モラハラ夫に多いASDと5タイプの特徴
【2025年7月更新】より実践的な対処法を知りたい方へ
この記事では発達障害夫のモラハラの基本的なメカニズムを解説していますが、「具体的にどう対処すればいいか知りたい」という多くのご要望にお応えし、実践的な対処法に特化した最新記事を公開しました。
ASD夫の5タイプ別対処法、ADHD夫への効果的な接し方、カサンドラ症候群の危険サインなど、2000件の相談事例から導き出した具体的な解決策をお伝えしています。
この記事では、モラハラ夫に多いASDと5タイプの特徴について説明します。
以前に「ASDとは」についての記事を書きましたが、今回はその内容を復習しつつ、さらに5タイプについて掘り下げていきたいと思います。
ASD(アスペルガー症候群)は、生まれつきの脳機能の特性によって生じる発達障害のひとつです。
主な特性として、以下の三つが挙げられます。
ASDの特徴
- 相手の気持ちがわからない
 - 強いこだわりがある
 - 対人関係のトラブルが多い
 
これらの特性が影響し、パートナーとの情緒的なコミュニケーションが取れず、結果的に心身の不調を引き起こすことがあります。
この状態は「カサンドラ症候群」と呼ばれています。
具体的には、次のような問題が見られることがあります。
- 夫とコミュニケーションが取りにくい
 - 夫が気持ちを察してくれない
 - 夫婦の絆を感じられない
 
上記のような問題に当てはまる場合、あなたの夫がASD(アスペルガー症候群)である可能性があります。
今回は、ASDの診断基準とASDの5つのタイプについて、さらに詳しく説明していきます。
少し長くなりますが、最後まで読んで頂ければ幸いです。
もくじ
近年、発達障害の対象者が増えている
「モラハラ=自己愛性パーソナリティ障害」「自己愛性=治らない」と一般的に言われがちですが、近年では、モラハラの加害者や被害者に発達障害やグレーゾーンの特徴が多く見られることが分かってきました。
そのため、発達障害の知識を学ぶことが重要です。
発達障害には多くの対処法があり、それらを学ぶことでモラハラへの対処が可能になります。
我々が扱う発達障害は、ASDとADHDの2つです。
LD(学習障害)もありますが、診断される人は少ないため、主にASDについて説明をします。
発達障害の診断は、精神科や心療内科で、アメリカ精神医学会が発行するDSM-5という診断基準によって行われます。
診断基準を満たさないがその傾向が見られる人は「グレーゾーン」と呼ばれます。
2020年の厚生労働省の発表によると、発達障害と診断された人は全国で約48万人、さらに潜在的には800万人が該当するとされています。
また、ご自身が発達障害傾向であることを理解することで、衝動的にキレることが減り、加害者体質の改善が期待できます。
したがって「モラハラ=自己愛性パーソナリティ障害」に固執せず、発達障害(ASD・ADHD)やその他の可能性も含めて考えることが重要です。
発達障害は病気ではない
多くの人が「発達障害」という言葉に対して、能力の発達が制限されたり劣っている人を指すと誤解しています。
しかし、発達障害は生まれつきの脳の特性であり、病気ではありません。これにより、思考や行動パターンに独自の特徴が現れます。
定型発達の人でも注意力が散漫になったり、ストレスを感じるとイライラすることがありますが、発達障害の人はこれらの特性が極端な場合が多いと理解してほしいです。
発達障害は知的障害と混同されることがありますが、発達障害と診断されるにはIQが70以上である必要があり、知的障害とは異なります。
特にASD(アスペルガー症候群)の人々の中には、一般のIQ平均値90を遥かに上回る120以上のIQを持つ人が多く、彼らは大企業の経営者や専門職、教授、研究者として成功を収めています。
イーロン・マスクやビル・ゲイツはASDを公言しており、日本ではADHDを公表している勝間和代や黒柳徹子、ASDを公表している米津玄師や楽天の三木谷社長がいます。
彼らの存在が発達障害に対する理解を深め、偏見をなくす一助となることを期待しています。
ASDの診断基準
DSM-5における自閉症スペクトラム障害の診断基準は、以下のA〜Dの4つの基準を満たす場合に診断されます。
A: 社会的コミュニケーションおよび対人交流における持続的な障害(以下の項目すべてに該当)
①社会的・情緒的な相互交流の障害
- 感情や興味の共有が難しい
 - 通常とは異なる対人関係を築く
 - 会話のやりとりに困難を感じる
 - 他者との交流を自ら始めることが難しい
 - 相手の働きかけに反応できない
 
②社会的交流における非言語コミュニケーションの障害
- アイコンタクトやジェスチャーなどの非言語コミュニケーションが適切に行えない
 - 表情や身振りが欠けている
 - 非言語的な意味を理解しづらい
 
③人間関係の形成・維持および理解の困難
- 社会的状況に応じた行動の調整が難しい
 - 友人を作ることが困難
 - 仲間を作ることに興味がない
 
B: 限られた反復的な行動や興味、活動(以下の項目のうち少なくとも2つに該当)
①定型的な動きや物の使用・発話
- 単純な常同行動
 - 物を並べたりひっくり返したりする
 - エコラリア(オウム返し)や奇妙な言い回し
 
②同一性へのこだわりや儀式的な行動パターンへの固執
- 小さな変化に対する強い抵抗
 - 決まった手順や考え方に固執する
 - 同じ挨拶の繰り返し
 - 毎日同じ食べ物を摂る
 
③極端に限られた強い興味・関心
- 特定の物や事柄への強い愛着や没頭
 - 過度に限られた興味
 
④感覚刺激に対する過度な反応や鈍さ・もしくは異常な感覚的興味
- 痛みや温度に対して鈍感
 - 特定の音や触感に対して極端な反応
 - 物の匂いや感触への強い執着
 
C: 症状は発達の早期段階に現れる
- ただし、社会的要求が限界を超えるまで症状が顕在化しないことがある
 - 後天的に学んだ対処法により隠される場合がある
 
D: 症状が社会的・職業的、または他の重要な領域で、臨床的に重大な機能障害を引き起こしている
ASDの5タイプ
孤立型
孤立型の特徴
- 他人と関わらない
 - 自分の世界で生きている
 - 人と接しないことに安心感がある
 - 一定のルーティンや習慣を好む
 - 興味があることには高い集中力を発揮する
 
孤立型のASDでは、自閉症の度合いが最も高い特徴があります。
彼らは、独特な雰囲気や服装を持つことが多く、他人と目を合わせることが少なく、社会性や協調性に欠ける傾向があります。
特に雑談が苦手であり、まるで他人が存在しないかのように振る舞うこともあります。
また、周囲に流されることは少なく、自分のペースを保つことが多いですが、攻撃性はあまり見られません。
受動型
受動型の特徴
- 他人からの関わりは受け入れるが、自分からは関わらない
 - 自己表現が苦手
 - 主体性がなく、人に流されやすい
 - 自分から積極的に行動しない
 - 誘われれば従うが、基本的に受け身
 - 言われたことだけをする
 - 無口で無表情、自己意見がない
 - 他人への興味や関心が薄い
 - 他者の要求を受け入れすぎてストレスを抱えやすい
 
受動型のASDは、比較的女性に多く見られます。
受け身で自己表現が少ないため、人間関係でのトラブルは少ないものの、自分の思いを言葉にすることが苦手です。
そのため、他者に利用されやすい傾向があります。
実は自分なりのこだわりを持っているものの、それを言えないため、時折受動的な攻撃を行うこともあります。
積極奇異型
積極奇異型の特徴
- 初対面でも馴れ馴れしく、距離感が近い
 - 自分の話を延々とする
 - 空気を読めない
 - ADHDの要素も強い
 - プライベートな質問を平気でする
 - 人の話を聞かず、自分の話を一方的に続ける
 - 顔色を気にしない
 
積極奇異型のASDの人は、自分の話を一方的に続ける傾向があります。
至近距離でも大声で話し、笑い声も大きいため、周囲との距離感が乏しくなりがちです。
空気を読めずに避けられることがあるものの、その理由を理解できないことが多いです。
人の意見には耳を貸さず、自分のルールを強く押し付ける傾向があります。
尊大型
尊大型の特徴
- 自己主張が強い
 - 相手を見下す
 - 高圧的な態度を取る
 - 自分のルールを押し付ける
 - 論理的思考で学力が高い傾向
 
尊大型のASDは、自己愛性パーソナリティ障害を併せ持つことが多く、そのためモラハラ体質が最も顕著です。
このタイプの人は、自分のこだわりを強く押し付け、他人がその意に沿わないと激怒します。
相手の主張を聞かず、しばしば相手を見下す傾向があります。
また、共感性に欠け、相手を利用することもあります。
尊大型に至る経緯としては、幼少期から対人関係がうまくいかず孤立したり、いじめを受けることが多いです。
このような経験から他者への不信感が強まり、自己愛性パーソナリティ障害を発症することがよくあります。
大仰型
大仰型の特徴
- 過剰にへり下る
 - 丁寧に振る舞う
 - リアクションが大げさ
 - 社会に適応しているが違和感がある
 - 深く関わるとASD特性が現れる
 
大仰型のASDは、元々他のASDタイプから発展したものです。
社会性を身につける過程で、過剰に丁寧すぎる振る舞いが見られることがあります。
このような過剰適応がストレスとなり、結果としてうつ病になりやすい傾向があります。
【この記事を書いた人】
経験と専門性
- 夫婦でモラハラの問題を克服した専門家
 - ASD・ADHDの混合型診断済み
 - モラハラ加害者としての更生を実現
 - 週刊文春オンラインでの3記事の連載で加害者心理と更生過程を完全公開
 
臨床経験(2010年〜)
カウンセラーとして幅広い支援経験
- 公的機関での生活保護・生活困窮者自立支援
 - 福祉施設での精神疾患・発達障害者支援
 - うつ病の方の復職支援
 - 元受刑者・薬物依存者への更生支援
 - ひとり親・DV被害者相談
 - 企業内パワハラ相談
 - 自助グループ・セミナー開催
 
メディア掲載実績
新聞・雑誌掲載
- 週刊文春オンライン(2024年11月 3記事連載)
 - 産経新聞(2021年9月)
 - 神戸新聞 まいどなニュース(2021年3月)
 - 中日新聞 ねぇねぇちょっと特別編(2021年12月)
 - ウレぴあ総研 ハピママ(2023年7月 3記事掲載)
 
テレビ・ラジオ出演
- NHK「ほっと関西」(2021年11月出演)
 - KBS京都「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」(2021年9月出演)
 
全国11媒体でモラハラ解決の専門家として紹介
モラハラの問題で苦しんでおられる方々の少しでも力になりたいと思っています。
モラハラ解決に役立つ関連記事
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回の内容が、あなたが抱えている問題解決の一助になれば幸いです。
モラハラで苦しんでいるあなたへ
私たち夫婦も、かつては離婚寸前まで追い込まれました。
しかし諦めずに夫婦で協力し、モラハラの問題と真正面から向き合い、解決することができました。
現在は幸せに暮らしています。
すぐに離婚だと諦めないでください。解決への道は必ずあります。
私たちがどのようにして危機を乗り越えたのか、被害者妻と加害者夫の両方の目線でリアルに書いています。
被害者の視点から学ぶ
もし「記事は理解できたけれど、うちの場合はどうすればいいのかわからない…」と感じているなら、一人で抱え込まず、ぜひ私たちにお話を聴かせてください。
現在、LINE登録をしていただいた方には、初回特典として無料相談(50分)をプレゼントしています。下記からお気軽にご登録ください。
小さな一歩が、大きな変化を生むこともあります。
あなたが少しでも穏やかな毎日を取り戻せるよう、心から願っています。

初回登録特典
相談1回(50分)無料!!!
- 初回のみオンライン面談(1回50分11,000円)が無料!
 - LINEだけのお得なクーポンあり
 - 365日24時間いつでも相談OK
 

