DV防止法の改正について
今回は、以前モラハラで逮捕されることはあるのかという記事をかきましたが、2023年7月現在でわかる変更点についてさらに書き加え刷新しました。
ぜひ最後までお読みくださいね。
もくじ
DV防止法の改正について
DV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律)の一部が改正され5月12日に成立し、5月19日に公布されました。
施行は2024年の4月1日からです。
現行のDV防止法では裁判所から保護命令を出せるのは、身体的暴力のみでした。
今後は言葉や態度で相手を追い詰める「精神的暴力」でも保護命令を出せるようになります。
ちなみに保護命令とは、保護命令とは、配偶者による暴力の被害に遭っている人の安全を確保するため、裁判所に申し立てることによって一定の保護措置をとるための制度です。
DV防止法の改正ポイント
保護命令の対象に「自由、名誉、財産に対する脅迫」が追加され「精神的暴力や性的暴力」が加わりました。
- 緊急時以外のSNS送信でのつきまといや、GPSでの位置情報の特定、性的羞恥心を害するメール送信も追加
- 保護命令違反の懲役刑を「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」から「2年以下の懲役または200万以下の罰金」に厳罰化
- 被害者本人に加えて被害者の子供への電話の禁止
- 接近禁止命令の期間を「6ヶ月」から「1年」に延長
最後に
最後まで読んで頂きありがとうございます。
改正の背景には、DVが身体的なものに限らず、多様化していることがあるといえます。
例えば長時間、正座させて説教するなどして、自由に考えたり、行動したりできないようにすることは精神的DVに当たる。改正法が通院を必要とするような精神的被害があれば、裁判所が保護命令を出せるようにしたのは大きな前進といえます。
DVの対象拡大後に残る課題は、精神的な被害を受けている人にどう救いの手を差し伸べるかです。
精神的被害を受けている人は、加害者に支配的な関係を築かれてしまい、なかなか助けを求めるのが難しいのが問題です。
法改正の議論の過程では、通報などをきっかけにして、警察が早期に介入した方が、より被害者の安全を守りやすくなるとの指摘の声がありました。
DVを見聞きした人には警察などに通報する努力義務があり、被害を受けている人がいる場合は自ら通報する・公的機関への相談を被害者に促すなど、できる限り早く苦しむ人を助けてあげられるように導く必要があります。
ただ、このような仕事をしている私でさえ報復や脅しへの恐怖というものがありますので、動けないというのも仕方ないと個人的には思います。
また、自身がモラハラやDV被害を受けて抜け出した場合に「助けたいという正義の心」から被害者の心を聞き取りできず突っ走るという問題もあります。
DVが社会の問題として認知されたことにより、被害者の情報が加害者側に伝わらないようにするなど、人権を守る取り組みは進んではいます。
しかし、被害者が声を上げやすくするためには十分ではなく、加害者と離れても被害者が自立した生活を営めるよう担保するにはまだまだ時間がかかると思いますし、被害者が離れる事でしか解決策を見いだせていないこの業界全体の成熟度の低さが大きな課題であると感じています。
改正法は、DV関係の基本計画などに、被害者の自立支援策を盛り込むよう定めました。
国や地方の行政は、被害者がDVを受け続ける環境から逃れられるようにすることが急務だといえるでしょう。
内閣府によると、DV防止法に基づき地方自治体が設置する窓口には、2021年度で12万2478件のDV相談が寄せられました。
件数は近年横ばいだが、精神的DVの割合が多くを占める傾向にあるといいます。
パートナーはDVなのか、モラハラなのか、離婚すれば慰謝料は貰えるかなど、弁護士に相談するにはまだハードルを感じる人も多いと思います。
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また、別居中や離婚後にモラハラ加害者がストーカー化することもありますので、気になる方は下記の記事も参照にしてください。
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