なぜ共依存から抜け出せないのか?別居を経ても戻ってしまう理由

私たちリジェネには毎日、多くの方からモラハラ相談が寄せられますが、その中でも特に複雑で困難なケースがあります。

それは、長期間の別居を経て、安全な場で過ごすことで心身共に回復し、ようやく自立の兆しが見えた方が「やっぱり戻りたい」と仰る時です。

家族や友人などは「もう大丈夫」「あの酷い夫と、ようやく決別できた」と思っていた矢先に起こるこの現象は、周囲の人たちも理解に苦しみます。

「なぜ、あんな酷い奴のもとに戻るのか」と失望や信頼感を失い、場合によっては絶縁というケースもあります。

では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

今回は、共依存からの回復の複雑さと、その支援の難しさについて、実際のケースを元に(個人情報に配慮して)詳しく解説していきます。

また、あなた自身が共依存の状態にあるかどうか、客観的に確認してみませんか?以下のチェックテストで、現在の依存度を診断できます。

このテストで現状を確認した上で、以下の詳しい解説をお読みいただくと、より深く理解していただけます。

もくじ

  1. 別居後に「やっぱり戻りたい」と言ってきた事例
  2. 別居後に「やっぱり戻りたい」と思ってしまう7つの心理的要因
  3. 「私には価値がない」という刷り込み
  4. 周囲からの批判への恐怖
  5. 一人で生きていく孤独や不安
  6. 子どもを傷つける罪悪感
  7. 離れられない心理的な絆
  8. 「私がいないと彼はダメになる」という使命感
  9. 加害者の「反省している」という言葉に騙される
  10. 別居後に戻りたくなる気持ちは失敗ではない
  11. 共依存の解決に必要な支援とは
  12. まとめ

別居後に「やっぱり戻りたい」と言ってきた事例

私たちが支援してきた中で、特に印象的だった4つのケースをご紹介します。

ケース1:30代女性Aさん(経済的DV・長期別居後)

別居の理由

  • 異常な金銭管理(買い物から友人との交際まで全て夫が制限)
  • 独自ルールへの絶対服従の強要
  • 共依存状態であることを自覚

Aさんは別居後、冷静さを取り戻し離婚に向けて準備を進めました。

経済的自立の基盤を築き、家族のサポート体制も整えていました。

客観的に見れば順調な回復過程だったにも関わらず、ある日突然「やっぱり戻りたい」と言い出したのです。

ケース2:40代男性Bさん(妻からのモラハラ・中期別居後)

別居の理由

  • 妻からの日常的な暴言と無視
  • 「男のくせに情けない」といった人格否定
  • 子どもへの悪影響を懸念

Bさんはカウンセリングを受け、自分の置かれた状況を客観視できるようになりました。

離婚調停も始まっていましたが、最終段階で「子どものために家族をやり直したい」と方向転換しました。

ケース3:50代女性Cさん(30年間のモラハラ・長期別居後)

別居の理由

  • 30年間続いた慢性的な精神的暴力
  • 更年期障害による心身の不調悪化
  • 子どもたちの独立

Cさんは別居により心身ともに劇的に回復し、新しい趣味や友人関係も築いていました。

周囲は「ようやく人生を取り戻した」と安堵していましたが、Cさんは「この年で一人は耐えられない」と復縁を望むようになりました。

ケース4:40代女性Dさん(面前DV・短期別居後)

別居の理由

  • 夫からのモラハラと子どもの前での面前DV
  • 小学生2人を連れた実家避難
  • 経済的困窮への不安

Dさんは当初、離婚に向けて準備を進めていました。

しかし、子どもたちが「パパに会いたい」と言い始めると、「子どもの幸せのために我慢すべきか」という葛藤に陥り、復縁を本気で検討し始めました。

4つのケースに共通する心理パターン

これらのケースに共通するのは、物理的距離によって冷静な判断力を取り戻したにも関わらず、深層心理では依然として「戻りたい」感情が残っていたということです。

別居後に「やっぱり戻りたい」と思ってしまう7つの心理的要因

客観的に自分の状況を把握し、理性では離婚した方が良いと思ったにも関わらず、なぜ「戻りたい」という感情が湧き上がってくるのかについて検証していきます。

「私には価値がない」という刷り込み

これは共依存関係による最も深刻な弊害の一つです。

モラハラ加害者からの日常的な人格否定や暴言——「お前は本当に何も出来ないよな」「お前みたいな社会不適合者は一人で生きて行けないだろ?」「本当に拾ってあげた俺様に感謝しろよ」——これらの言葉を長期間浴び続けることで、被害者は無意識にそれを受け入れてしまいます。

その結果、「一人では生きていけない」「私は何もできない」という思い込みが、アイデンティティレベルで定着してしまうのです。

別居により一時的に冷静になれても、認知的不協和が起こります。

「離婚したい」という本音と、長年刷り込まれたアイデンティティとの間で矛盾が生じ、より強力な後者が勝ってしまうため、復縁という選択に至るのです。

  • 典型的な発言:「頭では離婚すれば良いと分かっているんですが、夫がいない人生が想像できないんです」

周囲からの批判への恐怖

特に男性の場合、「男なのに妻から逃げるなんて」「情けない」「甲斐性がない」という昭和的な価値観による偏見が未だに根強く残っています。

実家の親、世間、会社の上司や同僚からどう見られるか、何を言われるかという外的圧力に耐えかねて、自分の意思よりもそれらを優先し、復縁願望を強化してしまいます。

  • 典型的な発言:「周りからは『男なのに情けない』と言われるし、子供のことを考えると…」

一人で生きていく孤独や不安

年齢を重ねるほど「今さら一人で人生をやり直せるのか」という不安が強くなります。

特に長年専業主婦だった女性の場合、仕事復帰への不安、収入面や生活レベル低下への恐怖、再婚や老後への不安などが複合的に重なります。

さらに、長年のモラハラ被害による自己肯定感の低下により、「再婚なんて無理」と思い込んでしまうケースも多く見られます。

実際には容姿端麗で家事もそつなくできる方が多いにも関わらず、です。

  • 典型的な発言:「この年で一人は寂しすぎる。夫がいなければ、将来誰が面倒を見てくれるの?」

子どもを傷つける罪悪感

子供が幼い場合、「子どもには寂しい思いや不自由をさせたくない」という罪悪感や責任感が離婚への判断を踏みとどまらせます。

母親としての責任感と子どもへの愛情が、時として適切な判断を妨げてしまうのです。

  • 典型的な発言:「子供が『パパに会いたい』って言うんです。私の都合で父親を奪っていいのか分からなくて…」

離れられない心理的な絆

これらはトラウマボンドと呼ばれます。

トラウマボンドとは、加害者と被害者の間に形成される病的で強力な心理的結合です。

これはDVのサイクル(緊張期→爆発期→和解期→ハネムーン期)の繰り返しによって作られます。

形成される要因

  • 間欠的強化:暴力の後に優しさを示されることで、脳内でドーパミンが分泌される
  • 学習性無力感:逃げられない状況が続くことで、抵抗する意欲を失う
  • ストックホルム症候群的反応:生存のために加害者に共感し、愛情を感じるようになる

この心理的結合は、理性では「離れるべき」と理解していても、感情では「この人なしでは生きられない」と感じてしまう状態を作り出します。

  • 典型的な発言:「頭では分かっているんですが、優しい時の彼を思い出すと離れられないんです」

「私がいないと彼はダメになる」という使命感

これは救済者(メシア)コンプレックスが影響しています。

救済者(メシア)コンプレックスとは、「自分が相手を救わなければならない」「この人を救えるのは自分だけ」という強迫的な使命感を持つ思考や価値観のことで「誰かを救うことで自分の価値を証明する」という歪んだ価値観が形成されることで生じます。

これらは対人支援職など「人を助ける」ことに携わる人や、モラハラ被害者、特にヤングケアラーなどに多く見られます。

「戻りたい」という発言につながる理由 別居により相手から離れることで「見捨てた」という強烈な罪悪感と「私がいないと彼はダメになる」という使命感が再燃するためです。

加害者の「反省している」という言葉に騙される

モラハラ加害者は、別居中も自分勝手に連絡をしてきます。

妻から「しんどいから連絡は控えて欲しい」「あなたのことを考えるだけで動悸がして苦しく、不眠でうつ病と診断された」「医師からも夫と関わるのは控えるよう言われている」と告げられても、お構いなしに送ってくるのです。

初期段階の連絡内容 

最初は怒りをぶちまけるような内容です。

  • 「いつになったら帰ってくるんだ?」
  • 「話さないと何も解決しないだろ?」
  • 「電話に出ろよ」

長期別居後の「反省モード」への変化 

しかし、別居が長期に及び、妻からのLINE返信が減ったり、弁護士への相談の報告を受けると、一転して反省モードに変わります。

その時に送られるのが、いわゆる「ロミオメール」です。

ロミオメールの内容

  • 「君がいなくなったことで、やっと君の大切さがわかった」
  • 「本当に心の底から反省している」
  • 「大切な家族を傷つけてしまった」
  • 「俺がバカだった」

このような耳障りの良い言葉は、DVサイクルのハネムーン期、または「家族想いな自分」に酔っているナルシシズム(自己愛)によるものであるため、本意ではなく鵜呑みにするのは大変、危険です。

なぜ「本意ではない」と言い切れるのか 

このような言葉を信じて復縁し同居を始めた夫婦を数多く見てきましたが、数ヶ月も経てば以前と同じモラハラやフキハラが繰り返されるからです。

モラハラ加害者が本当に改善するには、自身の加害性を認めた上で、専門家の元で自身の問題と向き合う以外に方法はありません。

これだけは断言できます。

別居後に戻りたくなる気持ちは失敗ではない

一見、別居から離婚に話を進めた後に、加害者の元に戻りたいという気持ちは、後退や失敗に見えがちです。

しかし、厳密には失敗ではありません。

通常、共依存状態からの回復には2〜5年要します。

その過程で、このような心境の変化は起こるものなのです。

まず、別居したという行動自体が大きな一歩を踏み出したことだと捉えていただければと思います。

これらは別居したからこそ発生した反応なのです。

この反応が出たということは、本人の中にまだこのような感情が残っていることを示しています。

それを受け入れた上で、今後どうするかを考える段階です。

選択肢は以下の通りです。

  • さらに問題解決について考え、自身の問題と向き合い改善していく
  • 自身の問題に向き合うのが辛いのであれば、加害者の特性を理解した上で共存するための方法を考える

このように、今後の人生についての重要な意思決定を行う段階として捉えていただければと思います。

共依存の解決に必要な支援とは

このような人生の重要な決断を行うためのお手伝いをするために、我々リジェネは存在しています。

現在の状況を常に客観的に見て、起こっていることを冷静に分析してお伝えし、本人が常に最善な判断をするためのサポートを行っております。

これらの反応は想定内ですので、本人や周囲が一喜一憂する中、メンタルサポートも行います。

24時間LINEサポート体制

我々の支援体制は、通常のカウンセリングや面談とは異なり、オープンダイアローグ形式を活用しています。

オープンダイアローグとは、簡単に言えばクライアントが困った時に、いつでもすぐに支援できる体制を整えているということです。

そのために、24時間のLINEサポート体制を行っております。

通常のカウンセリングや精神科では、面談時間が30分〜50分、その面談場面でしか関わりがありません。

しかし、モラハラ解決や共依存の問題は、急を要する場面が多々あります。

通常のカウンセリングのように次の面談まで支援者と関われないとなると、状況が悪化するのは明らかです。

また、共依存の状態にある方は、加害者からのモラハラ攻撃により精神的に追い込まれ、場合によってはカサンドラ症候群(抑うつ状態)に陥っている人もいるため、放置しておくと更に悪化し、生命の危険に晒される状態にもなります。

クライアントの特性に合った支援が必要だということで、他社にはない24時間LINEサポートという体制を行っております。

継続的な支援の重要性

それくらい濃密かつ長期的な支援体制がないと、モラハラや共依存、アダルトチルドレンなどの問題解決は難しいと実感しています。

何よりも、行動を改善するには継続が必要であり、一番難しいのは継続することです。

その際には大変なエネルギーが必要ですし、思うような結果が出ない時に心が折れそうになったり、怒りの感情を抱えたり、不満や愚痴を言いたくなると思います。

その時に支えたり、愚痴を聞いてくれたり、時には叱ってくれる人がいないと、大抵の人は行動を継続することは難しいでしょう。

我々は、そのためにも存在しています。

一人で抱え込まないでください

このモラハラの問題は、今後の人生においてかなり大きな問題です。

この大きな問題と一人で立ち向かうのは、慢性的なモラハラを受けてダメージを負った状況では、かなり厳しいでしょう。

また、カサンドラ状態に陥る方は不眠の状態が多く、その時に考えごとをしてしまい不安が高まる方も多数おられるため、いつでも相談できる環境を整えています。

共依存の問題は期間が長期に及び、一人ではモラハラの問題解決はもちろん、メンタルを保つことも大変だと思います。

そのような時は、問題を一人で抱え込まずに、リジェネを頼ってください。

常に、あなたに寄り添い、あなたがより良い人生を歩めるように全力でサポートさせていただきます。

この記事を書いた人

モラハラ解決相談所 リジェネって?

専門分野

  • 行動心理学をベースとしたモラハラ加害者・被害者の心理分析
  • 加害者と被害者の思考・行動パターンの解明と改善指導
  • 発達障害特性を持つ夫婦関係の調整とサポート
  • カサンドラ症候群からの回復支援
  • 夫婦間コミュニケーション改善や改善方法の開発
  • 同じ経験を持つ専門家として、あなたの状況に寄り添うことが可能

メディア掲載実績

新聞・雑誌掲載

  • 週刊文春オンライン(2024年11月 3記事連載)
  • 産経新聞(2021年9月)
  • 神戸新聞 まいどなニュース(2021年3月)
  • 中日新聞 ねぇねぇちょっと特別編(2021年12月)
  • ウレぴあ総研 ハピママ(2023年7月 3記事掲載)

テレビ・ラジオ出演

  • NHK「ほっと関西」(2021年11月出演)
  • KBS京都「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」(2021年9月出演)

など全国でモラハラ解決の専門家として紹介される。

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございました。

今回の内容が、あなたが抱えている問題解決の一助になれば幸いです。

モラハラで苦しんでいるあなたへ

私たち夫婦も、かつては離婚寸前まで追い込まれました。

しかし諦めずに夫婦で協力し、モラハラの問題と真正面から向き合い、解決することができました。

現在は幸せに暮らしています。

すぐに離婚だと諦めないでください。解決への道は必ずあります。

私たちがどのようにして危機を乗り越えたのか、被害者妻と加害者夫の両方の目線でリアルに書いています。

もし「記事は理解できたけれど、うちの場合はどうすればいいのかわからない…」と感じているなら、一人で抱え込まず、ぜひ私たちにお話を聴かせてください。

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