元モラハラ夫が語る克服の記録【Q&A】

先日、夫婦でモラハラ問題を解決した唯一の夫婦として取材を受けました。

今回は、その内容をQ&A形式でシェアしたいと思います。

これまでの記事は、解決法を長文で解説するスタイルでしたが、今回は読みやすく、よりリアルな質疑応答形式にまとめました。

取材を通して新たに出てきたエピソードも加えています。

最後まで読んでいただけると嬉しいです。

もくじ 

  1. モラハラに気づき、向き合うまで
  2. 当時の心境とマイルール
  3. 発達特性と向き合う
  4. 解決に至った具体的なプロセス
  5. 解決後の変化と現在の関係性
  6. 同じ悩みを持つ人へのメッセージ
  7. まとめ

モラハラに気づき、向き合うまで

自分のしてきたことがモラハラだと、どうやって気付いたのですか?

妻に指摘されて初めて、自分の行動がモラハラだと知りました。

それまで全く自覚がなかったので、まさに「青天の霹靂」でしたね。

交際中からキレやすい性格で、思い通りにいかないと癇窙を起こしたり、些細なことで怒ったりしていました。

妻からモラハラだと指摘された当初は、自分を否定されたように感じて「なぜそんなことを言われなきゃいけないんだ」と怒りがこみ上げてきました。

なぜ、モラハラの問題に向き合おうと思ったのですか?

妻にモラハラを指摘されたことはショックで、怒りも湧いてきたので、なかなか受け入れられませんでした。

ただ、ふと「自分は何のために無理をしてまで仕事を頑張っていたんだろう?」と自問した時、それは「妻に良い暮らしをさせたい」という想いからだと気づいたんです。

もしこのまま被害者面をして、ふてくされて拗ねて、妻を失ったら、人生で絶対に後悔すると思いました。

そして何より、妻が「このモラハラの問題を一緒に解決したい」と言ってくれたことが、自分自身と向き合う大きなきっかけになりました。

解決が難しいと言われるモラハラの問題を、なぜ乗り越えられたのですか?

妻が私を信じて、根気強く見守ってくれたからです。

私自身、支援に携わる中で、多くの被害者の方がもっと早い段階で離婚を決意されるのを見てきました。

世間の被害者妻は、当然ながらモラハラ夫を理解しようという気がない人がほとんどです。

だからこそ、私の発達特性を理解しようと努めてくれた妻には感謝しかありません。

妻と一緒に人生を歩んでいきたいという強い思いがあったからこそ、この問題と向き合うことができたんです。

関係性が改善した具体的なエピソードは?

以前は男尊女卑の思考から妻の意見を軽視していましたが、今では尊重できるようになりました。

また、妻への依存が強かったため、どこへ行くにも常に一緒でしたが、一人で過ごす時間も作れるようになりました。

また、思い通りにならないことがあっても不機嫌な態度や「黒いオーラ」で威圧するのではなく、不快なことは言葉で伝えるようになりました。

お互いの価値観や違いについても、冷静に話し合いや対話ができるようになったことで、会話の質が大きく変わったと実感しています。

当時の心境とマイルール

当時の心境とマイルールを教えてください。

当時は「妻は夫を立てるべき」「妻は夫に感謝すべき」「女性は控えめであるべき」「年長者や先輩は敬われるべき 」など、多くの「〜すべき」というマイルールを持っていました。

これらは私にとっての「常識」や「当たり前」であり、無意識的に両親の姿から刷り込まれたものです。

妻の振る舞いがこれらのルールに反していると感じたため、常に苛立ちを覚えていました。

この歪んだ思考の根源には、自己肯定感の低さがあり、幼少期から他人に言い負かされた、言いくるめられたという劣等感を妻に投影していたことに後から気づきました。

妻に対して「察しろよ」と思っていた時の心境は?

ASDの特性から、自分の内面を話そうとしても言葉が出にくい傾向がありました。

当時は自己理解が乏しく、自分が何に対して腹が立っているのかということを考えたこともないため、自分の思いや感情を言語化するのが苦手でした。

また、幼少期に泣くと父に殴られて「男のくせに泣くな」「男は弱音を吐くな」と言われ続けてきたので、内省をするという習慣が全くないまま、大人になりました。

ですので、言葉にならない怒りが湧いてくると「言わなくてもこれくらいわかるだろう」と思って、不機嫌な黒いオーラを常に出していました。

発達特性と向き合う

発達障害の特性とどのように向き合いましたか?

ASD・ADHDの診断を受けた時は、「やっぱりそうだろうな」と納得しました。

母にADHDの傾向があり、発達特性が遺伝すると知っていたからです。

私自身も、他人にはできることが自分にはできないという自覚がありました。

元々、言語化能力が高くないうえに、パニックになると脳がフリーズして言葉が出なくなるのも、特性の一つだと理解しました。

モラハラは完全に治るものではありませんが、特性を理解した上で対策はできます。

これは、私自身の生きづらさ全般を解消するためでもあります。

自分は完璧ではなく、失敗もするし、臆病で器が小さいということを受け入れ、日々起こる想定外の出来事にも、その都度新たな対策を考えて対応しています。

解決に至った具体的なプロセス

具体的にどのような手順で改善していったのですか?

自己変容には以下の7つのステップがありました。

①マイルールに気づき手放す
自分の無意識にある「〜すべき」というルールを書き出し、その根源が両親の影響であったことに気づきました。
②自分のダメな部分を受け入れる:
自分の欠点を受け入れることで、完璧主義が和らぎ、他人の失敗にも寛容になれたと思います。
③自分を客観的に見る
これを「ギャザリング」とも言いますが、自分がイライラしたエピソードをノートに書き出し、第三者の目線で読み返すようにしました。
自分の器の小ささに呆れたり、冷静にツッコミを入れられるようになり、最終的には笑いに変え、他人に語れるくらいに消化できるようになりました。
④境界線の概念を理解し、依存を減らす
自分と妻は別の人間であり、それぞれに感情や意思があるという「バウンダリー(境界線)」の概念を理解しました。
この理解が、妻への過度な依存を減らすことにもつながりました。
モラハラ加害者の多くは境界線を理解していないため、このステップは解決において非常に重要でした。
バウンダリー(境界線)について詳しく知りたい方はコチラ
⑤言語化能力とコミュニケーション能力を学ぶ
苦手だった言語化を意識的に学習しました。
⑥キレるパターンを理解し、対策を立てる
怒りの要因が、マイルールだけでなく、睡眠不足や業務量過多といった身体的な要因とも複雑に絡み合っていると理解しました。
これらを特定し、回避できるものは回避したり、心身ともに健康を保つことを心がけることで、キレる頻度が格段に減りました。
⑦相手の感情を想像する
ASDの私にとって他者の感情を理解することは最も難しかったのですが、境界線の概念を理解し、妻と直接対話することで、本音や感情を理解できるようになりました。

解決後の変化と現在の関係性

今でも不機嫌になったり、キレそうになる時はありますか?

頻度や強度は減りましたが、あります。

外部からの要因や体調不良が重なると発動します。

その際は、その場を回避するなど、冷静になるための対策を講じています。

「黒いオーラ」を出している時、妻の表情や反応は見えていましたか?

正直、怒りに囚われてパニックな状態なので見えていませんでした。

今では嫌なことがあれば、その都度言葉で伝えるようにしています。

同じ悩みを持つ人へのメッセージ

同じような特性を持つ人に、何か伝えたいことはありますか?

私のように発達障害と診断されていなくても、モラハラ気質や加害性があると認識したなら、まずは自分の特性を受け入れてほしいです。

その上で、その体質をどうやって改善していくかを考えてほしいです。

「発達障害だから仕方ない」「変われない」と諦める人もいるかもしれません。

それは免罪符であり、言い訳でしかありません。

発達障害だからと周りに配慮ばかりを求めるのではなく、できないことを伝えた上で助けを求めるなど、発達障害側が定型発達側に対してできる「合理的配慮」だと思います。

【この記事を書いた人】

もーちゃん

モラハラ解決相談所リジェネ 副所長 | 元モラハラ加害者ASD夫|2015年〜妻と共にモラハラ被害者・加害者体質改善講座を運営|10年間で2500件超の相談解決実績 | 夫婦でモラハラを乗り越えた実体験者

経験と専門性

  • 夫婦でモラハラの問題を克服した専門家
  • ASD・ADHDの混合型診断済み
  • モラハラ加害者としての更生を実現
  • 週刊文春オンラインでの3記事の連載で加害者心理と更生過程を完全公開

臨床経験(2010年〜)

カウンセラーとして幅広い支援経験

  • 公的機関での生活保護・生活困窮者自立支援
  • 福祉施設での精神疾患・発達障害者支援
  • うつ病の方の復職支援
  • 元受刑者・薬物依存者への更生支援
  • ひとり親・DV被害者相談
  • 企業内パワハラ相談
  • 自助グループ・セミナー開催

メディア掲載実績

新聞・雑誌掲載

  • 週刊文春オンライン(2024年11月 3記事連載)
  • 産経新聞(2021年9月)
  • 神戸新聞 まいどなニュース(2021年3月)
  • 中日新聞 ねぇねぇちょっと特別編(2021年12月)
  • ウレぴあ総研 ハピママ(2023年7月 3記事掲載)

テレビ・ラジオ出演

  • NHK「ほっと関西」(2021年11月出演)
  • KBS京都「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」(2021年9月出演)

全国11媒体でモラハラ解決の専門家として紹介

モラハラの問題で苦しんでおられる方々の少しでも力になりたいと思っています。

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございました。

今回の内容が、あなたが抱えている問題解決の一助になれば幸いです。

モラハラで苦しんでいるあなたへ

私たち夫婦も、かつては離婚寸前まで追い込まれました。

しかし諦めずに夫婦で協力し、モラハラの問題と真正面から向き合い、解決することができました。

現在は幸せに暮らしています。

すぐに離婚だと諦めないでください。解決への道は必ずあります。

私たちがどのようにして危機を乗り越えたのか、被害者妻と加害者夫の両方の目線でリアルに書いています。

もし「記事は理解できたけれど、うちの場合はどうすればいいのかわからない…」と感じているなら、一人で抱え込まず、ぜひ私たちにお話を聴かせてください。

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