元モラハラ加害者の修行日記を始めます
今回から「元モラハラ加害者の修行日記」という新しい企画を始める。
これまでリジェネの記事は専門的で具体的な内容を書いてきたが、「長すぎて読めない」「堅苦しい」という声も多かった。
そこで、元モラハラ加害者である私が日々感じることや葛藤を率直に書いていくことにした。
いつもと文体が変わっていると思う人もいるだろうが、こっちが素の私である。
加害者のリアルな思考や感情を知ることで、あなた自身の加害性の変容や、パートナーの理解に役立てば幸いだ。
なぜこの企画を始めるのか
我々リジェネの記事は、モラハラ解決や問題解決に特化した内容を、具体的な事例を元に200記事ほど書いている。
しかし、詳しく書くが故に「記事が長すぎて読めない」という声も多い。
また、初回の無料相談では「記事の印象と実際に話してみた印象にギャップがある」と言われることが多い。
どうやら記事が堅苦しい印象を与えているようだ。
我々が扱うハラスメントという分野上、堅くなるのはある程度仕方ない。
それでも、血も涙もない人間ではなく、泥臭い人間だということくらいは伝えても良いだろう。
そう思い、この企画を始めることにした。
もくじ
- モラハラは治るのか?
- 私の13年間の変容
- 加害者変容で最も重要なこと
- このシリーズの目的
- 朝5時、牛丼チェーンでの不快な接客
- コンビニでも最悪の接客
- 音楽フェスでの入場制限トラブル
- 怒りの分析:牛丼チェーンの件
- 客観視をして一次感情を理解する
- 音楽フェスの件も客観視してみる
- 以前より怒りの消化が早くなった
- まとめ
モラハラは治るのか?
私は元モラハラ加害者であり、ASDとADHDの混合型、いわゆる発達障害である。
取材でよく聞かれるのが「モラハラは治るのか?」「発達障害は治るのか?」という質問だ。
これに対して、私はいつも「明確に治るものではない」と答える。
煙に巻こうとしているわけではない。
0か100、白か黒のように明確なものではないからだ。
私の感覚では、怒りのマグマのゲージが以前は100だったとしたら、それが30や20に抑えられるようになったイメージである。
また、キレるポイント、いわゆる地雷が以前30個あったとしたら、10個や5個に減っていく感覚だ。
完全に怒りのゲージがゼロになったり、地雷がゼロになることはない。
聖人君子や僧侶のような境地には到達しないと思う。
元がキレやすい体質だからだ。
逆に言えば、元モラハラ加害者が「自分は全くキレなくなった」「怒ることがほぼ無くなった」と言う方が危険だと思う。
人間には喜怒哀楽という感情が標準装備されている。
穏やかな女性であっても、表面上は笑顔でも内心ではムカついていることがあるはずだ。
ただ、それを外に出すか出さないかの違いであって、自分の中にあるイライラの存在を認めていないだけなのである。
私の13年間の変容
私は2009年からカウンセラーとして活動しており、妻と結婚してから13年目になる。
新婚当初は激務で許容量オーバー、常に高ストレス状態でイライラしていた。
いつも不機嫌で、不機嫌オーラを撒き散らしていた。
そこから自分の行いを省みるようになり、アンガーマネジメントで自分のキレるポイントを理解したり、バウンダリー(境界線)の概念を学び、感情日記をつけることで、メンタルはかなり安定してきた。
ただ、これも万能ではない。
イライラする出来事だけでなく、体調不良や仕事のストレスなど複合的な要因が重なると、普段よりイラつくハードルは下がりやすくなる。
加害者変容で最も重要なこと
加害者変容で最も重要なのは、自分の感情や本音、キレるポイントやパターンを理解することだ。
そのために欠かせないのが、感情日記をつけること、最近の言葉で言えばジャーナリングである。
私は以前、毎朝ノートに2ページ分、その日の感情を書き綴っていた。
ここ3年ほどは、自己理解がある程度できて言語化能力も上がったため、毎日ではないが1、2日置きに5分程度は続けている。
現在は紙に書き出す方法と、一人で車にいる時に自分と対話する方法を使っている。
そうすることで思考と感情が整理され、仕事のアイデアも浮かぶようになる。
ジャーナリングについては以前の記事でも説明したが、人間は頭の中だけで考えていると、ずっとそのことに容量を取られてPCのフリーズ状態になる。
外に出すことで脳の負担を減らせる。
容量が空けば、新しい情報を入れたり、アイデアを考えるエネルギーも使えるようになる。
このシリーズの目的
結局、何が言いたいかというと、このシリーズでは私自身が日々思うことや日記に書いている内容を公開することで、加害者のリアルな思考や感情を理解してもらいたい。
それがあなた自身の加害性の変容や、パートナーの思考・感情の理解に役立てば幸いだ。
ASDやADHDなどの発達障害の思考理解にも繋がると思う。
ただし注意点がある。
書く内容は自分の感情を抑圧せずに書くため、負の感情や罵詈雑言など生々しいものも多い。
それが不快な人は読まない方が良い。
また、私の発言を自分の夫と重ね合わせて怒りが爆発しそうな人も、読まない方が良いだろう。
この「元モラハラ加害者の修行日記」は今後も続けていく。
ある一定層からのニーズがあると私は思うからだ。
朝5時、牛丼チェーンでの不快な接客
この日は晩御飯も食べずに早く寝すぎたため、朝4時に起きてしまった。
腹が減ったので、ある牛丼チェーンに向かった。
この店舗はAM2時〜5時が閉店時間で、5時05分に入店しようとした。
看板の電気もついていなかったため恐る恐る入ると、中に50代くらいの男性客がいた。
大丈夫だと思い入店したが、年配の女性店員が1人いるだけで「いらっしゃいませ」も言わない。
席の案内もないので適当に座った。
一人で忙しいのだろうかと思った。
タッチパネルで注文し、10分ほどで店員が商品を持ってきた。
何も言わず、少し強めに商品を置いた。
この態度はない。
次に入ってきた客にも「いらっしゃいませ」を言わない。
失礼な態度だと思った。
接客業としてありえない。
他の店舗ではこんな対応をされたことがない。
朝から本当に不快だ。
怒りがじわじわ込み上げてきたが、グッと堪えてさっさと食べて出た。
会計で「840円です」とだけボソッと言った。
初めて声を聞いた。
話せるなら「いらっしゃいませ」も「ありがとうございました」くらい言えないのか。
そう思ったが何も言わず、イライラしながら店を出た。

これも、定期的に怒ってるエピソードだね
接客に対してキレるの好きだな。この人。
わたしは飲食業界にいたので、安いの理由を先に考えちゃう
早く出てくる&均一した品質以外の提供を削いでいるから安い
そういったコンセプトなんです
ご理解くださいね。クレーマー様。
コンビニでも最悪の接客
次にコンビニでアイスコーヒーを購入した。
20代後半の男性店員の態度も最悪だった。
コーヒーMが240円だと分かっていたが、店員は値段も言わず私のPayPayバーコードを無言でスキャンした。
「ありがとうございました」も何も言わない。
何だその態度は。
ナメているのか。
2件続けての不当な接客で、イライラはマックスだった。

ほんまにガチで、どこにイラつくのか
いくら聞いても分からなさすぎて、おもろい
音楽フェスでの入場制限トラブル
午後から音楽フェスの会場に向かった。
お目当てのアーティストがいるため、開演15分前にチケットを持って到着した。
ところが入場制限がかかり、40分も並ばされた。
入場できた頃にはラスト3曲しか聞けず、お目当ての曲も聞けなかった。
私の前にはチケットを持っていない人も並んでいた。
フェスの運営にもかなり憤りを感じた。
妻も「もう帰ろうよ」「私は⚪︎⚪︎見たくないし」とイライラを前面に出してきた。
私のイライラもMAXになった。
運営からは謝罪も一切ない。
物凄く理不尽だと思った。
今までのどのフェスよりも運営がまともにできておらず、本当に最低最悪のフェスだった。
朝からの出来事が重なり、かなりムカついた。
以前なら運営に文句を言っていただろうが、それも堪えて何とか乗り切った。

全く怒っていないのにイライラしていたと認知していたんだとびっくり
こういうのあるよね…「お前が先にイライラしたからだろ!」って因縁つけられるやつ…こっわ(ドン引き)
静かにキレているのが分かっていたのと、こういう時に「その場を離れる」という選択肢を取れない性格だと分かっているから離脱させようと思っての発言でした
あと、このフェスには私が見たい人は、ひとりも出ていませんので、はじめから「夫の推し活に付き合う」という想定でした
怒りの分析:牛丼チェーンの件
嫌なことが3つ重なると、怒りが何乗にも倍増する。
一つ一つの出来事を振り返って分析していく。
まず牛丼チェーンでの無言対応である。
自分はどうして欲しかったのか?
入店時に「いらっしゃいませ」、会計時に「ありがとうございました」、商品提供時に「お待たせしました」という言葉が欲しかった。
それらは自分の中で、接客業として当たり前のルールとして存在している。
私は飲食店の接客経験はないが、長年公的機関で窓口対応をしていた。
丁寧な接客を心がけ、クレームを言われたことは一度もない。
プロならお金を貰っている以上、それくらいは当たり前だと思っている。
これが私の中のマイルールであり、法律だ。
これをやらない人は、プロとして失格であり、対人折衝能力が低い人と認定される。
この行為は職務怠慢だなどと、次々と相手を責め立てる言葉や正論が矢継ぎ早に出てくる。
客観視をして一次感情を理解する
でも、この怒りが二次感情だというのは頭では理解している。
根底に一次感情があることも分かっている。
「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」と言われないことで、私は「軽く扱われた」「バカにされている」「大事にされなかった」と感じた。
この一次感情、自動思考が発動し、傷つけられたと捉えた。
期待していた行動を相手が取らなかったという失望も相まって、それが消化できずに怒りという二次感情が発動した。
冷静な今ならそう理解できる。
次に客観的に見てみる。
あの女性店員は「軽く扱ってやろう」「バカにしてやろう」と意図的にあの行動を取ったのか?
真実は本人に聞かないと分からないが、第三者目線で見るとワンオペで調理もレジも配膳も後片付けもしなければならず、余裕がないのは理解できる。
私だけでなく全ての客に同じ対応だったので、私だけを狙った態度ではない。
会計時の「840円です」というボソボソした声からも、接客が得意ではなさそうだ。
客観的に見ると、私を攻撃したり嫌がらせをしようとしたわけではないと思える。
単に不器用な人なのかもしれない。
一歩下がって客観的に見ると、自分の偏った思い込みによる勝手な怒りの発動だと理解できる。
音楽フェスの件も客観視してみる
音楽フェスの運営についても考えてみる。
まずチケット代を払っているのにライブを見せてくれないという理不尽さがある。
また、チケットを持ってない人の方が並ばずに良い場所で見ているという不公平感もある。
一次感情で掘り下げると、すぐそばにお目当てのアーティストがいるのに見せてくれないという、意地悪や嫌がらせをされている感覚がある。
それに対して謝罪もない不誠実さへの怒りが湧く。
「客を軽く見ている」「バカにしている」という自動思考が出てくる。
しかし運営を客観的に見ると、いつも行く有名なフェスとは違う。
スタッフの人員が少ない、導線ができていない、誘導のアナウンスもない。
運営がど素人感満載だ。
チケットの販売実数と定員数の把握ができていない。
人数制限をしているのに当日券を販売している。
これでは会場に入れないのも当然の結果だ。
今なら理解できるが、並んでいる最中はここまで冷静にはいられない。
以前より怒りの消化が早くなった
以前はこれらの怒りがかなり強く、中々消化できずに不快感マックスで過ごしていた。
しかし現在は当日中に消化できるようになった。
こうやって自分の感情を言語化したり客観視したりして処理している。
ただ、コンビニの店員についてはいくら想像しても腑に落ちない。
もうあのコンビニには行かないという選択を取ろうと思う。
【この記事を書いた人】
経験と専門性
- 夫婦でモラハラの問題を克服した専門家
- ASD・ADHDの混合型診断済み
- モラハラ加害者としての更生を実現
- 週刊文春オンラインでの3記事の連載で加害者心理と更生過程を完全公開
臨床経験(2010年〜)
カウンセラーとして幅広い支援経験
- 公的機関での生活保護・生活困窮者自立支援
- 福祉施設での精神疾患・発達障害者支援
- うつ病の方の復職支援
- 元受刑者・薬物依存者への更生支援
- ひとり親・DV被害者相談
- 企業内パワハラ相談
- 自助グループ・セミナー開催
メディア掲載実績
新聞・雑誌掲載
- 週刊文春オンライン(2024年11月 3記事連載)
- 産経新聞(2021年9月)
- 神戸新聞 まいどなニュース(2021年3月)
- 中日新聞 ねぇねぇちょっと特別編(2021年12月)
- ウレぴあ総研 ハピママ(2023年7月 3記事掲載)
テレビ・ラジオ出演
- NHK「ほっと関西」(2021年11月出演)
- KBS京都「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」(2021年9月出演)
全国11媒体でモラハラ解決の専門家として紹介
モラハラの問題で苦しんでおられる方々の少しでも力になりたいと思っています。
まとめ
これが私のある一日の感情日記の内容である。
13年前と比べると、これでも怒りやイライラは減った方だ。
ただADHDやASDの特性もあり、イライラすることが重なると処理しきれなくなる。
でもこれは自分の中の感情処理過程であり、極力妻には不機嫌オーラを出さないようにはできている。
また、これは私だけが頑張っているという話ではない。
妻もある程度は私の性質を理解した上で対処や協力してくれている。
これらの相互作用により、私自身の感情の処理速度も上がってきたと思う。
何が言いたいかというと、イライラすること自体は決して悪いことではないということだ。
その次の処理やアウトプットの方法が大事なのである。
それが一番現実的な対応だと思う。
また、対処法の引き出しはたくさんあった方が、その事案にあった対応もできるようになる。
こんな風に、今後も不定期で私の感情や思考を言語化し、モラハラ加害者の思考や認知の理解に役立てて頂ければ幸いである。
モラハラで苦しんでいるあなたへ
私たち夫婦も、かつては離婚寸前まで追い込まれました。
しかし諦めずに夫婦で協力し、モラハラの問題と真正面から向き合い、解決することができました。
現在は幸せに暮らしています。
すぐに離婚だと諦めないでください。解決への道は必ずあります。
私たちがどのようにして危機を乗り越えたのか、被害者妻と加害者夫の両方の目線でリアルに書いています。
被害者の視点から学ぶ
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