モラハラ加害者に見られる「境界知能」の特徴と見極め方
今回は、モラハラ加害者に見られる「境界知能」の特徴と、その見極め方について解説します。
私たちの支援を受ける方には、比較的IQが高い方(高学歴、士業、経営者、医師、教師など)が多いため、これまでは「境界知能」について深く扱ってきませんでした。
しかし最近、モラハラ被害に悩む妻たちから、以下のようなご相談が増えています。
境界知能の疑いがある事例
- 夫があまりにも話が通じず、会話が噛み合わない
- 話し合いができず、すぐキレる
- 明らかな嘘を平気でつく
- 語彙力が低く、簡単な言葉の意味も知らない
- 大学はFランではないが、スポーツ推薦で入学しており、学力に不安がある
- 親が社長で2代目として会社を継いでいるが、仕事ができているようには見えない
- 素行が悪く、反社会的な態度が目立つ
- 「夫は発達障害ではなく、境界知能なのでは?」という疑問を持っている
- 子どもの学力が著しく低く、夫の影響ではないかと不安を感じている
こうした声を受け、今回はあえてこのテーマを取り上げることにしました。
何度も記載しておりますが、もちろん我々は、医師ではありませんので、診断等は出来ません。
また、以上のお悩みの声を元に作成しているので、境界知能の方が悪く捉えられてしまうような記述が続きますが、境界知能の方が全てこのような粗暴さを持ち合わせている訳ではなく、モラハラは知能指数や障害等に関係なく起こりうることであるとご理解ください。
境界知能の方は、発達障害の傾向もあわせ持っているケースが多く、いわゆる「発達グレーゾーン」と呼ばれる状態に該当することもあります。
こうした方々は、見た目や会話の一部では「普通」に見えるため、支援が届きにくいという現状があります。
また、境界知能の方は日常生活における困難(例:仕事が続かない、人間関係が築けない)を抱えており、結果として貧困に陥る傾向があります。
その主な理由は、学歴の低さと、職場で適応できず離職を繰り返してしまうことです。
ただし、例外として高収入となるケースも存在します。たとえば、
- 親が社長で、2代目として会社を継いでいる
- 公務員として就職した場合(公務員はよほどのことがない限り解雇されない)
このように、境界知能の方にも多様な背景があります。
この記事では、境界知能の具体的な特徴や背景にある心理、そして関わり方や対処法について詳しく解説していきます。
この記事はこんな方におすすめです
- 境界知能について知りたい方
- 境界知能への対処法が知りたい方
- モラハラ被害者の方
もくじ
- 境界知能とは
- 発達障害と境界知能の違い
- 境界知能の認知機能の弱さについて
- 境界知能の特徴
- 話し合いができない
- 嘘をつく
- すぐにキレる
- 被害妄想が強い
- 仕事が続かない
- 後先考えない行動をする
- 素行が悪い
- 境界知能の方への対処法
- 境界知能の方と話す時の姿勢
- 境界知能の方に伝わる褒め方
- まとめ
境界知能とは
境界知能とは、一般的にIQ70〜84の人で、知的障害や発達障害の診断されていない場合に用いられる言葉です。
知的障害とみなされるIQは69以下、一般的なIQは85〜115の間であり、境界知能はその間のボーダーに当たります。
また、IQ75を知的障害のボーダーラインとするケースもあり、その場合は軽度知的障害と診断されるケースもあります。
境界知能に該当する人たちは人口の約14%、日本人の約7人に1人(約1700万人)に相当します。
35人のクラスでは約5人が該当することになります。
知的障害や発達障害と診断されると特別支援の対象になりますが、境界知能の子どもたちは授業についていけるかどうかのギリギリのラインにいるため、周囲から気付かれず支援対象外になることが多いです。
そのため、家庭や学校では彼らが抱える問題が見過ごされがちです。
境界知能に該当する人は社会的なサポートを受けられないことが多く、日常生活を送るにもかなりしんどい思いをしているケースが多いのが実情です。
発達障害と境界知能の違い
基本的な違いとしては、以下の通りです。
- 境界知能=IQが70〜84と平均より低く、能力のばらつきがあるとは限らない
- 発達障害=IQは低いとは限らず、能力のばらつきが大きい
しかし境界知能と発達障害の両方をもっている場合もあり、その他にもさまざまな要素が関係するため、単純な話ではありません。
発達障害には、さまざまな分類がありますが、代表的なものにADHD(注意欠陥多動症)やASD(自閉スペクトラム症)があります。
これらは能力にばらつき、つまり得意と苦手の差が激しいことが特徴です。
例えば、発達障害を持つ人の中には、世界でも有名な大企業の社長や芸能人なども多数います。
しかし、日常生活では、家事などができないなどの問題を抱えている人も少なくありません。
境界知能の認知機能の弱さについて
境界知能の人が生きづらい理由としては「認知機能」の弱さが挙げられます。
認知機能とは、物事を理解するのに必要な知的な能力です。
五感を通して得た情報をもとに、状況を把握し、言葉の理解・記憶・注意・判断や推論を行う機能を指します。
具体的には、注意、記憶、言語理解、知覚、推論・判断といった要素が含まれます。
これらは「学習の土台」となる能力であり、社会生活を営むうえで欠かせません。
例えば、目の前に「カレー」があると認識できることで、味や食感などがイメージされますが、認知機能が低いとこのような認識自体が難しくなります。
これは日本人が外国へ行った時に、その国の言語や文化などが理解できない感覚に似ています。
このように、理解するために必要な認識そのものができないため、日常生活や社会生活でさまざまな問題が生じるのです。
境界知能の子どもたちの多くは、この認知機能に弱さを抱えていることが多いといわれています。
知的障害や発達障害のある子どもにも、同様の弱さが見られます。
また、ワーキングメモリーも低いことがあり、読んだ文章を覚えていられないといった困難も生じます。
認知機能の低さに加えて、身体を使うことが苦手であったり、コミュニケーションが難しかったりするなどの特徴も見られることがあります。
境界知能の特徴
話し合いができない
境界知能の人が話し合いをうまく行えない主な要因は、認知機能における言語理解能力と記憶力の低さ、そして聴覚からの情報処理の苦手さにあります。
つまり、相手の話している内容を正確に理解することが本質的に難しいのです。
読解力の発達と重要性
人が他者の感情や思考を理解するプロセスは、小学校の国語で学ぶところから始まります。
この相手の気持ちを理解する読解力を養うために重要なのが読書です。
読解力とは、文章を読み、書かれている内容の本質を理解し、自分なりに解釈する能力のことです。
これは本を読むときだけでなく、会話においても相手の意見の本質を理解することに直結します。
言い換えれば、文章の内容や行間から作者の思いをくみ取る力、言葉の背景を読み取る能力と言えるでしょう。
読解力があれば、文章の理解だけでなく、他者とのコミュニケーションにおいても相手の言いたいことを適切に把握できます。
したがって、学生時代も社会人になっても、書かれた文章を理解し、相手の話や気持ちを理解する力は、集団生活を送るためにも良好な人間関係を築くためにも不可欠なのです。
しかし、境界知能の人は認知機能の弱さから、基本的な読書という行為自体がうまくできないことが多くあります。
その理由としては次のことが挙げられます。
境界知能と読書の困難さ
- 漢字を読むことが困難である
- 文章や単語の意味を理解できない
- わからない単語を飛ばすため内容全体を把握できない
- 記憶力の弱さから、読んでいる箇所を見失いやすい
こうした要因から、読書自体が困難または苦手となり、読解力や理解力を身につけることなく成長することになります。
また、テスト問題の質問自体も理解できないため成績が振るわず、その結果、勉強自体に苦手意識を持つようになるという悪循環が生じます。
読解力がないことにより、本に書かれている内容を理解できず、先生や友達が話している内容も理解できないため、授業についていけなかったり、友達との会話の流れをつかめなかったりするなど、失敗体験を重ねることになります。
境界知能の人が、読解力や理解力がないまま大人になった結果として、以下のような特徴が見られます。
大人になってからの影響
- 知っている言葉や単語の数が限定的である
- 書かれている言葉や文章を正確に認識できない
- 相手の表情やその場の状況を適切に読み取れない
- 相手の話している内容を十分に理解できない
- 質問に対して的確に返答できない
- 書いてある内容・言われた内容を記憶しておくことが困難である
- 文章や会話の本質や背景を推測できない
- 自分の思いや考えを適切に言語化できない
これらの要因から、境界知能の人にとって話し合い自体が非常に困難な活動となります。
特に、自分にとって理解が難しい内容を言われると、混乱したり、それ自体を「責められた」「批判された」と誤って受け取ってしまうことがあります。
その結果、突然キレたり不機嫌になったりして、建設的な話し合いがさらに困難になるという状況に陥りがちです。
こうした反応は、理解できないことへの不安や恐怖から生じる防衛反応であるケースでもあります。
嘘をつく
境界知能の人に多く見られるのが、相手の要望をその場では「わかった」と返事したのに、実際には全く要望と違うことをしてしまい、結果的に嘘をつく状態に陥るということが多々あります。
この理由は、相手の言葉や要望をしっかりと聞き取れていないのが要因と思われます。
境界知能の特性として、聞く力が弱く、長い文章になると、一文の内2〜3語しか聞き取れていないケースがあります。
これは、英語が得意ではない人が街で英語で話しかけられて、簡単な単語しか理解できない状況と同じです。
つまり、一度に聞き取れる言葉や単語の量が少ないと、少ない情報の中で相手の言いたいことを予測しなければなりません。
また、境界知能の人は言葉の背景を読んだり、予測や見立てることも苦手なため、ますます相手の言うことが理解できない状況に陥ります。
ただ、相手の言っていることがわからないのならば「今の部分わからないから、もう一度教えて」などと聞き返せば良いじゃないかと思うでしょうが、境界知能の人たちは幼少期からこのような失敗を繰り返しており、わからないというのが恥ずかしかったり、バカにされたくないという思いから聞き返せないという状況に陥っています。
そのため、相手の希望や要望の理解が中途半端な状態で見切り発車をし、勝手な思い込みから行動をし、結果的に嘘つきと周囲に誤解される状況に陥っていると思われます。
すぐにキレる
境界知能の人は、周囲からの注意や意見、または親切心からの助言についても「バカにしやがって」と歪んで受け取り、ブチギレることがあります。
この特徴的な受け取り方の要因として、通常のIQの子どもと比べて、幼少期から褒められた経験が圧倒的に少ないことが挙げられます。
そのため、いざ褒められても素直に受け取れないのです。
また、学習面や運動面、人間関係全般においても、基本的に「うまくいかない」「自分の思い通りにはならない」という認知が強化されてきたことも影響していると考えられます。
さらに、想像力の弱さから、自分が思っていること以外の意見や考えを否定や批判として捉えたり「尊重されなかった」「大切にされなかった」と極端に受け取ったりする傾向があります。
その結果、一次感情をコントロールできず、衝動的にブチギレてしまうのです。
被害妄想が強い
この特徴の根本的な原因は、些細なことでも「バカにされた」「僕は嫌われている」などと思ってしまうことにあります。
このような被害者意識が強い理由として、幼少期に親や友達からバカにされたり否定されたりする経験が多々あったことが考えられます。
例えば、学習面においては、教科書に書いてある内容や単語が理解できなかったり、落ち着きがないために先生に目をつけられたりすることがあります。
また、友達とのトラブルが頻繁に起こったり、運動も苦手だったりするなど、失敗の体験が積み重なることで、自信が徐々に失われていきます。
その結果「僕は頑張ってもダメなんだ」「バカにしやがって」などの被害者意識が強化されるのです。
さらに、実際にはバカにされていないにもかかわらず「状況を正確に認識する力の弱さ」や「相手の立場を想像する能力の低さ」も相まって、被害妄想が強くなっていくのだと考えられます。
仕事が続かない
境界知能の人が発達障害の人と異なる点は、仕事が続かず解雇されるケースが多いことです。
発達障害の場合、IQは一般レベルであることが多く(境界知能との併発は除く)、ASDの特性を活かして大企業の社長や士業、芸能人など成功者も多数います。
しかし、境界知能の場合は、IQが低いことによる認知機能の弱さから、以下のような問題があります。
境界知能の仕事での困りごと
- 仕事での指示が理解できない
- 簡単な計算が出来ない
- 書類が読めない
- 動作が遅い、手先が不器用
- 空気が読めずコミュニケーションが取りにくい
そのため、一見するとサボっていたり、やる気が無いように見える行動になり、人間関係もうまくいきません。
また、仕事での口頭指示もわかったフリをしてしまう為、仕事も覚えられません。
稀に仕事ができなくても愛想の良さやコミュニケーション能力だけで昇進する、公務員に、よく見られるポンコツ係長の例もありますが、境界知能の人はそれらの能力も高くないため、周囲から「仕事ができない人」というレッテルを貼られ、結果として解雇されるか職場に居づらくなって自ら辞めてしまいます。
このような離職経験を繰り返すことによってどんどん自信を失い、次第に就労への意欲も低下していきます。
私は以前、生活保護受給者の就労支援に携わっていましたが、このようなケースが多数ありました。
彼らは就職して生活保護を脱しても、仕事を覚えられない、人間関係がうまくいかない、上司の指示にブチギレるなどの問題で1ヶ月も続かず、その後再び生活保護を申請するという短期離職のサイクルを繰り返す方が非常に多かったです。
また、自己理解や職業理解も低いケースがありました。
例えば、40歳で無資格、事務経験がゼロにもかかわらず、事務職への書類選考を100通送り、全て不採用になっている男性がいました。
それでも全くめげないメンタルの強さや、事務職への異常な固執などは、認知機能の弱さや客観的視点の欠如などが影響しているのではないかと感じました。
後先考えない行動をする
境界知能の人に多いのは、見たり、聞いたり、想像するなどの認知機能が弱いため、自身を客観的に見られず、また見通しが弱く、計画的に物事を考えられないことから、後先考えない行動に至るケースが多々あります。
ギャンブル依存と借金問題
ギャンブルに依存する人は、この見通しの甘さと深く関連しています。
趣味程度や小遣いの範囲内でパチンコなどをする分には問題ないのですが、依存症レベルになると、生活費も注ぎ込み、借金をしてまで負けた分を取り返そうとします。
その結果、家賃や光熱費、食費なども支払えなくなり、借金が嵩み、家族を失い、自己破産を経て、最終的に生活保護に至る人を多数見てきました。
また、怪しい儲け話、例えば仮想通貨やビットコイン、FX、マルチ商法などにも容易に騙され、借金地獄に陥りやすい傾向にもあります。
非現実的な職業観
境界知能の人は精神年齢がかなり幼く、つまり、考え方が驚くほど未熟な人が多いです。
生活保護受給者の事例では、希望の仕事を聞いた際に以下のような回答がありました。
・ゲームが好きというだけでゲーム実況をしたいという40歳男性
・楽器経験、音楽の知識がゼロなのに、プロミュージシャンになりたいという32歳男性
・妻子持ちであるにもかかわらず仕事を辞めて、プロのバンドマンになると言い張る45歳男性
これらの発言は10代の若者なら理解できますが、成人した大人の発言とは思えません。
しかし、彼らは私に向かって真剣な眼差しでこれらを語ります。
そこで具体的に、どういう工程を経てこれらの目標を達成するのかと質問すると、当然ながら見通しの甘さから、適切に答えられません。
典型的な回答としては「頑張ったらできる」「昔からなりたかったから」「夢は諦めなかったら叶う」などの抽象的で、何の具体性も現実味もない内容です。
一般的なIQの人であれば、目標達成のために必要な能力は何か、具体的な努力の方法や、どれくらいの時間をかければ達成できるかなどを、明確に答えられるはずです。
しかし境界知能の人は、自身の能力を客観的に評価する能力や、目標達成のために具体的に物事を考えたり見通したりする能力が著しく弱いと思われます。
子どもも配偶者もいるのに45歳にもなって、バンドマンになると言い、さらに仕事を辞めるというのは、明らかに常軌を逸した判断です。
刺青と就職の問題
また、生活保護受給者に多く見られるのが、衣服で隠れない位置に刺青を入れるという行為です。
このタトゥー自体は個人的にもおしゃれだと思いますし、自身のアイデンティティを主張するシンボルとしても素敵だと思いますし、もちろん悪いことではありません。
ただ彼らは特に深い信念がある訳でもなく、刺青を入れることによる今後の人生におけるデメリットを全く考慮しないまま行っている傾向があります。
具体的には、就職をする際、見える位置に刺青が入っていれば、昼の仕事ではまず採用されないという現実があります。
確かに一部のウェブサイトでは、タトゥーがあっても事務職やコールセンターなどでの採用は可能と記載されていますが、これは表向きの話にすぎず、実際に面接に行くとほとんど採用されません。
なぜなら、応募者の能力を評価する以前に、刺青が周囲や顧客に威圧感を与えるなどの悪影響を企業側が懸念するからです。
残念ながら日本では今でも、刺青=反社会勢力というイメージが根強く残っています。
そのため、男性の昼間の仕事は、人目に付かない建設業などの職種に限られてしまうのが現状です。
彼らの多くは「今が良ければいい」という短絡的な思考に影響されており、将来の不利益を想像することができません。
計画性のない出産と養育の問題
さらに、養育能力がないにもかかわらず、子どもをたくさん作るというのも境界知能の生活保護受給者に多い事例です。
一般的なIQがあれば、子どもを大学に入れるまでに一人当たりいくら費用がかかるかを計算し、また世帯収入や、昇進や出世した場合などの将来的な収入の見込みを検討し、それに見合った子どもの人数を計画すると思われます。
しかし境界知能の人の場合は、認知機能の弱さから将来に対する想像力や見通し力が乏しく、無計画な行動を取ってしまうのです。
このように、収入に見合わない子どもの人数を持つことで、生活が破綻するのは必然であり、結果的に収入よりも支出が多くなり、破綻することで生活保護に至ります。
これらもまた、認知機能の弱さがもたらす重要な社会問題だと考えられます。
素行が悪い
境界知能の人に一定数いるのが、幼少期から素行が悪く、非行に走り、家庭内暴力や万引き、窃盗などで少年院に入るなど、社会の規範を守らず、他人を騙すことに何の罪悪感も持たない行動パターンです。
これらは18歳までは素行障害と呼ばれ、それ以降は反社会性パーソナリティ障害と呼ばれます。
反社会性パーソナリティ障害に多い特徴としては以下が挙げられます。
反社会性パーソナリティ障害に多い特徴
- 窃盗、飲酒運転、スピード違反、信号無視、煽り運転
- 借金の踏み倒し、詐欺への加担
- 身体的DV、動物虐待、器物破損
- 無計画な性行動、薬物乱用、アルコール依存
- 離職を繰り返す
これらは自身の利益や快楽を優先し、無責任な行動を繰り返すという傾向の表れです。
また、この障害を持つ人たちは、非合法または反社会的な職業に就いたり、頻繁に逮捕されることもあります。
性格的には、基本的に後先を考えず衝動的であり、些細なことで激怒しやすく、すぐに暴力に発展させたり、常に嘘をつき、他者を傷つけても「騙される方が悪い」と他者を非難し、自分自身を振り返ったり反省することは、まずありません。
これらはやはり認知機能の弱さから来る想像力の欠如が原因であり、非合法や反社会的な行動をした結果どうなるのか、また被害者の気持ちを想像することができないのです。
そして、逮捕されて収監されると一時的に落ち込んだり表面的な反省はするものの、記憶力の弱さからそれらもすぐに忘れてしまい、理解力や正誤判断能力の弱さから、再犯を繰り返す傾向が見受けられます。
最近増えている問題行動の具体例。
闇バイトへの関与
SNSなどに「物を受け取るだけで○万円」「物を運ぶだけで○万円」と書いてあることを鵜呑みにします。
一般的なIQの人なら、そんな都合のよい話が現実にあるはずがないと疑問を持ったり、すぐに特殊詐欺の受け子だと判断できますが、境界知能の彼らにはそのような思考力も知識も備わっていません。
また、被害者がいる場合、被害者の思いを理解し反省することが期待されますが、想像力の弱さから被害者の気持ちを想像すること自体ができないケースが多いのです。
窃盗の繰り返し
生活保護受給者の中には、窃盗などの軽犯罪を繰り返し、収監される人が多くいます。
一般的なIQの人であれば「このパンを万引きして逮捕されたらどうなるか」などと結果を想像し、万引きは絶対にしないと判断するでしょう。
しかしながら、境界知能の人はこのような想像力も弱く、善悪の判断も曖昧であるため、目の前の欲求に負け、後先を考えずに窃盗を繰り返すのです。
また、一度逮捕され収監されたなら「もう二度とこんな思いはしたくない」と学習し、再犯しないと予想されますが、境界知能の人はそれらの経験から学び取る能力も弱いことが要因と考えられます。
あなたのパートナーが、これらの反社会性パーソナリティ障害の特徴を持つ場合、本人が自身の加害性を認め、精神科で治療を受けない限り改善は期待できません。
特に身体的暴力がある場合、同居は非常に危険であるため、離婚を検討することをお勧めします。
境界知能の方への対処法
まず、暴言や怒鳴るなどの明らかなモラハラへの対処法については、「モラハラ夫への対処法まとめ」を参照してください。
ですので、今回は境界知能の方に特化した対処法を説明します。
境界知能の方が発達障害や各パーソナリティ障害と異なるのは、明らかにIQが低い、または認知機能が弱いという点です。
そのため、相手の話していることが理解できないという根本的な問題があります。
ASDの人であれば論理性を持って説明すれば本人なりに理解できますが、境界知能の方は論理性も弱いため、幼い子どもと話すような対処が基本的に必要になります。
IQが20違うと会話が成立しないと言われるように、大人と子どもの会話や認知症の人との会話と同様に、あなたがパートナーの知能レベルや理解度に合わせる必要があります。
注意する点
- 難しい単語や言葉は使わない
- 一文を短くする
- 重要なことは何度も強調して伝える
- 相手の理解度を確認する
- 相手の使う単語を使用する
パートナーが話し合い中に答えられなくなり、癇癪を起こした場合は、まず「あなたを責めているつもりはない」と伝え「あなたのことをちゃんと理解したい」「あなたのことは大切に思っている」など、相手が受け取りやすい表現を試し、効果的なものを使用してください。
境界知能の方と話す時の姿勢
境界知能の方と話す時の姿勢としては、以下の姿勢を心がけてください。
- 相手の話を否定しない
- 求められていないのに助言をしない
- 辿々しくても急かさない
これはカウンセラーが行う傾聴の姿勢ですが、境界知能の人は言語化が苦手で批判に敏感であり、すぐに心を閉ざしてしまうため、まずは安全な場を作ることが重要です。
言葉が出にくい場合は言語化を助けてあげると負担が軽減し、より話すようになるでしょう。
また、常識や倫理から外れた発言でも、まずは受容してください。
同意する必要はなく「あなたはそう思うんだね」と否定しなければ十分です。
これにより相手はあなたを信頼し始めるでしょう。
このような関わりを続けることで対話が可能になり、会話が通じないことによる拗ねや癇癪は減少していくと思われます。
境界知能の方に伝わる褒め方
境界知能の方は幼少期から失敗経験が多く、否定や批判ばかりされてきたため、褒められることに飢えており、愛着障害の傾向や人間不信、自己肯定感の低さがある場合が多いです。
ただし闇雲に褒めるのではなく、お世辞のような褒め言葉にハニカむ反応を示した場合は、そのような褒め言葉を多用してもよいでしょう。
それ以外は「ありがとう」「さすがだね」「やっぱりすごいね」などの簡単な褒め言葉で反応を見てください。
これで気分が良くなれば、次も「妻のためにしてあげよう」と思うようになります。
境界知能の人が受け取りやすい褒め方として、以下の2点を意識してください。
- 本人が周囲から言われたいこと
- 本人が自分なりに頑張っていること
例えば、最近ジム通いを始めたばかりで体型に変化がなくても「胸や腕がガッチリしてきたね」「筋肉、増えてきたんじゃない」と伝えると「妻は俺のことをわかってくれている」と信頼するようになります。
様々な褒め言葉のパターンを試して、効果的なフレーズを見つけていただければと思います。
まとめ
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
境界知能のパートナーに振り回され、心が疲れてしまう日々を過ごしているあなたに、少しでも安心や気づきが届いていれば嬉しいです。
もし「対処法は理解できたけれど、うちの夫の場合はどうすればいいのかわからない」という方は、一人で抱え込まずに、ぜひお話を聴かせてください。
現在、LINE登録をしていただいた方には、初回特典として無料相談(50分)をプレゼントしています。
あなたの気持ちに寄り添いながら、一緒に解決策を見つけていきますので、まずはお気軽にお友達登録をどうぞ。お待ちしています。
また、もし冷静に考えられない、些細なことでイライラしてしまう、不眠が続くといった症状がある場合は、カサンドラ症候群(抑うつ状態)の可能性も考えられます。
そんな時は、何よりもまず、ご自身の体調を大切にしてくださいね。
「私はカサンドラ症候群なのだろうか?」と感じた方は、下記のチェックテストを試してみるのも一つの方法です。
小さな一歩が、大きな変化を生むこともあります。
あなたが少しでも穏やかな毎日を取り戻せるよう、心から願っています。

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