オープンダイアローグとは

本日は、オープンダイアローグについてをご紹介します。

私たちはモラハラ全般の支援を行っており、クライアントの満足度を考えて様々な技法を取り入れチャレンジし、その中で効果があるものをどんどん取り入れてきました。

今回はオープンダイアローグという手法についてお話ししたいと思います。

オープンダイアローグは、フィンランド発祥の実践的な対話を主とした治療方法のことです。

統合失調症などの重篤な精神危機を持つ患者を対象としたケア技法として発展してきましたが、現在では医療現場だけではなく、福祉や教育などの現場でも応用可能だとして徐々に取り入れられてきています。

カウンセラーとクライアント1対1の対話で、定期的な面談時間が設定される通常の心理カウンセリングとは大きく異なり、専門家も参加者として対話を行います。

オープンダイアローグと心理カウンセリング、それぞれのアプローチには独自の特徴があります。

状況や目的によって、最適なアプローチを選択したり、場合によっては組み合わせたりすることで、より効果的な支援が可能になるとリジェネは考えています。

もくじ

  1. オープンダイアローグの詳細解説
  2. 12の基本要素
  3. 対話の目的を忘れない
  4. 具体的な実践方法
  5. モラハラ解決と対話の重要性
  6. 他者性について
  7. まとめ

オープンダイアローグの詳細解説

オープンダイアローグには7つの重要な原則が存在します。

7つの重要な原則

①即時の対応

  • 危機的状況が発生してから24時間以内に最初の会議を開催
  • 早期介入により、問題の深刻化を防ぐ

②社会ネットワークの視点

  • クライアント本人だけでなく、家族、同僚、同僚など重要な意見を考える
  • 支援者側も複数のスタッフが参加
  • それぞれの視点と経験を共有

③柔軟性と機動性

  • クライアントのニーズに合わせて対応を調整
  • 面談の頻度、場所、形式を柔軟に変更
  • 必要に応じて自宅訪問なども実施

④責任の所在

  • 最初に連絡をいただいたスタッフが継続的に関わっていく
  • チーム全体で責任を持って対応
  • たらい回しにさせない

⑤心理的な継続性

  • 支援プロセス全体を通じて一貫性を保つ
  • 長期的な視点で関係性を構築する
  • これまでの対話を大切にする

⑥不確実性への寛容

  • 解決や判断を急ぎ過ぎない
  • 十分な対話の時間を確保する
  • 多様な可能性を考慮した姿勢を認める

⑦対話主義

  • 一方的な診断指導ではなく、対話を重視
  • 全ての参加者の声に耳を傾ける

リジェネで24時間365日送信フリーのLINEサポートを導入している理由は、このオープンダイアローグの考えに沿って考案した支援方法です。

残念ながら、モラハラを受講期間中に解決する為には、全て自主的に気付くというのは無理があり、時には指導という形も取ることがあります。

限られた時間の中でも基本的には対話をすることをメインとしているのは、対話中に自身で気付いていくということを経験して欲しいという気持ちがあります。

LINEやワークの中で日々の気持ちの変化やエピソードを共有していただき、それを元に「どうすればよかったのか」を共に考えていく形式を取っているのも、このためです。

この方法を取り入れてから、嬉しいことに満足し、お喜びいただけることが多くなったように感じます。

12の基本要素

オープンダイアローグを実践するうえで、12の基本要素をご紹介します。

各項目についてそれぞれ解説しますね。

12の基本要素

2名以上のスタッフが参加
オープンダイアローグにおいては、2人以上の専門家がいることを重視する

1人が話を聞いている間に別の専門家は質問をするなど、チームでの対話が目的

②家族やつながりのある人の参加
患者以外の関係者が対話に参加することを重要なポイント

本人を知る大切な人が対話に参加することで、本人が見えていない視点が見える

③開かれた質問を使う
「はい」「いいえ」では答えられない質問であるオープンクエスチョンを用いる

④すべてに耳を傾け、応答する
クライアントの語りには、言葉、身体、沈黙、未語の要素がすべて含まれる
こまやかな傾聴を大切に、安心できる対話の場を作ることが目的

⑤今まさに起きていることに焦点を当てる
対話の中で起こっていることや反応・感情(興味、関心、怖れ、喜怒哀楽の感情など)を重視する

語られていることの内容だけではなく、今、その瞬間に起こっていることにも注意を向ける

どんな内容でも受け入れられると参加者が安心して語れる場を作る

⑥様々な観点を尊重して、多様な視点を明るみに出す
意見の一致を目指すのではなく、様々な意見の交換を目的とする
その場に集まった全員の意見が聞かれて、尊重される場

会話を止めない、遮らない
経験や考えを自己探索し、矛盾も含めて、言語化できるように工夫する

⑦人間関係をめぐる反応や気持ちを大切に扱う

様々な質問方法を用いて、人間関係性に焦点を当てる

流れの中でそこしかないというタイミングにおいて控えめに働きかけ、クライアントにとっての新しい視点の開拓を促す

個人だけではなく、個人を含めた関係性を理解できるようになる

⑧問題発言や問題行動への対応
どのように間違いであるのかを指摘し、その発言や行動がどのような意味を持つのかに注目することを重視する

⑨自身の言葉と物語に寄り添う
症状やトラブルの内容を正誤判断するよりも、本人に何が起こったのか、どのような考えや感情体験があったのかを中心に対話する

上手く言語化出来なくても、本人の体験を否定せず、その場にいる人たちが共通して理解できるよう目指す

⑩専門職同士の会話(リフレクション)
オープンダイアローグには、医師や看護師、臨床心理士など複数の専門家などスタッフが同席する

専門職同士がクライアントや家族の前で会話し、本人がいない所で何かを決定することはない

⑪アイディアなどを、参加者の前で話し合う時間を取る
治療にかかわる会話の内容が、参加者全員に共有されるように、選択肢などの話し合いが、全員の前でなされるなど情報の透明性が重要視される

⑫答えのない不確かな状況に耐える

対話においても、危機的な状況や診断の結論を急がないことで、誤った判断や決断を避けることが目的

はっきり言って、全てを遵守するのはとても難しい道のりではあると感じますが、我々も出来得る中で継続した支援を実現していきたいと考えアップデートを繰り返しています。

対話の目的を忘れない

オープンダイアローグを用いる中で初心者が勘違いしたり、忘れてしまったりしやすい概念です。

この対話の目的を前提として忘れず接することで、問題解決の糸口が見つかる可能性や本人や家族や支援者の満足度も向上するでしょう。

対話の目的

  • 対話の目的は「変えること」「治すこと」「(何かを)決定すること」ではありません。
  • 対話を続け、広げ、深めることを目指しましょう。
  • 「議論」「説得」「説明」は対話のさまたげにしかならないことを理解しましょう。
  • クライアントの主観、本人が住んでいる世界をみんなで共有するイメージを大切にしましょう。
  • 「正しさ」や「客観的事実」のことはいったん忘れましょう。
  • 対話が安心・安全の場になることを大切にしましょう。

モラハラを解決するには、時に強く指導を行わなければいけない場面に直結します。

しかし、その中でも以上の前提は忘れないように支援しサポートを行っています。

また、「モラハラ被害者から加害者への加害された事実」と「変わることへの期待」と「正しさにはめて責めること」は混同しないように注意が必要であると考えています。

具体的な実践方法

オープンダイアローグの具体的な実践方法をご紹介します。

以下、オープンダイアローグを導入するにあたって、簡単な解説です。

カウンセリングの場だけでなく、社会や家庭内など様々な場面で活用できる方法ですので、ぜひ取り入れてみてください。

会議の進め方

  • 参加者全員が輪になって座る
  • スタッフの応答原則
  • 本人のいないところで決断しない
  • 不確かな状況に耐える
  • クライアントの言葉と非言語的反応に寄り添う
  • 質問(オープンクエスチョン)を中心に対話を促進
  • 話を遮らない、止めない(沈黙も含む)
  • 本人のことは本人が決める
  • 全員が安心して話せる雰囲気づくり

スタッフの役割

  • 対話を促進するファシリテーター
  • 参加者の発言を丁寧に聴く
  • 必要に応じて反射的な質問を投げかける
  • 対話の流れを見守る

期待される効果

  • 問題の多面的な理解
  • 新たな視点と解決策の発見
  • 参加者間の相互理解の深化
  • 当事者の自己決定力の強化

さまざまな活用シーン

  • 医療現場
  • 精神科医療
  • リハビリテーション
  • 慢性疾患の管理
  • 教育現場
  • 不登校サポート
  • いじめ問題への対応
  • 特別教育支援
  • 職場の問題解決
  • チームビルディング

カウンセリングマインドを実生活で取り入れるのは、ファシリテーターとなる人への負荷が非常に大きかったことが、今まで問題でした。

我々リジェネの場合だと、「モラハラ被害者だけが受講して加害者へと気付きを与えたいと考えている場合」「夫婦で受講しているが、あからさまに加害者側の取り組み意識が弱い場合」「夫婦間の言語化能力などの差が大きい場合」など、片側に負荷が掛かることが多く精神サポートをしても心が折れてしまうケースがありましたが、オープンダイアローグの方法を取り入れられた家庭の場合には大きく関係性が変化し、夫婦間の絆が深まったケースが多く見受けられます。

モラハラ解決と対話の重要性

リジェネでは、モラハラというものは、過剰なコントロール欲であると考えています。

過剰なコントロールというのは、例えば相手が理解出来ない行動をした時に、「責める、無視する」など相手を罰してでも自分の思う通りに行動させたくなる欲求や衝動を指します。

コントロール欲というのは、誰しも存在するもので、大切な人であればあるほどにコントロールしたくなってしまう時が増えると思います。
大切な人が問題行動を起こしていると自身が捉えた時に、「あなたの為だから」と行動や思考までもコントロールしたくなってしまうというのは、誰しもが経験したことがある感情だと思います。

また、されて嫌だと感じた経験がある方も多くいらっしゃるとも思います。

これを「期待・守る」という言葉に置換えると、より身近に感じる人も多くいるでしょう。

この気持ちの根底にあるのは、純粋な愛情であると私は思います。

表面的には失敗を叱責することであったとしても、根底にある一次感情を掘り起こしたら、存在するのは愛です。

モラハラという歪な愛ではあったとしても、相手が社会で上手くやっていけるのかという不安や、誰かに責められるまえに教育しないといけないという感情がそこにはあります。

だからと言って加害者を擁護する訳でも、正当化する訳でもありません。

だめなものはだめであるという考えは変わりません。

ただ、歪んでいても愛というものがあるのであれば、形を整えて再構築する道はないのかなと私は考えてサポートしています。

私たちは、モラハラを解決する時に、大切な人が理解できないことを前提として、相手の感情を否定するのではなく、その行動を止める必要があると「どうすれば理解出来るのか」を常に考えて支援しています。

他者性について

他者性の本質

フィンランドのダイアローグ開発者が「他人とは、最も親密な相手であっても、永遠に異質な存在」であると話しています。

これは、人それぞれの経験や価値観や感覚が、それぞれ完全に個別的なものだからです。
しかし現実には、特に親密な関係において、この「他者性」を受け入れることは困難です。

関係性が深ければ深いほどに、分かり合えていることや考えが同一であることを喜ぶ傾向にあるものです。

それは、共感してもらえることで、愛着感と安全を感じられますし、意見が同一であるという点から自己の正当性の確認もできます。

また、コミュニケーションコストの削減が出来ることで、結束感を感じられるというのもあるでしょう。

しかし、この傾向は多様性や批判的な思考の落ち込みにもなり得るため、意識的に異なる視点を受け入れる姿勢が重要です。

コントロールの誘惑


前項にも記述しましたが、大切な人に対して、純粋な愛情から相手をコントロールしようとすることが起こります。

  • 相手への深い心配
  • 安定した状態を考えたいという願い
  • 不確実な状況に対して不安など

相手をコントロールしたいという欲求と、相手を尊重して大切にしたいという思想は、矛盾していますが、愛という接着剤で繋がっていると私は捉えています。

介入の問題

例えば「親が受験先や就職先まで全て先回りして答えを出す」というのは、よくある家庭問題の一つとして処理されていますが、

  • 本人の自律性を損なう可能性がある
  • 愛情という名の抑圧により、緊張状態となる
  • モラルハラスメントに発展する危険性がある

という問題を示しています。

過干渉=過剰なコントロールであるということは認知しなければなりません。
重要なのは、相手の話に耳を傾け、対話をし続けることです。

完全に理解することは不可能でも、対話しながら関係性をうまく進めていくことが大切です。

これはモラハラ関係では難しいですが、関係を再構築を行う上で非常に大切なことです。

まとめ

いかがでしたか?

モラハラを解決するという言葉には、様々な要素が絡まっています。

  • 現状把握
  • 思考整理
  • 必要な知識のアドバイス
  • コミュニケーションエラーやトラブルパターンの分析
  • 自己分析・他者分析
  • その他

我々が主にしているのが、知識サポートとメンタル回復のサポートです。

逆に以下の部分では直接のサポートは出来ませんでした。

  • 弁護士による細やかな法的知識
  • FP(ファイナンシャルプランナー)による財産分与やペアローン等の金銭問題
  • 役所での児童手当や住民票の閲覧制限等の手続き
  • 警察によるDV・ストーカー被害者等への援助
  • 病院での必要に応じた投薬治療

しかし、今までの経験や知識が我々にも増えたことにより、相談先でのアドバイスやなるべくたらい回しにされない方法を模索してきました。

また、同じ志を持つ帯同してくれる仲間の存在も大きくご紹介できる先も徐々にではありますが、拡がりつつあります。

紹介料はいただきませんので、困ったことがありましたらまずはお気軽に相談してください。

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また、パートナーからのモラハラ被害で心身ともに疲れている方は、カサンドラ症候群になっている可能性がありますので下記のチェックリストも試して頂ければと思います。

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