年下夫を見下していたモラハラ妻が離婚通告されてやっと気付いた自身の加害性とは
今回は、転職妻が夫からのモラハラ被害を受けていたが、実は自分がモラハラ妻であったという事例を紹介していきます。
最近は男性の被害者も増えてきていますので参考にして頂ければと思います。
※プライバシーに配慮して本人特定できないように一部改変しています※本人の了承確認済※
この記事はこんな方におすすめです
- モラハラ妻から被害を受けている方
- モラハラ妻からの子どもへの影響が心配な方
- モラハラ妻の加害者変容が知りたい方
Aさんと夫との会話
夫:最近、仕事が本当につまらない。「2年毎の転勤で場所は変わるけど、仕事内容は変わらないし、毎日残業ばかりでしんどい」「田舎だから飲み屋も閉まっているし、仕事と家の往復だけでもう疲れたよ」「うちの会社、マジでブラックだわ」「転勤のない仕事に転職しようかな」と、愚痴ばかりこぼすので
Aさん:「何を言っているのよ、世間の転勤族の人たちはね、みんな我慢して頑張っているのよ?」「それに今、辞めたら、この子達2人の大学までの教育費用はどうするのよ?」「転職したら給料は今の半分になるんじゃないの?」「そうしたら、この車(アルファード)も手放さないといけなくなるじゃない、そんなのは絶対に嫌だからね」と伝えると、夫は急に机を叩き、私を睨みつけて自分の部屋に戻っていきました。
最近、夫はすぐに不機嫌になり、すぐに物に当たったり、ドアを激しく閉めるため、子供達も怯えています。
子供たちと一緒に夫の仕事の都合で5回の転勤を経験し、住みたくない田舎にばかり我慢して住んできました。
子供たちはまだ小学生で、引っ越しのたびに友達と離れ離れになり、泣いていることがあります。
しかし、夫は子供たちの苦労を理解せず、自分の都合だけを優先して家族を置き去りにしているように感じます。
さらに、「専業主婦なんだから掃除くらいしろよ」「俺は家族のために毎日頑張って残業しているのに、感謝の言葉もないのか?」などと、恩着せがましく言ってきます。
しかし、それを言う前に、まず私に向かって「こんな不自由な生活をさせてごめんね」と謝るべきだと思います
最近、夫のキレ方が異常だと思って調べてたら、リジェネさんに辿り着きましたとのことでした。
もくじ
- 年上の私に偉そうな口を聞くなよと思っていた
- 夫への暴言集と夫を許せない理由
- 夫の立場になって初めて夫の気持ちがわかった
- 毒母からの呪縛
- Aさんのマイルールが出来上がった要因
- 誰一人信用せずに生きてきた
- 毒母にされて嫌だったことを私も娘にしてしまった
- さいごに
年上の私に偉そうな口を聞くなよと思っていた
面談前には、自身の家族や生い立ちについての情報を収集しています。
現在の思考や価値観には、生い立ちからの影響が多く、特に家族との関わり方は現在の夫との関係にも影響を及ぼすことがよくあります。
2つ目のアプローチでは、個人のルールやパートナーとの衝突に関するエピソード、許せない部分などをワークを通じて書いてもらっています。
この二点を元に、電話ではありますがゲシュタルト療法でのエンプティチェアという心理療法を行いました。
これは怒りを相手にぶつけるワークですが、今回の場合だと夫に直接ぶつけると大喧嘩になるため、空いすを夫に見立てて怒りを解放するワークを行います。
多くの場合、怒りは抑圧されており、そのエネルギーは非常に強力であり、実際には抑えきれず、歪んだ形で表現されることがあります。
具体的には、嫌味や受動攻撃などがその典型的な例です。
ただし、こうした形で怒りを表現しても、本音や自身の欲求は伝えられず、結局、何年経っても怒りが解消されないことがあります。
そのため、ますます重要なのは、これらの怒りや本音、欲求を率直に表現し、怒りの感情を処理することです。
これが心の浄化(カタルシス)が生じる仕組みです。
ワークの結果、以下の暴言が出てきました。
夫への暴言集
- 年上の私に偉そうな口を聞くなよ
- 男のクセに弱音ばかり吐くなよ、情けない
- 男は黙って仕事だけしとけよ。それが出来ないなら夫失格
- オマエの母親は人の気持ちがわからないバカだ。だから娘には絶対に会わせない
- 男は家族に良い暮らしをさせるのが当たり前。一々、文句を言ってくるなよ
夫への暴言集と夫を許せない理由
次に夫への暴言と、なぜ許せないのかを聞いていきました。
- 年上の私に偉そうな口を聞くなよ
- 夫と出会った頃は彼が生徒で私が講師という関係だった。
その後、上司と部下の関係になり、彼は敬語で話していたクセに、最近は特に偉そうに上から指図してくるので終始ムカつく。
彼が一流大学や一流企業に入れたのは全て私のおかげでしか無いから、褒められることはあっても文句を言われることは絶対にない。
- 男のクセに弱音ばかり吐くなよ、少しはガマンしろよ
- 5回も転勤しておいて、地元からは程遠いクソ田舎にばかり住まわせて、それでも私も子供も我慢して付いていってやってるんだから、オマエも我慢しろよと思う。
また、オマエからは感謝をされることはあっても、文句を言われる筋合いは絶対にない。
- 男は黙って仕事だけしとけよ。それが出来ないなら夫失格
- 夫は真面目だけが取り柄なのに仕事を辞めたら何も残らない、マジで夫失格。
夫が仕事を辞めると、車のグレードも下がるし、今後、一軒家も購入する予定で、その為に辛い転勤生活も受け入れてるのに、絶対にありえない。
- オマエの母親は人の気持ちがわからないバカだ。だから娘には絶対に会わせない
- バカ夫の母親が私に学歴のことで偉そうに言ってきた。
ウチの家計には、そんな低学歴の人は一人もいないとか言ってきたから絶対に許せない。
だから娘を東大に入れて、あのババアを土下座させてやろうと思っている。
私に取っては学歴とお金が人生で最も大事な物なのに、それを頭ごなしに否定してきたから、あのババアには絶対に復讐してやろうと思っている。
- 男は家族に良い暮らしをさせるのが当たり前。一々、文句を言ってくるなよ
- 2年毎に田舎ばかりに引越すのは想像以上の苦痛でしかない。
子供も口答えばかりして言うことを聞かないし、ウザい。
地元の友達同士で集まったり、リア充生活をSNSで見てたら、何で私だけが、こんなに孤独な目に合わないといけないんだと無性に腹が立つ。
田舎でショッピングモールも近くにないから、まともに買い物も出来ない。
だからネットで毎月10万以上は買い物してた。それくらいしないと気が収まらない。
高級ランチもスイーツも食べれる店もないから、スイーツをお取り寄せばかりして食べまくってたら30kg太った。
太ったのは夫が全部悪いのに、少しは健康の為にダイエットしたらと偉そうに言ってきたので腹いせにセックスレスにしてやった。
部屋の掃除をしなくなったのは、どうせ誰も、こんな田舎には来ないから、する必要を感じない。
夫の立場になって初めて夫の気持ちがわかった
次に夫の席に移動して貰い、夫の立場になって貰うワークを実践。
カウンセラーがAさん(妻)になり、先程の夫への怒りのフレーズを夫に成り替わって受けて貰いました。
Aさんは夫のことは何でも知っているから、いくらでも反論できると言っていましたが、こちらから怒りの感情をぶつけると、ほぼ反論が出来ませんでした。
セッション後に、その理由を聞くと、私は「こんなに夫を責めていたんですね」「夫は弁が立つ方じゃないので、一方的に責められると、そりゃ何も言えない」「だから何も言えず立ち去るしかなかったのか」と呟かれました。
ここで「過去にこんな風に一方的に暴言を吐いていた人っていましたか?」と質問すると「母ですね」「母が父にしてたことと同じことをしてる」と仰いました。
母は、ことあるごとに父を責めていました。
お父さんは高卒で稼ぎが悪いから、私(母)がパートに出ないといけない。
こんな「甲斐性なしのダメ男と暮らすと、ろくな人生を送れない」「だからオマエは高学歴のエリートを捕まえなさい」と言われ続けてきたのを思い出されました。
毒母からの呪縛
Aさんに夫の立場になって貰い、夫の気持ちを初めて理解して貰ったところで、次にAさんの怒りの根源、マイルールが出来た理由をおさらいしました。
衝動的にキレてしまう怒りの感情には、必ず過去に強烈な要因があるものです。
マイルールが確立された根源には強烈な体験が影響しており、それ故に絶対に守らねばならないという強い信念へと変わることがあります。
これらの信念は衝撃的で、ある意味でトラウマとなることもあります。
ただし、そのトラウマを抱え続けると人は辛すぎて生きていけないため、心には抑圧という機能があり、辛い感情を抑え込んだり無かったことにします。
しかし、大人になってもマイルールだけは残り続け、そのルールがどのように確立したかを思い出せないか、存在しなかったことにしていることが一般的です。
通常はマイルールの存在を自覚するだけでも怒りの感情は低下しますが、そのルーツが理解できると更に怒りのゲージは下がります。
強烈なマイルールが出来る仕組みには、大抵「怖い、悲しい」などの一次感情が関連しており、それらは「幼少期に自分の身を守る為には必要」でしたが、大人になり、親から自立した今は必要ないものがほとんどです。
それらは、ある意味、毒親からの呪縛とも言えます。
その構図に気付くことで、不要なマイルールは手放すことが出来る様になり、自分主体の人生を歩める様になるのです。
そのためには心理療法が必要になってきます。
以下に、先ほどの暴言集を元にマイルールが出来上がったルーツを書いて行きます。
Aさんのマイルールが出来上がった要因
- 年下なのに年上の私に偉そうな口を聞くなよ
- これは幼少期に兄から言われていたセリフ。
兄は女でも容赦なく殴る奴でタメ口で話すと「年下なのに偉そうな口を聞くな」「殺すぞ」と言われ、しょっちゅう殴られた。
あまりにも、恐ろしいので絶対に守ろうと思って生きてきた。
また、男に殴られてもやり返せないとダメだ、弱いままだと絶対に殺されると思い、自ら空手を習い始めたのを思い出した。
- 男のクセに弱音ばかり吐くなよ、少しはガマンしろよ
- これは母が父に言っていたセリフ。
母は家にお金がないストレスをことある毎に父にぶつけていた。
父は母に何も言い返せないので、私はそんな父を見て本当に情けない男だと思っていた。
父の様に弱音を吐く頼りない男を選ぶと良い生活が出来ないと思い、絶対に父みたいな男は選ばないでおこうと思って生きてきたし、私も絶対に弱音は吐かないと決めていた。
でも夫が、あの時の父みたいに頼りないことを言うので、反射的にキレてしまっていた。
- 男は家族に良い暮らしをさせるのが当たり前。一々、文句を言ってくるなよ
- これも母が父に言っていたセリフ。
金を稼がない夫は絶対にダメ。
母はスーパーのパートに行くのが本当に嫌で隣の家の奥さんはブランドのバッグばかり買っているのに「何で私はパートに行かないと行けないんだ!」とキレていた。
それを見て、私は絶対にお金持ちと結婚しようと思った。
また、妻の買い物に口を出す様な男は「甲斐性なしの器の小さい人間」だと教え込まれて来た。
私は母が出来なかったセレブな生活をしようと思って夫を選んだ。
それを毒母に見せつけてやろうと思っていた。
恋愛時代は優しい言葉があったのに、結婚してからは全く言ってこない。
結婚して太ったからと言って、女扱いされないのは辛い。
私のことを家政婦の様に思ってそうだし、その辛さや寂しさもイライラする要因ではある。
誰一人信用せずに生きてきた
幼少期から母は兄ばかり可愛がり、私には教育的でめちゃくちゃ厳しかったです。
遊びにも行かせて貰えず、毎日、何時間も勉強させられて辛すぎて泣いたら、母は「うるさい!弱音を吐くな」と怒鳴り散らし、真冬でも外に放りされ、何時間も家に入れてくれないことが何度もありました。
それから、誰一人信用できなくなり、頼れるのは「お金と学歴だけ」と思って生きてきました。
また、何度も死にそうな思いをした為、絶対に弱音を吐かずに生きてきたと仰ったので、この場は安全な場ですから「ここでは弱音は吐いていいんですよ」「今まで我慢してた感情を思う存分吐き出して下さい」と伝えました。
すると「誰にも認められず、弱音も吐けず、しんどかった」「転勤ばかりで誰にも会えず孤独で、育児も親に頼れずしんどかった」と感情を抑え切れずに号泣されました。
毒母にされて嫌だったことを私も娘にしてしまった
私は母にされて嫌だったことを娘にもしてしまっている。
あんな毒母みたいには絶対になりたくないと思って生きて来たのに同じことをしてしまっている、私は本当に最低です。
また、夫に衝動的に腹が立ってしまうのは、父の頼りない部分に似ているからでしょうね。
母からの影響で父のことは本当に頼りないと思っていました。
でも、父は私にはいつも優しかったし「いい暮らしをさせてあげれなくてごめんな」と、いつも謝っていたのを思い出しました。
彼は穏やかで優しい人で、どこか父に似ている部分があったから選んだのかもしれません。
でも、そんな優しい彼を母が父にしてた様に私も追い込んでしまってた。
本当に悪いのは私です。
さいごに
最後まで読んで頂きありがとうございました。
この後、夫は適応障害と診断され、6ヶ月の休職を余儀なくされ、その後復職しました。
会社側の配慮で地元の関西に配属になり、そこで念願のマイホームを購入し、家族とともに穏やかに暮らせているとのことです。
最近は男性のモラハラ被害者も増えてきています。
あなたが男性であっても傷ついたと感じたなら、その気持ちは抑え込む必要はありません。
また、自分が男として情けない、器が小さいと自己責任を感じる必要もありません。
まだまだ男性社会が根強いため、友人に相談しても理解されないこともあるかもしれません。
実際、我々の元には「夫とやり直したいと思う加害者妻」の受講も増えています。また、夫婦でのモラハラ解決講座を受講する方も増えています。
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