モラハラ夫は反省・更生するのか?2025年まとめ
「夫に心から反省してほしい」「真人間になってほしい」モラハラ被害を受けている多くの方が、こんな気持ちを抱いていませんか?理不尽な暴言や人格否定を受け続けていると、「せめて謝ってほしい」「自分の間違いを認めてほしい」と思うのは当然のことです。
しかし、現実はとても厳しいものです。
モラハラ夫が心から反省し、人格が変わることはほとんど期待できません。
ただし、ここで諦める必要はありません。
反省や更生は難しくても、あなたと子どもへのモラハラ攻撃を減らし、止めることは可能だからです。
この記事では、なぜモラハラ夫は反省できないのか、なぜ被害者は反省を期待してしまうのか、そして現実的にモラハラ被害を減らすための方法について、2500件超の相談実績と自身の体験をもとに解説します。
根本的な解決を目指す方へ
私自身、ASD・ADHD混合型で診断済みであり、夫婦でモラハラの問題を克服した専門家です。
2024年11月に週刊文春オンラインで3回連載され、NHKや産経新聞など全国11媒体で紹介されました。
私たち夫婦も新婚時にはモラハラ加害者と被害者になってしまいましたが、夫婦で協力してモラハラを克服しました。
この記事の対処法も参考になりますが、根本的な解決には、なぜモラハラが起きるのか、どう克服したのかを知ることがはるかに重要です。
週刊文春オンラインでも掲載された実体験をまずはお読みください。
被害者の視点から学ぶ
これらを読んでから戻ってきていただくと、より深く理解できるはずです。
10年間で2500件超のモラハラ相談を解決してきた専門家として、現実的で効果的な対処法を解説します。
もくじ
- モラハラ夫は反省・更生するのか?
- モラハラ夫が反省できない理由
- 認知が歪んでいる
- 被害者意識が強すぎる
- 発達障害による特性
- パーソナリティ障害による特性
- 自称モラハラ被害者・自称HSPの問題
- 「反省している」「変わる」という発言が信用できない理由
- なぜ被害者は「反省してほしい」と思うのか
- 被害者が加害者に期待してしまう理由
- 被害者特有の「モラハラ耐性」と「性善説」
- 加害者の変化を待つより、今できる現実的な対処へ
- 具体的な対処法について
- まとめ
モラハラ夫は反省・更生するのか?
まず現実をお伝えします。
当相談所のデータでは、被害者側から「夫にモラハラ加害者体質改善講座を受けてほしい」と相談があった場合、加害者が実際に連絡してくる割合は約7割です。
しかし、この7割の中でも
- 自発的に連絡してくる人:約2割(改善度は高い)
- 被害者に言われて渋々連絡する人:約5割
- 連絡すらしない人:約3割
さらに問題なのは、連絡してきた人の1割は下記の状態のため、講座の受講には至りません。
- 怒りすぎて会話にならない
- 支離滅裂で論理の破綻に気づいていない
- 自分の正当性ばかり主張する
モラハラ夫が反省できない理由
次に、モラ夫が反省できない理由を説明していきます。
認知が歪んでいる
モラハラ加害者の多くは、本気で「自分は何も悪いことをしていない」と思っています。
モラハラ加害者に多い言い分
- 「妻のためを思って指導している」
- 「俺は家族を愛している良い夫だ」
- 「妻の捉え方がおかしい・被害妄想が強い」
このように、あくまでも自分には非がないし悪意は全くないという主張を行います。
被害者意識が強すぎる
また、多くの加害者は、本心では自分こそが被害者だと思っています。
発言の事例
- 「妻が子どもを連れて勝手に出て行った」
- 「俺がこんなに家族を思っているのに理解しない」
- 「妻の方こそ俺を傷つけている」
これらの主張から、自分こそが被害者だと言い張ります。
発達障害による特性
反省や謝罪をしないケースには、発達障害の特性が関係している場合があります。
ちなみに令和4年の厚生労働省発表によると、発達障害と診断された人の数は全国で約87万人、さらに潜在的には800万人が該当するとされており、年々増加しています。
パートナーの特性を理解することで、夫の行動パターンを予測しやすくなり、適切な対処法を選択できるようになります。
加えて診断基準を満たさないものの、その傾向が見られる人は「グレーゾーン」と呼ばれます。
ASDの特徴
- 空気が読めず、相手の気持ちがわからない
- 物事の重大さがわからないため、謝るに値しないと思っている
- 自分のルールが正しいと思っているため、間違っているという認識がない
- 「思ったことを率直に言っただけなのに、何が悪いのか?」という認識を持つ
- 本当のことを言うのがなぜ悪いのかが理解できない
- 本当のことを言うのが相手のためだと思っているケースもある
- 注意されたことを全否定と捉えてキレてしまう
- 幼少期から怒られることが多かったため、謝ることに抵抗がある
- 些細な指摘でも自己否定と感じて攻撃的になることがある
- 極端な白黒思考に陥りやすく「謝ることは負けだ」といった歪んだ認知を持つ
ADHDの特徴
- 形式上は謝罪するが、集中力がなく話をちゃんと聞いていない。何を反省すれば良いのかを理解していない
- 短期記憶の容量が少ないので怒られた内容を覚えていない
- 怒られるとパニックになり頭が真っ白になる。そのため内容を覚えていない
- 改善点を言われた時に衝動的に返事をする。返事をしたことを覚えていない
- 先延ばしぐせがあるため、結果的に行動改善をしない
- 怒られた時に言い分はあるがパニックで反論できない。本人は納得していないため行動改善をしない
- 衝動性が強く目の前の欲求に反応してしまう。自分を律することができず行動改善ができない
尊大型ASD:自己愛性パーソナリティ併発
- 特権意識や異常なプライドの高さがある
- 物事を勝ち負けとしか思えず、謝ったら負けを認めたことになるから謝れない
- 人に対して謝る行為を「恥をかく行為」「負けを認める行為」と捉える傾向がある
- 自分自身が賞賛されることはあっても非難されることが受け入れられない
パーソナリティ障害による特性
パーソナリティ障害を持つ加害者は、平気で嘘をつき、罪悪感を感じない特性があります。
自己愛性パーソナリティ障害の特徴
- 過度な自己愛と他者への共感の欠如が特徴
- プライドが非常に高く、批判を受け入れることができない
- 常に他人からの賞賛を求め、自分が特別な存在だと信じている
- 自分の非を認められず、虚言で自分を取り繕う傾向がある
- 「君のためを思って言っている」などの上から目線の発言が特徴的
反社会性パーソナリティ障害の特徴
- 社会のルールを無視し、他人の権利を侵害する行動パターンが特徴
- 良心の欠如、他者を騙してでも自分の利益を守ろうとする
- 法的な問題を起こすことが多く、罪悪感をほとんど感じない
- 他者を傷つけたり虐待したりしても後悔の念がなく、そのような行為を正当化する
- 悪意ある嘘を平然とつく(相手を陥れるための意図的な嘘)
このような特性を持つ加害者は、悪事を働いても全く罪悪感を感じず、むしろ自分を正当化し続けます。そのため、真の反省は期待できません。
自己愛性パーソナリティ障害について知りたい方はコチラ
反社会性パーソナリティ障害について知りたい方はコチラ
自称モラハラ被害者・自称HSPの問題
近年増加している「自称被害者」や「自称HSP」を名乗るモラハラ加害者は、特に謝罪や反省を避ける傾向があります。
自称被害者の特徴
- 「私は悪くない」「私は間違っていない」というフレーズを多用する
- 自分の非は一切ないと断言する
- 100%他責である
- 自身の問題には一切向き合わず「相手が全て悪い」「相手が変わるべきだ」と一方的に相手を責め続ける
- 少し指摘されただけでも「私が悪いと言うことでしょうか!?」と反論し、怒りを示す
自称HSPの特徴
- 自分の非を認めない。時間に遅刻したり、約束を守らなかったりしても「私はHSPなんで、ちゃんと言ってくれないとわからない」「HSPだからキツイ言い方はしないでほしい」と、HSPを言い訳の材料に使い、謝罪をしなくてよい免罪符として利用する
- 指摘や注意をされると「私は繊細だからその発言に傷ついた」と主張し、問題をすり替える
- 自身の落ち度に対して謝罪もせず、その責任を全てHSPのせいにする
これらの「自称○○」を名乗る加害者は、被害者という立場を利用することで誰からも非難されないという自覚があり、真の反省や謝罪を避け続けます。
「反省している」「変わる」という発言が信用できない理由
特に多いのが、妻に別居されて離婚を切り出されると、多くのモラハラ夫がこんなことを言うケースです。
モラ夫に多い謝罪のフレーズ
- 「もう二度としない」
- 「俺が悪かった、反省している」
- 「カウンセリングに通うから」
- 「本当に変わるから、チャンスをください」
時には涙を流しながら言う加害者もいますが、これらの発言を鵜呑みにするのは、かなり危険です。
というのも、多くのモラハラ加害者に共通しているのが、我々には愛想が良く、いかにも反省しているような発言をスラスラ言うことです。
我々への形式上の謝罪のフレーズ
- 「本当に申し訳なく思っている」
- 「私のせいで大切な家族を傷つけた」
- 「人生の課題と思って自分の加害性と向き合う」
しかし、実際の行動を見ると
モラ夫の実際の行動
- プログラムのワークや宿題をしない
- 具体的な改善行動は何一つ起こさない
- 「こんなの受講して何の意味があるんだ?」と妻に愚痴を言う
そのため、我々は言葉を一切鵜呑みにはせず、行動改善するかどうかのみを見ています。
また、夫婦で講座を受講しているケースでは、我々への不満や愚痴を被害者である妻に対して言っているケースが多々あります。
そうした報告を聞いた場合は、本人に「不満があるなら、直接お話しください」とお伝えします。
すると、物凄く慌てて下記の発言をします。
モラ夫の言い訳の事例
- 「そんなつもりでは言っていない」
- 「妻が勘違いしている」
- 「取り違えている」
これは被害者の方にもお伝えしていることですが、人間は言葉ではいくらでも嘘をつけるため、モラ夫の言う耳障りの良い言葉、調子の良い言葉を鵜呑みにしないでくださいとお伝えしています。
あくまでも、反省をしていると主張するならば、その発言に伴う行動改善をするかどうかを指標として判断してくださいとお伝えしています。
なぜ被害者は「反省してほしい」と思うのか
ここでは、敢えて被害者体質特有の問題にも切り込んでいきます。
この思考には正義感や「結婚前のような優しい夫に戻って欲しい」といった期待も込められていると思いますが、この問題の本質は、もっと別の部分にあります。
被害者と加害者の根本的な違い
まず、各体質の特徴は以下の通りです。
被害者体質の特徴
- 自責の体質(何かあると自分を責める)
- 内省する習慣がある
- 自分が悪いことをしたら反省し、行動を改める
加害者体質の特徴
- 他責の体質(何かあると相手を責める)
- 内省をしない
- 自分の非を認めることがない
上記のように真逆の体質でありながら、モラハラ被害者は加害者に対して「反省して欲しい」「更生して欲しい」と期待します。
これは、言うなればモラハラ加害者は「頑張ったら反省できる」と思っているのと同義だと思うのですが、これは根本的に間違っています。
「頑張っても反省できない人」というのは確実に存在するのです。
では、なぜこのような思考が被害者から出てくるのかを考察していきます。
被害者が加害者に期待してしまう理由
再度お伝えしますが、モラハラ被害者は自責の体質であり、自分自身がモラハラ被害者体質のため「相手も自分と同じように反省できるはず」と思ってしまいます。
しかし、モラハラ加害者は他責の体質のため、内省もしないし、反省することもありません。
この根本的な違いを理解していないと、永遠に期待し続けることになります。
また、この点を見落としがちですが、自分と他人の心の境界線がないのは、加害者だけではなく被害者にも同じ傾向があります。
その理由は、幼少期から毒母などに所有物のように扱われ、境界線への侵入を許してきたためです。
現在もモラ夫に同様の侵入を許してしまっています。
この傾向により、被害者には自他の境界という概念が乏しく「モラ夫も自分と同じように内省や反省ができるはず」と期待してしまうのです。
一見、この考え方は良いことのように思えますが、客観的に見ると問題があります。
モラ夫と自分は別の人間であり、別の価値観を持っているという概念が抜けているのです。
また、モラ夫の価値観を理解しようとする視点も欠けています。
そのため、まず自他の境界線をはっきりさせることから始める必要があるのです。
加害者特有の「反省したフリ」とは
ただし、加害者自身も人生を生き抜いていくために「反省したフリ」はできます。
これは幼少期からモラ父からDVやモラハラ、理詰めなど理不尽なことをされ続けたため、それらを回避する方法論や処世術として身につけているのです。
それが「反省したフリ」です。
とりあえず形式上でも謝れば、その場は取り繕うことができるし、モラ父が欲しい言葉はその反省の言葉だから、その反省の言葉が瞬発的に出る体質になっています。
これは、クレーム対応をしている人たちが機械的に「申し訳ありません」と言う体質と変わりません。
心からの反省ではなく、その場を乗り切るための処世術なのです。
被害者特有の「モラハラ耐性」と「性善説」
異常に高いモラハラ耐性
被害者体質の人に多いのは、モラハラに対する異常な耐性があることです。
普通の人なら、モラハラをされた時点で離婚を考えますが、被害者体質の人は幼少期から毒母からモラハラをされ続けたせいで、モラハラへの免疫・防御力が異常に高くなっています。
また、それくらいの耐性がないと、生きていけなかったという現実もあります。
根深い性善説の思考
心のどこかで相手への期待があり「この人は今はこんな悪いことをしているけど、いつか気づいて変わってくれるだろう」と思っています。
これは被害者の人間に対する希望的観測でもあります。
ドラマなどで言えば、常にハッピーエンドを望む感覚です。
希望への執着
現実は必ずしもハッピーエンドではなく、バッドエンドな人生を送った人も多数いるわけですが、本人が不遇な人生を歩んできたからこそ、「やはり人生には希望を持っていきたい」という願いが込められているのかもしれません。
加害者の変化を待つより、今できる現実的な対処へ
ここまでをまとめると、モラハラ加害者は反省しない、あるいは形式上の反省はするものの、その理由として発達障害またはパーソナリティ障害の傾向、グレーゾーンなどによって、脳の特性上できなかったり、認知が極端に歪みすぎて謝罪できなかったりという「頑張っても改善できない」という点を説明しました。
また、被害者の方は自他の境界線がない、もしくは乏しいため、そんな加害者に対して心からの反省や更生を期待してしまいます。
ただし、現実的には何も進展せず改善もされないため、ストレスが溜まる一方だという話をしました。
重要な視点の転換
ここで今一度考えて欲しいのですが、重要なのはモラ夫が反省や謝罪することではなく、あなたや大事なお子さんに対して現実的にモラハラ被害を減らすことではないでしょうか?
きっとモラハラで苦しみ、悩みを抱えながら、このブログを見つけてくださったのでしょう。
反省できない人に対して無駄な期待をするのではなく、現実的に目の前のモラハラ被害や攻撃を食い止めることにエネルギーを注力する方が生産的だと思うのです。
もっと自分にも優しくしてあげて欲しいなと我々は思います。
具体的な対処法について
モラハラ夫に対しての具体的な対処法は他の記事に詳しく書いておりますので、今回は対処法のリンクを貼っておきます。
参考にして頂ければと思います。
対処法のまとめ
【この記事を書いた人】
もーちゃん
モラハラ解決相談所リジェネ 副所長 | 元モラハラ加害者ASD夫|2015年〜妻と共にモラハラ被害者・加害者体質改善講座を運営|10年間で2500件超の相談解決実績 | 夫婦でモラハラを乗り越えた実体験者
経験と専門性
- 夫婦でモラハラの問題を克服した専門家
- ASD・ADHDの混合型診断済み
- モラハラ加害者としての更生を実現
- 週刊文春オンラインでの3記事の連載で加害者心理と更生過程を完全公開
臨床経験(2010年〜)
カウンセラーとして幅広い支援経験
- 公的機関での生活保護・生活困窮者自立支援
- 福祉施設での精神疾患・発達障害者支援
- うつ病の方の復職支援
- 元受刑者・薬物依存者への更生支援
- ひとり親・DV被害者相談
- 企業内パワハラ相談
- 自助グループ・セミナー開催
メディア掲載実績
新聞・雑誌掲載
- 週刊文春オンライン(2024年11月 3記事連載)
- 産経新聞(2021年9月)
- 神戸新聞 まいどなニュース(2021年3月)
- 中日新聞 ねぇねぇちょっと特別編(2021年12月)
- ウレぴあ総研 ハピママ(2023年7月 3記事掲載)
テレビ・ラジオ出演
- NHK「ほっと関西」(2021年11月出演)
- KBS京都「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」(2021年9月出演)
全国11媒体でモラハラ解決の専門家として紹介
モラハラの問題で苦しんでおられる方々の少しでも力になりたいと思っています。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回の内容が、あなたが抱えている問題解決の一助になれば幸いです。
モラハラで苦しんでいるあなたへ
私たち夫婦も、かつては離婚寸前まで追い込まれました。
しかし諦めずに夫婦で協力し、モラハラの問題と真正面から向き合い、解決することができました。
現在は幸せに暮らしています。
すぐに離婚だと諦めないでください。解決への道は必ずあります。
私たちがどのようにして危機を乗り越えたのか、被害者妻と加害者夫の両方の目線でリアルに書いています。
被害者の視点から学ぶ
もし「記事は理解できたけれど、うちの場合はどうすればいいのかわからない…」と感じているなら、一人で抱え込まず、ぜひ私たちにお話を聴かせてください。
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