元モラハラ被害者の観察日記|③来客拒否と制限

常に時計を気にしていた私

「もう2時間経ったよ。そろそろ帰らないと」

実家で両親、姉と楽しく話している時、私の頭の中では常にタイマーが鳴っていました。

到着してから2時間。

これが、私に許された実家滞在の暗黙の制限時間でした。

本当は、もっと話していたい。 母の作った料理をゆっくり味わいたい。 姉の近況をもっと聞きたい。

でも、できない。

なぜなら、2時間を超えると、帰りの車中で始まる夫の延々とした説教が待っているからです。

この記事は「元モラハラ被害者の観察日記」シリーズ、全11回の第3回目です。

今後は以下の内容で投稿していく予定です。

今後の投稿予定

  • 第1回:夫を変える基礎技術
  • 第2回:猫を使い悪口を言う夫
  • 第3回:来客拒否と制限(この記事)
  • 第4回:趣味の強要と同調圧力
  • 第5回:拗ねて無視する夫
  • 第6回:健康志向の矛盾
  • 第7回:境界線の引き方
  • 第8回:発達障害への対応
  • 第9回:自分を守る方法
  • 第10回:変化の測定方法
  • 第11回:私の失敗と学び

※第4回以降は順次公開予定です。

公開され次第、リンクを追加します。

前回の猫を使い悪口を言う夫では「ペットを介したモラハラ」という、非常に特殊で、そして非常に効果的だった攻撃手法について、お話ししました。

今回の記事では「孤立化戦略」という、モラハラ加害者が被害者をコントロールするための最も効果的な手法の一つについて、詳しくお話しします。

※この記事は、加害性が強く、攻撃的で生々しい描写が含まれます。 

フラッシュバックや不快感を覚える可能性がある方は、ここで読むのを止めることをお勧めします。

もくじ

  1. 孤立化戦略とは何か
  2. 来客を完全拒否していた夫
  3. 実家訪問の2時間ルール
  4. なぜ孤立させようとするのか
  5. 境界線を引いた後の対応
  6. 夫の変化のプロセス
  7. 孤立から脱出した今
  8. あなたも孤立させられていませんか?
  9. 孤立化への対抗ポイント

孤立化戦略とは何か

孤立化戦略とは、被害者を家族や友人から切り離し、社会的に孤立させることで、加害者への依存度を高め、コントロールしやすくする手法です。

夫がやっていたことは、まさにこれでした。

  • 実家訪問を制限する
  • 友人を家に招くことを拒否する
  • 私の外出に不機嫌になる
  • 私の人間関係に介入する

そして最終的に、私を夫だけの世界に閉じ込めるのです。

来客を完全拒否していた夫

友人を招くことができない日々

私には、定期的に会いたい友人が何人かいました。

でも、自宅に招くことは、ほぼ不可能でした。

「人が来るのには抵抗があります」 「家は俺の休む場所なのに気を遣うのは嫌だ」 「家に呼ぶ必要ある?」「休日が潰れるのが嫌だ」「掃除もまともに出来てないのに人を呼ぶんですか?」

こういった言葉を繰り返し、来客を徹底的に嫌がりました。

来客が決まった時の夫の態度

それでも、どうしても家に招かなければならない時がありました。

その時の夫の態度は

来客前

数日前から不機嫌になる

「本当に来るの?」と何度も確認

当日まで舌打ちや溜息が増える

来客中

最低限の挨拶だけして部屋に籠もる

または完全に無視して、猫とだけ遊ぶ

私が楽しそうにしていると、露骨に不機嫌な顔

来客後

「疲れた」「もう二度と呼ばないで」

「あの人の○○が気に入らない」と批判

数日間、不機嫌が続く

この一連の流れが苦痛で、私は次第に友人を招くことを諦めていきました。

外で会うことさえ制限される

「じゃあ外で会えばいい」と思うかもしれません。

でも、それも簡単ではありませんでした。

私が友人との約束をすると

  • 「また出かけるの?」
  • 「最近、家にいないよね」
  • 「ご飯はどうすればいいん?」

こういった言葉で、罪悪感を植え付けてきます。

そして帰宅後、機嫌が悪く、冷たい態度。

「どうだった?」と聞かれるので話すと、「ふーん」と興味なさそうに返される。

でも話さないと「何かあったの?」と詰問される。

どちらを選んでも、不正解。

結局は不機嫌な夫の対応に疲れ、頭痛がしてくるのです。

実家訪問の2時間ルール

明文化されていない制限時間

夫が「2時間以内に帰れ」と明確に言ったことは、一度もありません。

でも、私は知っていました。

2時間を超えると、確実に説教が始まることを。

だから、実家に行くたびに、スマホのタイマーを気にしていました。

1時間45分経過。そろそろ帰る準備をしないと。

1時間50分経過。「そろそろ帰るね」と言わなきゃ。

1時間55分経過。夫に「帰ろうか」と声をかけないと。

家族との楽しい時間なのに、頭の中は常に時計でいっぱいでした。

長期帰省から段階的短縮までの経緯

最初の頃、私は実家に1週間ほど帰っていました。長すぎると思いますよね。 ただ、理由があるのです。

そもそも結婚して住む場所は夫が相談なく勝手に決めたので、私はかなり不満がありました。

仕事も辞めたくなかったし、友達も家族とも離れたくなんてありませんでした。

その上モラハラも始まっていて、ずっと監視下にあり頭がおかしくなりそうだったのです。

母や姉には、心配を掛けたくなくて相談はしませんでした。というか出来ませんでした。

ただ、久しぶりに話したい気持ちが強く、ついつい長居してしまっていました。

夫が毎回、車で2時間近くかかる道のりを、迎えに来てくれていました。

そして、迎えに来た夫に対して、私の家族はフレンドリーな人たちなので「えっ、もう帰るの?」「まだ、ゆっくりしていったらいいやん」と引き留めようとします。

夫の顔は、その度にどんどん険しくなっていきました。帰りの車中で、夫は言います。

「何で俺が迎えに行かなきゃならないんだ」 「10日もいて、まだ帰りたくないのか」 「俺の貴重な休日を返せ」 「お前の家族は常識がない」

この不機嫌さに耐えられず、私は次第に帰省期間を短くするようになりました。

1週間→4日間→3日間→2泊3日…そして最終的には夫が迎えに来てくれる時の滞在時間が2時間制限となったのです。

2泊3日の実家訪問での2時間ルール

2泊3日で実家に帰るようになってからも、夫が迎えに来た日の滞在時間は2時間が限界でした。

夫が迎えに来ると、私はすぐに「帰る準備をしなきゃ」と時計を気にし始めます。

家族ともっと話していたいのに、2時間を超えると夫の機嫌が悪くなることが分かっていました。

だから、夫が到着してから2時間以内に帰路につかなければならない。

この暗黙のルールが、私を常に時計と向き合わせていました。

夫が迎えに来た時の家族の反応

家族は善意で引き留めようとします。

「せっかく来てくれたんだから、ゆっくりしていって」 「お疲れ様でした。お茶でも飲んでいってください」

でも、夫の表情は時間が経つにつれて険しくなっていきます。

私は家族の善意と、夫の不機嫌さの間で板挟みになりました。

2時間を超えた時の地獄

もし2時間を超えてしまったら、帰りの車中は地獄でした。

  • 「何時間いるつもりだったの?」
  • 「明日から仕事がある俺のこと考えてないよね」
  • 「お前の家族は時間にルーズだ」
  • 「次からどうするの?ちゃんと改善策を言って」

私は頭痛がしてきながら、これ以上続くと寝込んでしまうという恐怖から、必死に答えていました。

「ごめんなさい、時間を気にしていなかった私が悪いです。次からは気を付けます」

「どう改善するのかを言え」と詰められ、「アラームを鳴らします」 「1時間半で切り上げます」 こんな約束を、悔しさで涙が出そうになりながら、でも感情を高ぶらせると頭痛が悪化するから、ぐっと堪えて必死に並べていました。

言い訳までしていた自分

時には、言いたくもない言い訳まで口にしていました。

「姉が聞いて欲しい話があると言って引き止めたから」

本当は、私が話を聞きたかったのに。 本当は、私がもっと一緒にいたかったのに。

家族を悪者にしてまで、夫の怒りを和らげようとしていたのです。

私から「帰らないと」と言わなければならない異常

最も異常だったのは、私から「そろそろ帰らないと」と夫に声をかけなければならなかったことです。

夫が帰りたいなら、自分で「帰ろうか」と言えばいい。

でも、夫は何も言わない。 ただ、不機嫌な顔をして、時計をチラチラ見るだけ。

私が「察して」、私から切り出さなければならない。

もし私が気づかなかったり、声をかけなかったりしたら、後で「お前が全然帰ろうとしないから」と責められるのです。

なぜ孤立させようとするのか

加害者心理:妻を独占したい

夫には友達がいませんでした。

だから、私が唯一の「人間関係」だったのです。

私が家族と過ごす時間を自分より優先されるのが何よりも嫌だった。

これが、夫の本音だったのだと思います。

加害者心理:悪口を言われているのではという被害妄想

実家に長時間いると、夫は決まってこう言いました。

「お前の家族、俺の悪口言ってたんじゃないの?」

実際は、そんなことはありません。

でも夫は、「妻が家族と話す=自分の批判をしている」と思い込んでいました。

加害者心理:コントロールを失う恐怖

私が家族や友人と繋がっていると、夫のコントロールが効きにくくなります。

「おかしいよ、それ」と誰かに言われたら。 「もっと自由にしていいんだよ」と励まされたら。

私が夫の支配から抜け出す可能性がある。

だから、私を孤立させる必要があったのです。

境界線を引いた後の対応

対応1:実家訪問の時間を事前宣言

「今日は3時間滞在する予定だから」

事前に、滞在時間を宣言するようにしました。

交渉の余地を与えない。 「察して」ゲームに付き合わない。

夫が不機嫌になっても、予定通りに行動します。

対応2:帰路の説教には一度だけ返答、後は無言

「今のは私への攻撃だよね。でも私は実家に行く権利がある」

これを一度だけ、淡々と伝えます。

その後、夫が何を言っても無言を貫きます。

悔し涙をぐっと堪える。 謝らない。 言い訳しない。 改善策も言わない。

頭痛が始まりそうになっても、「ここで諦めたら元に戻る」と自分に言い聞かせます。

夫の説教には対応も反応もしません。

対応3:来客を段階的に実現

いきなり長時間の来客は難しいと判断し、段階的に進めました。

ステップ1:30分の来客

「友人が30分だけ立ち寄る」と伝え、実行。

ステップ2:1時間の来客

夫が慣れてきたら、少しずつ時間を延ばす。

ステップ3:2時間の来客

さらに延ばし、普通の訪問時間へ。

夫には「嫌なら別の部屋にいてもいいし、外出してもいいよ」と選択肢を与えました。

対応4:外出に対する不機嫌は無視

友人と会う約束をした時、夫が「また出かけるの?」と言っても、

「うん、そうやで。行ってくる」と明るく返すだけ。

罪悪感を感じる必要はない、と自分に言い聞かせました。

帰宅後の冷たい態度も、「それはあなたの問題」と割り切ります。

夫の変化のプロセス

初期(1-3ヶ月):激しい抵抗

最初は、夫の抵抗が激しかったです。

実家に3時間いると宣言した時、

「はぁ?何言ってんの」 「ありえない」 「俺のこと考えてないよね」

こういった言葉を浴びせられました。

でも、私は予定通り3時間滞在しました。

帰路では、いつもより激しい説教。

でも、私は一度返答した後は、完全に無言を貫きました。

中期(3-6ヶ月):諦めと戸惑い

徐々に、夫は諦め始めました。

何を言っても、私の予定は変わらない。 説教しても、反応がない。

「俺の言うこと、聞かないんだな」

と、ぽつりと言ったことがありました。

その時私は、

「あなたの言うことではなく、理不尽な要求には従わないだけだよ」

と返しました。

後期(6ヶ月-1年):受け入れ

1年近く経つ頃には、夫は実家訪問の時間を気にしなくなりました。

私が「今日は実家に行く」と言っても、「そう」と普通に返すように。

帰路での説教も、完全になくなりました。

現在:一緒に行くようになった

今では、夫も一緒に実家に行くようになりました。

そして、時には夫の方から「もう少しいようよ」と言うこともあります。

家族と楽しく話す夫を見て、「あの2時間ルールは何だったんだろう」と思います。

来客も、「少しずつOK」から、今では普通に受け入れられるようになりました。

最近では、私の友人と夫が話している姿も見られます。

孤立から脱出した今

境界線を引いてから、私の世界は広がりました。

実家の帰省

時間を気にせず、ゆっくり家族と過ごせる。

休日に一緒に遊園地に行くこともできるようになった。

友人関係

友人を家に招ける。

友人との飲み会にも好きに参加できる。

夫の顔色を伺わずに、約束ができる。

私の趣味

夫に付き合ってもらうこともある。

別々の趣味を楽しむこともある。

これらは、「当たり前でしょ?」と思う方もいるかもしれません。

でも、私にとっては、大前進なのです。

あなたも孤立させられていませんか?

もしあなたのパートナーが

  • 実家訪問を制限する
  • 来客を嫌がる、拒否する
  • あなたの外出に不機嫌になる
  • 友人との約束に罪悪感を抱かせる
  • 「俺(私)だけでは不十分なの?」と言う

これらに当てはまるなら、それは「孤立化戦略」かもしれません。

孤立化への対抗ポイント

  1. 自分の人間関係を最優先する
  2. 事前に予定を宣言し、交渉の余地をなくす
  3. 説教には一度だけ返答、後は無反応
  4. 来客は段階的に実現する
  5. 外出への不機嫌は「相手の問題」と割り切る
  6. 罪悪感を感じる必要はないと自分に言い聞かせる

あなたには、家族や友人と繋がる権利があります。

それは、誰にも奪えないものです。

次回予告

第4回の趣味の強要と同調圧力では「趣味を強要し、悪口への同調を迫った夫の支配欲」について、詳しくお話しします。

夫が好きなものは、私も好きにならなければならない。

夫が嫌いなものは、私も嫌いにならなければならない。

この「クローン化支配」の実態と対処法をお伝えします。

【この記事を書いた人】

経験と専門性

  • 夫婦でモラハラを解決した実体験者
  • 10年間で2500件超の相談解決実績
  • 行動心理学をベースとしたモラハラ加害者・被害者の心理分析
  • 加害者と被害者の思考・行動パターンの解明と改善指導
  • 発達障害特性を持つ夫婦関係の調整とサポート
  • カサンドラ症候群からの回復支援
  • 夫婦間コミュニケーション改善や改善方法の開発
  • 同じ経験を持つ専門家として、あなたの状況に寄り添うことが可能

メディア掲載実績

新聞・雑誌掲載

  • 週刊文春オンライン(2024年11月 3記事連載)
  • 産経新聞(2021年9月)
  • 神戸新聞 まいどなニュース(2021年3月)
  • 中日新聞 ねぇねぇちょっと特別編(2021年12月)
  • ウレぴあ総研 ハピママ(2023年7月 3記事掲載)

テレビ・ラジオ出演

  • NHK「ほっと関西」(2021年11月出演)
  • KBS京都「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」(2021年9月出演)

全国11媒体でモラハラ解決の専門家として紹介

モラハラの問題で苦しんでおられる方々の少しでも力になりたいと思っています。

モラハラで苦しんでいるあなたへ

私たち夫婦も、かつては離婚寸前まで追い込まれました。

しかし諦めずに夫婦で協力し、モラハラの問題と真正面から向き合い、解決することができました。

現在は幸せに暮らしています。

すぐに離婚だと諦めないでください。解決への道は必ずあります。

私たちがどのようにして危機を乗り越えたのか、被害者妻と加害者夫の両方の目線でリアルに書いています。

もし「記事は理解できたけれど、うちの場合はどうすればいいのかわからない…」と感じているなら、一人で抱え込まず、ぜひ私たちにお話を聴かせてください。

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