家出をした妻と話し合いができない場合の対処法

今回は、妻が突然、家を出て行ってしまい、いくら謝罪をしようが何を言ってもブチギレるようになってしまった場合の対処法について説明します。

最近、このような相談が増えているため、取り上げました。

まず、妻が何を言ってもブチギレるようになった流れですが、妻が何も告げずにある日突然、子どもを連れて家を出て行き、「あなたがしていたことはモラハラだ」と指摘される。

そして、電話には出てくれず、連絡手段はLINEや手紙などの文章だけ。

それに対して、何を言っても「あなたは何もわかっていない」と全否定し、怒りをぶつけてくる流れが多いです。

このように加害者扱いされた夫からすると、ある日突然、妻と子どもが家を出て、連絡もまともに取れず、何を言っても妻が激怒するため話し合いも出来ず、コミュニケーションの一端も掴めないまま途方に暮れてしまうのです。

そして、「もうお手上げです」「でも、離婚はしたくありません」と相談に来られるケースが少なくありません。

また、夫からよくある質問としては以下のようなものがあります。

夫からのよくある質問の事例

  • 妻が家を出て行った理由に全く心当たりがない
  • 「モラハラだ」と指摘されたが、自分では全くそう思えない
  • 自分のどこを直せばいいのかがわからない

今回は、これらの質問を踏まえ、「妻が突然家を出て行った理由」や「モンスター化した理由」そして「復縁に繋げるための対処法」について詳しく説明していきます。

少し長くなりますが、最後まで読んで頂ければ幸いです。

もくじ

  1. 妻が出て行った理由に心当たりがない場合
  2. 復縁の望みがある場合とない場合
  3. 妻がブチギレるようになった理由
  4. カサンドラ症候群
  5. 複雑性PTSD
  6. ブチギレる妻に見られる特徴的な文章の傾向
  7. ASD受動型の夫との組み合わせに見られる傾向
  8. 別居中の妻への対処法
  9. 絶対に避けるべき行動
  10. まとめ

妻が出て行った理由に心当たりがない場合

妻が出て行った理由に心当たりがない場合

この場合、まず「妻が勝手に出て行った」「急に頭がおかしくなった」と妻のせいにするのではなく、出て行く直前の出来事を思い出してみてください。

あなたが言った言葉や取った態度に対して、妻の様子はいつもと違っていなかったでしょうか?

何か特別な反応や違和感がなかったかを冷静に振り返ることが重要です。

ほとんどの場合、そこに何らかのサインがあるはずです。

また、厳しいことを言いますが、それでも「全く心当たりがない」と感じるなら、無自覚な無神経さが原因で、妻の気持ちに寄り添えなかったことが理由かもしれません。

夫が無意識的に取っていた行動の事例

  • 自分は家事や育児を一切手伝わず、すべて妻任せにしていた
  • 目の前の物を取るにも、自分で動かずに妻に動かしていた
  • 思い通りにならないとすぐに癇癪ギレを起こしていた

また、この癇癪ギレを「ちょっとキレただけ」と思っていても、内容を掘り下げると、職場であればパワハラとみなされるような厳しい言動だったというケースも少なくありません。

さらに、日々の積み重ねで妻のストレスが限界に達し、計画的に離婚の準備を進めていた可能性も考えられます。

したがって、もし妻との復縁を望むのであれば、自分の行動を振り返り、妻を傷つけたと感じた部分があれば、それを真摯に受け止め、嘘偽りなく素直に謝罪する姿勢が求められます。

復縁の望みがある場合とない場合

まず、弁護士を通じて離婚調停を申し立てられている場合は、復縁は非常に難しいと言えます。

さらに、弁護士を介してしか連絡が取れない状況であれば、妻は既に水面下で離婚に向けた計画を進めていたと考えられます。

この場合、復縁を諦め、子どもとの面会交流を優先する方が現実的でしょう。

一方、復縁の望みが僅かでもある場合として、妻から別居中の婚姻費用の請求だけが行われている状況であれば、まだ離婚に対して葛藤がある可能性があります。

この場合、あなたが改心することで復縁の可能性が僅かに残されていると言えます。

また、この状況は、妻があなたに対しての我慢が限界に達し、「お灸を据えたい」と考えている場合もあります。

妻がブチギレるようになった理由

妻に何を言ってもブチギレる状態になった要因として、以下のことが考えられます。

カサンドラ症候群

カサンドラ症候群とは、パートナーとの情緒的なコミュニケーションが取れないことで生じる心身の不調、いわゆる抑うつ状態を指します。

例えば、あなたからの日常的なモラハラによる被害や、周囲からの理解や共感が得られないことによる孤独感などが、慢性的な高ストレス状態を引き起こし、最終的にメンタルが限界を迎え、突然家を出て行った可能性があります。

さらに、何を言ってもキレる状態になったのは、カサンドラ症候群の心の回復過程である「他責期」や「反復期」に該当していると考えられます。

モラハラ被害を受けている時「お前が悪い」といった言葉により、自己否定に陥り「私が悪いんだ」と自責の念を抱くことがあります。

この段階では、感情が抑え込まれ、うつ状態に近くなります。

しかし、ネット検索などを通じて「自分がされたことはモラハラだった」「悪いのは自分ではなく夫だった」「自分は被害者だった」と気づくことで、夫に対する怒りが芽生えます。

これが「他責期」です。

さらに「なぜ自分がこんな酷い目に遭わなければならなかったのか」と被害を繰り返し考えることで「夫を許せない」といった怒りや復讐心が強まることがあります。

これが「反復期」であり、一見すると「モラハラ返し」ともいえる状況です。

感情のコントロールが非常に難しく、常にイライラした状態が続き、心の傷が深ければ深いほど、この期間は長引きます。

複雑性PTSD

複雑性PTSDとは不安障害の一種で、症状が長期にわたって続く特徴があります。

最近ではモラハラ被害者にも増えており、あなたからのモラハラがトラウマとなり、複雑性PTSDを発症している可能性があります。

この場合、妻はあなたから受けたモラハラのフラッシュバック(再体験)に悩まされ、当時の感情や身体反応(動悸、息苦しさ、胸の圧迫感)などが再現されます。

それらの恐怖により、感情のコントロールが難しくなり、些細なことでキレてしまうことが想定されます。

以上の二つの状況に当てはまる場合、妻が自力で回復するのは難しいため、精神科や心療内科といった専門機関で適切な治療を速やかに受けることを強くお勧めします。

ブチギレる妻に見られる特徴的な文章の傾向

以下の2点が特徴的です。

長文の鬼LINE
妻が感情的になった際に送ってくるのが、非常に長いメッセージ、いわゆる「鬼LINE」です。
これが間髪入れずに何通も続き、内容が多岐にわたるため、即座に返信するのが難しい状況が生まれます。
返信が遅れると「あなたは私の気持ちを理解していない」「私のことを大事にしていない」といった否定的な返答が返され、怒りがさらにエスカレートします。
誤字脱字や文脈の乱れ
怒りや不安、さらには過去のトラウマのフラッシュバックが原因で感情のコントロールが効かなくなり、誤字脱字が増えたり、ひらがなの使用が多くなったりします。
また、同じ内容を繰り返すことが頻繁に起こり、文脈も混乱しがちです。
以前の冷静で理路整然とした妻とは異なり、まるで別人格のような文章が届くこともあります。
これらの変化は、妻が強い怒りや不安に囚われ、感情のコントロールが非常に困難な状態に陥っている証拠だと考えられます。

ASD受動型の夫との組み合わせに見られる傾向

妻が長文のメッセージを送ってくるケースでよく見られるのが、ASD(自閉スペクトラム症)受動型の夫との組み合わせです。

このタイプの夫は、自分の思考や感情を言語化するのが苦手であり、妻の鬼LINEに対して適切に対応するのが非常に難しくなります。

日常的に、自分の感情を上手に表現できないため、ストレスを溜め込みやすく、表面的には我慢強いタイプに見えますが、限界が来ると突然怒りが爆発し、怒鳴ったり物に当たったりすることがあります。

一方で、妻は論理的で言語化が得意なタイプが多く、夫婦間の会話でも、妻が8割、夫が2割といったバランスになることが一般的です。

このようなコミュニケーションの不均衡が、妻のフラストレーションをさらに増幅させる要因となることがよく見られます。

別居中の妻への対処法

妻からの具体的な指摘に対する対応としては、以下のアプローチが効果的だと考えられます。

一つずつ丁寧に謝罪をする
妻が「あなたのこういう部分が許せない」「あなたのせいでこんなに辛い思いをしている」と具体的に指摘してくる場合、その都度一つずつ誠実に謝罪することが重要です。
この時、表面的な謝罪ではなく、妻の指摘がどのように彼女の感情に影響を与えているかを理解し、その苦しみに共感を示しながら謝る姿勢が大切です。
自分のモラハラ体質や至らなさを素直に認める 
自身の行動が妻にどれほどの影響を与えていたかをしっかり認識し、モラハラ的な振る舞いや攻撃性、至らなさを認めることが必要です。
自己弁護をするのではなく、過ちを素直に受け入れることが信頼回復の一歩です。
専門家の支援を受けていることを伝える 
モラハラ解決の専門家の支援を受けていることや、加害性と向き合いながら自分を変えようとしている努力を伝えることで、妻に対して真剣さを示します。
この点は、言葉だけでなく行動で示すことも大切です。
具体的な支援内容や進捗について報告することで、妻の不信感を和らげる可能性があります。

絶対に避けるべき行動

漠然とした謝罪
「申し訳ないと思っている」などの曖昧で表面的な謝罪は避けるべきです。
具体的な行動や発言に対して謝罪をすることが、妻の感情に寄り添う姿勢を示すために重要です。
自分の希望を一方的に伝えること
「一日も早く戻りたい」「心を入れ替えるのでやり直したい」など、自分の希望を押し付けるような発言は、妻からの反感を招きます。
そういった発言をした時点で「あなたは私のことを何もわかっていない」「わかろうとしていない」「あなたは何も変わっていない」「そんな人とやり直すなんて絶対に無理」「そういう自分勝手で無神経で人の気持ちがわからないところが許せない」と反論され、復縁の道はかなり厳しくなります。

あくまでも妻の気持ちや苦しみをまず理解することが最優先であり、自分の望みを伝える前に、相手の感情に寄り添うことが必要です。

このように、対話の際は、妻の指摘に対して謙虚に耳を傾け、責任をしっかり受け止める姿勢が重要です。

【この記事を書いた人】

もーちゃん

モラハラ解決相談所リジェネ 副所長 | 元モラハラ加害者ASD夫|2015年〜妻と共にモラハラ被害者・加害者体質改善講座を運営|10年間で2500件超の相談解決実績 | 夫婦でモラハラを乗り越えた実体験者

経験と専門性

  • 夫婦でモラハラの問題を克服した専門家
  • ASD・ADHDの混合型診断済み
  • モラハラ加害者としての更生を実現
  • 週刊文春オンラインでの3記事の連載で加害者心理と更生過程を完全公開

臨床経験(2010年〜)

カウンセラーとして幅広い支援経験

  • 公的機関での生活保護・生活困窮者自立支援
  • 福祉施設での精神疾患・発達障害者支援
  • うつ病の方の復職支援
  • 元受刑者・薬物依存者への更生支援
  • ひとり親・DV被害者相談
  • 企業内パワハラ相談
  • 自助グループ・セミナー開催

メディア掲載実績

新聞・雑誌掲載

  • 週刊文春オンライン(2024年11月 3記事連載)
  • 産経新聞(2021年9月)
  • 神戸新聞 まいどなニュース(2021年3月)
  • 中日新聞 ねぇねぇちょっと特別編(2021年12月)
  • ウレぴあ総研 ハピママ(2023年7月 3記事掲載)

テレビ・ラジオ出演

  • NHK「ほっと関西」(2021年11月出演)
  • KBS京都「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」(2021年9月出演)

全国11媒体でモラハラ解決の専門家として紹介

モラハラの問題で苦しんでおられる方々の少しでも力になりたいと思っています。

まとめ

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

再度おさらいですが、別居中の妻に対しては、一つ一つの問いに真摯に謝り続けることが重要です。

また、自身のモラハラ体質や攻撃性、至らなさを素直に認めることを徹底してください。

今回の記事を参考にしていただき、別居の状態から再構築に一日でも早くつながることを願っております。

また、妻への対処法は何となくわかったが、自分の妻に対してはどういう返信をしたら良いのかわからないという方は、気軽に相談してくださいね。

簡単なアドバイスをさせていただきます。

モラハラで苦しんでいるあなたへ

私たち夫婦も、かつては離婚寸前まで追い込まれました。

しかし諦めずに夫婦で協力し、モラハラの問題と真正面から向き合い、解決することができました。

現在は幸せに暮らしています。

すぐに離婚だと諦めないでください。解決への道は必ずあります。

私たちがどのようにして危機を乗り越えたのか、被害者妻と加害者夫の両方の目線でリアルに書いています。

もし「記事は理解できたけれど、うちの場合はどうすればいいのかわからない…」と感じているなら、一人で抱え込まず、ぜひ私たちにお話を聴かせてください。

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