シーライオニングチェック|モラハラ加害者の手口と対処法

今回は「シーライオニングチェック|モラハラ加害者の手口と対処法」について説明します。

シーライオニングという言葉は、ここ数年でX(旧Twitter)を中心に広まっているネットスラングで、主にオンライン議論で用いられる嫌がらせやハラスメントの手法です。

本記事では、シーライオニングの具体例や対処法、論点すり替えや発達障害などの関連性を中心に解説していきます。

チェックテストもありますので、ぜひ最後までお読みください。

もくじ

  1. シーライオニングをされているかも?チェックテスト(被害者向け)
  2. シーライオニングとは
  3. シーライオニングの具体例と対処法
  4. 論点すり替え(トーンポリシング)との違い
  5. 受動攻撃との関係性
  6. シーライオニングと発達障害や境界知能との関連性
  7. シーライオニングをしているかも?チェックテスト(加害者向け)
  8. まとめ

シーライオニングをされているかも?チェックテスト(被害者向け)

誰かとオンラインで話していて、なぜか疲れてしまうことはありませんか。

相手は丁寧に質問してくるのに、議論が進まず消耗していく。

それはシーライオニングかもしれません。

以下の項目で心当たりがあるものに「はい」と答えてください。

「はい」が3つ以上ある場合、相手の行為はシーライオニングの可能性があります。

シーライオニングをされているかも?チェックテスト(被害者向け)

1 / 10

何度説明しても、同じような基本的な質問を繰り返された

2 / 10

「ただ知りたいだけ」と言うのに、話が全然進まない

3 / 10

資料を提示しても「それだけ?」「もっとない?」と要求された

4 / 10

夜中や短時間に何度も質問が来て、返事に追われた

5 / 10

相手は意見を言わず、自分ばかり説明していて不公平だと感じた

6 / 10

感情的になったら「落ち着いて話そう」と話し方を批判された

7 / 10

この議論を続けても無駄だと投げ出したくなった

8 / 10

相手の口調は丁寧だが、本気で聞いている気がしない

9 / 10

質問の目的がわからず、ただ長引くだけの話に巻き込まれた

10 / 10

答えるのをやめたら「逃げた」「論破した」とマウントを取られた

あなたのスコアは

0%

診断結果

  • 「はい」が0~2個: この相手は議論が不慣れなだけかもしれません。少し様子を見てください。
  • 「はい」が3~5個: シーライオニングの可能性があります。自分の心を守るために、距離を取ることを検討してください。
  • 「はい」が6個以上: シーライオニングのサインです。無理に付き合わず、ブロックやスルーを考えてください。

シーライオニングとは

シーライオニングとは、議論において相手を疲弊させることを目的に、表面上は丁寧で誠実な態度を装いながら、執拗に質問を繰り返したり証拠の提示を求め続けたりするハラスメント手法です。

「ただ知りたいだけ」「議論がしたいだけ」と装いますが、実際は相手の主張を理解する気がなく、相手に長時間の対応を強いたり、精神的に疲れさせて議論を中断させることが目的です。

相手を精神的・時間的に疲弊させ、議論から追い出すことを狙います。

名前の由来

2014年に描かれたウェブコミック『Wondermark』で、シーライオン(アシカ)が「議論に参加したいだけ」と言いながら女性の家に無理やり入り込もうとするシーンに由来します。

このコミックは、偽りの「善意」を装った侵略的な振る舞いを風刺したものです。

モラハラ(受動攻撃)の一種

X上では2025年現在も頻繁に使われており、政治・ジェンダー・社会問題の議論で「相手の説明を無限に求め、疲弊させる」行為として問題視されています。

共通するのは「無理解を装った質問の連発」という点です。

オンラインだけでなく、日常の対話や夫婦間でも見られます。

ただし、発達障害やグレーゾーン、境界知能の方が、相手の意図を汲み取れず悪意なく質問を繰り返してしまうケースもあります。

シーライオニングは、見た目は礼儀正しい質問でも、実態は相手の心を摩耗させるハラスメントです。

「答えない自由」「距離を取る勇気」「自分を守る境界線」を意識することで、被害を最小限に抑えることができます。

シーライオニングの具体例と対処法

シーライオニングとは、一見丁寧な質問を装いながら、相手を疲れさせる嫌がらせ行為です。

SNSの議論スレッドやカウンセリング現場でも頻繁に見られます。

ここでは、被害者の精神的負担を増やす典型的なパターンと、バウンダリー(心の境界線)を意識した対処法を紹介します。

証拠の要求を繰り返す

社会問題やジェンダー議論などで「根拠は?」「それだけ?」「もっと具体的に」「ソースはどこ?」と何度も聞き返すタイプです。

相手が資料を出しても「これだけ? もっとないの?」と要求がエスカレートします。

議論を深めるつもりはなく、相手を疲れさせて諦めさせることが目的です。

対処法

自分が提供できる範囲を明確にしておきましょう。

必要な情報だけを簡潔に伝え、「私からお伝えできるのはここまでです」と話を締めます。

相手のペースに合わせてすべてに答える必要はありません。

同じ質問を繰り返す

「どういう意味?」「なぜそう思うの?」といった基本的な質問を繰り返すタイプです。

説明しても「わからないので説明して」と再び同じ質問をしてきます。

このやり取りは建設的な議論が目的ではなく、相手を混乱させて疲れさせることが目的です。

対処法

同じ質問が続く場合は「先ほどお伝えした内容が答えです」と明確に線を引きましょう。

それ以上は応じない姿勢を示します。

また、相手が本当に理解する気があるのかを見極め「このやり取りはここまでにします」と伝える勇気も大切です。

丁寧さを装ってしつこく接近する

「教えてください」「理解したいだけなんです」といった言葉で、謙虚さを装いながら近づくタイプです。

DMやスレッドに入り込み、夜中まで質問を続けるなど、善意を装って相手のプライベートに踏み込んできます。

対処法

このような場合は、罪悪感なく断ることが必要です。

相手が「あなたのことが心配なだけ」と言っても、感謝の言葉だけを伝え、それ以上は関わらないようにしましょう。

自分の時間とエネルギーを守るために、好意的に見える関わりにも境界線を引くことが大切です。

感情を利用して揺さぶる

質問を重ねて相手を混乱させ、イライラしたタイミングで「落ち着いて」「少し冷静になろうか」「大丈夫?」と攻撃するタイプです。

このようなやり取りの後には、被害者が「自分が悪かったのかも」と自己嫌悪に陥るケースが多く見られます。

対処法

議論の中で感情が揺さぶられたら、まずその場を離れることが最善です。

「あなたはそう思うんですね」と返して会話を終えることで、否定も肯定もせずに受け流せます。

冷静さを保つことが、最も効果的な防御になります。

バウンダリーを重視した対処法

バウンダリーとは、自分と他人を区別する心理的な境界線のことです。

目に見えるものではなく、心の中にある境界線を指します。

心の境界線を明確にする

相手がしつこいと感じたら「ここまで」と決め、相手のペースに巻き込まれないようにしましょう。

相手を変えようとしない

「この人はそういう人だ」と割り切り、自分を守ることに集中しましょう。

距離を取る

ブロックやミュートを使って関係を絶ち、物理的にも心理的にも距離を置きましょう。

自分の感情を最優先にする

疲れやストレスを感じたら、SNSや議論から離れて休息を取りましょう。

論点すり替え(トーンポリシング)との違い

論点すり替え(トーンポリシング)とは

トーンポリシングは、相手の主張や内容を無視し、話し方や感情表現を非難して議論を封じる手法です。

「何だ、その言い方は」「もっと冷静に」「少しは落ち着いて」と相手の感情や表現の仕方を攻撃し、内容そのものには触れません。

被害者の気持ちを無視し、議論の主導権を握るのが目的です。

シーライオニングとの違い

トーンポリシングは「表現の仕方」に焦点を当てて、すぐに論点をずらし、議論を封じ込めます。

一方、シーライオニングは主張に「向き合うふり」をしつつ「もっと説明して」「証拠は?」と質問を繰り返して相手を疲れさせます。

シーライオニングは「内容を詳しく聞きたい」という態度を装って、長期戦に持ち込む点が異なります。

トーンポリシングは「礼儀正しく話せ」と上から目線で攻撃しますが、シーライオニングは「善意で聞きたい」と偽りの謙虚さを装います。

X上では「トーンポリシングは即効性、シーライオニングは長期戦」との投稿が見られ、両者は補い合う関係にあります。

その他の論点すり替え手法

モラハラ夫がよく使う論点すり替えには、以下のような手法もあります。

俺を陥れようとしている論法

モラハラを指摘された際に、自分の加害行為には一切触れず、「お前はカウンセラーに洗脳されている」「俺を陥れようとしている」と主張し、論点をずらします。

ストローマン論法(藁人形論法)

相手の主張を歪めて解釈し、その歪められた主張に対して反論する手法です。

例えば、「真夏に子どもが外で遊ぶのは危ない」という主張を「お前は子どもを家に閉じ込めておくのか」という極端な解釈にすり替えます。

受動攻撃との関係性

シーライオニングは、受動攻撃の一種です。

受動攻撃とは、直接的な対立を避けつつ、間接的に相手を攻撃する行動です。

皮肉、無視、約束を破る、遅延といった方法で相手を傷つけます。

シーライオニングは受動攻撃のオンライン版であり、「質問」という受動的な手段で攻撃性を隠します。

両者は「相手をコントロールする非直接的な嫌がらせ」に分類され、シーライオニングは「受動攻撃のデジタル版」として位置づけられます。

X上では「質問攻めは受動攻撃の進化形」との指摘があり、夫婦間のモラハラでも同じようなパターンが確認されています。

また、境界知能や発達障害の方が「無意識の受動攻撃がシーライオニングになってしまう」という指摘もあります。

受動攻撃の背景

モラハラ加害者は、外では良い人を演じ、家庭内だけでモラハラ行為をすることがあります。

彼らの中には、無意識に受動攻撃をしている人もいます。

受動攻撃の原因には、以下の点が挙げられます。

言語化能力が低い

自分が何に不満を感じているかを言葉にするのが苦手なため、不機嫌や無視といった態度で表現します。

察してほしい

自分の要求や不満を直接言葉にせず、相手に察することを期待します。

ツッコミのない家庭で育った

自分の行動や発言にフィードバックがない環境で育つと、不機嫌な態度が通用すると考えてしまいます。

シーライオニングと発達障害や境界知能との関連性

シーライオニングは、発達障害(ASD/ADHD)や境界知能(IQ70-85)の方が、コミュニケーションの難しさから無意識に行ってしまう場合があります。

これは「性格の問題」ではなく脳の特性であり、相手の言っていることが理解できないため、何度も同じ質問をしてしまうという行動に出てしまいます。

発達障害(ASD/ADHD)の場合

空気を読むことや言葉の裏にある意味を読み取ることが苦手です。

そのため、相手の気持ちを考えない発言になりがちです。

また、思ったことをすぐに口にしてしまう衝動性がある場合もあります。

結果として、悪気なくシーライオニングをしてしまうことがあります。

境界知能の場合

IQが70〜85の範囲にあり、知的障害ではないものの、会話が通じにくい、すぐに怒る、語彙力が少ないといった特徴が見られます。

相手の発言の裏にある意味や意図を理解できず、結果的に質問を繰り返してしまいます。

これらの特性が、相手を疲れさせる質問の繰り返しにつながり、悪気なくシーライオニングをしてしまうケースもあります。

シーライオニングをしているかも?チェックテスト(加害者向け)

オンラインで議論をしているとき、相手を疲れさせてしまっていないでしょうか。

シーライオニングとは、礼儀正しく振る舞いながら質問を繰り返し、相手を疲弊させる行為です。

以下の項目で心当たりがあるものに「はい」と答えてください。

「はい」が3つ以上ある場合、あなたの議論スタイルを見直す必要があるかもしれません。

シーライオニングをしているかも?チェックテスト(加害者向け)

1 / 10

相手の話に興味を持てず、とりあえず質問した

2 / 10

同じような質問を何度もして、相手を困惑させた

3 / 10

資料を提示されても「これだけ?」「もっとない?」と追及した

4 / 10

夜中や短時間に連続で質問を送って、返事を急かした

5 / 10

「ただ知りたいだけ」と言いながら、相手を黙らせたいと思った

6 / 10

相手が感情的になったら「落ち着いて話そう」と話をそらした

7 / 10

自分の意見を言わず、相手にばかり説明を求めた

8 / 10

質問のゴールが曖昧で、ただ話し続けてしまった

9 / 10

相手が疲れている様子でも、さらに質問を続けた

10 / 10

議論の後、相手の言葉のミスを指摘して攻撃した

あなたのスコアは

0%

診断結果

  • 「はい」が0~2個: あなたの質問は誠実な好奇心から来ています。そのまま対話を続けてください。
  • 「はい」が3~5個: 相手を疲れさせている可能性があります。質問のペースを緩めてください。
  • 「はい」が6個以上: シーライオニングの可能性があります。相手の気持ちを想像し、質問の仕方を変えてください。

【この記事を書いた人】

もーちゃん

モラハラ解決相談所リジェネ 副所長 | 元モラハラ加害者ASD夫|2015年〜妻と共にモラハラ被害者・加害者体質改善講座を運営|10年間で2500件超の相談解決実績 | 夫婦でモラハラを乗り越えた実体験者

経験と専門性

  • 夫婦でモラハラの問題を克服した専門家
  • ASD・ADHDの混合型診断済み
  • モラハラ加害者としての更生を実現
  • 週刊文春オンラインでの3記事の連載で加害者心理と更生過程を完全公開

臨床経験(2010年〜)

カウンセラーとして幅広い支援経験

  • 公的機関での生活保護・生活困窮者自立支援
  • 福祉施設での精神疾患・発達障害者支援
  • うつ病の方の復職支援
  • 元受刑者・薬物依存者への更生支援
  • ひとり親・DV被害者相談
  • 企業内パワハラ相談
  • 自助グループ・セミナー開催

メディア掲載実績

新聞・雑誌掲載

  • 週刊文春オンライン(2024年11月 3記事連載)
  • 産経新聞(2021年9月)
  • 神戸新聞 まいどなニュース(2021年3月)
  • 中日新聞 ねぇねぇちょっと特別編(2021年12月)
  • ウレぴあ総研 ハピママ(2023年7月 3記事掲載)

テレビ・ラジオ出演

  • NHK「ほっと関西」(2021年11月出演)
  • KBS京都「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」(2021年9月出演)

全国11媒体でモラハラ解決の専門家として紹介

モラハラの問題で苦しんでおられる方々の少しでも力になりたいと思っています。

まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

シーライオニングは間接的な攻撃であり、被害者の心を疲弊させ続けます。

モラハラ被害者によくあるのが、相手の善意を真に受けて断れず、ずるずると付き合ってしまうケースです。

チェックテストで相手の行動がシーライオニングに該当した場合は、速やかに物理的な距離を置き、自分の心を守る行動を取ることをお勧めします。
今回の内容が、あなたの抱えている問題解決の一助となれば幸いです。

モラハラで苦しんでいるあなたへ

私たち夫婦も、かつては離婚寸前まで追い込まれました。

しかし諦めずに夫婦で協力し、モラハラの問題と真正面から向き合い、解決することができました。

現在は幸せに暮らしています。

すぐに離婚だと諦めないでください。解決への道は必ずあります。

私たちがどのようにして危機を乗り越えたのか、被害者妻と加害者夫の両方の目線でリアルに書いています。

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