子どもが不登校になりやすい親の特徴と改善すべきポイント
今回は子どもが不登校になりやすい親の特徴と改善すべきポイントを説明していきます。
これまでのモラハラ解決をする中で、夫婦問題(モラハラ)から機能不全家庭へ繋がり、長期化する不登校へと発展している状況をみてきました。
家族間のミスコミュニケーションが不登校と密接にかかわっており、長期化する不登校家庭の特徴が明らかになってきました。
リジェネに相談に来る方々の状況は、次のようなものがあります。
- お子さんの不登校が長期化している
- お子さんとのコミュニケーションが取りにくい状態にある
そして、基本的に相談に来るのはお母さん(母親)です。
お母さんに向けての記事となっていますが、子どもは母親だけでは生まれません。
離婚の危機になったとたんに父親だとか保護者だとかの権利を主張する前に、自身の無関心さに気付いてもらいたいものですが、今回はあえてこの話は割愛して一番近くで思い悩んで相談してくれる数の多いお母さんに向けて発信させていただきます。
親は「どうしたらいいのかわからない」「子どもを何とかして欲しい」といった悩みで相談に来られますが、根本的に長期化する不登校を解決するのは「学校に行かせること」ではありません。
最小単位である家族とのコミュニケーションが円滑に言っていない時点で、学校という社会に属するのは非常に困難なのです。
コミュニケーションが取りづらい状態とは、以下のような特徴です。
- お子さんとの会話量が少ない
- お子さんが心を閉ざしている
したがって、まずはお子さんの心を開かせるためのアプローチが必要です。
もくじ
- なぜ、お子さんは心を閉ざしてしまったのか?
- 親がありのままの自分を受け入れる必要性について
- 親自身が何に悩んでいるのかを明確にする
- 自責体質や過剰なポジティブシンキングを止める
- 「あなたのため」という想いの危険性について
- 出来事に付随する、感情を書き出す
- 出来事と感情を切り離して考える
- 心の境界線を作り、子どもと母親の問題を切り離す
- お子さんの願望や目標を知っていますか?
- お子さんの心を開かせて心のエネルギーを回復する方法
- まとめ
なぜ、お子さんは心を閉ざしてしまったのか?
次に、なぜお子さんが心を閉ざしたのかという理由について考えてみましょう。
お子さんの不登校の現状について、どのようにお考えですか?
不登校へのお母さんの想いの例
- なぜ子どもが学校に行かないのか理解できない
- ゲームは朝までできるのだから、学校くらい行けるだろう
- この子は、将来まともな大人になれるのだろうか
- 妹は学校に行けているのに、なぜこの子だけ行けないのか
- 隣近所に子どもの不登校がバレたら恥ずかしい
- 私の育児が悪かったのか?
- 不登校の原因を夫から責められるので、一日も早く復学して欲しい
お子さんの現状に対して、口には出さなくても、上記のようなネガティブで批判的な感情はないでしょうか?
そうした感情はお子さんにも伝わり、彼らが心を閉ざしてしまった要因の一つかもしれません。
たとえ笑顔でいても、心の中で不安や批判的な考えがあると、それが身体的な反応として現れることがあります。
例えば、あなたが笑顔でいても目が笑っていなかったり、声のトーンが上擦っていたりすると、お子さんはその違和感を感じるでしょう。
人は言葉では嘘をつくことができますが、心や身体は嘘をつけません。
だからこそ、心の中でお子さんに対して批判的な考えを持っている場合、それが表情や態度に反映され、お子さんにも伝わる可能性があるのです。
以上のような理由から、お子さんの不登校に対する考えや感情を真剣に受け止め、それらに対処することが大切です。
お子さんの気持ちに寄り添い、彼らと心を通わせることが、問題解決の第一歩となるでしょう。
笑顔でいるための母親向け講座や他のポジティブなアプローチを実践しても、実際には辛い状況や批判的な考えが心にある場合、ご自身の精神が持ちません。
また、お子さんはその違和感に確実に気付きます。
心と体は表裏一体で、表面上だけの取り繕いだけで本当の問題解決にはつながりません。
いくら笑顔でいても、心の中で「ゲームをする暇があるなら、さっさと学校に行きなさいよ」と思っているなら、その心のメッセージが子どもには伝わります。
人は言葉では嘘をつけますが、心や身体は嘘をつけません。
ゲシュタルト療法の創始者であるフレデリック・パールズもこのことを強調しています。
したがって、口角を上げていても、心の中で子どもに対して批判的な考えを抱いている場合、身体的な反応が現れます。
「笑顔が引きつっている」「目が全く笑っていない」「声のトーンが上擦っている」「拳を握りしめている」といった反応がそれです。
初対面の相手なら見逃されるかもしれませんが、家族であればその違和感はいつか露呈されます。
また、その違和感に気付いていないのは本人だけの場合がほとんどです。
勘違いして欲しくないのは、これはお母さんが悪いということではありません。
お母さんは、子どもの将来のことを心配して、親心で、その様な考えに至ったのは、我々は理解しています。
ただ、お子さんには、その親心が伝わっておらず、お母さんに対しては以下のような評価や捉え方をしていると思われます。
お子さんからのお母さんへの評価
- 自分のことを理解してくれない
- わかってくれない
- 頭ごなしに否定ばかりしてくる
ですので、この、ママへの評価とお子さんとの関係性を変えていく必要があるのです。
親がありのままの自分を受け入れる必要性について
まず、関係性を変えていくには、不登校が長引くお子さんの現状を受け入れることが必要です。
お子さんが不登校になり、その期間が長引くほど、心のエネルギーは減少していきます。
これは表面上は、お子さんは普通に食事をし、毎日8時間もゲームをしているのだから健康そうに見えるかもしれませんが、実際にはその生活が彼らにとって精一杯の可能性があります。
鬱や適応障害の時にお風呂に入れないし、家事も出来ないが楽しいことだけは出来るというケースがあります。
心が辛い時には、心の体力はほぼ残っていません。
その少ないゲージを、日常のタスクや苦手なことに割くのは難しいことです。
大人ならば、自分がやるしかないとか、いつかやらないといけないとか経験則がありますから、踏ん張る根性もありますが、子どもにとって不登校は先の見えない真っ暗な闇です。
つまり、毎朝、決まった時間に起きて学校に行き、授業を受けて、クラスメイトと会話をし、部活動にも参加し、宿題もするというエネルギーは、もはや残っていないのです。
そして、不登校が長引くにつれて、今まで普通にできていた、当たり前のことができない自分に対する自己嫌悪や焦り、不甲斐なさなども増幅されます。
また、お母さんだけでなく、お子さん自身も、このままではいけないという将来への不安は当然、理解しています。
しかし、やろうと思ってもできないし、やるまでに時間がかかるのです。
ゲームをしている間は、目の前の辛い現実から逃避できるので、没頭する これは、メンタルケアとして実はいい方法です。
こうした状況は、心のエネルギーが低下し、半ばうつ状態に近いと言えるので自然に自身が壊れない様にする回避行動でしょう。
このような心のエネルギーが低下している状態から回復するためには、まず、お母さんがお子さんのありのままを否定せずに受け入れ、理解者になるという関わり方が求められます。
ただ、お子さんのありのままを受け入れると言っても、具体的にどうすればいいのかという疑問が湧くと思います。
この点については、まずは、お母さん自身が自分のありのままを受け入れることが必要です。
これは、私たちカウンセラーの世界では最も求められる行動ですが、簡単に言うと、他人の話を否定せず、話の内容を良い悪いなどとジャッジせずに聴けるようになることです。
これを実現するには、まずは自分自身の良い面や悪い面を受け入れることが大切です。
そうすることで、他者やお子さんの良い面や悪い面も受け入れることができるようになります。
親自身が何に悩んでいるのかを明確にする
まずは、お母さんの頭の中の思考を整理する必要があります。
不登校のお子さんを持つお母さんは、基本的に夫が育児に非協力的で、モラハラを受けていることがあり、一人で問題を抱えていることが多く、慢性的な高ストレス状態にあります。
場合によっては不眠や自律神経に支障をきたしていることもあります。
また、我々の元に相談に来られたお母さんも、お子さん同様に抑うつ状態であり、所謂、カサンドラ症候群の状態にある方もいます。
感情の起伏が激しく、怒りの感情に捉われている方も多く見受けられます。
怒りの感情に捉われていると、冷静ではいられないため、ご自身が本当は何に悩んでいるのかを理解しておらず、何でもかんでもイライラするような状態に陥っている場合が多いです。
この怒りの感情から抜け出すためには、まず自分が何に悩んでいるのかを明確にする必要があります。
ですので、紙を一枚用意して、自分が何に悩んでいるのかを抑圧せずに書き出してみてください。
これは他人に見せるものではないので、思うままに書き出してくださいね。
例えば
お母さんの悩みの例
- 夫から「オマエの育て方が悪い」「いつになったら学校に行くんだ?」と責められるのが嫌だから早く再登校して欲しい
- この子の将来がどうなるのか心配で仕方がない
- 勉強の遅れを取り戻せるのかが心配
- 学校に行きたくない理由を話さないのがイライラする
- 毎日、朝までゲームばかりするのが腹が立つ
- 学校の先生に理由を報告するのがしんどい
- 隣近所に不登校のことがバレるのが嫌で落ち着かない
- 周囲には不登校の子どもなんて一人も居ないのに私の育て方が悪かったのか?と思ってしまう。
などです。
ここでは、まず、あなたが何について悩んでいるのか、怒っているのかを把握して下さいね。
自責体質や過剰なポジティブシンキングを止める
次に、不登校のお子さんを持つお母さんの傾向として、自責体質と過剰なポジティブシンキングの傾向が見られます。
これらは、モラハラ被害者とも共通する特徴です。
自責体質の例としては、以下のようなものが挙げられます。
自責体質の例
- 私の育て方が悪かった
- もっと愛情を持って育てれば良かった
- ちゃんと子どもに向き合えば良かった
など、自分自身を責めやすい傾向にあります。
また、過剰なポジティブシンキングの例であれば
過剰なポジティブシンキングの例
- 不登校の問題は私たちが乗り越えるべき試練なのだ
- この挫折を経験出来て良かった。今後はもっと良い人生になるはず
- 中卒でも社長になった人もいるし、きっと大丈夫
まず、自責体質についてですが、不登校の現状に対して「あなたは全く悪くありません」。
あなたは、お子さんの幸せを願って愛情を注いできて、日々頑張ってきたのですから、ご自身を責める必要は全くありません。
また、夫や義母などから「オマエの育て方が悪い」「あなたが、もっとしっかりしていれば、こんなことにはならなかった」といった言葉を真に受ける必要はありません。
そういう人たちに限って育児には非協力的であり、口だけで何も行動しないと思います。
ですから、一人で育児を頑張ってきたことに対して、まずはご自身を労り、誇りを持ってください。
また、過去の後悔にとらわれずに、今後はお子さんとご家族がどうすれば幸せになれるか、またどうすれば明るい未来を築けるかを一緒に考えませんか?
私たちは、全力でサポートさせていただきます。
また、過剰なポジティブシンキングの問題点は、本心ではなく、怒りや悲しみなどのネガティブな感情や本音に触れずに蓋をしてしまうことです。
これらのネガティブな感情に一切触れずに、無理にポジティブに考えようとすることが問題なのです。
例えば、いつも明るく元気な人が突然、うつ病や適応障害などを発症することがありますが、それらは自身のネガティブな感情を無視し続けた結果、それらの感情が抑え込めずに表面化したことが要因です。
このような状況に陥らないためにも、心を健康に保つためにも、自身の全ての感情を無視せずに受け入れることが必要です。
また、自己受容、ご自身のありのままを受け入れることとは、ネガティブな感情も含めて受け入れることでもあります。
次の章では「あなたのため」「子どものため」という想いの危険性について説明していきます。
「あなたのため」という想いの危険性について
例えば
あなたのための例
- お母さんが口うるさく言うのは、あなたのためなのよ
- 学校へ行かないと、将来、あなたが困るのよ
- YouTuberなんかで生活できる訳ないじゃない?あなたのためを想って言ってるのよ
- 友達と喧嘩ばかりしていたら、あなたが困るのよ
などですが、これらは一見、子ども想いの母親が、子どもの将来を案じているようなフレーズに聞こえますが、実は2つの危険性が隠れています。
まず、一点目は、無意識的に、子どもをコントロールしようとしている点です。
このお母さんは、自分の価値観だけを元に、子どもの意見をジャッジしている点です。
この「あなたのため」というフレーズが出る時は、母親自身が絶対的に正しいと想っている提案を、子どもが、すんなり受け入れなかった時に発動されます。
この「あなたのため」というフレーズが実に巧妙なのが、母親は子どものことを本当に心配して言っているのですが、その一方で、親心で言ってあげているのに、それに従わないのは「母親の親心に従わない親不幸ものだ」という罪悪感を子どもに無意識的に植え付けてコントロールしようとしている点です。
母親は、これらを無意識的に行なっている場合があるため、このフレーズが持つ、影響力について自覚する必要があります。
次に二点目ですが、「あなたのため」「子どものため」というフレーズは、実は母親自身の不安や恐怖を回避するため、つまり「自分のため」であることがほとんどです。
例えば、先ほどの事例に対して、母親自身が、どう思うのかを自分を主語に感情を掘り下げていけば、本音が出やすくなります。
- お母さんが口うるさく言うのは、あなたのためなのよ
- あなたが言うことを聞いてくれないと、私が夫から怒られるのが怖い。
- 学校へ行かないと、将来、あなたが困るのよ
- あなたが学校に行かないと、私が親戚中や友人達に非難されるのが嫌。
- YouTuberなんかで生活できる訳ないじゃない?あなたのためを想って言ってるのよ
- YouTuberで生活するなんて短絡的過ぎて、馬鹿げている。楽な方にばかり逃げないで。いい加減にして欲しい。
- 友達と喧嘩ばかりしていたら、あなたが困るのよ
- 後先考えずに喧嘩ばかりしていたら私が保護者に謝りに行かないといけなくなるから、本当に止めて欲しい。問題児とレッテルを貼られたら、困る。学校に行かないあなたは知らないだろうけど、私が冷たい視線を浴びせられるんだから、迷惑だ。いい加減にして欲しい。
などです。
もちろん、心底、親心でお子さんを心配していることもあるとは思いますが、
一度、ご自身の想いが、本当にお子さんのことを想ってなのか、もしくは、お母さん自身が恐怖や不安から回避するために言っているのかは見極められた方が良いとは思います。
ご自身の想いを掘り下げた時に、仮に、自分自身を守るために「あなたのため」というフレーズを使用していたとしても、責める必要はありません。
むしろ、その本音に気付けたことが、お子さんとの関係性を再構築する上で重要です。
次の章では、ご自身のネガティブな感情や本音と向き合うワークに取り組んでいただきます。
出来事に付随する、感情を書き出す
先ほどの「お母さん自身が何に悩んでいるのかを明確にする」で書き出した出来事を元に、感情など思ったことを書き出してください。
その際に先ほどのお伝えした
- 自分を責めること
- ポジティブシンキングをすること
- 「あなたのため」という想いを持つこと
は、全て厳禁です。
あくまでも、ご自身がどう思うか、特に怒りやネガティブな感情、罵詈雑言であっても、抑圧せずに書いてみてください。
例えば
- 夫から「オマエの育て方が悪い」「いつになったら学校に行くんだ?」と責められるのが嫌だから早く再登校して欲しい
- あなたが学校に行かないせいで、ずっと私が怒られる、いい加減にして欲しい。これ以上、私に迷惑をかけないで。いい加減、言うことを聞いてよ。
- この子の将来がどうなるのか心配で仕方がない
- 将来は一流大学に入って、大企業に就職するものだと思っていたのに、不登校なんてありえない。引きこもりなんかになったら、本当に人生詰んでると思う。
- 勉強の遅れを取り戻せるのかが心配
- 勉強ができないことはダメだ。今の時代、中卒だと、まともな就職が出来ない。ウチの家系は、みんな大卒だから、中卒なんてありえない。
- 学校に行きたくない理由を話さないのがイライラする
- あなたの問題なんだから理由を話さないとわからないだろ?理由がわからないから、こっちもどう扱ったらいいかわからないんだろ?もういい加減にしてよね。
- 毎日、朝までゲームばかりするのが腹が立つ
- 毎日、朝までゲームをしているから、朝、起きれないんだろ?そんな単純なことが何でわからないんだ?ゲームばかりしてたら、ろくな大人にならないぞ。
- 学校の先生に理由を報告するのがしんどい
- 毎日、報告する身にもなってよね?先生とも気まずいし、何で私が、こんなにしんどい思いをしなきゃならないのよ?
- 隣近所に不登校のことがバレるのが嫌で落ち着かない
- 私の周りに不登校の子なんて一人も居ないんだから、バレたら町内の恥でしかない。
などです。
ここでは、自分の中にあるネガティブな感情や本音を否定せず、受け入れることが重要です。
そうすることで、ありのままの自分自身を受容できるようになり、他人のネガティブな感情や異なる価値観にも受け入れの姿勢を持つことができるようになります。
出来事と感情を切り離して考える
次に行うのは、前の章で掘り下げた出来事と感情を切り離すワークです。
このワークの目的は、自分自身を客観的に見つめ、怒りの感情にとらわれずに、メンタルを安定させることです。
また、ネガティブな感情と出来事が常にセットになっていると、気分が沈んでしまい、場合によってはうつ状態に陥る可能性もあるため、それを回避することも目的としています。
出来事は客観的な事実ですが、その出来事に対する感情や捉え方は個々の人によって異なります。
実際、どのような感情を抱くのかは、人それぞれであり、正解はありません。
すべての感情が正しいと考えられます。
ここでは、出来事という客観的な事実と、それに伴う感情、これは心理学や認知行動療法では自動思考と呼ばれますが、これらを分離することで、出来事を客観的に見ることができるようになります。
例えば、先ほどの出来事であれば、
- 出来事:子どもが不登校になった
- 感情:まともな大人になるのか心配
- 出来事:子どもが学校に行きたくない理由を話さない
- 感情:理由を話さないから対処法がわからず困り、イライラする。
- 出来事:夫が育児に携わらないのに批判ばかりしてくる
- 感情:責められ過ぎてしんどく「なぜ私ばかり責められないといけないのか」と思う。
この出来事のみが事実であり、感情はお母さんが感じているものです。
この出来事について、私(母親)がどのように捉えているかを第三者の視点から見てみましょう。
例えば、子どもが不登校という出来事です。不登校は事実であり、私(母親)が感じているのは、子どもが将来、まともな大人になれるのか心配です。
この不登校という事実に着目すると、学校に行っていたのは子どもであり、不登校になったのも子どもであり、お母さんではありませんよね?
したがって、この問題は「お母さんの子どもの問題」ではありますが、「お母さんの問題」ではありません。これが明確になったと思います。
なぜ、お母さん自身の問題ではないのに、子どもの問題を自分ごとのように考えてしまうのかと言うと、それはお母さん自身に心の境界線がないためです。
次の章でこれについて詳しく説明します。
心の境界線を作り、子どもと母親の問題を切り離す
心の境界線をつくると聞くと見放すようで冷たく感じるかもしれませんが、決してそうではありません。
逆に心の境界線がない状態とは、自分と他人の間に明確な区別がない状態です。
これは、自分の領域と他者の領域が曖昧になり、特に子どもの場合、親が過度に介入してしまい、子どもの問題と親自身の問題を区別できなくなることがあります。
また、子どもが親の言うことを聞かなかったり、望む行動をとらなかったりすることで腹が立つ場合、子どもの領域に入り込んでしまいがちです。
ある意味で、所有物化してしまって自分の思い通りにコントロールできないことに不満を感じているかもしれません。
いくらご自身のお子さんであっても、彼らは個々の性格や人格を持っています。
この心の境界線が無い状態では、自他の区別がつかず、選択権を親に委ねる形になるので、結果的に支配的な関係が形成されていると考えられます。
したがって、彼らの意見や感情は尊重されるべきで、選択権は本人にあります。
また、自分の領域と相手の領域を区別することは、尊重であり足りない部分を認識することで自己成長に繋がります。
選択には責任が発生しますが、子どもは未成熟で未知のものがたくさんありますが、未知のものでも教えて選択肢を広げてあげることが大人の役割です。
子どもは未熟で当たり前ですから、責任の説明をして選択権は子に与え見守り、適宜フォローする これが親の愛ではないかと思います。
ちなみに、心の境界線を作る方法は様々ありますが、ここでは、相手には相手の意見があり、それらを尊重することだと覚えてください。
お子さんの願望や目標を知っていますか?
将来、お子さんにどうなって欲しいなどの願望や目標はありますか?
例えば、不登校の現状に関しては、「お子さんが1日も早く再登校して、学校生活を取り戻してほしい」という願望があるかもしれません。
また「お子さんが医学部に進学し、立派なお医者さんになってほしい」という夢もあるかもしれません。
さらに「お子さんが一流大学に進学し、一流企業で活躍してほしい」という期待も考えられます。
ちなみに、これらの願望や目標は誰が立てていますか?
お母さんでしょうか? それともご両親の願望でしょうか?
少なくとも、お子さん自身の願望ではないと考えられます。
それは、お子さんやご家族、全ての願望が一致していれば、恐らくですが、仮に不登校にはなっても、コミュニケーションが取れない状態にはなっていないからです。
また、家族全体が同じ方向を向いていれば、お子さんが不登校になっても、この難局を家族全員が協力して乗り越えようとするからです。
ちなみに、お子さんの願望や目標はご存じでしょうか?
ここで知っているという方は、お子さんとコミュニケーションが取れているお母さんだと思います。
ちなみに、その目標や願望は、お母さんや両親の願望と一致していますか?
一致しているのであれば、とても素晴らしいことであり、全く問題はないと思います。
ただ、冒頭でもお伝えした通り、お子さんの不登校が長期化し、コミュニケーションが取りづらい状況では、日常会話もままならず、将来の目標などの深い会話をするまでには至っていないのではないでしょうか?
また、お子さんに対しての目標や願望が明確でないお母さんは、一度、ご自身がお子さんに何を求めているのかを、出来るだけ明確に考えてみてください。
お子さんの心を開かせて心のエネルギーを回復する方法
ちなみに、お子さんの目標や願望と、親御さんがお子さんに求める目標や願望が一致しないのは、単に、お子さんの話を聴けていないからです。
こうお伝えすると、多くの場合、不登校に至る前は普通に会話していたし、問題もなかったと語る親御さんが多いです。
実際には、親御さんとの会話やコミュニケーションパターンを見直すことで、無意識的にお子さんの心を閉じさせるような関わり方をしている場合がほとんどです。
では、何がお子さんの心を閉じさせるきっかけになったのかを説明していきます。
我々、カウンセラーは、話を聴くプロでありますが、相手に話をさせるプロでもあります。
その中で、カウンセラーがしてはいけない禁止事項、NG項目がいくつかありますので、説明していきます。
カウンセラーのNG項目
- 相手の話を遮る
- 相手の話を否定や訂正をする
- 求められていないのに助言をする
その他にもありますが、大体、これらをすると相手からは「話を聴いて貰えていない」「わかってくれない」と思われます。
これらの行動は、一般の方は無意識的にしています。
ちなみに、上記の3つのNGを止めていくと、相手からは以下の印象を持たれます。
NG行動を止めることでの相手から持たれる印象
- 自分のことをわかってくれる
- 自分のことを認めてくれている
- もっと話を聴いて欲しい
例えば、親子間でよくある会話として、雑談は普通に行われます。
進路や勉強、将来のことなどの深い話題になると、途端に親側が聞いていられなくなり、結果的に「そんなのじゃダメよ」と助言や否定をすることがあります。
このようなジャッジや否定を受けると、子どもに限らず、人は話す気力を失いがちです。
さらに、お子さんからは「わかってくれない」「上から目線で言われるから嫌だ」といった感情が生じます。
人は誰しもが自分のことを理解されたいと願う生き物です。
それは、たとえ社会的に間違ったことを言っていようとも、ありのままの自分を理解してもらいたいという本能的な欲求です。
したがって、お子さんの心を開かせるためには、一人の人間として相手を理解し、尊重する姿勢が不可欠です。
また、お子さんの発言に対して意見を述べたい場合は、お子さんの発言を「あなたは、そう思うんだね」と一旦受け入れた上で、「ママはこう思うんだけど」「その道に進むと、結構苦労すると思うけど、それでもやりたいなら一緒に調べてみようか」などと返答すると、お子さんは自分の意見が尊重されていると感じるでしょう。
また、お母さんによっては、うちの子は全く自分の意見を言わないという方もおられますが、その場合は、お子さんが口下手というケースよりも、お母さんが会話のほとんどを早口で話しているパターンがほとんどです。
子どもが何か言っても、すぐに会話を遮ったり否定するので子どもが話せない状況になっているケースが多いです。
ですので、今後、お子さんと関わる時は、先ほどのNG項目に注意しながら、発話が無くても急かさずに、焦らさずに、お子さんの理解者になるという関わり方で接してくださいね。
まとめ
今回も、かなり長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。
今回の記事を活用して頂き、お子さんの不登校が1日も早く改善され、お子さんやご家族全体に笑顔の日々が戻ることを切に願っております。
今回のワーク自体は、不登校の本講座でも使用するもののため、ブログ用で端折ってしまった部分もあるため、不明点がありましたら、LINEから連絡をして頂ければと思います。
あなたが一日でも早く、その苦しみから解放され、少しでも生きやすくなるために、私たちリジェネはサポートさせていただきます。
一人で抱え込まずに、まずは気軽にご相談してくださいね。
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