モラハラ=離婚の図式が未だに蔓延している理由
【2025年8月更新】より実践的な対処法を知りたい方へ
この記事では離婚についての基本的な内容を解説していますが、「具体的にどう対処すればいいか知りたい」という多くのご要望にお応えし、実践的な対処法に特化した最新記事を公開しました。
最新記事の内容としては、今回は「なぜ妻があなたと話をしたくないのか」「別居中の妻のリアルな心理状態」「夫がやりがちな失敗パターン」そして「リジェネによる効果的な介入方法」まで、妻から「離婚したい」と言われた夫が最後のチャンスを掴むための具体的な対処法について詳しく解説しております。
ぜひ、参考にしてくださいね!
この記事では「なぜモラハラ=離婚」の図式が未だに蔓延しているのかについて説明していきます。
この内容は現時点で被害を受けている・被害を訴えられている方には、あまり関係ない話かもしれません。
- モラハラで離婚をして相手方に対して恨みを持っている
- 調停や裁判などで不合理な状況を受け入れざる得なかった
- 離婚後数年以上経過していても憤慨してしまう
- フラッシュバックに悩まされている
- 後悔はないが離婚をしたことが正解なのか未だにモヤモヤする
私たちがモラハラに関わる仕事を始めて応援してくれた方々は、みなさんモラハラで悩んできた方たちでした。
そして、上記のような気持ちを教えてもらい「もっと早く出会えていれば違う道もあったかもしれない」と話してくれます。
「モラハラ=離婚」という道を選べばスッキリすると思っていた
モラハラ業界は、1998年にフランスの精神科医、マリー=フランス・イルゴイエンヌによって提唱されて以来、ほぼアップデートされていない状況が続いています。
また、支援者の中には、今でも1999年初版当時の書籍を参考にしている方々が多く見受けられます。
モラハラに至る要因は当然ながら一人ひとりの成育環境や現在の家庭環境など、様々な要因が複合的に絡み合っています。
「モラハラ=離婚」
それではなぜモラハラ=離婚の図式が未だに蔓延しているのかを説明していきます。
根本的な解決を目指す方へ
私自身、ASD・ADHD混合型で診断済みであり、夫婦でモラハラの問題を克服した専門家です。
2024年11月に週刊文春オンラインで3回連載され、NHKや産経新聞など全国11媒体で紹介されました。
私たち夫婦も新婚時にはモラハラ加害者と被害者になってしまいましたが、夫婦で協力してモラハラを克服しました。
この記事の対処法も参考になりますが、根本的な解決には、なぜモラハラが起きるのか、どう克服したのかを知ることがはるかに重要です。
週刊文春オンラインでも掲載された実体験をまずはお読みください。
被害者の視点から学ぶ
これらを読んでから戻ってきていただくと、より深く理解できるはずです。
10年間で2500件超のモラハラ相談を解決してきた専門家として、現実的で効果的な対処法を解説します。
もくじ
単純でわかりやすい図式
「モラハラ=自己愛=治らない=離婚」「加害者=悪者」の図式が勧善懲悪でわかりやすく、共感されやすいという点が挙げられます。
「私は⚪︎、夫は×」の図式
また「自己愛性パーソナリティ障害の特性とモラハラ加害者の特性」には類似点があり、その類似点のみを過大解釈してしまったことも大きいと思われます。
このような誤った解釈が行われるのは、支援者側にモラハラ解決に関する専門知識や社会福祉の知識が乏しいためです。
モラハラの解決には「怒りの感情をコントロールすることが重要」などの知識が欠けており、また自己愛性パーソナリティ障害以外の衝動的な怒りが起こる発達障害や精神障害への知識が不足していることも挙げられます。
上記について詳しく知りたい方はモラハラ=自己愛パーソナリティ障害ではありませんをご一読くださいね。
国の法整備が遅く十分な予算が充当されていない
日本では2001年にDV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律)が施行されましたが、モラハラ(精神的DV)がDV防止法に組み込まれるのは2024年4月からとなり、20年以上の歳月が経過しています。
この動きの遅さが顕著です。
一方、フランスでは2004年にモラハラが犯罪であり懲役刑とされ、欧米諸国よりも20年以上の差があることがわかります。この差異は著しいものと言えるでしょう。
さらに、法整備の遅れによる弊害として、欧米諸国と比較して十分な予算が割り当てられていないことが挙げられます。
そのため、モラハラ解決に向けた研究が進んでいないと考えられ、その結果、未だに「モラハラ=離婚」といった単純な図式が広まっている要因と思われます。
アメリカや欧米などでは、加害者更生への仕組みが整備され、義務化されています。
アンガーマネジメントも、欧米では2011年のテロ以降、本格的に広まりましたが、日本では身近に普及し始めたのはここ5年程度ではないかと考えられます。
また、発達障害や精神障害に関する知識も、欧米に比べてまだまだ遅れていると考えられます。
モラハラ解決に十分な予算を充当されなかった結果、役所の窓口での二次被害や有効な加害者プログラムがほとんどない現状が起こっています。
ただし、2024年以降はDV防止法も施行されるため、今後は予算も充当されていくことが期待され、現状が改善されることを期待しています。
次に、十分な予算が充当されなかったことから生じた弊害について説明していきます。
役所等での二次被害
私はこれまで、10年以上にわたって様々な公的機関で相談員として従事してきました。
その間に目撃した二次被害の実態について、ここで述べていきます。
同時に、私たちのもとに相談に訪れる方々が、役所での窓口対応によって経験した二次被害についても、併せて記述していきます。
モラハラ被害者の方々が自身の状況に迷った際には、一般的にはまず役所に相談することが多いです。
配偶者暴力支援センターも存在しますが、基本的には役所の窓口からの紹介となります。
ただし、役所の相談窓口ではモラハラ相談の窓口は設けられているのはわずかで基本的にDV相談の窓口しか存在しません。
そのため、職員の対応に問題が生じ、二次被害が発生することがあります。
以下にその詳細を説明していきます。
通常、大都市部では税収があり、外部委託によって精神保健福祉士や社会福祉士、臨床心理士を雇うことができます。
予算に余裕のない地方市町では地方公務員が窓口業務を担当しています。
この地方公務員たちは、当然ながらモラハラやDV、社会福祉や精神疾患、発達障害に関する専門的知識はない地方公務員です。
彼らは一般的に、役所内の部署を頻繁に転々とするため、前の部署とは無関係な部署への異動がほとんどです。
加えて、地方公務員は通常2〜3年で部署の異動が行われるため、担当分野の専門的な知識を身につけるまでに異動となります。
「まだ離婚は考えておらず、不安だから相談しに来た」とか「とりあえず対面での相談がしたいから」という理由で役所に相談しに行ったとしても基本的には離婚やシェルターを勧められます。
これは、命の危機がある可能性を排除するために、危険因子と距離を離すという最も安全な手法だからです。
しかし、住む場所も学区も変わり制限もかかるシェルターに移動するというのは、いきなり選べないもので悩んでしまうのは当然です。
支援員からすると最も安全な策を紹介しているのに動かない被害者に対して鼓舞する意味もあるのでしょうが「共依存である」「判断が遅いと怖いことになる」「そういう態度がモラハラに繋がった」など被害者にも落ち度があるように感じさせる発言をされたという二次被害が広がっています。
被害者妻の視点から見れば、役所の相談員は専門家と考えられるため「専門家の意見なら、離婚が避けられないのか」という考えに半ば諦めの気持ちを抱いてしまうことがあります。
さらに、モラハラ被害者の妻は、夫からの日々のモラハラで心身ともに疲弊しており、役所への相談にも多大な労力が必要です。
そのため、他の機関に相談する気力もほとんど残っていない状況です。これが、役所で生じる二次被害の実態です。
但し誤解を招くことを避けるため、説明させていただきますが、窓口の地方公務員の方々には悪意はありません。
被害者からの相談に対しては、親身に話を聞いてくれます。
ただし、専門的知識が無いなどからくる結果として離婚を勧めることがあるのです。
今後、予算が充当されることによって窓口に専門家を配置することで、この問題が改善されることを切に願っています。
有効な加害者プログラムがほとんどない
国が十分な予算を割り当てていないため、適切な加害者プログラムを作成できないのは理解できますが、それでもその実態は深刻です。
私たちのもとに相談に訪れる方々の中には、私たちの支援の相談よりも前に他の加害者プログラムを受講された方々が多くおられます。
ここでは彼らがプログラムで受けた被害やプログラムの実態を説明していきます。
- DVも取り扱う加害者更生プログラム
- 加害者更生を謳っているが実際は自身の内面と向き合うことは行われず、加害者たちが集まって飲酒し合いながら話すだけで、肝心の怒りのコントロール方法についても一切触れない。
この場所に長く居るとアルコール依存症になる危険性を感じた為、この方は退会されたとのことでした。
- 女性系団体が実施している加害者更生プログラム
- 受講した方の証言によると、受講中に支援員が加害者に寄り添うことは全くなく、終始、犯罪者として扱われて責め立てられるばかりで、苦痛でしかなかったとのことです。
女性系団体は被害者を守ることには特化していますが、加害者更生プログラムの内容は一方的なジェンダー論などの座学と、加害者に対して強制的な反省を求める内容だけで、25年前からアップデートされていないとのことです。
- モラハラ加害者のみを取り扱う更生プログラム
- 主催者は臨床経験や社会福祉や精神疾患や発達障害などの専門知識は一切なく、全く根拠のない自論や哲学を、正しいかのように主張するとのこと。
グループワークで加害者たちが自分の気付いたことを発信しているとのことです。
また、このグループも対象者がモラハラ加害者のみなのに主催者から反省を強いられる様な発言が度々あったとのことです。
このグループでは発信が多いほど評価されるため、加害者同士で新たなマウント合戦が生まれ、結局は加害者自身の問題は全く解決されていないとのことでした。
また、グループ内ではモラハラ解決に至る専門用語を知っている人が評価をされるため、この方は一時的に心理学用語を勉強したそうですが、当然ながら自身の加害性は改善されず、何の意味もないと思い、退会したとのことです。
受講した人々の間では、このグループ自体が主催者自身の劣等感やメシアコンプレックスを満たそうとしているだけではないかとの意見を述べています。
以上が、当プログラムを受けた方々から聞いた他の加害者プログラムの実態であり、その内容は非常に深刻なものです。
こうした現状に対しても、国には今後十分な予算を投じ、精神保健福祉士や社会福祉士、臨床心理士などの専門家を配置して、本当に有効な加害者更生プログラムを開発していただきたいと考えます。
また、このような加害者の二次被害を生むような低品質なプログラムは、国が体制を整備していく過程で淘汰されていくことを期待しています。
加害者の方々を不幸に導くプログラムが早くなくなることを心から願っています。
【この記事を書いた人】
経験と専門性
- 夫婦でモラハラの問題を克服した専門家
- ASD・ADHDの混合型診断済み
- モラハラ加害者としての更生を実現
- 週刊文春オンラインでの3記事の連載で加害者心理と更生過程を完全公開
臨床経験(2010年〜)
カウンセラーとして幅広い支援経験
- 公的機関での生活保護・生活困窮者自立支援
- 福祉施設での精神疾患・発達障害者支援
- うつ病の方の復職支援
- 元受刑者・薬物依存者への更生支援
- ひとり親・DV被害者相談
- 企業内パワハラ相談
- 自助グループ・セミナー開催
メディア掲載実績
新聞・雑誌掲載
- 週刊文春オンライン(2024年11月 3記事連載)
- 産経新聞(2021年9月)
- 神戸新聞 まいどなニュース(2021年3月)
- 中日新聞 ねぇねぇちょっと特別編(2021年12月)
- ウレぴあ総研 ハピママ(2023年7月 3記事掲載)
テレビ・ラジオ出演
- NHK「ほっと関西」(2021年11月出演)
- KBS京都「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」(2021年9月出演)
全国11媒体でモラハラ解決の専門家として紹介
モラハラの問題で苦しんでおられる方々の少しでも力になりたいと思っています。
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まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回の内容が、あなたが抱えている問題解決の一助になれば幸いです。
モラハラで苦しんでいるあなたへ
私たち夫婦も、かつては離婚寸前まで追い込まれました。
しかし諦めずに夫婦で協力し、モラハラの問題と真正面から向き合い、解決することができました。
現在は幸せに暮らしています。
すぐに離婚だと諦めないでください。解決への道は必ずあります。
私たちがどのようにして危機を乗り越えたのか、被害者妻と加害者夫の両方の目線でリアルに書いています。
被害者の視点から学ぶ
もし「記事は理解できたけれど、うちの場合はどうすればいいのかわからない…」と感じているなら、一人で抱え込まず、ぜひ私たちにお話を聴かせてください。
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