モラハラ夫の論点すり替えへの対処法

今回は、モラハラ夫の論点すり替えへの対処法について説明します。

これまでに、夫からのマウンティングへの対処法や、話し合いができない場合の対処法などもお伝えしてきましたが、この論点すり替えも、モラハラ夫が行う独特の手法です。

論点をずらされることにより、被害者である妻は話を煙に巻かれることが多く、逆に言いがかりをつけられて謝罪させられることもよくあります。

この行為が加害者による意図的なものか無意識のものか、コントロール欲から来ているのかは本人にしかわかりませんが、被害者がこのような理不尽な論法に屈することはあってはなりません。

ですので、今回はそのような論点ずらし、いわゆる詭弁(屁理屈)への対処法を説明していきます。

今回も、過去に我々のセッションを受けた方々への聞き取りを元に、実際に試して効果があったもののみを紹介します。

長くなりますが、最後まで読んでいただければ幸いです。

この記事はこんな方におすすめです

  • モラハラ夫との会話がしんどい方  
  • モラハラ夫の脳内が知りたい方  
  • モラハラ夫への対処法が知りたい方

もくじ

  1. モラ夫の論点すり替えの事
  2. そっちこそどうなんだ論法
  3. 人格攻撃論法
  4. トーン・ポリシング
  5. もっと大変な人はいるんだ論法
  6. 俺を陥れようとしている論法
  7. ストローマン論法
  8. 論点ズラしへの対処法
  9. まとめ

モラ夫の論点すり替えの事例

そっちこそどうなんだ論法

または「お前だって論法」と呼びます。

これは、妻の主張や批判に対して具体的に対処するのではなく、妻の過去の不適切な行為を持ち出して攻撃し、論点を逸らす手法です。

「おまえが人のことをとやかく言える立場じゃないだろ」などと攻撃することで、自分への批判をかわします。

簡単に言えば、自分が受けた批判を妻の落ち度に変える論法ともいえます。

事例:

そっちこそどうなんだ論法の事例

  • 妻: 「また、パチンコに行ったの?二度と行かないって言ったじゃない。」
  • 夫: 「お前だって、勝手に大きな買い物してただろう!」

この内容において、妻の論点は「夫が今日、パチンコに行ったこと」です。

しかし、夫は「妻が過去に勝手に大きな買い物したこと」に論点をすりかえています。

これは、自分に落ち度があると分かっていながら「お前だって過去に無断で買い物をしていたじゃないか」と妻を責めることで、自分の落ち度を回避しようとしているのです。

たとえ妻の過去に同じレベルの落ち度があったとしても、現在の自分の行動を正当化する理由にはなりません。

これは子どもの頃に「△△ちゃんだってやってたじゃないか?なんで僕だけ怒られるんだよ?」と言う子どもがクラスに一人はいたのと同じです。

それを大人になっても行っている幼稚な思考です。

この場合、重要なのは、今日パチンコに行ったのは夫であり、もう二度と行かないと妻と約束をした以上、その約束を破ったことについては「約束を破ってゴメン」と謝罪し、その後に次の論点に移るべきです。

現在の論点をまず解決しなければ、建設的な議論はできません。

人格攻撃論法

これは対人論法とも呼びますが、妻の主張に反論するのではなく、妻の個性や信念を攻撃して論点をずらす手法です。

人格攻撃論法の事例

  • 妻: 「パチンコばかりせずに、光熱費や家賃の支払いを優先してよ。」
  • 夫: 「何だと!?俺は関大卒のエリートだぞ!高卒のバカが偉そうな口を聞くな!」

この場合、妻が夫に対してパチンコに行かずに光熱費や家賃の支払いをして欲しいと懇願しているにも関わらず、夫は逆上し、妻の学歴を否定することで論点をずらしています。

このような人格攻撃は、典型的なモラハラであり、最も稚拙で悪質な論点のすり替えです。

また、同様の人格攻撃には「女のくせに」「主婦のくせに」「パートしかしたことがないくせに」偉そうに言うな、などの下品な論点のすり替えもあります。

トーン・ポリシング

これは、相手の話し方を指摘することで、論点をずらす手法です。

本来なら、妻の主張や質問に対して対応すべきですが「その言い方はおかしいだろ」「何だ、その口の聞き方は」と妻の口調(トーン)を取り締まる(ポリシング)ことで人格や個性を攻撃する論法です。

別名「話し方警察」とも呼ばれます。

トーン・ポリシングの事例①

  • 妻: 「遅れるなら連絡くらいしてよ。」
  • 夫: 「すぐに大きい声を出すなよ!」

トーン・ポリシングの事例②

  • 妻: 「子どもの塾の費用くらい出してよ。」
  • 夫: 「何だ、その言い方は!それが人にお願いする態度か!?」

トーン・ポリシングの事例③

  • 妻: 「あなたと暮らすのは、もう限界だわ。別れて。」
  • 夫: 「そんなに感情的になるなよ!泣いてると話ができないだろ。」

これらを見て、今まで自分がされてきたことがトーン・ポリシングだったと気づく人もいるでしょう。

次に、上記の3つの事例の問題点について説明します。

共通点として、妻の主張には返答せず、妻の話し方に論点をすり替えていることが問題です。

各論点のすり替え点

  • 事例 1: 遅刻した点への謝罪はなく、妻が大きい声を出した点にシフトしている
  • 事例 2: 子どもの塾の費用を出す話には触れず、妻の言い方と態度にシフトしている 
  • 事例 3: 離婚については触れず、妻の感情的な言い方と、泣いているから話せないという点にシフトしている

また、以下の事例もトーン・ポリシングです。

トーン・ポリシングの事例④

  • 妻: 「私は、あなたのお母さんが許せない。」
  • 夫: 「まあまあ落ち着いて。そんな怖い顔をして!君の可愛い顔が台無しだよ。」

これは、客観的に見ると、妻が興奮しているのを夫がなだめているように見えます。

また、丁寧に妻を諭している夫が「まとも」に見えます。

トーン・ポリシングの特徴として「君の言いたいことはわかる」などの枕詞をつけて「落ち着いて」と主張するものがあります。

この図式を冷静に見ると、夫は丁寧な対応をしているように見えますが、妻の「夫の母親が許せない」という問題には一切触れずに、妻の「表情や態度」に論点がすり替わっていることがわかります。

この夫の対応が妻を煙に巻こうとしているのか、本当に妻を落ち着かせようとしているのかは不明ですが、いずれにしても論点をずらしていることには変わりありません。

したがって、妻の言いたいことである「夫の母親の問題」に論点を戻し、議論することが重要です。

もっと大変な人はいるんだ論法

これは、ネット上では「アフリカメソッド」とも呼ばれます。

「アフリカの子どもたちは毎日飢え死にしているのに、オマエはこんなにも恵まれている。一体何の不満があるんだ?」という論法です。

要するに、妻が家事のしんどさや辛さなどを主張してきたら、妻よりも困難な境遇にある他者を引き合いに出し、論点をずらすことで、妻に不満を言わせないようにします。

もっと大変な人はいるんだ論法の事例

  • 妻: 「今の生活費じゃ、とてもやりくりできない。」
  • 夫: 「何を甘えたことを言ってるんだ?大家族の母親でもちゃんとやりくりしてるんだぞ。オマエのやりくりが下手なだけだろ!」
  • 夫: 「お前は専業主婦なんだから恵まれているんだぞ?シングルマザーの人でも働きながら家事も育児を立派にこなしているんだから!甘えるなよ!」

このように、論点をずらすことで、生活費に不満を言った妻が悪く見える図式を作ります。

また、妻より困難な境遇の人を引き合いに出すことで、結果的に妻に罪悪感を植え付ける効果もあります。

反論方法

  • 妻: 「大家族の母親やシングルマザーの例は関係ありません」「私たちの生活費のやりくりが難しいという話をしているんです」「この問題について具体的に話し合いましょう」と伝えることです。

このようにして、元の論点に戻すことで、建設的な議論を進めることができます。

俺を陥れようとしている論法

これは、被害妄想が強い加害者に多い手法です。

例えば、被害者である妻が我々に相談し「夫がしていることはモラハラです」と告げられ、それを夫に伝えた時に「オマエはそのカウンセラーに洗脳されている」「オマエとそのカウンセラーがグルになって俺を陥れようとしている」と返答し、逆に妻を洗脳し返すという論法です。

この場合、夫は「自分のモラハラ加害」については一切触れずに、妻が我々に洗脳されているという点に論点をすり替え、自らの説明責任を回避しています。

俺を陥れようとしている論法の事例

  • 妻: 「カウンセラーに相談したら、あなたの行動はモラハラだと言われたわ。」
  • 夫: 「お前はそのカウンセラーに洗脳されているんだよ。そのカウンセラーがグルになって俺を陥れようとしているんだ!」

反論方法

  • 妻: 「私は洗脳されていません。私たちの関係について客観的な意見を求めた結果、あなたの行動がモラハラだと言われました。私たちの問題について具体的に話し合いましょう。」

このような場合、夫が論点をすり替えていることを認識し、元の問題に再び焦点を当てることが重要です。

このようにして、夫の論点すり替えを避け、建設的な対話に戻ることができます。

ストローマン論法

別名「藁人形論法」や「かかし論法」とも呼ばれるこの技法は、相手の主張を歪めて解釈し、その歪められた主張に対して反論する手法です。

簡単に言うと、相手が実際に言っていないことを勝手に作り上げて、その歪んだ解釈に基づいて反論することです。

ストローマン論法の事例①

  • 妻: 「真夏に子どもが外で遊ぶのは危ないよね。」
  • 夫: 「じゃあ、お前は子どもを家に閉じ込めておけと言うのか?じゃあ、子どもが引きこもりになってもいいんだな?」

これは、妻が「真夏の外遊びは危険」と主張しているのに対し、夫は「家に閉じ込めておけ」という歪んだ解釈をし「引きこもりになってもいいのか?」と反論しています。

ストローマン論法の事例②

  • 妻: 「少し家事を手伝ってほしいの。洗濯やお風呂の掃除など、簡単なことでもいいから分担できたら助かるんだけど。」
  • 夫: 「お前は、俺に全ての家事をやれと言っているのか?俺は毎日、外で必死に働いているんだぞ!」

これは、妻が「簡単な家事を手伝ってほしい」とお願いしているだけなのに、夫は「全ての家事をやれと言っているのか?」と歪んだ解釈をし、反論しています。

ストローマン論法の事例③

  • 妻: 「少し外食を減らして、子どもの習い事の費用に回したいんだけど。」
  • 夫: 「お前は、俺に昼飯を食べるなと言ってるんだな?必死に働いているのに水だけ飲んで生活しろと言ってるんだろ!誰のおかげで生活ができていると思ってるんだ!」

これは、妻が「外食を減らして子どもの習い事の費用に回してほしい」とお願いしているのに、夫は「昼食を食べるなと言っているのか?」と歪んだ解釈をし、外食を減らすという内容には触れずに反論しています。

反論方法

  • 妻: 「私は単に子どもの安全や家事の分担、外食を減らす提案をしているだけです。あなたが言っているような極端な要求はしていません。問題の本質に戻って、具体的に解決策を考えましょう。」

この技法に対抗するためには、まず相手の歪んだ解釈を指摘し、元の主張に戻すことが重要です。

こうして、元の主張に焦点を戻すことで、建設的な対話を進めることができます。

論点ズラしへの対処法

論点ズラしに対処するための基本的な方針は、感情的に反論するのではなく、冷静に対応することです。

モラハラ夫が論点をずらしてきた場、「そんなことは言ってない」と感情的に反論するのではなく「私は〇〇について話している。△△の話は関係ない」と常に冷静に対応することが重要です。

夫が感情的になるほど、冷静さを保ち、主題に戻すことを心がけましょう。

具体的には、以下のような方法が効果的です。

冷静に指摘する

  • 夫が論点をずらしてきた場合、まずそのズレを冷静に指摘します。
  • 「今の話題は〇〇についてで、△△の話は今は関係ありません。」と伝えます。

主題を再確認する

  • 話を元の主題に戻すことを意識します。
  • 私たちは「〇〇の問題について話しているので、その点について解決策を考えましょう」と伝えます。

感情的反応を回避する

  • 夫が感情的に反応しても、感情に引きずられず、冷静に話を進めます。
  • 今、あなたの感情に反応するのではなく「具体的な問題について話しましょう」と伝える。

論点の明確化

  • 何が論点であり、何が論点から外れているのかを明確にします。
  • 「この議論の焦点は〇〇です」「△△については後で別途話しましょう」と伝えること。

夫が論点ズラしを意図的に行っているのか無意識に行っているのかは、本人に確認しなければわかりませんが、重要なのは、論点をずらしてきたこと自体に対処することです。

常に冷静さを保ち、建設的な対話を心がけましょう。

まとめ

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事を参考にしていただき、あなたの夫の論点ズラしのパターンを分析し、適切に毅然と対応できることを願っています。

また、モラハラの被害にお悩みの方は、一人で抱え込まずに、ぜひ気軽にご相談ください。

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