元モラハラ被害者の観察日記|④趣味の強要と同調圧力
私をクローンにしようとしていた夫
「えっ、それ好きでしょ?なんで乗り気でないの?そういうの嫌いやわ」
夫が新しく始めた趣味に、私が興味を示さなかった時、夫はこう言いました。
夫が好きになったものは、私も好きにならなければならない。
夫が嫌いなものは、私も嫌いにならなければならない。
そして夫が誰かの悪口を言い始めたら、私は夫と同じか、それ以上の悪口を言わなければならない。
これが、私が経験した「クローン化支配」でした。
この記事は「元モラハラ被害者の観察日記」シリーズ、全11回の第4回目です。
今後は以下の内容で投稿していく予定です。
今後の投稿予定
- 第1回:夫を変える基礎技術
- 第2回:猫を使い悪口を言う夫
- 第3回:来客拒否と制限
- 第4回:趣味の強要と同調圧力(この記事)
- 第5回:拗ねて無視する夫
- 第6回:健康志向の矛盾
- 第7回:境界線の引き方
- 第8回:発達障害への対応
- 第9回:自分を守る方法
- 第10回:変化の測定方法
- 第11回:私の失敗と学び
※第5回以降は順次公開予定です。
公開され次第、リンクを追加します。
※第5回以降は順次公開予定です。
公開され次第、リンクを追加します。
前回の来客拒否と制限では、夫が私に行った孤立化戦略についてお話ししました。
今回の記事では「趣味や好みの同一化要求」と「悪口への同調圧力」という、夫が私を自分のクローンにしようとした支配の実態について、詳しくお話しします
※この記事は、加害性が強く、攻撃的で生々しい描写が含まれます。
フラッシュバックや不快感を覚える可能性がある方は、ここで読むのを止めることをお勧めします。
もくじ
- クローン化支配とは何か
- 趣味の強要パターン
- 好き嫌いの同一化要求
- 悪口への同調圧力
- 従わなければ始まる「拗ね」
- なぜクローン化しようとするのか
- 境界線を引いた後の対応
- 夫の変化のプロセス
- 「違っていい」を受け入れるまで
- あなたもクローン化を要求されていませんか?
- クローン化支配への対抗ポイント
クローン化支配とは何か
クローン化支配とは、パートナーに自分と同じ趣味、好み、意見を持つことを強要し、独自性を認めない支配のことです。
夫がやっていたことは
- 私に夫の趣味を強要する
- 私に夫と同じものを好きにさせようとする
- 私に夫と同じものを嫌いにさせようとする
- 私に夫と同じ意見を言わせようとする
- 私に夫以上の悪口を言わせようとする
夫は、私を「独立した一人の人間」ではなく、「自分の一部」として扱っていたのです。
趣味の強要パターン
パターン1:夫の趣味への強制参加
夫が新しい趣味を始めると、必ず私にも同じことをするよう求めてきました。
「一緒にやろうよ。楽しいから」
最初は誘いのように聞こえます。
でも、私が「私はいいや」と断ると、
「なんで?おかしいやろ」 「俺のこと好きなら、一緒にやるはずやん」
こう言って、不機嫌になります。
以前の私は、頭痛が始まる前にこの状況を終わらせたくて、「…わかった。やってみる」と諦めて従っていました。
パターン2:私の趣味への否定
逆に、私が独自の趣味を持つことは許されませんでした。
私が何か新しいことを始めようとすると、
「そんなの意味ないやろ」 「時間の無駄」 「俺と一緒に○○した方がいいって」
こう言って、私の趣味を否定してきます。
そして、「俺の趣味を一緒にやろう」と誘導するのです。
パターン3:熱中度の監視
もし私が夫の趣味に付き合っても、それで終わりではありませんでした。
「もっと楽しそうにしろよ」 「本当に面白いと思ってる?」 「お前、全然やる気ないやん」
私の熱中度まで監視し、夫と同じレベルで楽しむことを要求してきました。
表面的に付き合うだけでは許されない。 心から楽しんでいる「ふり」をしなければならない。
これが、非常に疲れました。
好き嫌いの同一化要求
パターン1:食べ物の好み
夫が好きな食べ物を、私も好きにならなければなりませんでした。
夫が「これ美味しい!」と言ったものを、私が「私はそうでもないかな」と言うと、
「はぁ?美味しいやろ。おかしいわ」
まるで私の味覚がおかしいかのように言います。
そして、「もっと食べてみろよ。絶対美味しいから」と、無理やり食べさせようとします。
パターン2:映画や音楽の好み
夫が好きな映画や音楽を、私も好きにならなければなりませんでした。
夫が「この映画最高やった」と言うと、私にも感想を求めてきます。
「どうやった?面白かったやろ?」
私が「うーん、まあまあかな」と言うと、
「はぁ?お前わかってないわ」 「どこが面白くなかったんや?」
詰問が始まります。
そして、私が夫と同じ感想を言うまで、延々と説教が続きます。
パターン3:人の好き嫌い
夫が好きな人は、私も好きにならなければなりませんでした。
夫が「○○さんはいい人やな」と言うと、私にも同意を求めます。
「そうやろ?」
私が「うーん、私はそうでもないかな」と言うと、
「なんで?お前おかしいわ」
夫が嫌いな人は、私も嫌いにならなければなりませんでした。
そして、それ以上に悪口を言わなければならなかったのです。
悪口への同調圧力
パターン1:悪口を言わされる
夫が誰かの悪口を言い始めると、必ず私にも同調を求めてきました。
「○○って本当にウザいよな」
私が黙っていると、
「そう思うやろ?」
と、同意を強要してきます。
私が「私は特に何とも思わないけど」と言うと、
「はぁ?お前わかってないわ」 「あいつがどんだけひどいか知らんのか」
そして、私が夫と同じように悪口を言うまで、延々と説教が続きます。
パターン2:夫以上の悪口を言わなければならない
さらに悪質だったのは、夫と同じレベルでは許されなかったことです。
私が「うん、確かにちょっと○○だよね」と軽く同調すると、
「ちょっと?そんなもんじゃないやろ」 「お前、俺の味方じゃないんか」
夫以上に激しく、夫以上に具体的に悪口を言わなければ、「味方」として認められなかったのです。
以前の私は、悔しくて涙が出そうになりながら、頭痛が始まる前にこの状況を終わらせたくて、本当は思ってもいない悪口を口にしていました。
パターン3:悪口を言わないと「敵」認定
もし私が悪口に同調しなかったり、「私はそうは思わない」と言ったりすると、
「お前、あいつの味方なんか」 「俺より、あいつの方が大事なんか」
こう言って、私を「敵」として扱います。
そして、数日間拗ねて、部屋に籠もります。
従わなければ始まる「拗ね」
拗ねのパターン
夫の要求に従わなかった時、夫は決まって拗ねました。
- 無言になる
- 部屋に籠もる
- 数日間出てこない
- 私を完全に無視する
最長で、14日間も部屋に籠もったことがありました。
拗ねている間の私
夫が拗ねている間、以前の私は
- 不安で仕方がない
- 「私が悪かったのかも」と罪悪感
- 部屋のドアを叩いて「ごめんなさい」と謝る
- 機嫌を直そうと必死になる
そして、頭痛が始まり、吐き気がして、鬱っぽくなり、眠れなくなり、最終的に数日間寝込む。
この悪化のプロセスが、毎回繰り返されました。
なぜ拗ねるのか
夫にとって、拗ねは「罰」でした。
- 「お前が俺の要求に従わないから、こうなったんだ」
- 「お前が謝って、俺の言う通りにすれば、許してやる」
こういった無言のメッセージを送り続けていたのです。
そして、私が謝って従うまで、拗ね続けるのです。
なぜクローン化しようとするのか
加害者心理:境界線の欠如
夫は、自分と他者の境界が曖昧でした。
妻は「自分の一部」だと思っている。
だから、妻が独自の意見や好みを持つことが理解できない。
「俺と違う意見を持つ=俺を否定している」
こういった極端な思考があったのです。
加害者心理:自己肯定感の低さ
妻が自分と違う意見を持つと、「否定された」と感じる。
- 「妻が俺を好きなら、俺の好きなものを好きになるはず」
- 「妻が俺の味方なら、俺以上に悪口を言うはず」
こういった歪んだ承認欲求があったのです。
加害者心理:孤独への恐怖
友達がいない夫は、妻を「唯一の味方」にしたかった。
「妻まで違う意見を持ったら、俺は一人になる」
この不安から、妻をクローン化しようとしていたのです。
加害者心理:拗ねという操作
子どもっぽい手段ですが、実は効果的でした(修行前)。
妻が罪悪感を感じて謝ってくれるという成功体験。
だから、繰り返すのです。
境界線を引いた後の対応
対応1:趣味の強要には明確に断る
「面白そうだね。でも私は今はいいや」
これを淡々と伝えます。
夫が不機嫌になっても、謝りません。 言い訳もしません。
「あなたの趣味と、私の趣味は別だよ」
この境界線を、明確に引きます。
対応2:好みの違いを当然のこととして扱う
「あなたはそれが好きなんだね。私は○○の方が好きかな」
違いがあることを、当然のこととして扱います。
夫が「おかしい」と言っても、「人それぞれ違って当然だよ」と返します。
対応3:悪口には一切同調しない
これが、最も難しかったです。
夫が悪口を言い始めても「私はそうは思わない」または、無言を貫きます。
夫が「お前、あいつの味方なんか」と言っても「味方とか敵とかじゃなく、私はそう思わないだけだよ」
と返します。
頭痛が始まりそうになっても、「ここで諦めたら元に戻る」と自分に言い聞かせます。
対応4:拗ねても放置する
夫が拗ねて部屋に籠もっても、以前のように謝りに行きません。
「部屋から出たくなったら教えてね。ご飯は用意しておくから」と一度だけ伝え、後は完全に放置。
自分は普通に生活します。
夫がお腹が空いて自分から出てくるしかなくなります。
「無視しても妻の生活は変わらない。何なら楽しそうに過ごしている」これに気づくまで、徹底的に相手にしません。
夫の変化のプロセス
初期(1-3ヶ月):激しい拗ね
最初は、夫の拗ねがむしろ激しくなりました。
趣味を断った時、
「はぁ?なんで?」 「俺のこと好きじゃないんやな」
そして、部屋に籠もる。
悪口に同調しなかった時、
「お前、俺の味方じゃないんか」
そして、また部屋に籠もる。
でも、私は謝りに行きません。
頭痛が始まりそうになっても、耐えます。
中期(3-6ヶ月):戸惑い
徐々に、夫は戸惑い始めます。
拗ねても、妻は謝りに来ない。 部屋に籠もっても、妻の生活は変わらない。 むしろ楽しそうに過ごしている。
「俺の言うこと、本当に聞かないんだな」
と、ぽつりと言ったことがありました。
後期(6ヶ月-1年):諦めと受け入れ
1年近く経つ頃には、夫の要求が明らかに減っていきました。
趣味を強要することも減り、 悪口への同調を求めることも減り、 拗ねて部屋に籠もる時間も短くなりました。
そして、ある日、夫がこう言いました。
「まあ、違っていいよね」
この言葉を聞いた時、私は「やっと」と思いました。
現在:お互いの違いを楽しむ
今では、夫は私に趣味を強要しません。
私が独自の趣味を楽しんでいても、
「楽しそうやね」
と言ってくれます。
時には、「それ、俺もやってみたいな」と、夫の方から興味を示すこともあります。
これは「強要」ではなく、本当の興味です。
悪口も、夫が一人で言うようになりました。
私に同調を求めることは、ほとんどなくなりました。
そして、私が違う意見を言っても、
「まあ、そういう見方もあるか」
と受け入れてくれるようになりました。
「違っていい」を受け入れるまで
夫が「違っていいよね」と言えるようになるまで、約1年かかりました。
その間、私は
- 何度も頭痛に耐えた
- 何度も「ここで諦めたら元に戻る」と自分に言い聞かせた
- 何度も夫の拗ねを放置した
- 何度も罪悪感と戦った
でも、境界線を守り続けました。
そして今、夫は私を「独立した一人の人間」として扱ってくれています。
私の意見を尊重してくれています。
私の趣味を応援してくれています。
これは、境界線を引き続けた結果です。
あなたもクローン化を要求されていませんか?
もしあなたのパートナーが
- あなたに同じ趣味を強要する
- あなたに同じものを好きになることを求める
- あなたに悪口への同調を迫る
- あなたが違う意見を言うと不機嫌になる
- あなたが従わないと拗ねて無視する
これらに当てはまるなら、それは「クローン化支配」かもしれません。
クローン化支配への対抗ポイント
- 「あなたの趣味と、私の趣味は別」と明確に伝える
- 好みの違いを当然のこととして扱う
- 悪口には一切同調しない
- 拗ねても放置する
- 「人それぞれ違って当然」という境界線を守り続ける
- 罪悪感を感じても、「ここで諦めたら元に戻る」と自分に言い聞かせる
あなたは、パートナーのクローンではありません。
独立した一人の人間です。
その権利は、誰にも奪えません。
次回予告
次回の「拗ねて無視をする夫」では「拗ねて数日間無視・部屋に籠もる夫への完全対処法」について、詳しくお話しします。
14日間も部屋に籠もった夫に、どう対処したのか。
拗ねという「罰」を無効化する具体的な方法をお伝えします。
この記事を書いた人
経験と専門性
- 夫婦でモラハラを解決した実体験者
- 10年間で2500件超の相談解決実績
- 行動心理学をベースとしたモラハラ加害者・被害者の心理分析
- 加害者と被害者の思考・行動パターンの解明と改善指導
- 発達障害特性を持つ夫婦関係の調整とサポート
- カサンドラ症候群からの回復支援
- 夫婦間コミュニケーション改善や改善方法の開発
- 同じ経験を持つ専門家として、あなたの状況に寄り添うことが可能
メディア掲載実績
新聞・雑誌掲載
- 週刊文春オンライン(2024年11月 3記事連載)
- 産経新聞(2021年9月)
- 神戸新聞 まいどなニュース(2021年3月)
- 中日新聞 ねぇねぇちょっと特別編(2021年12月)
- ウレぴあ総研 ハピママ(2023年7月 3記事掲載)
テレビ・ラジオ出演
- NHK「ほっと関西」(2021年11月出演)
- KBS京都「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」(2021年9月出演)
全国11媒体でモラハラ解決の専門家として紹介
モラハラの問題で苦しんでおられる方々の少しでも力になりたいと思っています。
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私たち夫婦も、かつては離婚寸前まで追い込まれました。
しかし諦めずに夫婦で協力し、モラハラの問題と真正面から向き合い、解決することができました。
現在は幸せに暮らしています。
すぐに離婚だと諦めないでください。解決への道は必ずあります。
私たちがどのようにして危機を乗り越えたのか、被害者妻と加害者夫の両方の目線でリアルに書いています。
被害者の視点から学ぶ
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