彼の暮らしぶりは、次のようなものでした。
- 水筒に毎日コーヒーを入れて持参する
- 缶コーヒーやコンビニコーヒーは買わない
- スタバは「もったいない」と言って一度も行かない
- 髪は1000円カットのみで済ませる
- 飲みには行かず、タバコも吸わない
収入が多くないという事情もありましたが、徹底した倹約ぶりでした。
一方のAさんの暮らしぶりは、次のようなものでした。
- スタバのフラペチーノが好きで定期的に通う
- ブランドバッグを身につける
- ネイルサロンや美容室に毎月通う
これらはすべて自分のパート代の範囲内でしたが、この金銭感覚の違いが、二人の関係に大きな溝を作っていきました。
謝らない彼|別れを決意した本当の理由
彼は理不尽な発言をしても、一度も謝罪をしませんでした。
その代わり、Aさんが折れて謝ることで関係が続くというパターンが繰り返されたそうです。
彼は常に自分が正しいという態度で、時にはAさんを「教育してやっている」というような上から目線の言い方をしてきました。
何度も別れと復縁を繰り返した末、Aさんはこの先の生活を想像しました。
良い未来がまったく描けないと感じ、別れを決意したといいます。
「お金にケチな人だけは、どうしても無理だった」
Aさんはそう振り返っています。
これまでの夫たちにも理不尽な面はありましたが、金払いが良かった分、まだ折り合いをつけられていました。
一方で今回の相手は、時間を優先してくれる代わりに金銭面でケチでした。
その両方が重なったことで、Aさんはついに折り合いをつけられなくなりました。
なぜこのタイプを選んだのか|恋愛パターンを読み解く
Aさんの相手選びには、一貫した基準がありました。
- 経済力
- 一緒にいたいという欲求
- 顔立ちの好み
かつての水商売時代に築いた生活水準を取り戻したいという思いが、経済力への強いこだわりに繋がっていました。
これまでの元夫たちは、いずれも高収入の自営業者でした。
早朝から夜遅くまで働き詰めで、生活費には困りませんでしたが、一緒にいられる時間はほとんどありませんでした。
Aさんは、夫が家族のために頑張ってくれていることを、当初は理解していたといいます。
それでも、寂しさや不満は少しずつ溜まっていき、夫にぶつけるようになっていきました。
夫からは「頑張っているのに、なぜそんなことを言われるんだ」と反発され、喧嘩の頻度は増えていきました。
やがて会話は減り、寂しさを埋めるために、Aさんは次の相手を探すようになっていました。
経済力を求めながらも一緒にいる時間に飢え、その寂しさを相手にぶつけ、関係が壊れると次の相手を探す。
Aさんはこれを何度も繰り返していました。
今回の相手は、これまでとは逆に、一緒にいる時間を最優先してくれる人でした。
ただし、その代わりに、金銭面での支配という別の問題が現れました。
気づかなかった会話のクセ|面談で見えた課題と変化
支援の中では、Aさんの話し方についても取り上げていきました。
面談のたびに、子どものこと、パート先の同僚への不満、彼への不満を、身振り手振りを交えて一方的に話し続けるという傾向があったからです。
ひとしきり話し終えると、Aさんは「最近どう?」と一応こちらに話を振ってきますが、その質問はあまり具体的なものではありませんでした。
こちらが少し答えると、また同じように話し続けるという流れが繰り返されていました。
ある時、この面談でのやり取りは、パートナーとの会話の再現になっているのではないかと伝えたところ、Aさんは「そんなことを考えたこともなかったけど、私がずっと喋ってる」と語りました。
この場は面談だからこそ、私は聞く側に徹しています。
しかし、日常生活はそうではありません。
例えば、毎日、必死に働いて帰宅した相手に同じように一方的に話し続ければ、相手は疲弊し、会話自体が減っていくのではないかとお伝えしました。
Aさんは最初、少し不満そうな表情を見せました。
しかし次の面談からは、大きな声で話す様子は変わらないものの、その時間は短くなり、こちらの話にも耳を傾けるようになっていきました。
母から娘へ|繰り返してしまっていた関わり方
支援を重ねる中で、Aさんは自身と娘との関係についても話すようになりました。
Aさんが日常的に会話する娘とは、しょっちゅう喧嘩になるといいます。
理由は、Aさんが娘の居場所を携帯のGPSで常に把握し、外出先が言ってた場所と違ったり帰宅が少しでも遅れたりすると、強く責めてしまうことにありました。
娘からは「監視ばかりするのは止めて欲しい」と反発されるようになり、次第に距離を置かれるようになっていったそうです。
Aさんは、これが自分の母親から受けていた関わり方と同じだったことに、支援の中で初めて気づきました。
「私も母と同じことをしていた」
Aさんはそう口にし、無意識のうちに、親から受けた関わり方を娘との間で繰り返してしまっていたことに向き合うことになりました。
変わった優先順位|条件よりも大切にし始めたもの
支援を通じてAさんは、恋愛観や会話のパターンについて、少しずつ自己理解を深めていきました。
かつてのAさんは、経済力、一緒にいる時間、見た目のすべてを同時に満たす相手を求めるのが当然だと考えていました。
しかし、その三つをすべて満たす相手は現実的にほとんど存在しないと気づき、次のような優先順位をつけられるようになりました。
- 経済力
- 一緒にいる時間
- 見た目
加えて、これまで一度も基準にしてこなかった「性格」についても、度重なるモラハラ被害を経て、初めて重視するようになったといいます。
会話のパターンについても、一方的に話し続ける癖に気づいたことをきっかけに、相手の話に耳を傾ける姿勢が少しずつ身についていきました。
彼を理解しようとする視点|支援で気づいたこと
もう一つの大きな変化は、相手を理解しようとする視点を持てるようになったことです。
これまでのAさんには、彼の言動に納得がいかないとき「彼がおかしい」「あの人は頭がおかしい」という結論で終わらせてしまう癖がありました。
彼が、なぜキレるのか?、そこに至るまでの経緯や、彼の思考や感情を考えるという発想自体がなかったのです。
支援の中では、彼の言動の背景を一つずつ紐解いていく関わりを行いました。
例えば、同僚へのプレゼントの件で彼が怒鳴った場面です。
彼は決して収入が多くない中、日々残業をしながら生活費を工面していました。
倹約家で自分には一切贅沢をせず、切り詰めた末にAさんの生活費を援助していたのです。
それにもかかわらず、Aさんがその苦労を理解しないまま欲しいものを買う姿を見て、日常的に金銭感覚のズレへのストレスを募らせていたのではないか。
そして、同僚へのプレゼントの件をきっかけに、抑え込んでいた感情が爆発したのではないか。
そう伝えたところ、Aさんは最初は納得できない様子でしたが、次第に理解を示すようになりました。
また、Aさんが高熱で寝込んだ際にご飯を買ってこなかった件についても振り返りました。
彼はもともと気が回るタイプではなく「◯◯してほしい」と具体的に言葉にしなければ伝わらない人ではないかと尋ねたところ、Aさん自身も「そうだと思う」と答えました。
だとすれば「買ってきてほしい」と言葉にしなければ伝わらない相手だったのだと伝えると、Aさんも納得した様子を見せました。
こうしたやり取りを重ねる中で、Aさんは、相手の行動には相手なりの理由や価値観があるという視点を、少しずつ持てるようになっていきました。
モラハラという行為そのものは、加害者側の問題であり、正当化されるものではありません。
ただし、相手を理解しようとする視点や、どう向き合っていくかという部分には、自分自身で変えていける余地があります。
Aさんの変化は、そのことを教えてくれる実例です。
【この記事を書いた人】
経験と専門性
- 夫婦でモラハラの問題を克服した専門家
- ASD・ADHDの混合型診断済み
- モラハラ加害者としての更生を実現
- 週刊文春オンラインでの3記事の連載で加害者心理と更生過程を完全公開
臨床経験(2010年〜)
カウンセラーとして幅広い支援経験
- 公的機関での生活保護・生活困窮者自立支援
- 福祉施設での精神疾患・発達障害者支援
- うつ病の方の復職支援
- 元受刑者・薬物依存者への更生支援
- ひとり親・DV被害者相談
- 企業内パワハラ相談
- 自助グループ・セミナー開催
メディア掲載実績
新聞・雑誌掲載
- 週刊文春オンライン(2024年11月 3記事連載)
- 産経新聞(2021年9月)
- 神戸新聞 まいどなニュース(2021年3月)
- 中日新聞 ねぇねぇちょっと特別編(2021年12月)
- ウレぴあ総研 ハピママ(2023年7月 3記事掲載)
テレビ・ラジオ出演
- NHK「ほっと関西」(2021年11月出演)
- KBS京都「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」(2021年9月出演)
全国12媒体でモラハラ解決の専門家として紹介
モラハラの問題で苦しんでおられる方々の少しでも力になりたいと思っています。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回は、モラハラ彼氏ばかりに当たってしまう理由と、そこから抜け出すまでの改善の記録をお伝えしました。
怒鳴る、人格を否定するといった行為は、どんな理由があっても加害者側の問題です。
一方で、同じような相手を選び続けてしまう背景には、恋愛観や会話のクセ、親から受け継いだ関わり方が影響していることもあります。
Aさんのように、自分自身の傾向に気づき、少しずつ向き合っていくことで、繰り返してきたパターンは変えていくことができます。
モラハラで苦しんでいるあなたへ
私たち夫婦も、かつては離婚寸前まで追い込まれました。
しかし諦めずに夫婦で協力し、モラハラの問題と真正面から向き合い、解決することができました。
現在は幸せに暮らしています。
すぐに離婚だと諦めないでください。解決への道は必ずあります。
私たちがどのようにして危機を乗り越えたのか、被害者妻と加害者夫の両方の目線でリアルに書いています。
被害者の視点から学ぶ
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