本音を伝えたのに夫に逆ギレされた理由とは

今回は、妻が本音を伝えたのに夫に逆ギレをされた理由について説明していきます。

以前に、正しい本音の伝え方の記事を書きましたが、今回は夫婦カウンセリングを受講された方にお互いの心情や、なぜ怒ったのかなどの理由について話していただきました。

具体的な事例として多く挙げられたものは、妻から「私にもっとかまってほしい」「私を優先してほしい」「もっと一緒にいたい」と素直な気持ちで一次感情を伝えたのに夫はキレてしまったというケースです。

その際、夫は「俺が悪いと言うのか?」「仕事の方が大事だろ?」「自分のわがままばかり言ってくるなよ」というように歪んだ受け取り方で怒ってしまい話し合いすら出来なくなってしまったというものです。

妻側からするとせっかく勇気を持って一次感情を伝えたのに受け止めてもらえないのは努力した分悔しいものとなります。

また「なぜ逆ギレされないといけないのか理解できない」といつものケンカよりも怒りがこみあげてきたり、「もう分かり合えないかもしれない」と絶望感を感じたと述べています。

モラハラ解決への支援方針として「あなたがおかしい」「私は間違っていない」といった相手を批判するのではなく、自分の心の声、本音を受け入れ、その言葉を素直に伝えることが重要であるとお伝えしています。

先述した通り、妻は本音をしっかりと伝えたと述べており、我々のテキスト通りに対応してくださったと認識しています。

ではなぜ夫は本音を受け取らなかったのか、そして夫はAさんの本音をどのように解釈したのかが気になりますよね。

そもそものテキストや我々の説明不足や力量のなさかなと思ってきた問題でしたが、夫への聞き取りをした結果問題解決の糸口が見えてきました。

それぞれを説明していきますので、最後まで読んで頂ければ幸いです。

この記事はこんな方におすすめです

  • モラハラ被害を受けている方
  • 夫婦関係改善のプロセスが知りたい方
  • 夫婦問題のリアルな事例を知りたい方

もくじ

  1. 妻の相談内容と本音
  2. 夫が逆ギレをした理由
  3. 夫が欲しい言葉はコレだった
  4. 妻の主張
  5. お互いの本音に初めて気付く
  6. まとめ

妻の相談内容と本音

妻側からの目線での相談内容を先に記述します。

※プライバシーに配慮して本人特定できないように一部改変しています※
※本人の了承確認済※

相談内容(妻側の目線)

妻と夫と2人暮らし

夫の転勤により全く知らない土地に住んで6ヶ月

友人も知人もおらず、常に一人で寂しいと感じています。

専業主婦のため、誰とも話すことがなく、夫としか話すことがない日も多々あるとのこと。

趣味も特になく、夫と週末に出掛けるのだけが楽しみなので、平日も出来るだけ一緒にいたいとのことです。

夫は仕事柄、帰宅が遅く休日にゴルフや接待に出かけることもあり、自分が優先されていない様で寂しいと感じています。

夫は自分の気に入らないことがあると不機嫌になり、怒鳴ることもあるため、心身ともに限界であると訴えられました。

妻は離婚を考えてはいないが、このような状態が続くと共同生活がしんどいので、夫を改心させて欲しいと望まれ受講に至ります。

そのため、夫をなんとか説得する形で夫婦でプログラムを受講されました。

夫はマイルールや拘りが多く、特に料理の味付けや調味料に関してひとつひとつ細かく決まっています。

夫がキレる事例

  • 帰宅した時に料理がテーブル上に全て揃っていないと不機嫌になる
  • 夫の価値観からすると違うものを作ると不機嫌になる
  • 用意していてもカップラーメンや宅配サービスで済ませる
  • 「不味い」とだけ言って手を付けない
  • 夫にこんなものを食わせるのか?と長時間の説教になる

料理について何も感想を言わないし、聞くと「そんなことも分からないのか」と怒られるので好みがわかりません。

夫に対して、最近は喧嘩になると言い返してしまうため、険悪な空気になっているとのことです。

次に夫と面談をして本音を質問しました。

夫が逆ギレをした理由

妻から本音を言われた時、どう思ったのか? なぜキレてしまったのか?について夫に質問しました。

夫がキレた理由

  • 妻は自分のわがままばかり言ってくるのでムカついた
  • 自分は家族のために必死で働いている、そこについての感謝は全くされない
  • 仕事中に鬼LINEや帰宅時間を急かす行為を非常識だと思っている
  • 妻とは休日も買い物に行ったり要望には応えている

まず、仕事の最中に邪魔をするなんて、社会人としてありえない、一体何を考えているんだ?高校生でもあるまいし、と憤慨しました。

妻は自分の主張ばかりを一方的にして、俺の気持ちを全く理解していない。

そのため妻の本音は到底、受け入れることができないと主張されました。

※カウンセリングのプロセスにおいて、一次感情(本音)に辿り着くためには、まずは二次感情である怒りを吐き出して消化することが重要です。

このプロセスを経ないと、一次感情に辿り着くことができないし、それを受容することも困難です。

したがって、カウンセリングの一環として、このように怒りを吐き出す作業を行っていただいています。

夫が欲しい言葉はコレだった

では「どう言われたら妻からの本音を受け取れたのか?」「どういう言葉が欲しかったのか?」と質問すると

  • まず、仕事中の鬼LINEへの謝罪
  • 毎日、残業をして頑張ってることへの労いの言葉がない

この2点を主張されました。

しかし、この2点を謝罪されても、まだ改善して欲しい点は他にもあると夫は不満を爆発させました。

妻は私を優先しろと言ってくるが、自分の中では何よりも妻を優先していると夫は主張しました。

休日も買い物に付き合うし、毎日話も聞いてあげている。

これ以上、やりようがない。

友人とのゴルフなどは気分転換には必要だと主張しました。

また、妻の本音の言い方自体も、子どもが駄々をこねるような責める言い方だったため、ケンカを売られていると感じ、ムカついたと夫は主張しました。

また、以下の不満も主張されました。

その他の妻への不平不満

  • 話が長く聞くのがしんどい
  • 思い付きで話すので話の内容がわからない 
  • 感情的になるのも止めて欲しい
  • 同じ失敗を何回もする 

妻の主張

妻の主張としては、以下の点が挙げられました。

夫への不平不満

  • 些細なことで不機嫌にならないで欲しい
  • 不満があるなら、具体的に言って欲しい
  • 私を優先して欲しい

夫は「一回言ったら覚えてほしい」「失敗をするな」と思っており、妻は「同じ失敗ばかりするから腹が立つ」と主張しました。

ただ、第三者的に見て、夫の細かいルールを一回で覚えるのはハードルが高いため、何度も伝えるようにと指導しました。

お互いの本音に初めて気付く

夫は妻が「そんなに孤独な想いをしているとは思っていなかった」とのこと。

妻は夫が「私のために残業を頑張っているとは思っていなかった」「私を何よりも優先しているとは思ってもいなかった」と主張しました。

これらの本音をお互いが受け入れていくことで、お互いの主張も徐々に受け入れられるようになりました。

また、お互いが絶対に譲れない部分、大切にしている価値観も明確にしその部分については大切にするように指導しました。

具体的には

  • 夫からは、仕事中に鬼LINEはしないこと。必要最低限のみにしてほしい。
  • 妻からは、不平不満があるなら不機嫌オーラを出さずに、具体的に言葉で言ってほしい

これらは、お互いが直接話すとトラブルになるので、私たちが間に入り、お互いに伝えるようにしています。

妻と夫は今までに、このようなお互いの本音を元に話し合いをしたことはありませんでした。

お互いに改善して欲しいポイントはたくさん出てきましたが、今後も一緒に暮らすのであれば、できることから改善していこうと伝えました。

まとめ

最後まで読んで頂きありがとうございました。

いかがでしたか?

夫婦カウンセリングでは、片方の言い分だけでなく、お互いの問題や課題が明確になることが重要です。

人は自分が不利になることを言いたくない傾向がありますが、夫婦関係の再構築には、包み隠さずすべてを話し合うことが必要です。

コミュニケーションのすれ違いや、パートナーが無自覚にしているイライラする行動や改善して欲しい行動などが、不平不満の根源になります。

これらの不満を解決するためには、お互いが率直に意見を述べ、改善点を確認し合うことが不可欠です。

夫婦プログラムの最終目標は、我々を介さずに夫婦間でスムーズに話し合いができるようになることです。

お互いが率直に意見を述べ合い、理解し合い、協力し合う関係を築くことで、夫婦関係の改善と成長が促進されます。

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