ガスライティングの特徴と対処法
今回は、ガスライティングの特徴と対処法についてご説明します。
急激にモラハラに加えてガスライティングに関する問い合わせが増えてきたため、解説を行います。
ガスライティングの概念は、1938年に製作された舞台「ガス燈」に由来しています。
1944年にはこの作品が映画化されました。「ガス燈」では、夫が妻を心理的に虐待し、徐々に追い詰めていく過程が描かれています。
まず、ガスライティングは病名ではなく、定義が曖昧であり、通常のモラハラと混同されることが多いものです。
しかし、私たちリジェネでは、ガスライティングを通常のモラハラとは区別して説明します。
通常のモラハラでは、加害者が怒りの感情をコントロールできず、衝動的に怒鳴ったり、思い通りにならないことでフキハラを行ったりするコントロール欲に基づく行為です。
一方で、ガスライティングの目的は、心理操作を通じて相手を洗脳し、破滅させるという明確な意図があります。
行動自体はモラハラと類似していますが、ガスライティングの場合、加害者は冷静かつ計画的に相手を陥れるためにこれを行います。
また、ガスライティングは長期的で継続的なものが多く、通常のモラハラ加害者とは異なる特徴を持っています。
このような行為を達成するためには、加害者が自身の怒りだけでなく全ての感情を完全にコントロールし、犯罪を犯すことに対して抵抗がない思考が必要です。
単なる自己愛性人格障害ではここまでの行動は取れず、反社会性人格障害に近いレベルが必要であると考えられます。
これは、非常に知能の高い犯罪者、たとえば今、話題の地面師に類似する存在です。
では、IQが高ければ感情をすべてコントロールできるのかというと、そうではありません。
私たちのクライアントの中には、日本や海外で最高学位を持つ方や医師、士業の方もいますが、ここまでのレベルの加害者は見たことがありません。
ちなみに、私は公的機関で多くの受刑者や薬物依存者と関わってきましたが、ここまでの加害者には出会ったことがありません。
そのため、ガスライティングを行うモラハラ加害者は少ないかもしれませんが、最近この手の質問が増えているため、その特徴や対処法について説明していきます。
ちなみに、ガスライティングは通常のモラハラとは異なり、相手に対する好意はなく、あなたを陥れることが主な目的です。
そのため、基本的には離婚を検討することをお勧めします。
また、モラハラ夫の論点すり替えへの対処法も知りたい方は、こちらの記事を参照にしてくださいね。
今回も最後まで読んで頂ければ幸いです。
この記事はこんな方におすすめです
- パートナーからガスライティングをされているのかを知りたい方
- 自分や周りがガスライティングをしているのかを知りたい方
- ガスライティングの被害から逃れたい方
もくじ
- ガスライティングの事例集
- 記憶力が悪いと洗脳する
- ミスが多いと洗脳する
- 受け取り方が過剰だと洗脳する
- 周囲の人に反感を持つように吹き込む
- 周りから嫌われていると洗脳する
- 被害妄想が強いと洗脳する
- 混乱をさらに増幅させる
- ガスライティングとストーカーとの違い
- ガスライティングへの対処法
- 言葉を真に受けない
- 証拠を残す
- 怒鳴る夫への対処法
- まとめ
ガスライティングの事例集
記憶力が悪いと洗脳する
例えば、夫が「さっき言ったこと」を「そんなこと言った覚えはない」「お前の記憶力ヤバいよな」と平気で嘘をつきます。
さらに、妻から「嘘をつかないで」と問い詰められると、「お前の方こそ嘘つきだろ!」とキレて反論します。
この行動を繰り返すことで、被害者は自分の記憶力に自信が持てなくなっていきます。
もう一つの例として、育児で忙しく、夫からの買い物や手続きの依頼を忘れてしまった場合に、夫が「なんで昨日のことなのに忘れるんだ?」「大丈夫か?」と怒るのではなく、心配そうに諭すことで、妻はさらに自分の記憶力を疑うようになっていきます。
ミスが多いと洗脳する
例えば、意図的に車のキーを隠し「お前はすぐにキーをなくすよな」「最近ボケてきてるよな、大丈夫か?」と告げます。
さらに、「お前のせいでなんで遅刻させられなきゃいけないんだよ!?」「本当にいい加減にしろよ!」と激怒し、被害者に罪悪感を植え付け、徐々に追い込んでいく手法です。
他の事例としては、意図的に家の鍵を開けておき、「また鍵を閉め忘れたな」「何度言ったら分かるんだ」と指摘する手法もあります。
受け取り方が過剰だと洗脳する
妻が「この前、あなたが私に『能無し』って言ったのを覚えている?」と尋ねると、夫は「それは勘違いだ。俺はそんなこと言ってない」と否定します。
これは、夫が過去の暴言を真っ向から否定し、妻の感情や記憶を「大げさ」や「勘違い」として扱う手法です。
これにより、妻は自分の受け取り方に疑問を持つようになります。
周囲の人に反感を持つように吹き込む
これは被害者本人ではなく、周囲の人たちを洗脳して被害者を追い込む手法であり、集団心理を利用します。
よくあるのは、夫が子どもに対して「ママはパパにだけ意地悪なんだよ」「ママは頭がおかしいんだよ」と吹き込み、子どもが母親を酷い人間だと思うようにさせ、妻を孤立させることを目的とします。
周りから嫌われていると洗脳する
今度は、根も葉もない嘘を直接被害者に吹き込むことで、周囲から孤立させる手法です。これはいじめでもよく見られるパターンです。
例えば、「みんなお前の体臭が臭いって言ってる」「みんなお前といると迷惑だと感じているよ」「お前は役立たずだから母親にも愛想をつかされるんだ」など。
また、職場では「みんな、お前は仕事ができないって言ってた」「お前は周りに迷惑をかけてばかりだから全員に嫌われてる」と吹き込みます。
これにより被害者は人間不信になり、周囲から孤立し、最終的に加害者に依存、服従する状態に追い込まれます。
孤立すればするほど、被害者をコントロールしやすくなります。
被害妄想が強いと洗脳する
例えば、被害者の持ち物を隠したり、パソコンのパスワードを変えたりして被害者を混乱させます。
そして、被害者が「あなたがやったのでは?」と疑うと、「気のせいだ」「被害妄想だよ」と否定し、被害妄想が強いと洗脳します。
さらに「俺を疑うのか?」とキレて反論し、精神的に追い詰めます。
この手法は非常に戦略的で「それは被害妄想だ」と言うために、意図的に罠を仕掛けています。
夫は敢えて加害行為を残し、妻が発見するよう仕向け、それを問い詰めることまで想定しています。
混乱をさらに増幅させる
ここまでは、被害者を洗脳するための戦略的なモラハラ手法ですが、加害者が不信感を抱いている妻に対し、突然賞賛する行為を取ることで、被害者の判断力をさらに混乱させる手法があります。
これは、DVのハネムーン期に見られる現象にも似ています。
加害者が暴言を吐いたり優しい一面を見せたりすることで「あの人は悪い人じゃないかもしれない」「疑ってしまった私がおかしいのかも」と、被害者の自責の念を巧みに利用します。
このような行為を繰り返すことで、これまでの洗脳の効果がさらに高まると考えられます。
ガスライティングとストーカーとの違い
ガスライティングとストーカー行為は共に粘着質ですが目的が違います。
ストーカーは、あくまでも相手に対して好意があり、相手と復縁したい、付き合いたいなどの目的があります。
反対にガスライティングは、相手を洗脳する、陥れる、破滅させるのが目的のため、取っている行動は類似していても似て非なるものです。
ガスライティングへの対処法
ここまで読んで、自分が夫からガスライティングを受けており、陥れられようとしていると気づいたなら、以下の対処法を試してみてください。
言葉を真に受けない
ガスライティングを受けていると気づいた時点で、これまでの暴言は全てあなたを陥れたり洗脳するためのものであり、一切真に受ける必要はありません。
例えば「お前は記憶力が悪い」「お前こそ嘘つきだ」「最近ボケてきている」「お前は全員に嫌われている」などの発言は、完全に無視して構いません。
特に、モラハラ被害者は幼少期から毒親に「お前が悪い」などと言われ続けていることが多く、その言葉を真に受けてしまう傾向がありますが、それも受け取る必要はありません。
証拠を残す
- 車のキーを隠される場合
- キーの置き場所を決め、動画や写真でその位置を記録しておいてください。
- PCのパスワードを勝手に変更される場合
- パスワード登録画面のスクリーンショットを残す。机の上の物が勝手に動かされるなら机の写真を撮るなど、証拠を集めましょう。
- 夫からの買い物依頼や指示には
- 言った言わないの議論は避けたいので全てLINEなど記録が残る手段で行うようにしてください。
この際「私は忙しくて忘れっぽいから、LINEなら思い出して対応できる」と言って、自然にLINEでのやりとりに誘導しましょう。
夫がLINEを使いたがらない場合は、ボイスレコーダーなどで会話を録音し、証拠を残すようにしてください。
怒鳴る夫への対処法
反論した際に夫が怒鳴ってきた場合は「うるさいから普通に話してもらえる?」と冷静に毅然と伝えましょう。
それでも収まらない場合は、可能なら物理的に距離を取ることをお勧めします。
衝動的な怒りは一時的なものなので、距離を取ることで時間を稼ぎ、落ち着かせるのが目的です。
また、ネチネチと暴言を吐かれた場合も同様に毅然と対応しましょう。
言い返す際は、短く端的に返答する方が効果的です。長い返答は、相手に突っ込まれる余地を与えるので避けましょう。
怒鳴る夫への対処法
- 「そういうことを言うのをやめてくれる?」
- 「それって面白いと思っているの?」
- 「身内の文句は言わないで」
これらの短いフレーズで、あなたの意思をはっきり示すことが重要です。
相手を非難する言葉は逆効果なので控えましょう。
正しく言い返しても相手が怒鳴ったり逆上した場合は「もういい」「話ができない」と言ってその場を離れてください。
こういったDV行為に付き合う必要はありません。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。今回の記事が、あなたを洗脳したり陥れようとする夫に屈せず、知識や法律を盾に毅然と対応する助けになれば幸いです。
離婚を考える場合、証拠を集めた上で「あなたがしていることは洗脳だ」「ガスライティングだ」「モラハラだ」と指摘するのも一つの手です。
その際は、当方から弁護士を紹介することも可能です。
一方で、夫がガスライティングをしていると気づいても、すぐに離婚できない方は、まずは一人で抱え込まずに気軽にご相談くださいね。
現在、LINE登録をして頂くと初回特典として無料相談を1回(50分)プレゼントしておりますので、まずはお友達登録からお願い致します。お待ちしております。
また、モラハラ被害により心身ともに疲れている方は、カサンドラ症候群になっている可能性がありますので下記のチェックリストも試して頂ければと思います。
登録初回特典
相談1回(50分)無料!!!
- 問い合わせはLINEがスムーズ
- LINEだけのお得なクーポンあり
- 365日24時間いつでも相談OK